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#595
2010.4.29

富山地鉄 17年ぶりに LRVサントラムを新製


富山市の中心部を走る富山地鉄市内線用にこのほど、新型のLRVサントラム1両を導入し、4月28日より営業運転に入った。当面は南富山駅前〜富山駅前間を1時間に1往復するが、線路の整備ができ次第、大学前まで運行区間を延ばす。
新車形式名はT100形。3連接LRVで、長さ16.3m、幅2.4m、床の高さは38cmで、豊橋鉄道のT1000形車と同形。アルナ工機製。
購入費は2億4000万円で、国、県、富山市より3/4を補助があった。

愛称は公募の結果ポートラム、セントラムに続く3番目のLRVの意味と太陽を意味するサンの意味を込めたSANTRAM(サントラム)が選ばれた。

地鉄南富山駅前で行われたテープカット
        (Photo:北国・富山新聞)
南富山駅前を出発するLRV:T100
          (Photo:中日新聞)

  富山市のLRT化実現の意欲は止まりませんね。



#594
2010.4.20

「路面電車を考える館」 200万アクセスカウント達成


山根政則の制作するホームページ路面電車を考える館を開設したのは1997年3月のことです。開設後13年めにしてアクセスカウントが200万カウントを達成しました。17日夜11時のことでした。アクセス推移を観察していました。夕刻から深夜にかけ大勢の方が刻々アクセスして下さっている様子を拝見し感動しました。ここまで来られたのは只々読者の皆さまと資料ご提供の皆さまのお陰と感謝しております。

考えてみますと、このホームページは13年前発足時のデザイン・体裁を全く変更せずそのまま保って参りました。その間かかる技法もフレーム形式、CSS形式が現れ、近年は別方式の情報伝達手段としてブログ、ミクシイ、ツイッターなども現れてきました。その中で当館はひたすら当初の基本HTML形式に、理解を助ける説明地図の自作と添付写真・イラストを重要視して加える、広告は入れない、コンスタントに発表するなど、様式は変えないこと、この方が読者の信頼・安心感をもたれると愚直に信じて一貫してやってきました。 が、これは私の独りよがり、努力不足、言い訳なのでしょう。多数の路面電車ホームページ作者の創意・工夫・熱情に敬意を払っている日常です。

昨年秋、朝日新聞にて制作者である館主の個人紹介記事が掲載されたりしまして、今では私の存在は公知のこととなったと判断し、これを機に制作者紹介ページを新設しました。併せてご覧頂ければ幸です。今後とも変わらぬご愛顧のほどお願い致します。


関連ページ: 新設:制作者紹介ページ 



#593
2010.4.15

川崎重工 SWIMO地球環境大賞受賞と輸出始動


2006年7月、川崎重工が車載用ニッケル・水素系電池を開発し、これをギガセルと名付けました。 これを開発中の新LRV車の座席の下に取付けてSWIMOと名付けたLRTを開発したとの情報に館主は接し、早速当館に掲載したものです。このSWIMOの未来性については多いに期待しまして、その後07年11月の製作公開、08年2月SWIMO−X 諸元三面図発表、08年7月のニューデザイン発表、08年11月のSWIMO工場見学記と逐一紹介を続けてきました。

そのSWIMOが嬉しいことに、温暖化の防止や環境保全活動に熱心に取り組む企業や団体を表彰する第19回地球環境大賞の受賞に輝きました。4月8日には東京にて授賞式があったようです。

川崎重工業社は既にアメリカのネブラスカ州リンカーン市において現地法人Kawasaki Manufacturing U.S.A の車両工場を経営し、最近は鉄道車両1000両生産の実績を達成しています。 アメリカ国ではLRTへの投資も始まっており、川重播磨工場に海外各国から視察もあるようです。同社では現在の試作車SWIMOが国内向け仕様の最高40km/hであるのを時速80km/h仕様に変更し、海外への輸出に力を向けるそうです。ともかく都市を走るSWIMOの実車姿を見たいものですね。


参考ニュース:川崎重工 SWIMO-X 画像・三面図と解説 (08/2)
   〃    :川崎重工 次世代LRV・SWIMOのニューデザイン (08/7)
   〃    :川崎重工 LRV・SWIMO工場見学記  (08/11)



#592
2010.4.9

富山市 LRT南北接続の計画策定開始


2006年2月富山ライトレールの駅前延伸が開業。昨年末には大手町ルートが運行開始し、いよいよ2014年度末の北陸新幹線開業を残すことになった。

現在のJR富山駅は地上設置型のため駅をへだて市の南北が切断されている。そこで富山市は本年度4月より、富山駅北口を発着する富山ライトレールと駅南側を通る富山地鉄の市内電車が相互に乗り入れする南北接続線の計画策定に本格的に乗り出す。南北接続は在来線の高架化が完成する2017年以降になる見込み。

本年度、富山市は路面電車の運行業者である富山ライトレール、富山地鉄を交え、富山ライトレールの車両の乗り入れ方向や、新電停の設置位置などについて協議を始める。富山南口の交通広場周辺では、広場を活かした軌道敷設や踏切、横断歩道の設置を検討する。軌道敷設などの整備費用も算定し、将来的には需要予測調査なども実施する予定。


イラスト:08/12富山駅景観デザイン検討委員会が提示した新駅南側と路面電車接続案

            関連ページ:新幹線駅デザイン案提示とLRT接続道路(08/12)



#591
2010.4.2

熊本市 新幹線新駅デザインと市電新電停


先日熊本駅で新幹線の線路結節式が行われたと報じられたが、来年3月の九州新幹線全線開業も着々進んでいる様子。熊本県はこのほどJR熊本駅の新駅舎と東口駅前広場について駅舎と広場の完成予想図を公開した。

駅舎は建築家の安藤忠雄氏が設計したが、熊本城の石垣と長塀をイメージしたデザイン。別途、駅前広場の上屋は空に浮かぶ雲のようにデザインは建築家・西沢立衛氏が設計。 新幹線ホームは完成したが、在来線駅の高架化が次ぎに控えているので、最終的に完成するのは2018年になる。 建設費は23億円で、国・県・熊本市・JRの4者で今後負担割合を決める。

路面電車の乗降場所は2ヶ所設けられ、従来の電停位置から20m南に寄った位置に駅から真っ直ぐ行ける上屋付のホームになる。これは市内から終点「田崎橋行き」電車の下り上り用の乗降場所になる。「熊本駅前行き」の電車は従来線かより引き込まれた新軌道に設けられた熊本駅前新電停を設け、専用上屋も新設し、折り返し市内行きの専用電停になる。(下の写真参照)

この雲の形をした上屋は現在工事中で軌道変更工事と並行し、まもなく実用される。

イラスト:路面電車の電停は上屋付で2ヶ所に増える  (Photo:朝日新聞)



#590
2010.3.25

藤沢市 いずみ野線 LRT新線計画再浮上


藤沢市では長い間、相模鉄道の横浜発いずみの線の終点湘南台からの鉄道新線延伸提案があったようで今日まで繋がっている。

近年、寒川町倉見地区に新幹線新駅を設置する構想が出現し、環境都市ツインシティ建設構想が持ち上がったことにより、2007年6月には藤沢市湘南台と寒川町倉見間を結ぶLRTによる延伸計画を推進することが発表された。

引き続き、県と藤沢市、相鉄間で検討を続けていた湘南台〜倉見地区までのLRT新線案は新幹線新駅設定を見定めてからとし、まずは湘南台から慶応大学湘南藤沢キャンパスまでの3.2kmを新線にて建設の検討開始を上記3者に加え慶応大学を加えて、(仮称) いずみ野線延伸の実現に向けた検討会を立ち上げることにした。県では新幹線新駅新設をにらみながら、倉見地区までの残り区間4.8kmの建設を引き続きめざしていく。

使用車種はいずみ野線の車種をそのまま使うか、LRTにするかは決まっていないが、前回の検討ではLRT案のみ黒字案となっていたので、今回も同じ結論となるのではなかろうか。


参考ニュース:神奈川県 ツインシティ建設構想にいずみ野線LRT延伸案 (07/6)



#589
10.3.18 ・

富山市 第10回全国路面電車サミット2010富山大会の行事内容


全国路面電車サミットも今度の富山大会にて10回目となりました。思えば1993年・第1回札幌大会より17年目。よくぞ途切れず継続できたものよと、各地区の開催当事者のご努力に敬服と感謝を致します。

しかも次回の開催地はLRTの積極的展開で話題の富山市です。討論を聴き、新設LRTの乗車体験をしてみて、進取性のエキスを吸収したいものです。

日 時・場 所 時   間 内    容
1日目
5月21日(金)
富山国際会議場
  メインホール
13:00〜17:30 1.開催県知事・市長挨拶
2.「LRTとまちづくりについての講演T」
   国土交通省鉄道局財務課 講演者調整中
3.富山市長講演 富山市長 森 雅志氏
4.LRTと街づくりについての講演U」
   国土交通省都市・地域都市・地域整備局
            都市計画課 講演者調整中
5.講演会 鉄道フォトライター 矢野直美さん
2日目
5月22日(土)
富山国際会議場
 午前:多目的会議室
 午後:メインホール
懇親会:多目的会議室

9:00〜11:50
1.全国路面電車愛好支援団体による活動報告
2.「サミット宣言」検討
3.「新会員加入・脱会の件」
4.「規約改正、次回開催の件」
5.路面電車愛好支援団体協議会代表者会議
  「全国路面電車支援団体協議会の意見交換会」
13:00〜16:45 6.第10回記念路面電車クイズ大会
7.お楽しみ抽選会
8.「路面電車百景」 映像上映
9.「徹底討論会」
  問題提起 同志社大学商学部教授
          (交通経済学専攻) 青木 真美氏
  コーディネーター 青木真美氏
  パネリスト
    鉄道フォトライター 矢野 直美氏
    ひたちなか海浜鉄道社長 吉田千秋氏
    枡田酒造店社長 枡田 隆一郎氏
    オフイス・タウンクリエイト 成田 眞利子氏
    富山県交通政策研究グループ 五十島恵子氏
  フロアーパネリスト
    全国路面電車支援団体協議会
    全国路面軌道連絡協議会
   ROBA・RACDA高岡
   公共交通とやま市民応援団など 
10. サミット宣言
17:30〜19:30 サミット歓迎懇親会 
会議場場所 :富山国際会議場 JR富山駅前から市内電車(セントラム)で約10分 国際会議場前電停下車

 関連イベント:

     ○21日 (12:00〜17:30) 22日(10:00〜16:45) 
       ・全国路面電車愛好支援団体ブース 3Fホワイエ
       ・富山県内路面電車事業者のブース 会議場エントランスホール
       ・路面電車Nゲージジオラマ展示     〃

     ○22日 協賛イベント越中大手市場 
            「富山の物産市」「飲食ブース」

 申込方法:「路面電車サミット2010富山大会の案内ページ」→ 「参加申し込み」をクリック

     過去の路面電車サミット記録集ページ:↓をご参照ください



#588
2010.3.13

浜松市 「浜松型次世代交通システム」提案発表会


 昨年は政令指定都市への移行に始まり、地域公共交通活性化法の施行、地域公共交通活性化推進議員連盟の設立など大きな変化があり、市民運動から始まった新交通システム導入は政治課題へと進展してきました。

 これにより、2017年の完成目標(団塊の世代が70歳を迎える年までに)も一段と実現性が高まってきました。

 そこで、大学と市民の協働による「都市交通デザイン研究会」をスタートし、4つのテーマを中心に、2年間をかけて実現を前提とした具体的・学術的な研究と提案を纏めました。これを4月に浜松市に提案するとともに推進議連と連携して実現をめざしていくことになりました。

  

 「浜松型次世代交通システム」 提案発表&公開討論
       〜誰もが容易に安全に移動できる都市に!〜


●日 時:2010年3月27日(土) 13:30〜18:00 

●場 所:静岡文化芸術大学講堂 静岡県浜松市中区中央二丁目1番1号  



 →浜松駅から会場:約1000m
      
  3/16追記写真↓
2009/5 浜松市当研究会が発表した2階建てLRTの模型と市内走行想定図
 
●研究会内容:
  • 研究発表 120分
    1) 研究会の目的と研究テーマについて
    2) 提案発表
       「浜松型次世代交通システム」の全容
        ・運輸連合による地域公共交通の活性化
        ・歩行者と自転車のまちづくり
        ・LRT車両・電停デザインとトータルデザイン
        ・新交通システム導入による環境改善計画効果

  • 公開討論 90分

  • 決意表明 15分
         柳川 樹一郎氏(地域公共交通活性化推進議員連盟会長

問い合わせと申込先: wbs02606@mail.wbs.ne.jp

●主催者と関連情報:
      
    都市交通デザイン研究会/地域交通活性化推進議員連盟
      事務局:浜松市南区東若林町 1220-5 (浜松市都市環境フォーラム内)
      代表:内田宏康
             TEL:053-448-7119 FAX:053-448-7164
             E-mail:wbs02606@mail.wbs.ne.jp

     関連ニュース: 浜松市都市交通デザイン研が2階建てLRTを提案 ←追記
     関連サイト  : 浜松都市環境フォーラム



#587
2010.3.9

函館市電 新LRVらっくる 3年ぶりに入庫


函館市電では待望のLRV車らっくる号1号が鳴り物入りで入荷、運転を開始したのは2007年3月、ちょうど3年を経過した。このたび函館市電には待望のLRV新車らっくる2号9602が本土よりトレーラに引かれて到着、無事入庫した。

この搬入に当たって函館市交通局は駒場車庫内にての搬入作業の撮影会を限定30名に限って公募した。このたび撮影会参加者の函館市中里氏より搬入作業風景の写真を得たのでご紹介。

大型のトレーラー数百キロの旅を終えた

早速パンタグラフを取付する

路面電車に連結され車庫に牽かれてゆく はい、車庫に収まりました  営業運転も間近

  参考ニュース:(2007年3月版)新LRTらっくる号 営業運転開始



#586 2010.3.6

堺市 阪堺線存続WGが存続検討提案書を市に提出


堺市では年間2億円の赤字で阪堺線の堺市内部分の存続か廃止が問題になっている。 この課題に対し、企業経営者や大学院生らで作る民間団体阪堺線存続検討ワーキンググループは阪堺線再生プラン提言書を堺市に提出した。阪堺線を廃止した場合、利用者の被る損害を年間4億8000万円と試算、年間2億円の赤字を上回る社会的価値がある」と主張している。(情報:毎日新聞)

  関係サイト:ワーキンググループの提出本文
 (提言書は本文、補足説明書、概要版、提出文書からなります)

  参考ニュース:堺市 LRT東西線計画中止を南海に申し入れ

     〃     「阪堺電車deワークショップ 阪堺電車存続の
             ための秘訣は?」(3/14)




#585 2010.3.2

広島市 新交通とJRとの交差地点に新駅設置


広島市は新交通システムアストラムラインJR山陽本線が交差する市中心部白島地区に乗換拠点として白島新駅を建設する方針を固めた。2010年度に実施設計を進め、11年度に駅舎などの建設に入り、2013年度末に完成する見込み。

アストラムラインは市中心部本通りから北西に延び、広域公園前まで18.4kmを結ぶ。地域住民からはかねてよりアストラムラインとJR山陽線との結合をし広島駅や宮島線方向への利便性を求める声は続いていた。

計画では高架を走るJR山陽線と半地下にあるアストラムとにそれぞれ駅舎を建設。改札同士は120mの連絡通路を設けるもの。概算事業費は57億円。関係事業者はアストラムラインを経営する第三セクター広島高速交通、JR西日本、広島市となる。建設費の負担は広島市と国交省が大部分を負担することになろう。

アストラム・JR山陽線・広島電鉄線の関連交通図

館主私見:
アストラムと山陽線は交差しており、両者の結合は長年の課題であったし、アストラム利用者には朗報である。 観察するに、この交差場所は地図上では交点であるが、両者は3次元的には高架と半地下とを結ぶ場所にあり、乗換にはエレベータや長い歩行路を要し、課題も考えられよう。ともかく結節点新設は市民的には好事であるが、並行して走る可部線や広島電鉄、並行バス会社への収支にも若干は影響を与えることも考えられる。