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#606
2010.7.14

堺市 阪堺電車存続 南海電鉄社長が意欲表明


堺市の竹山市長は昨年9月「堺市のLRT東西線計画は撤回」を表明しての当選であった。その結果、親会社の南海電鉄としては、LRT結節による乗客増を想定しての阪堺線経営であったので、「LRT建設案中止に対応し阪堺線の堺市部分の運転を中止する」との反応があった。新市長就任後は実情の重大性を市民提案などで認識し、先日は堺市長から南海電鉄社長に対し、「設備の維持改良・運賃補助などに『今後10年間で総額約50億円の支援』を条件に存続を計りたい」との申し出が行われた。(当館7/4報告)

この提案に対し南海電鉄亘社長は9日、「赤字が続く阪堺線の堺市区間(我孫子道〜浜寺駅間)に対する市の総額50億円の支援策を評価し、何とか存続に向けてがんばりたい」との見解を表示した。

ただ、阪堺線の堺市区間は乗客がピーク時の半分以下に落ち込み、年間2億円以上営業赤字が続く。亘社長は「補助だけで年間の赤字補填はできず、民間の営利事業としてできる限度を超えている」とし、今後、堺市と詳細をつめる。市議会での議論の行方を待って、9月末に存続意向を正式に伝える方針を明らかにした。

阪堺線南霞町駅にて
車体前には「帝塚山音楽祭」の吊り広告が
館主私見:真の市民利益のために LRT東西線計画も含めた再検討は
       できないものだろうか?


 関連ニュース:堺市阪堺電車存続のため 市が50億円支援案 (7/4)



#605
2010.7.8

沖縄 沖縄本島中南部にLRT6路線新設を提言


沖縄の都市交通といえば那覇空港を起点とする沖縄都市モノレール社のゆいレールがすぐ連想される。 このたび市民や有識者で構成するトラムで未来をつくる会の富本実代表らが県庁で記者会見し、現在のゆいレールを大拡張する形の路線案や採算性などをまとめたLRT導入基本計画案を発表した。案は今後県や自治体に実現を推進していく考え。

同会の計画は「旭橋〜嘉手納町」「旭橋〜与那原」など、ほぼ戦前の軽便鉄道の路線に近いルートを含む6路線。「旭橋〜与那原」(路線延長11・5キロ)では、総事業費193億5549万円となっている。

会見には、都市政策に詳しい照屋寛之沖縄国際大教授、環境問題に詳しい堤純一郎琉球大教授も出席。

照屋教授は「沖縄は観光立県だと声高に言うが、肝心の移動手段がしっかりと確保されていない。高齢者が移動する権利(交通権)も不十分だ。渋滞が起きるたびに、いたちごっこで道を造り続けてきたが、今の車社会のままで沖縄の持続的発展は厳しい」と強調。また二酸化炭素削減という環境面からもLRT導入の意義の説明があった。

(本文と説明図:沖縄タイムスより)

館主感想:
水を差すようですけど、那覇市にて既に活動中のゆいレールは2003年に開業して立派に基幹交通の役目を果たしています。特に観光客にとっては判りやすい交通機関です。 

概観するに現在のいろいろの都市に重要な役目を果たしている地下鉄とモノレールですが、その高い建設費のため建設費償却が難点となって大きな赤字となり経営を苦しめているようです。私がLRT建設活動を推進する動機にはLRTの建設・運用費が地下鉄・モノレールに比し断然小さく済むことを重視していることにあります。

このたびの6路線新設案は負担の少ないLRT路線を提示しており、願わくはこの6路線案のうちどこか1線でも実現して欲しいと願う次第です。



#604
2010.7.4

堺市 阪堺電車存続のため 市が50億円支援案


あれだけ実現性の濃かった堺市LRT東西線建設案が、昨年9月に行われた市長選挙で市長が交代により白紙撤回された。その結果竹山新市長は1/22阪堺線の親会社である南海電鉄を訪れ、LRT東西線計画の中止を正式に申し出た。この申し出は、今まで阪堺線(大阪市恵美須町〜堺市浜寺駅前間14.1km)のうち堺市区間(7.9km)は慢性的赤字であり、LRT東西線と結節後は両者一体運用による健全化が前提として考えられていたようで、東西線案の廃止は阪堺線堺市区間の廃止にもなりかねない意味を持つ。

然し市長は同時に「阪堺線の存続のために検討委員会を立ち上げ、南海や阪堺からも意見を十分聞いたうえで、有識者や市民の代表の声も参考にして1年間くらい討議をする」と表明していた。

竹山市長は6/30、阪堺電気軌道の山本拓郎社長らと市役所内で会談し、廃線の危機に直面している堺市内区間(7.9キロ)について存続を支援する協議案を同社と親会社の南海電鉄に提示した。即ち設備の維持改良・運賃補助などに今後10年間で総額約50億円の支援をすることが骨子。

@施設の保守や、大阪市内まで290円の運賃を全線200円に値下げすることなどに対し、市は年2億円を上限に今後10年間支援する ALRT車両やICカードの導入、バリアフリー停留所の増設などに今後10年間で30億円投入する方針。財源には、国の補助金や市民の寄付も充てたい。

また、阪堺側が強く要望していた、市が施設や車両を買い取り阪堺電軌が運営する「公有民営化」についても、これまでの慎重姿勢を転換して協議に応じる考えを示した。
館主が乗車した708号車。かなり広告が率直



#603
2010.6.23

TV放映 鉄道百景・路面電車の走る街 BS−TBS


先々週、たまたま発見しましたテレビの新番組 鉄道百景・路面電車の走る街の放映開始を知りました。当日は鹿児島市電の記事でしたが、早速6/9のトップページに、開始のご案内を小さく掲載し1週間後には削除しました。

ところで、その1週間後第2回の 「富山・新旧同居する路面電車」 も出来が良いと思いましたので、本日は本格的な一見お勧め番組として本文にご紹介することにしました。特徴は、単なる路面電車・LRTの走行する姿の描写ではなくて、路面電車が根付いている街の風物・歴史・食に訪問者が接し、ご紹介することに重点があるようにも見えました。これが気に入りました。

毎週放映されますが、時間帯が微妙なので、どうぞ録画もご活用下さいませ。 訪問者は毎回変わり、本編では映画監督 古厩智之氏でした。


  BS−TBS 鉄道百景・路面電車の走る街 毎週(水)19:00〜19:54
             (6/23は 鹿児島・ちんちん電車)

冒頭の紹介部分。 富山ライトレールのポートラムを背景に、簡単な路線図を付けて視聴の助けとしています。 富山といえば越中富山の薬売り。中心部にある大老舗廣貫堂はクスリ博物館が併設されています。 電停広貫堂前下車
これは昔江戸城にて大名参集の節、他藩大名の発作を見て富山城主がとっさにクスリを飲ませ服用したところ、直ちに快癒。これにて各国に薬は富山が一気に広まったという起源説明の城中模型。
珈琲駅ブルートレイン 安野屋電停下車
店内はクロスシート電車内内装で、カウンター背後には地鉄市内線はもちろん、全国の新旧の路面電車の模型が飾ってある。全部店主の手作り。背後下部には路面電車線路を模型電車が走る。
富山市には何度も行ったけれど、この店の存在は知らなかった!残念! 次回には絶対尋ねてみよう。 (._.)φメモメモ
今回はブログ的に告白すると、館主は昔から登山好き。 富山市に行く楽しみは、市の背後にすぐ手が届くように、北アルプスの連山が望見できることがあります。
昔登った立山と剣岳、懐かしくて山名と標高を書き足しました。 頂上から望んだ能登半島、富山湾と富山市の景色は忘れられません。(^_^)



#602
2010.6.17

函館市ほか日本各地で 2010年 路面電車まつり 開催


6月10日は路面電車の日である。この日を中心に札幌市、函館市、東京都、高岡市、阪堺電車、岡山市、広島市など日本各地にて路面電車まつりの行事が行われた。

このまつりの起源は、第2回路面電車サミット1995 in 広島にて 市民に路面電車の魅力を広く知って頂くために、6月10日を中心に前後の休日にて全国一斉に路面電車まつりを開きたいとして始めたもの。第1回は1997年6月に開かれた。その後毎年挙行され今年は第14回目にあたる。

    関連記事:第2回路面電車サミット '95 in 広島
          ・・10/12(木) 5.議題2:路面電車の日制定にむけて

札幌市電では例年通り原色車両数台に路面電車の日のキャッチ用語を窓に貼った車両を運行しています。
この電車には 6月10日は路面電車の日 環境にやさしい市電をご利用ください のコピーが貼り付けられています。                      (photoとも:札幌市宮崎さん)

函館市電では6/5(土)、6/6(日)の両日、まちづくりセンターにて記念一日乗車券の発売、非売品の市電ペーパークラフト製作コーナーや、RACDA岡山提供の世界のLRTビデオ放映などが行われました。会場入口では交通局がトミーテック社と製作した「鉄道むすめ」キャラクター、柏木ゆの(ハイカラ号車掌)と松風かれん(市電運転士)の等身大パネルが出迎えます。

中でも特筆されるのは、地元の函館高専の生徒さんたちが製作した市電運転シミュレーターで、現在の全線区が実写映像で運転できるのはもちろん、なんと、たびたび延伸構想が語られる度に俎上に上げられる、五稜郭公園前-美原地区(函館市北部の郊外市街地)の仮想路線の運転を実現。早朝に自動車から撮影した映像を活用して用いていました。

写真の左は路面電車の日は均一料金の広告が。右は車内吊り下げ広告にて路面電車の日の記念1日乗車券発売をPR              (Photoとも:函館市中里さん)

東京都電荒川線では路面電車の日を記念して、都電荒川線と阪堺電気軌道とでは「PR相互乗り入れ」と称して、それぞれの電車に相手方のボディカラーを施した車両が登場、「PR相互乗り入れ」記念出発式を挙行して営業入りしました。          (Photoとも:堀切さん)

高岡市の万葉線では名物ねこ電車を使用して運転体験が行われました。参加者は社員の手ほどきを受けながらコントローラーを操作して、構内の線路50mを往復します。 (Photo:中日新聞)

大阪市住吉区の阪堺電車あびこ道車庫にて路面電車まつりが開かれました。まつりでは車内見学やミニSLの試乗などのイベントが催されました。参加者は電車ファンや親子連れなの6000人で賑わったのです。                             (photo:産経新聞)

広島電鉄第15回路面電車電車まつりは6/6行われ、来場者は例年通り18,000人でした。
左:本社ビル屋上より写した会場全景。右:これも人気。 Green Mover ミニ電車とこどもたち。
                                  (Photo:広島電鉄)



#601
2010.6.10

富山市 市内電車と地鉄上滝線との接続を提案


富山市は富山地方鉄道の将来の方針として上滝(かみだき)線の望ましい運行形態など盛り込んだ上滝線活性化基本政策を発表した。

計画によると
  • 現在の運行を維持したうえで、市中心部を走るLRTが地鉄南富山駅にて上滝線に乗り入れる
  • 市内線は電圧が600V、上滝線は電圧が1500Vと異なるため、両方に対応できる複電圧の低床LRT車4編成を新たに導入する。
  • 乗り入れとは別に、新駅を地鉄上滝線(南富山〜岩峅寺・いわくらじ)に2ヶ所、不二越線(富山駅〜南富山)に1ヶ所新設し、乗客増に充てる。
この計画によると投資額は25.7億円。 償却費等の負担で年間5千万円の赤字になるが、市内電車の乗り入れで中心市街地へのアクセスが向上し、1.38倍の利用者増を見込まれる。

館主意見:
 この案を見て真っ先に連想したのは、1963年に広島電鉄が実行した、広電市内線(600V軌道)と宮島線(600V鉄道)を西広島駅にて直結し、広島駅〜広電宮島間の鉄軌道直通運転を開始したことです。この直通乗入れを契機として、その後続々と連接車・LRTの増設運行を計り、広電の収入増・黒字化に貢献したのは勿論、市中心部商店街の来客増と繁栄、宮島沿線住宅地の建築増と地価上昇という相乗的効果が多大でした。両市は電圧など若干条件が相違しますが、長期的にはやってよかったということになるのではないでしょうか。   さすが富山市ですね。



#600
2010.6.3

富山市 新幹線駅建設開始でLRT南北線接続線始動


LRT先進都市富山市では既に、市北部の富山ライトレールが順調に営業運転を行っており、昨年末には南の都心では富山地鉄市内線に加え、大手町環状線化を完成した。次の課題は北部の市民が都心でのお買い物や観光客が便利になり、LRTの効用を高め、市に活気を与えるライトレール線と地鉄市内線との南北結合であった。

南北結合の期待に合わせるように、この5/29に2014年度末に開業予定の北陸新幹線の富山駅高架橋工事の安全祈願式がJR富山駅構内で執り行われた。

工事は駅舎部分の491mを含む全長1.35kmの高架工事。駅舎部分は幅が最大38m、高さが13m。この下をLRTはくぐり抜けることになる。新幹線高架工事完成は2012年9月の予定。建設費は59億円。

新幹線駅建設に引き続き在来線も高架化する。それに合わせて2017年度以降に接続線は建設され、電停も新設されるという手順になり、全体計画が完成する。

工事の安全を祈り、ササに鎌を入れる石井知事(右から二人目)ら



#599
2010.5.27

広島市 広島電鉄が 「駅前大橋線」 新設へ


広島電鉄は5/12、広島駅前通りを利用して広島電鉄広島駅と稲荷町電停を結ぶ短絡新路線 駅前大橋線 を2016年〜17年の運行開始をめざし始動するとの考えを表明した。

広島市は本年度予算にて、JR広島駅南口広場再整備の調査費約545万円を計上している。広島電鉄は広場再整備に合わせ、線路やホームを改修する計画。即ち広島駅〜稲荷町間の駅前通り約0.5kmに線路を敷設し、ルートを変更する案を発表した。効果予測では現行の的場町経由に比べて約3分の短縮が見込める。

広島電鉄常務越智秀信氏から「早期実現を計るが、更に駅南口広場の再整備に合わせ、広場内のホームを増やしたい」との発言があった。

駅前大橋線は中国地方交通審議会広島県支部が2002年、整備を中国運輸局長に答申した。だが駅前広場の再整備の見通しが立たず、計画は進んでいなかった。

館主も意見と提案が:
 現行の広島駅〜的場町の線路は戦前からの幅の狭い道路の軌道がそのまま使われておりネックとなっています。それが、電車があけぼの通りに出て荒神橋を渡るときいきなり近代的道路に出るものだから、新旧のギャップ・違和感が強いのです。これは始めて来広する旅行者やいつも利用する市民にとって「広電本線の電車が遅い」という悪印象を与えると元凶と嘆いていました。広島電鉄本線を今の的場町経由から駅前大橋経由に切り替えることは、時間短縮の面もりますが、この悪印象も払拭される、この心理的効果も加算すべきでしょう。

もう一つ。かねてより「広島LRT研究会」が提案していた新広島球場への広島駅からの単線式ループ線の下記新設案。 もしこのループ線案が採用されれば、暑いさなかを広島駅から新球場に十数分かけて通うカープファンから、絶対的支持がありましょう。この大機会を逃さず、広島駅南口広場再整備検討に際してはぜひ当案を検討されるよう熱望します。

関連ページ:新球場へ公共交通LRTを



#598
2010.5.18

堺市 阪堺電車にて 被爆電車を劇で追体験


1945年、広島に原爆が投下されたとき、路面電車を運転していた女学生たちがいた。戦時中、男たちが出征したあと労働力を補う目的で設立された家政女学校。学業と勤労を兼務した学校だったが、戦火が激しくなると終日勤務に。しかし戦後、男たちが復員して来るため職を追われ、女学校は廃校となる。原爆投下の廃墟を生き抜き、自らも傷つき、瀕死の仲間たちを看病しながら、電車の復旧に尽くした女学生たち・・・

2010年、走るチンチン電車の中で65年前の女学生たちの物語に出会ってほしい。過去の物語ではなく、いまだ核兵器を廃絶できない私たちの物語として。

そんな物語「桃の実」が全国8都市の路面電車内で公演されます。東京では5/16、22、23と上演。その後、毎週末に関西、鹿児島、高知、愛知、札幌、広島と巡演し、7月10、11日の長崎まで続けます。関西では今、ホットな阪堺電車で公演されます。
2007年に長崎市であった公演の様子

●阪堺電車公演の詳細
  • 日 時:5月29日(土)、30日(日) (各日2回公演 11時発+15時発)
  • 乗車場所と区間:天王寺発〜浜寺駅前着
    JR天王寺駅と近鉄阿部野橋を結ぶ歩道  橋の下、谷町筋の中に乗り場があります。
    地下街からは地下鉄御堂筋線・谷町線の出口11
    電車運行の都合上発車15分前までにお越し下さい
  • 問い合わせ・予約先: 松本工房 TEL06-64537600
                          FAX0664537601
●ミュージカル「チンチン電車と女学生」 大阪6月公演 広島7月公演
       詳細は:http://www.stage21.tv/chinchindensha2010a.html

被爆者の館主より:
 館主山根政則は1945年8月当時は中学2年生。当日広島駅付近(2km)にて被爆し、顔・手・背中に火傷を負いました。その後全治しまして、東京にて40年間働き広島市にUターン。先年広島市より当地宝塚市に引っ越すまでは強い反戦の心から語り部を務めたりしました。
思い返すと家政女学校生徒の運転する電車にも当時乗車しました。そういうことで惨劇を演じ反戦を訴える劇団の活動には、今も敬意を表しています。



#597
2010.5.13

岡山市 両備グループが市に
     次期交通体系を公有民営方式にて提言


岡山都市圏にてバスや路面電車を運行する両備グループは6日、今後の岡山市内の公共交通体系構想を高谷市長に提言した。LRTを活用した路面電車の延伸・環状化、電気や液化天然ガスで走る環境対応型バス導入を柱に高齢化と環境保全への対応を図る内容。公有民営方式での実現を目指し、市に財源確保と新交通体系構築に向けた事業主体になるよう求めた。
  • LRTに関しては、JR岡山駅乗り入れ(1〜2年以内、事業費4億円)
  • 路線を岡山駅―市役所―岡山大病院―清輝橋に延伸して環状化(2〜3年以内、車両購入費を含み同50億円)
  • 駅西口に延伸(3〜4年以内、同10億円)
と目標年や事業費を挙げている。

 この日、市長に提言書を手渡した同グループの小嶋光信代表は「(環状化などで)市中心部にある3商店街の回遊性が向上する。商圏人口は60万人から140万人に拡大し、第3次産業に年間1000億円以上の経済波及効果が期待できる」と強調した。市長は「市の将来を考えた交通施策とまちづくりに向け、研究し、参考にしていきたい」と述べた


館主の連想:
今まで市民団体から同様の提案が出ていたが、今回の岡山市へ両備グループからの提案は先年貴志川線再生と経営引受の提案者というセンセーショナル実績が連想され、実現性への道筋・自信があったかと思われて、実現性についての重みと期待性とを感じます。



#596
2010.5.5

鹿児島市電 世界初の芝刈り電車・散水電車 運用開始


南国の鹿児島市はヒートアイランド対策と都市景観の象徴的な事業として軌道敷緑化を実施しており、中洲電停交差点から鹿児島駅までの区間、高見馬場交差点から荒田交差点付近までの区間、道路延長にして約4,760m、芝生面積で約18,000uが2010年3月末に完成している。平成24年度末までに道路との残りの併用区間を整備し、完成すると道路延長にして約8,900m、芝生面積で約30,000uの芝生が生み出され、潤いと安らぎのある都市空間が創出される。

その効果は晴天時では軌道上は17〜18℃気温が下がるとの報告が広島LRT都市サミットにてあったほどである。

 2010年3月、市は今後の緑化軌道敷の維持管理費をの縮減や作業の効率化を図る目的で芝刈り・散水電車を製作し完成した。

 芝刈り・散水電車は、旧い電車を改造し、後ろに芝刈り装置を連結して引っ張る方式。電車には貯水量6トンのタンクを設置し、芝刈りをしないときには走りながら散水も行う。

いよいよ5月から運用を開始するが、芝刈専用車としては世界初になるはず

鹿児島市都心部はすっかり芝生化された。走るのは最新型の連接式LRVユートラムU

撒水電車
レトロな500形車両の室内に6トンタンクを、前後に
散水用ノズルを装備、右図の芝刈装置車を連結し
牽引できる。
芝刈装置車
廃電車の台車に草刈り刃や油圧ポンプ、吸引・回収
装置、照明などを装備。敷水電車に牽引され、走り
ながら芝を刈る。