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#615
2010.9.22

新潟市 新交通網の検討委員会発足


新潟市は、中心部でバスに代わる公共交通システムの整備を検討する、新たな交通システム導入検討委員会をこのたび発足させた。

メンバーは都市交通・経済などの専門家や国、県の職員ら20人がメンバーとなり、来年3月までに一定の方向性を出す方針である。

導入必要性の根拠は、バスが過密状態で、バス停の多すぎやダイヤ通りの運行阻害、CO2環境対策、中心市街地の活性化等々。昨年度には市職員がLRT化が進んだ富山市やフランス/ナント市の先進的交通網などを視察し調査を行った。

市は市内交通量などを考慮し・・・
  1. 次世代型バス(BRT) 予算規模70億〜110億円
  2. LRT             〃  280億〜520億円
  3. 小型モノレール      〃  710億〜1230億円
の3案に絞った。

コースは新潟駅から古町地区を経由し、市役所、県庁、市民病院を結ぶルートを想定している。

       新潟市ホームページ:新たな交通システム導入検討委員会


新潟市を歩いてみての市内交通は、特に中心部がバスなどで混雑し、市民も「なんとかして」と悲鳴を上げ続けているのではないでしょうか? それを受けて過去にも2001年には商工会議所が4線にものぼるLRTプランを発表しました。2005年には政令指定都市の前準備として県と市で市中心部LRT敷設案を発表。しかしどちらも音沙汰のないまま過ぎましたが、今回は前の県・市案を基にLRTに限らず3つのパターンに絞り、専門家も集めて検討することにしたようです。 最近はどこの都市も建設費が苦しい中での新潟市の取り組み発表ですから、市の本気度が上がっているのでしょうね。来年3月の発表を期待しましょう。

  関連ニュース:新潟市商工会議所LRTプラン (2001/7l)  
     〃    :政令都市を目指しLRT敷設案 (2005/4) 



#613
2010.9.10

富山市 太陽光発電利用のエコ電車が登場


富山市内を走る富山ライトレールのポートラム5号車と富山地鉄のサントラムを一台ずつ使用して、太陽光発電を利用したグリーントラムが運行を開始した。

車両には緑色の車体に木々や太陽が描かれ、環境に優しいことをPRしている。

電力は市内220世帯に設置された太陽光発電による電力を、市が1KWh7円で買い取り、証書にする。それを両社が買い取り、二つの車両に使用して電力の一部をまかなう。

富山市が実施するチーム富山市フェアが8/28から開催されたが、両社はこれに協賛し、環境メッセージを発信することにしたもの。 
 実施期間は8/26〜9/30まで 

富山市内を走行するグリーントラム                    (Photo:中日新聞) 車体には Green Ticket
1日乗車 600円のロゴがある

相変わらず富山市はやること・アイデアが先進的でスマートですね。
ヨーロッパでは、政府の政策により太陽光発電電力を電力会社に買い取らせ、市民に配電しているのが常識になりました。日本政府は無策。そのため、かってわが国は太陽光発電量は世界一だったけど、今は見る影もない。技術は頑張っているようですけど・・・。森市長はささやかでも、これで政府にグリーン発電へのハッパを掛けているのではないでしょうか。



#612
2010.9.2

大分市 経済団体がトランジットモールやLRTなどを提言


大分経済同友会は、大分市中心部の中央通りにLRTを走らせることを柱にした提言書 県都大分の交通体系について をまとめ、市長に提出した。高齢化の進展に伴い、公共交通機関を充実させることが不可欠だと指摘している。

提言書内容は
  • 中央通りをトランジットモール化し、LRT・バスタクシー・歩行者専用にする
  • LRTを視野に入れた都市交通システムの構築
  • 大分駅前の国道10号線は中央道り下をアンダパス化する
の3点を実施して、徒歩で回遊できる魅力的な都心街づくりを実現させる という構想で、「10年後以降の将来像」として示した。提言書は同友会が08年以降に市や大分商工会議所、地元商店街と意見交換をしたうえでまとめた。

市長は「私が思い描く街づくりと重なる点が多い。市民にも大いに議論してもらいたい」と意見を述べた。
公共交通と歩行者の専用道路となった中央通りのCG。
このようにLRTの整備することを提言。
                  (Photo:大分合同新聞)

館主感想:
大分市について路面電車のニュースは聞いた覚えがありませんが、これは良いニュースですね。(^_^)
特にこの提言に至る過程にて、提案者は市長、商工会議所や地元商店街と事前に話し合いを続けた後に提案書を纏めたことと、「実現は10年先」と腰を落としての慎重さが思慮深いと思いました。



#611
2010.8.28

東京豊島区 「LRTを考えるフォーラム」 開催


LRT等の交通システムを導入は、高齢者や障害者も利用しやすく街中の賑わいを高める人と環境にやさしい移動手段として、このようなニーズを実現させる方策として非常に有望と考えられます。しかし、欧米の各都市でLRTの導入が進む一方、日本では多数の都市で導入の動きはあるものの、実際に具現化したのは富山市のみとなっているのが現状です。その富山市では、高齢者の外出が増え、LRT沿線の住宅着工数が増加するなど、市民の生活や都市構造の変化が早くも観測されてきています。また、昨年末には中心市街地に環状線(セントラム)が開通、さらに既存鉄道の上滝線のLRT化の検討も開始されています。市民の合意プロセス、交通事業者の確保、事業の経済性等の課題が指摘されるなか、富山市の取り組みの舞台裏を詳細に探り、その成功要因を紐解くことは、今後、LRTまちづくりを各地で実現させるために欠かせないのではないでしょうか。全国から、明日の交通まちづくりを真剣に考える、行政、市民団体、企業、学識者等が一同に集うこの大会にぜひご参加下さい。

  

 「LRTの導入による都市の再生を考えるフォーラム」


●日 時:2010年9月4日(土) 13:30〜17:00  

●場 所:豊島区立南大塚ホール 東京都豊島区南大塚2-36-1
                        (03-3946-4301)      
 
●フォーラム概要:
 (1)パネルディスカッション  徹底検証「富山ライトレール」の足跡      
  • 計画立案から開業までの取り組みを詳細に辿り、必要な手続きのみならず、課題をいかに克服してきたか?どのような工夫があったのか?富山市のLRTの実現に携わった関係者の方々を迎え、そのプロセスを徹底検証します。
   パネリスト
      望月明彦氏  (国土交通省 都市・地域整備局)
      宮沢功氏   (CORO環境デザイン研究室)
      室哲雄氏   (富山市都市整備部)

   コーディネーター
      宇都宮浄人氏(エコノミスト)
 
 (2) LRTと都市の再生を考える市民フォーラム
  • 富山市の事例をもとに、LRT等の導入による新たな交通まちづくりを如何に進めるか?そのポイントや戦略を学識者、民間専門家、市民代表等の方々とともに考えます
   パネリスト
      原田昇氏   (東京大学大学院工学系研究科教授)
      松田暢夫氏 (新潟市都市政策部)
      市川嘉一氏 (日本経済新聞社産業地域研究所)

   コーディネーター
      百武ひろ子氏(プロセスデザイン研究所)

   司会 史絵.(鉄道ジャーナリスト)

主催者:交通まちづくりの広場(人と環境にやさしい交通をめざす協議会)
          
(交通まちづくりの広場HP)
●共催:池袋の路面電車とまちづくりの会
●後援:国土交通省
     社団法人日本交通計画協会
     豊島区
     財団法人としま未来文化財団

●資料代:
 2,000円
   
交流会: 【場 所】場所:大塚駅前 ホテルベルクラシック東京
        【時 間】18:30〜
        【参加費】4,000円
        【参加申し込み】事前申し込みをお願いします
           お名前、会社名、電話番号を記載の上こちらからお申込みください
           お申込み先はこちら
問い合わせ: こちら



#610
2010.8.25

富山ライトレール ポートラムに女性アテンダント


LRVポートラムを運営する富山ライトレールでは、乗客へのサービス向上を目指し、国の緊急雇用対策事業を活用して24〜31歳の女性を採用。平日16便、休日15便に1人ずつ乗り込み、高齢者や障害者の乗降を助けたり、乗車券の利用法を説明したりする。イベント参加なのでポートラムや富山市の観光PRにも一役買う。

アテンダント乗務は来年3月末までの予定だが、好評なら延長も検討する。

森市長と談笑するアテンダント                            (Photo:読売新聞) 乗車開始を記念し、うちわ形の1日乗車券を乗客に配る     (Photo:中日新聞)

電車乗務のアテンダントと言えばすぐに連想されるのはえちぜん鉄道。京福電鉄から分離した同社は、再建の華としてアテンダント制を採用しました。彼女たちは華やかな制服でも気が付くように、いわゆる車掌さんではなく、車両ドアの開閉作業は行いません。これは運転手のお仕事。彼女たちは乗車する乗客を丁寧にお辞儀をして迎えます。行き先の案内をし、車内でのキップ補充販売もしますが、これらは親しみを以て乗れる電車を実現しているのです。 路面電車業界ではまだ実現していないのではないでしょうか。

えちぜん鉄道のアテンダントは好評さくさくで、その優雅な勤務振りが動画でたくさん公開されているという人気振り。 アイデアの富山ライトレールのことですから、この辺をヒントに、国の助成策と結びつけて実行されたのではないでしょうか? これは富山市のPR→好評判→乗客増という図式で定着するのではないでしょうか。



#610
2010.8.20

堺市 「阪堺電車活性化フォーラム」 開催


今年阪堺線の堺市部分の存廃に関連し親会社の南海電鉄と堺市の間に厳しいやりとりがあり、堺市長から今後10年間で50億円の支援の意向が示されひとまず存続の方向が示され、検討中である。

然し、案の細部はまだまだ未解決で、市は市議会や市民の意見を参考に相当時間を掛けて煮詰めるようである。

この動きを受け、打てば響くように市民側でも各界から広く市民有志を結合し、阪堺線存続検討ワーキンググループが結成された。早速第1回の阪堺電車活性化フォーラムが開催される運びになった。

  

 「阪堺電車活性化フォーラム」 開催案内


●日 時:2010年8月28日(土) 14:00〜17:00  (受付は13時半より)

●場 所:堺刃物伝統産業会館(刃物会館) 堺市材木町西1丁1番30号
            (阪堺線「妙国寺前」下車 南西へ徒歩3分)
      
大阪市との境界/大和川を渡る阪堺電車     開催場所 案内地図
 
●フォーラム概要:
 (1)基調講演  水内俊雄  大阪市立大学都市研究プラザ 教授 

 (2)特別講演  山田純範  大阪府簡易宿所環境衛生同業組合 理事長  
             山田理事長は、阪堺線沿線で外国人旅行者をターゲットとした宿泊事業を
             広く展開されています。

 (3)フォーラム  大阪産業大学 塚本直幸教授のコーディネートのもと、様々な立場の
            方々に議論をしていただきます。  
     <参加予定者>
        水内俊雄、 山田純範、 福井隆一郎
        中川 元   大阪弁護士会(公害対策環境保全委員会所属)
        高井道弘   住吉大社 権宮司
        村井康夫   大阪府商店振興組合連合会 副会長
        古川繁浩   堺エコネットワーク協議会 会長
        山下雅洋   雅祥会(住吉)代表
        渡海奈槻   大阪にLRTを走らせる会 代表
        福田久美子  都市公園住吉公園指定管理共同体 代表
        堀田淳一   堺国際交流芸術家連盟  事務局長
        阪木道生   自由都市堺・町衆会議 事務局長
        竹本圭一郎  堺高石青年会議所前理事長
        原田憲一   山之口商店街振興組合 理事長       (敬称略・順不同)
            ・参加者はご都合により変更される場合があります。

参加方法:
   (1)メールまたはFAXで、裏面の申込用紙の書式にて、お申込ください。
      〆切は8月25日(水)です。
   (2)参加協力金  300円(含 資料代)、ただし、当日、ご利用の阪堺線フリー切符、
       定期券をご提示いただいた方は、割引料金(100円)でご入場いただけます。
       ※阪堺線フリー切符(てくてくキップ、まん福チケット、のんびりおでかけん、
         堺都心フリー等)

参加申込先: メールアドレス: hankai_saisei@yahoo.co.jp 
            FAX:072-227-0002(福井)
    
主催者: 阪堺線存続検討ワーキンググループ  (代表:福井 隆一郎)

     関連ニュース: 堺市 阪堺電車存続 南海電鉄社長が意欲表明

館主意見:
 現市長は当初、ただ「LRT不用」としか発言していませんでしたが、現在は反対の多い大小路のLRTに異論を唱えるのみとなっています。
各層市民達もこれにて初心に帰り、自分の目で考え、討議し、提案する原点に帰ったことになりましょう。 このフォーラム開催も雨降って地固まる役割。よしとすべきでしょう。今や堺市の路面電車課題は日本で最も関心を持たれている路面電車テーマになったようですね。


#609
2010.8.4

近畿車輛 リチウムイオン電池式LRV試作車発表


近畿車両は22日リチウムイオン電池式LRV試作車を製作し、このほど公開を行った。
  • 試作車形式 LFX-300
  • 試作車は3両編成 全長20m、巾2.65m、高さ3.8m
  • 構成は、先年近畿車輛/三菱三原/東洋電機より納入した広電5100形Green Mover maxによく似た外観と寸法になっている。(但しmaxは5両編成で長さ30m) このmaxから中間のC車、D車を外した形式になっている。
  • 最高時速80km、通路巾880mmはmaxと同一。座席の配置や内装もほぼ踏襲している。
  • 平地では電池だけでほぼ10km走れるが、架線から得られる電力を併用走行したり、蓄電池への充電もできる。
  • 架線レス走行できるということは、都心部の観光名所や交差点を架線レスにて走行することができ、建設費の低減が計れる。
近畿車輛は北米市場に向けてすでに500両以上のLRV輸出の実績があり、このLRVは架線レスLRVとして輸出を意図し、開発されたものと見られる。

今回公開された近畿車輛LRV LFX-300型
                       (Photo:産経新聞)

これにて、わが国の電池駆動式LRVは川崎重工業のニッケル水素式LRV・SWIMOおよび鉄道総研のマンガン系リチウムイオン電池駆動のLRV・Hi-Tramと合わせ計3種類になった

参考ページ:
  川崎重工業 SWIMO-X  (2008/2)
  鉄道総研   Hi-Tram   (2008/4)  



#608
2010.7.29

独ポツダム市 日本降伏勧告の地に原爆犠牲者追悼碑


1945年7月 連合国がドイツ東部のポツダム市にて日本に降伏を勧告する宣言を行った。そのとき出席した米トルーマン大統領は広島・長崎に原爆投下を密かに命令した。

それから65年。トルーマン大統領が滞在した邸宅前の「ヒロシマ広場」に被爆した広島電鉄の路面電車の敷石と、長崎市の山王神社境内の石が埋め込まれた追悼碑が建立された。この7/25 ポツダム市では広島市と長崎市の原爆犠牲者を追悼し、核兵器のない世界を願う石碑の除幕式が行われた。

碑文には「大統領同意の下、原爆投下命令が下された。原爆の破壊力は、数十万の人々を死に追いやり、人々に計り知れない苦しみをもたらした。核兵器のない世界を願って」と独英日の3カ国語で刻まれている。

約400人が出席した除幕式では、「核兵器のない世界を目指そう」と呼びかける秋葉忠利広島市長のメッセージが読み上げられた。

広島(右)と長崎(左)で被爆した石を埋め込んだ碑の前で千羽鶴を
交換する日独の参加者。 背後に「トルーマンハウス」が建つ。
                       (Photo:朝日新聞)

館主の体験:
広島市生まれの館主は、原爆投下時は爆心より2km東の広島駅付近に居て爆撃機の投弾を望見しており、顔・手・肩部を火傷しました。そのときは中学2年生で勤労作業に動員されたのです。

戦後「いったいだれが戦争を始めたのか」を熱心に探求しました。結論は戦争自体が悪だ。正義の戦争とは存在しないということで、これは今も変わりません。

東京で長年働いた後、広島市へ帰郷後は路面電車活用など市民活動をしましたが、数年前から被爆語り部としてもお手伝いをしていました。3年前に宝塚市に転居しました。来月は2件語り部予約が入っています。そのうちの一つは中学生200人ですから、ちょうど被爆したときの私と同年齢。使命感をもって話しかけるつもりです。



#607
2010.7.21

熊本市 JR熊本駅接続路面電車軌道を本格緑化


路面電車軌道敷の緑化工事は鹿児島市電がつとに有名であるが、このほど熊本市電でも九州新幹線鹿児島ルートでの全線開業を見据えて、JR熊本駅周辺事業整備事業のひとつとして、軌道敷緑化工事が始まった。

緑化するのはJR熊本駅から田崎橋までの約400m。この区間は軌道を歩道側に寄せるサイドリザベーション化工事が4月に終わっており、新しい軌道敷に透水シート、保水マット、緑化基盤材などを順番に敷き込んだ上に、厚さ2センチ前後のロール状の芝生を敷いていく方式。(ちなみに緑化構造は鹿児島市電とはかなり異なる。鹿児島方式では特産のシラスブロックを使用している) 先行して田崎橋電停付近の約30mの工事を終えたが市民には好評。

熊本駅前電停まで終えるのは8月中旬ごろとしている。事業費は約4000万円。

熊本市電では、更に来年2月末までに市中心部熊本城の見える市役所前〜通町筋間の約280メートルで整備を終える予定である

 駅前工事区間 一足先に終わった田崎橋電停
        (by:熊本日日新聞)

 関連ニュース:鹿児島市電 軌道緑化が緑の拠点づくり大臣賞に (09/1)