#433 2007.8.12

豊橋鉄道 08年導入の新LRV デザイン決定


一昨年に豊橋鉄道は「LRT総合整備計画」として@競輪場前電停の改良、A08年にLRV1両を導入、B市役所前ほか4電停のバリヤフリー化、CICカードの導入の4件の計画を発表していた。

このうち@競輪場前電停の改良は完成をしたが、このほどAの市内線用LRV導入検討も進み、車体デザインと仕様その他が公表された。特徴として狭軌(1067mm)軌道事業者において、純国産では初めてとなる全面低床車両であると発表された。今後詳細設計に入り、08年10月には搬入を目標としている。価格は2億3000万円から5000万円になる。


●車両概要:
  1.車  種  3車体連接2台車方式電動客車
  2.定  員  75人
  3.最大寸法 長さ16.2m・幅2.4m・高さ3.85m

●車両メーカー: アルナ車両株式会社

●営業運転開始予定:2008年末
  
    参考サイト:豊橋鉄道株式会社 鉄道部 


#432 2007.8.7

函舘市電 8/6原爆の日に合わせ無料電車「平和号」運行


例年8月6日は広島市に原子爆弾が投下された日なので、広島市を始め各地で平和を祈念する行事が行われている。函館市でもこの日に関連し、今年も無料電車「平和号」を運行した。コースは湯の川-谷地頭間を812号「こくほ号」(国民健康保険の広告車)を使用して2往復した。

車内では広島関連のパネル展示や、ボランティアによる戦争、この電車の運行趣旨に関する車内放送、函館市職員による市主催の平和行事についてのPRやパンフレット配布などが行われた。

乗客も大変多く、テレビでも北海道内で大きく報道され、NHK午後の番組では全国にも広く伝えられた。  (記事および写真は函館市の中里さんの提供)

車体には無料電車「平和号」の幕を下げて走行した

車内に展示された戦争と被害についての写真と解説パネル

函館市による「核兵器廃絶平和都市宣言」の本文を記した宣言文が吊り下げられた


#430 2007.7.25

富山ライトレール ポートラムがブルーリボン賞受賞


鉄道友の会は昨年度営業運転を始めた鉄道車両のより会員投票による最高得点のものにブルーリボン賞、鉄道友の会の選定による優秀車両にはローレル賞が与えられ表彰される。これは毎年の鉄道ファンの関心行事となっている。
今年のブルーリボン賞は富山ライトレールの0600形 ポートラムが映えの受賞を果たした。(会員:3400人。有効投票3012票のうち780票を集め第1位) 評価の理由はデザイン・機能の良さは勿論、それに加えて、LRT建設により地方鉄道を活性化し、まちづくりに貢献した社会的意義を高く評価されたものと見られる。

今年のローレル賞受賞車両はJR東日本のE233系と西日本鉄道(株)(福岡)の3000系。

参考:路面電車関連でローレル賞を受賞した記録
  • 1998年 熊本市電 9700形
  • 2000年 広島電鉄 5000形グリーンムーバー
  • 2001年 名鉄岐阜美濃町線 モ800形
  • 2003年 岡山電軌 9200形 MOMO 鹿児島市電1000形ユートラム
  • 2006年 広島電鉄グリーンムーバーmax

      参考サイト:鉄道友の会ホームページ

Photo:藤井正史さん 背景は北アルプス立山


#429
2007.7.21

高岡市 中部地区路面電車オープンサミット


RACDA高岡は高岡市を拠点に中部地区で路面電車の走るまちの市民団体として実績をあげている。今回はオープンサミット形式にて、公共交通を活かしたまちづくりに取り組む、全国各地の市民団体の皆さんに参加を呼びかけての開催を企画した。最近注目されているLRTや公共交通を切り口としたまちづくりについて、意見を交え、議論を深め、それぞれの立場での発見を期待しての集会を開催。


  

  中部地区路面電車オープンサミット
    〜発見! LRTとまちづくり〜



■開催期間:8月24日(金)〜26日(日)
 

■会 場:高岡商工会議所ビル 2F大ホール (高岡市丸の内1-40)



■開催内容:

 ●8月24日(金) 18:30〜20:00 事務局会議
             20:00〜21:30 事務局会議ウエルカムパーティ
            (場所:ウイング・ウイング高岡6F 一般参加も可、要予約)

 ●8月25日(土) 9:00〜19:30
  • 9:00〜11:45 鉄軌道再生の事例
      地方鉄道再生事例(豊橋、福井、桑名、和歌山、高岡の事例を参考に意見交換)
  • 13:30〜15:15 公共交通の役割
      公共交通の役割・機能について、故蝋山昌一氏講演録を参考に学習する
  • 15:30〜17:15 公共交通とまちづくり
      富山ライトレールや万葉線事例を参考に、公共交通とまちづくりを探る
  • 17:15〜17:30 まとめ
            (以上の場所:高岡商工会議所ビル 2F大ホール)
  • 17:50〜19:30 交流会 全国の市民活動の報告・交流
                (場所:商工ビル内レストラン)
                 ※万葉線 19:47広小路発 19:56 高岡駅前着を臨時運行
 ●8月26日(日)見学ツアーのご案内
  • 5:30〜7:30 たかおか朝市 RACDA高岡も出店している「たかおか朝市」見学
  • 9:00〜11:30 高岡近世文化遺産ツアー 世界遺産登録を目指す遺産群見学
                 (国宝瑞龍寺、土蔵づくりの街並み山町筋)
  • 9:30〜14:30 LRT体験ツアー 万葉線と富山ライトレール・2つのLRV乗車体験
■参加費用 会議毎に参加費が違います 
    (参考 24日\3000 25日の会議\1800、交流会\3500 
         26日遺産ツアー\1000、LRT体験ツアー\3000 )

■主催者: 中部地区路面電車愛好団体支援団体協議会《とよはし市電を愛する会、ふくい路面電車とまちづくりの会(ROBA)、公共交通とやま市民応援団、万葉線を愛する会、RACDA高岡》

■共 催: 富山県交通政策研究グループ、全国路面電車愛好支援団体協議会、全国路面電車ネットワーク  

■後 援:富山県、高岡市、射水市、万葉線(株)、富山ライトレール(株)

■問合わせ・申込先: 世話役団体:RACDA高岡  Tel & Fax 0766−24−2780

全国路面電車サミットは原則隔年で開かれていますが、中部地方は独自に地区団体の交流会議を開催している様子で、熱心な活動地区です。今年は館主も25・26日参加します。見学ツアーにも興味があります。



#428
2007.7.14
8/2記事追加

堺市 LRT東西線案 経営主体・路線案が煮詰まった


堺市のLRTによる新線建設案はわが国初の本格的LRT新線になると期待し、当館でも3回にわたり報じてきた。堺市ではこの度経営主体を南海電氣鉄道と阪堺電軌軌道の2社とし、建設は堺市が行い運営を鉄道会社が実施する公設民営方式を想定した。主線は南海堺駅と阪堺電鉄大小路と南海高野線堺東駅とを結ぶ大小路ルート1.7km。大小路にてLRT線と阪堺線が相互乗り入れを計画。こちらを早期着工し2010年度の開業を目指す。

もうひとつ、臨海工業地区への路線であるが、このほどシャープが液晶パネル工場建設を決定したため、数千人規模の輸送人員が見込まれることになった。他方新日鐵堺製鐵所の跡地への進出企業の想定等をからめて三宝地区への建設(約5km)を引き続いて決めることになろう。シャープの稼働時期は09年度。堺市では需要予測を樹てて着手する予定で時期は微妙。
(07/8/2追記:報道によると新工場は127ヘクタール。同社亀山工場の4倍の広さ。亀山市では数千人の雇用創出と言われているから、単純比例はともかくとして、相当数のLRT乗客が見込めるのではなかろうか?)

阪堺、南海、LRT社は3社の乗り継ぎ割引や、沿道商店街と連携したICカード、高齢者優遇等のキップの発売も検討する。


堺市の交通宿命は南北に伸びる鉄道のみで市の中心を東西に結ぶ鉄道軌道が無いことではなかったか? 2003年2月に及び堺市自ら東西鉄軌道案の策定を行いました。その結果、ミニ地下鉄、新交通、LRTの3沢をしてLRTのみ黒字と結論が出てLRT敷設案が公表されました。以来04年2月、05年9月と案は絞られてきて、今回いよいよ引受事業者も決まり、具体的新需要も生起してきたので、こんどこそ実現すると期待出来ましょう。他の情報として、堺市堺浜にはすでにLRT試験線路と試験電車が走っているし、本年は大阪産業大学と堺市の共同事業で「さかいLRT研究交流センター」が開業しました。この堺市の本気ぶりこそあの富山市長の本気振りがLRT実現に漕ぎ着けたのと同一可能性に感じます。
一時は阪堺電軌の廃止も囁かれたりしましたが、今回こそ朗報です。(^_^)

現場を見ての個人感想ですが、「LRTは南海堺駅をどうやってくぐり抜けるのかな」が気になりました。(^^;)


#427
2007.7.9

京都市 関西一円対象の活動団体KOALA発足


発足の由来紹介: (京都大学南聡一郎氏のご紹介による)
  • 関西地区はLRTや交通まちづくりの団体が他地域に比べてやや弱く、セミナーなどを通じて知り合った仲間たちも活動の場がない状態に物足りなさを感じ、それでは自分たちで活動の場たる団体を立ち上げようということになりました。関西でも、京都や枚方など地域の活動はあるのですが、関西一円を対象という活動はありません。LRTや交通まちづくりに関心のあるメンバーは在住地も近畿二府四県に分散していたりと、関西一円で一つのネットワークを築き、政策提言や情報収集・交換などをおこなった方がよいということで、関西を地盤とする団体設立にこぎ着けました。

  • 団体名称:「都市創生交通ネットワーク@関西」で英語名称「Kansai Co-Operation Alliance of LRT and Public Transport for Architecture of Cities」の略としてKOALA

  • 発足日:2007年4月1日

  • 会合:当面は月に一度例会を開催し、主に当会の顧問・会員が話題提供を行うという形で活動を行ってゆく予定です。例会には当会会員以外にも、関西在住を始めとする交通まちづくり活動に関わる方、関心のある方にも是非とも参加させていただきたいと考えております。


  KOALA(都市創生交通ネットワーク@関西) 7月例会

 演題 「まちづくり、都市交通革命の現場実践報告


●日 時:2007年7月13日(金) 19:00〜21:00
        ◎終了後、京都駅周辺で懇親会を予定

●場 所:ひとまち交流館 京都 第3会議室 (京都・六条河原町)
     京都市下京区西木屋町通上ノ口上る梅湊町83番地の1 (河原町五条下る東側)
            TEL:075-354-8711 

●演 題:「まちづくり、都市交通革命の現場実践報告」
       
●講 師:中川 大 京都大学教授  (KOALA顧問)

●参加費:1,000円 (学生500円)

●主催者:KOALA(都市創生交通ネットワーク@KANSAI)

●参加方法: KOALA事務局(メール:koala.lrt@gmail.com)まで連絡を
  
●主催者サイト: KOALA 都市創生交通ネットワーク@KANSAI

確かに関西地区は広い地区であり、LRT活動団体も散在しており、統合的活動は難しいだろうと漠然と感じていました。その故かこの地区で横断的組織ができたのは認識していませんでした。今回のKOALAの発足が、今後当地域の情報交換・協調活動において円滑な発展を続けますよう期待する次第です。


#426
2007.7.4

広島都市圏 ICカードのネーミングとデザイン決定


広島都市圏のバスカード方式からICカード方式への転換を計るため交通事業者9社局と関係機関が参加しICカードブランディング検討会が発足した。鋭意検討を重ねてきたが、このほどICカードのネーミングとデザインが決定したので公表された。 第1次の白島線実施は'08/3から。(バスは'08/1より)

ネーミング:PASPY パスピー PASS(乗車券)+HAPPY(幸せ)+SPEED(速い)

カードデザイン:9事業者それぞれのシンボルカラー・イメージを考慮して決められた  



参考サイト:
 広島都市圏 ICカードを導入 来年度より実施(07.2.19) を再掲

広島式ICカードの方式 (一部07.7.4追記)
  • 前払い式ICカード
  • カード価格は最初は2,000円[うちデポジット(預かり保証金)500円。残り1,500円が運賃支払いの使用できる]。積み増し金はチャージして最大20,000円まで。
  • 割引額は10%まで
  • 乗り継ぎ割引実施 (現行他社間乗り継ぎ割引は1時間以内20円)
  • 定期券機能追加は検討中
  • 将来対応として、商業施設との連携機能拡大を考慮
  • メリット:
    乗降動作のスピードアップによる乗降時間の短縮(磁気カード3"〜4"、ICは2"弱)による速達性向上
    お客様の利用情報を元に路線別・系統別の詳細分析可能
    接触式は損耗によるメンテ代がかかるが、ICはこの点コスト不用。
  • 自社カードを発行する事業体:広島電鉄、アストラムの新交通とバス会社の計9事業体
    他社カードを使用できる事業体は瀬戸内海汽船、宮島松大汽船など8社
  • 導入時期はバス中心に平成19年度より導入開始 以降3ヵ年で整備
  • 予定されているバスの全路線で導入されれば、約1500台に読み取り装置とチャージ機が設置される。
  • また予定されている全社の導入が終われば、35万枚が発行され、年間1億2000万人が利用すると予想している
  • 広島電鉄路面電車は平成19年度白島線試験導入。平成20年度全線導入。(追記:スケヂュールは2008年1月よりサービス開始)
  • 導入費用:電車11億円 バス18億円
    広島県は新年度予算案に1億6300万円を内示
  • JR西日本で導入すみのICOCAは本年夏には広島・岡山エリアの在来線135駅に導入予定
  • ICOCAは今後広島都市圏ICカードの連携を図り、システム改修を加えてJRカードから広島ICカード機の一方向共通化方式の準備を進める。 広島ICカードからICOCAへの乗り継ぎは不能。
私事で恐縮ですが、関西に引っ越してきて早速ICOCAカードを使い始めました。JRと私鉄電車共用が便利、機械の通過が素早くできとっても快適。とにかくはやく広島都市圏でも実施され、顧客に満足をご提供してください。



#425
2007.6.30

神奈川県 ツインシティ構想にいずみ野線LRT延伸案


神奈川県では寒川町を中心に相模川を挟んでツインシティと名付けた開発を進め、新幹線新駅を設置したいという案が1970年頃始まり、運動は今日に至っている。

新都市に関連しては横浜市に直結できる接続線が望まれる訳で、「いずみ野線延伸研究会」が発足し、3年間の研究成果をこのほど松沢神奈川県知事に報告した。

研究会案は、湘南台〜倉見地区8kmのルートについて、「鉄道4案、LRT2案、鉄道とLRTの混合2案の8案」についてシミュレーションをし評価した。結論としてはLRT案のみが黒字化が期待出来ると報告された。

  

人口の減少が言われている当節に、新都市建設と新幹線新駅設置の話にはびっくりしました。それはそれとして、新線案策定に当たり鉄道案とLRT案との比較を多数作ってみたけど、結論としてLRT案のみ黒字に館主は着目し、ご紹介することにしました。



#424
2007.6.24

函館市電 ハイカラ号とらっくる号 初のコラボ走行


函館市交通局では、6月は「利用促進キャンペーン」と題して、様々な取り組みを行った
  • 6月3日は昔懐かしツーマン運行として昔車掌だったベテラン運転士が車掌として乗務
  • 6月10日は路面電車の日。これを記念して函館ハイカラ号 (明治末製 1918〜1936年まで走行 後日復元した) と最新・超低床電車らっくる号 (本年3月走行開始)とのコラボ走行を行い、当局とファンによる撮影会を実施
  • 同じく6月10日は全線200円均一料金で運行 (平日は大人200円、220円、240円,250円の距離別段階制)
  • 1日〜14日は「函館の歴史と風土を守る会」が主催した、「ふるさと写真コンクール」に出展された写真を530号車車内へ展示し,ギャラリー電車として運行
  • 6月23日は駒場車庫内にて函館市交通局の路面電車の運転席に座って、駒場車庫構内の約100mを運転する運転体験会実施。 29人申込があり午前午後2回に分け実施
などなど、盛り沢山の企画が実施された。              (Photo:函館市 中里さん)

珍しい明治製の復元電車函館ハイカラ号と
最新超低床車らっくる号とのコラボレーション
後の山は函館山とテレビ塔

同じく両者の出会いを正面から
まさに旧と新を実感

  函舘市電も早くから路面電車の日を
車体広告として大きく表示し宣伝
車内吊り下げ広告では市電の運転体験を呼びかけ。参加希望者には事前講習、乗務講習、指導講習、指導運転手が付いて運転体験と本格的。 参加費3000円

函舘市電としては6月の路面電車まつりの月こそ、今年走行開始し市民の話題となった超低床車への関心を再集するチャンスでしょう。 私見ですが1日だけでも200円均一運賃の実施は、市民の均一制運賃への反応を見る機会になったのではないかと想像します。