#423
2007.6.11

広島市 12回目の路面電車まつりは 空前の来客増


全国の路面電車軌道所有都市が6月10日を路面電車まつりの日と制定して以来もう12回目になる。ちょうど日曜日に当たったが、例年と違いえらく参加者が多い。いったいTVで紹介された故か、降雨率0%との報道か、それとも近所のお寺の祭礼と重ならなかった故なのかさっぱり判らない。昨年は参加者15,000人と報道されたが今年ははるかに上回わっている。

思えば、第1回開催時は路面電車を考える会と広島電鉄との共催であった。いろいろ工夫をして飾り付けをしたものの、「一体お客さんは来てくれるのかしら?」と微かに不安だった。それでも5,000人の入場者があり一安心したものだ。

今では開催主体が実行委員会形式になり多くの団体で共同開催になった。出し物も当然増えたし、一小間一小間の演出がすっかりスマートになったことも時間差を感じる。

10時開場の30分前には門前は長蛇の列。

二文字勝美実行委員長(路面電車を考える会)
(右から2)の開会宣言とテープカットにて入場を開始

来場者を分析すると、やはり子供さんを連れたお父さんお母さんだ。
人気のグリーンムーバーmaxに乗るだけでもかなりの順番待ち。

いつも長編成の電車に乗り付けている市民に
とっては逆に100形復元電車(1939年製)は
別の興味津々

市民に長く愛され利用されている800系牽引の
おなじみミニ電車。永遠の定番。

今年は連接車を使いこども達の好きな絵本を載せた。自分で読むのも良しお姉さんの読み聞かせもよし
締めくくりは路面電車を考える会の定番1000人アンケートコーナー。今年はお昼頃には用紙が無くなった



#422
2007.6.7

東京・長崎・広島 原爆悲劇を電車内で演劇公演


1945年広島市に原爆が投下されたとき、路面電車を運転していた女学生達が居いた。戦時中、男たちが出征したあとの労働力を補う目的で学業と勤労を兼務した家政女学校の生徒達であった。

広島・長崎の惨劇から62年を経ても世界は核兵器を根絶出来ない・・・むしろ脅威を拡大する動きさえある。

戦時下を生き抜き、自らも傷つきながら瀕死の仲間達を看病した女学生たち。時代に翻弄された彼女たちは何をわれわれに訴え続けるのか。

2007年夏、女学生達が運転する電車が東京・長崎・広島を走り抜ける企画ができた。各地の実施日には1日2回、公演専用貸切電車が車内で演劇を実演する。

●東京公演:7月8日、21日、22日

●長崎公演:7月15日、16日

●広島公演:7月28日、29日

昨年、都電車内で行われた公演の模様
    関係サイト:劇団桃の実公演詳細

あの8月6日朝8:15広島市にて被爆した館主には、いまもかかる公演が若者によってなされることに深い感銘を受けます。実は昨年広電の被爆電車654号引退を機会に広島市で催したシンポジウムにて、パネリストとして家政女学校の学生で運転手だった藤井照子さん(78)がさんが鮮烈な体験談を話されたのを思い出しました。


#421
2007.5.31

神戸市 市中心部にて公共交通の社会実験


神戸市は観光客や買い物客にとって山の手と海岸部を結ぶ公共交通機関が少なく不便という声がある。これに応え市は市中心部を南北に結ぶLRTか循環バスの公共交通機関の建設を想定した社会実験を10月下旬に実施する。

具体的コースは未定だが山の手の北野地区と海岸部の旧居留地とを結ぶ計3km程度の循環型になる見通し。

実験結果を纏めるが、環境や社会への負担が多いマイカーへの依存度引き下げを目指す。


神戸市は地形がそもそも東西型なので、自然に交通体系がJR、阪急、阪神,、地下鉄と東西形になっているのも自然であろう。但し観光客や日常買い物する市民にとっては、この東西形高速交通体系に加え、ミニ歩行が必要な都心部では、南北形小距離形の都市交通手段、つまりミニ足の確保がぜひ必要であろう。実験成果と評価更には実施が待たれる実験である。期待したい。


#420
2007.5.23

高知市 路面電車混空情報提供の社会実験


高知工科大学総合研究所地域ITS研究センター、日本大学理工学部、国土交通省および土佐電鉄が共同し、このほど路面電車の混雑度自動表示情報を提供して、路面電車混雑時の乗客数の平準化を図るというユニークな社会実験を実施した。スローガンは「混雑さけて、かいてき通勤 −路面電車混空情報提供社会実験−

混空度情報板を設置した中心部 県立図書館通電停

混雑状況の情報板に示されて混雑度の定義とは

現在は、電車ごとに混雑のばらつきが見られる。特に午前7時台後半は乗車見送り客が
多発しているのが観察される。情報板を参考に混んでいない電車へ乗車変更をすると・・・
混雑が平準化することにより、
お客様の快適性の向上、電車運行の円滑化が図れます

館主感想:
昔からの知人で慶応大学でITSを研究していた松本修一さんが高知工科大学に転じ打ち出したのがこれ。広島市では電車はたいてい座れぬし、昼間でも混空率130%?のようで、「座りたいな」とは思っても100%以下は来ないと知っているから待つことはありません。そういう意味で館主にはいまいちピンと来ない実験ですが、都市条件によっては混空情報→見送りという意味・価値があるのでしょう。思いがけないアイデア情報でしたので、そのまま皆さまにご提供し、ご意見を待つことにしました。

 関連サイト:日本大学運輸交通計画研究室の実験詳細ホームページ