#419
2007.5.17

枚方・岡山 路面電車市民啓蒙活動をご紹介


当館には日本各地で実施される路面電車・LRT関連の行事・講演会等の情報がいつも寄せられています。本日は京都市、岡山市での活動例をご紹介します。
各地での活動へのご参考に。また出席できる方はぜひどうぞ。

  

 講演会 「歩くまち、京都の実現
        〜LRTをつかったまちづくり」


京都市の今出川通りに路面電車を走らせる実行委員会・高橋優二さんから情報を頂きました。京都市の路面電車市民運動と枚方LRT研究会とは連携があるのでしょうね。
●日 時:2007年5月19日(土) PM2:00〜

●場 所:ラポール枚方 (京阪枚方市北口:徒歩5分)

●テーマ:「歩くまち 京都の実現〜LRTをつかったまちづくり」
       5月の市民新聞にアンケート結果が出ましたが、京都市はそれにより
       どう動いていくのでしょうか?

●講 師:石崎 了 (京都市都市計画局交通政策室)

●参加費:無料

●主催者:枚方LRT推進会

●連絡先:FAX 841−2053(藤田エージェンシー)
  
●主催者参考情報: http://www.techno-net.com/~lrt-hrkt/070519SpecialLecture.pdf



  

 RACDAイベント 「吉備線路面電車化特集ほか」


あのRACDAはやっぱり活発です。今年度総会では懸案の吉備線路面電車化の真実や日本各地の路面電車活動を3時間も費やし報告と討論するとはさすがです。
●日 時:2007年5月27日(日) PM1:00〜4:30

●場 所:クレド岡山ビル 17F (岡山電停から清輝橋線で「郵便局前」で下車
        「ウイズセンター(岡山県男女共同参画推進センター)」会議室

●内 容:
  • 13:00〜 RACDA総会
  • 13:40〜 討論と報告
    • 吉備線路面電車電車化を徹底討論
    • 富山ライトレール視察報告
    • 和歌山電鐵と住民の取り組み
    • LRT法の検討状況とこれから
  • 15:30〜 討論・質問
    16:30〜 閉会    
  • 懇親会:別会場に移動 (参加費:4,000円程度)   

●参 加:どなたでも当日自由参加可 (入場料無料)
  
●主催者参考情報: RACDA事務局


#418
2007.5.6

広島市 フラワーフェスティバルとmax


広島市には都市の中心を巾100m長さ4kmに渡る道路にて東西に横切る平和大通りがある。道路と言っても札幌市の大通公園のように、交通路と公園の2役を果たしている。この大通りスペースを利用し、昭和52(1977)年の5月休日に市民のパレード・ステージ等を発表するお祭りが民間提案から始まった。原点は1975年のカープ初優勝にちなんでのことらしい。以来名前もフラワーフェスティバルと名付けられ、例年5月3・4・5日の三日間、平和公園を中心に交通を遮断してお祭りが繰り広げられる。今年のお天気は4日・5日両日の雨が心配ではらはらしたが日中は幸い晴れた。参加してみるとすごい人出。158万人が集まったという。5月祭りとしては博多のどんたくに次ぐ全国2位の人出といわれている。


 
パレードは年々国際色が豊かになった。これは400年前に朝鮮王朝が幕府との友好を目的に朝鮮通信史を模した日韓合同の花車 今年のスペシャルゲストは歌手で俳優の上原多香子さん。ステージ上での豊かな声量と軽快なダンスとですっかり観客は魅了された
平和大通りを広電1系統宇品線の鯉城通りが横切っている。横断者が多いため警官も
たいへんで信号が変わってもなかなか途切れてくれない。maxも忍耐強く待つのみだ。
(注)向かい角の赤いテントの店がトップページ掲載の喫茶店。この撮影場所と対になる


#417
2007.4.30

鹿児島市電 軌道敷緑化工事一部完成


鹿児島市電は新幹線対応で西鹿児島駅(現鹿児島中央駅)と駅前広場の大改造をするのを契機に、市電の西鹿児島駅前駅の付け替え等全市的に市内路線の改造を続け、市中心部の活性化計画に協力している。市電も[市電イキイキ大作戦]と銘打ち、LRTの導入や軌道敷緑化・ライトアップ事業へと続いている。

路面電車軌道敷に芝生を張る試みは広島電鉄や土佐電鉄で行われていることは既に当館でも報道された。このたび鹿児島市電では軌道敷緑化工事として同市中心部2.8kmの軌道芝生張り工事に着手した。工事全体の完成目標日は08年3月。日本初の本格的実施である。予算は2億8000万円。担当は鹿児島市建設管理部公園緑化花と緑係。

そのうちの鹿児島中央駅〜高見馬場交差点まで約1000mの区間がこのほど完成したので、4月26日完成式典がもたれた。

例によって鹿児島市電全線の地図を制作した。 芝生敷きは
市中心部を貫き、都心活性化の一環であることが理解出来る
 
芝生が張られ美しい軌道敷に蘇生した軌道を新鋭LRTユートラムUの試運転が行われている
軌道敷中心部には芝生を美しく照らし新しい夜間景観を創るファンタスティックイルミネーション
                         (Photo:鹿児島市交通局)

ヨーロパを訪れた機会に路面電車を観察しましたが幾つかの都市では軌道敷きが芝生張りになっており、更に歩道側には大樹が枝を伸ばし、下を路面電車が走行するという美しい都市景観を見たことが目に焼き付いています。今回鹿児島市電がわが国で先駆けて本格的実施の踏み切ったことは、今後の日本各都市軌道交通への規範として大きな投げかけになると思います。

 関連ホームページ:鹿児島市交通局
 当館参考ページ :鹿児島中央駅前電停完成情報(04/4)



#415
2007.4.17

福井市 リチュウム電池LRT開発 その後情報


LRVの次の関心開発テーマは充電式電池搭載電車ではなかろうか。架線レスは街並み景観が向上するし、省エネ効果が期待ででき、架線の保守点検も省略出来るメリットもある。
福井大学荻原研究室ではこのほど実用化試験をえちぜん鉄道の実線を使用して成果を確認したので開発の様子を報告したい。

最初の報道は04年12月に報告したが、このときは16トンの試験電車でリチウムコバルト系の代わりに安価なリチュウムマンガン電池車にして150mの構内を往復させたもので、速度は20km/hであった。

これを改良し、06年11月、試用車は40トンの市内線電車を使用し、改良型リチウムイオン2次電池にて、走行試験をえちぜん鉄道本線にて昼間と夜間双方行った。特に夜間の連続テストも行い実用性も試した。

07年3月には起伏の激しいえちぜん鉄道勝山線での夜間走行試験して性能を確認。最高速度は70km/hであった。電池は60kwh形リチュウムイオン電池。

07年4月以降はよりスムースな走行を目指して90kwh形電池に交換し走行試験を予定している。

福井大学荻原研究室長談:
「実際の運用は60kwh電池で充分です。これでもLRTやDC600V系電車ではオーバースペックで,半分の電池でも十分です。現在の電車はVVVFインバータが主流で,回生エネルギーを利用すれば45kWhでも楽に走行できます。使用した電車はインバータ車ではないので,現在は電池をただ放電させて走行しています。理想的にはVVVFインバータで二次電池との組み合わせがベストです」
 
左 リチュウムイオンカー原理図          右 実験車車内の様子
燃料電池車のように大型の水素タンクと蓄電装置を搭載しないので軽量化できる。
課題は電池耐久性と信頼性を高め、コストダウンを計ること(資料:荻原教授研究室)

館主感想:
今わが国では架線レス鉄道を目指して各種アイデアの車両試験が花盛り。先日はJR北海道が力を入れているデュアル・モード・ビークルテストが道東小清水町〜藻琴間にて観光客を乗せて レール走行→道路上帰走行 を写していました。水素を使う燃料電池車の開発も関心を集めています。鉄道総研でも先年来リチュウムイオン電池式路面電車の走行実験を実施し、成果も発表されています。本日は有望ケースとしてリチュウム電池方式の最新情報をご紹介しましたが、まだ課題もあるようです。

各方式とも特徴があり、活かすには対象路線の走行路条件とうまくヒットしているかがあります。個人的にはどの方式も美観をクリヤーがグッド。方式はどれでもよいけど、なんとか経済性が許容されそうな時点で思い切って、新設路線の建設に採用され、新しい道を切り開いて欲しいと思っています。

 関連ホームページ:福井大学素材設計研究室
 当館参考ページ :鉄道技研 燃料電池をLRTへ応用可能性(04/12)