sentou

#584
2010.2.23

「阪堺電車に乗って 阪堺電車存続を考えよう」 開催


堺市のLRT東西線計画見直しに関連して余波があった。関連計画として、大阪市天王寺と恵比寿町から堺市浜寺を結ぶ路面電車・阪堺線を堺市中心部大小路にて、新設のLRT東西線に結節して相互に乗り入れ運転をする計画もセットしてあった。もともと現行の阪堺線(堺市内部分)は乗客減による赤字路線にて推移している。阪堺電気軌道側は阪堺線とLRT東西線連結効果による乗客増を期待してのこの計画でもあった。基本提案のLRT東西線案の廃止は、続いて阪堺線堺市部分の廃止案に連動する動きが浮上してきた。

そこで、現行の阪堺線について今までの観点とは違えて、市民として阪堺電車を守るために私たちにできることは何か?と、存続させる方策を、現場である阪堺線に乗車し現場を観察しながら討論し、その成果を提案するという体験ワークショップ式の新企画。事前申込により誰でも参加できる。

  

   KOALA(都市創生交通ネットワーク@関西)
「阪堺電車deワークショップ 阪堺電車存続のための秘訣は?」

     〜阪堺電車廃止テーマに対し存続の方策をみんなで考えよう〜


●日 時:2010年3月14日(日) 14:40〜17:20 

●場 所:阪堺電車天王寺駅前集合   
         
●区間と所要時間:15時に天王寺駅前電停を出発し、浜寺公園まで往復し、
              17時20分には天王寺駅へ戻る 

●講師:伊藤雅准教授 (和歌山高等専門学校、KOALA顧問)
      伊藤雅准教授より、市民の力で存続に成功した和歌山電鐵貴志川線の体験の
      講話がある。これを参考に阪堺電車の存続のために市民ができることは何かを、
      参加者同士にて議論する。

●懇親会:天王寺駅到着後、二次会として懇親会を行う予定。(参加自由)

申込方法: KOALAの会のe−メイル
  1. 氏名(よみがな)
  2. 住所
  3. 所属
  4. 電話
  5. e-mail
  6. 懇親会への参加 (参加する、参加しない)
 * お申し込みいただいた方には受付完了のご連絡を差し上げますので、連絡先も
  忘れずにご記入下さい。また、申し込み後、変更がありましたらご連絡下さい。

●主催者と関連情報:
      
    KOALA(都市創生交通ネットワーク@関西)
    〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町65-1-306
    電子メール: koala.lrt@gmail.com

             ★KOALAの活動ホームページ: KOALA



#583 2010.2.19

富山市 セントラム新線1ヶ月 評価は?


昨年12月に開通した富山市の新線はJR富山駅、県庁、富山城、市中心部商店街を環状に廻る合理的な新線である。LRT電車の愛称はセントラム。

12/24運行開始から1ヶ月の乗客数は、環状線全体で1日平均3379人。新にできた3つの停留所の乗降客は1日平均1450人となり、市の需要予測1320人を約1割上廻った。 市電全体では1日約1万人が環状線ができて2割近く増え、1割増を見込んでいた市の予想を上回った。

乗客の立場からは、
  • 郊外に住む会社員は「普段は車で出掛け、じっくり中心市街地を回ったことはなかったが、気付かなかった風景が見えてきた。知らない店が多く、これからセントラムを使って訪ねてみたい」と話す
  • 車の免許を返上し、沿線に住高齢者からは「楽にゆったり乗れるのでありがたい。昔のように路面電車の路線をもっと延ばしてほしい」と語る
  • 市内の主婦は「外観がすてき。富山のイメージも明るくなる」とのご意見
利用者には好評のようだ。

一方商店街の方からは
  • 「客足が期待ほど伸びない」という声や
  • 新駅付近ラーメン店主は「お客さんが多かったのは開業初日だけ。若者向け洋服店やCDショップは郊外に多いから、人は街中には来ない。中心部に人がいないのに乗り物だけをつくっても駄目だ」と手厳しい。
もともと富山市中心部の両商店街の約180店舗のうち6分の1が空き店舗となっているとか。特に06年に富山西武が撤退し、中心部で空洞化が進んでいる様子。今回のLRT新線は、賑わい即効の仕掛けではなく、都市の装置として中心部歩行者の移動を働きかけるモノ。最近の高齢者は「できれば中心部に近い場所のマンションに」という都心復帰現象があり、その支えにもなるでしょう。まずは市民の便利。その次ぎに営業者繁栄では?

私見ですが、まずは富山市の目論見は当たったのではないでしょうか?


              (photo:読売新聞)

参考ニュース:富山地鉄 市内電車環状線 開通! (09.12) 



#582 2010.1.13

バンクーバー市 オリンピックライン 運行開始


1月13日午前11時(日本時間)、待たれた冬季オリンピックが開会されました。

その前に・・・、今年1/1付けにて「冬季オリンピック用LRT新設」としてご紹介しましたバンクーバー市のLRT・オリンピック・ラインの期間運行が始まりました。 これはパラリンピックが閉幕するまでの60日間、オリンピック選手村の最寄り駅と、観光スポットとして人気のグランビル島マーケット入り口の1.8kmを結びます。料金は無料で利用できます。

車体はボンバルデア製 の3050号 (photo:日刊スポーツ)

関連ニュース:バンクーバー市 冬季オリンピック用LRT新設 (2010.1.1)  



#581 2010.2.9

札幌市 今年も ささら電車 出動


本州の人の実感では、「もう大寒も終わり、いよいよ立春だ」という時期が北海道では多積雪の季節になるのですね。その証でしょぅかさぽろ雪まつりの行事は2月5日〜11日までの1週間です。今朝の新聞は「昨日8日が流氷接岸初日であった。平年より7日遅い」と報じていました。 当今が札幌市も一番積もる雪が多いシーズンなのですね。

今年も札幌市の宮崎さんより札幌市の冬の風物詩・作業中のささら電車と市電がツーショットしている写真を送って頂いたのでご覧に入れます。

2010/2/6 ロープウエイ入口電停にて 左は3301号広告電車



#580 2010.2.2

上海市 ゴムタイヤトラム開業続報と 技術情報 


昨年8月に「上海市 浦東地区にBRT(案内軌道敷電車)を建設 なる標題で工事が概ね終了し、10月から試運転予定」とご報告しました。

その後試運転も順調に進み、12/31より営業運行に入った様子です。今回はその最新情報と、昨年11/18チューリッヒで開催されたトロリーモーション会議にて配布されたトランスロール社製車両のプレゼン資料を紹介します。この解説図を見ると、1本レールを抱きかかえてガイダンスとしゴムタイヤで走行するゴムタイヤトラム台車の構造がよく理解できると思います。今回も情報はKOALA代表でトロリーバス研究家の森五宏氏より受領
しました。

上海市張江トランスロール社ゴムタイヤトラム
2010年新年より上海浦東にある張江ハイテックパークにトランスロールが開業した。中国では2007年開業の天津に続き二番目の運行。上海の路面電車開業(1908年)から100年ぶりの新型ゴムタイヤトラムの登場。

トランスロールは日本でも2005年に堺浜で運行実験をしたが、日本では導入には至らなかった。

上海は2007年10月に導入を決定、建設期間も2年と恐ろしく速いスピードで完了。天津での敷設工事、乗組員の運転教育等ノウハウを伝授した結果と考えられる。

上海トランスロールの特徴
  • 上海二号線地下鉄張江高科駅から金秋路駅まで全長9.2km、停留所15箇所、ハイテク外資企業、総合病院、大学、研究機関が立ち並ぶハイテクパーク内を横断するする。
  • 20分間隔(ラッシュ10分)で運行
  • 車両は3両連接25m(定員160名)8編成
  • 真っ白な車体に鏡仕様の車体一面のガラス窓が斬新さを表現。各停留所はLEDを使った照明、運行案内板が装備され、専用路優先信号を装備している。
  • 架線柱も中央ポール式で外灯と併用しデザイン性の配慮もしている
  • 総工事費は8億元(約120億円)、運賃は2元(約30円)均一料金
開業式には上海市周副主任、運営会社社長、ロール社社長等が出席、盛大な開業セレモニーが行われた。乗客の感想は運行が静かで乗り心地は良く、環境対策にも最適と上々の評判。
上海トラムの車体は1編成3両連接で
日本のLRTの編成に酷似している
運転台の様子

車内の様子。乗客も新しい
トラムに乗車し興味と満足が窺える
乗車券は「票价(ヒョウカイ)=貳元(ニゲン)」
日本円で約30円くらいか。安いです。
                    (上記上海photoは金正彪氏による)


トランスロール社製の台車構造
昨年11月18日、スイスのチュリッヒで開催されたトロリーモーション国際会議において、トランスロール社がプレゼン用に配布した資料から、1本レール式ゴムタイヤトラムの特徴が理解できるものを抜き書き掲載しました。

1本レール式軌道の様子がよく判る 左:平行式架線、右:中央ポール式架線 
1本式レールにこの様式で支える支持装置 レール支持装置にゴムロールが一体で台車になる

関連ニュース:
上海 浦東地区にBRT(案内軌道敷き電車)を建設  (09/8)



#579 2010.1.28
(1/29 追伸)

オランダ アムステルダムのTramと日本のLRT (投稿)


当館では注目すべき投稿があった場合は、別欄の「路面電車発言集」にてご紹介するのが原則ですが、今回外国居住の方から館主の心に迫る発言があったので、例外としてこのニュース欄にて、ご紹介し、多くの方々に読んで、考えて頂きたいと思いました。     ・・・一定期間経過後は発言集欄に移動します。m(_)m


いつも興味深く拝見しております。
日本でのLRTの具現化について、自身の経験談を基に私見を少し披露致します。

昨年4月から仕事の関係でオランダに赴任し、現在アムステルダムの隣の市、アムステルフェーン(館主注:アムステルダム都心から南に8km。上記地図参照) に住んでいます。
ご承知の様に当地では東京や大阪に類する大規模な地下鉄はなく、路面電車=トラムとバスが公共交通機関の主役です。
自宅から10分も掛からない場所に電停があります。
私なりのトラムとバスの感想をお話します。
  1. 定時運行が確保され、信号待ちは滅多にない。次のトラム、バスが何時に来るかが表示される。

  2. 車、歩行者、電車がそれぞれ信号管制されているようですが、電車やバス優先の信号システムになっている。

  3. 現金による乗車は見かけません。ほとんどの乗客が前以て回数券を買って、乗ってから自ら刻印しています。最近はICカードが普及しています。
    運賃は基本はゾーン制であり今のユーロで20分程乗って、3区間、150円程でしょうか。

  4. 車両は5連接あり、地下鉄直通の高床式2連結あり、バリアフリー有など
    様々ですが、基本は運転手一人、乗降時は客がボタンを押します。

  5. 走行環境は、確かに郊外はおおむね片側自動車用に二車線が十分確保されており、朝以外の渋滞は見かけません。ただアムステルダム中心に入ると片側一車線が多く、それでも電車優先、一部はタクシーのみ乗り入れが認められているようです。
    私自身の経験では車で電車が動けないという経験は有りません。
    よく出張に行くドイツ ヂュッセルドルフ市内も同様です。

  6. いわゆるトランジットモールがアムステルダム中心部にあります。結構満員の電車が連続して来ますが、ゆっくり走りながらでも歩行者との混乱は有りません。

  7. トラムとバス路線との重複は有りませんし、バスもトラムの走る路線では同じ停留所を共有しています。ドイツでも見かけましたが線路の上をバスがやってくるのです。

  8. そのバスですが基本はバリアフリー、ゾーン区間が分からない人は運転手の居る扉から乗り刻印してもらいますが、その他の人は他のドアから乗ります。こちらも街中を走りながらもどうやらバス優先信号のおかげでさほど信号待ちをした覚えが有りません。

  9. トラムもバスもおおむね5時台から0時台近くまで運行されています。
当地含め欧州はは間違いなく車社会ですし、人口密度も高いはずです。但し路面を走る公共交通機関が極端に渋滞したり、また混雑したりは無いようです。ただ、ロンドン、パリでの渋滞は当たり前になっていますが。これには代替として地下鉄がありますし、そのパリでも地下鉄終点域を横断するようにトラム路線が新設されています。
アムステルダム都心を縦断する高速道路は無く、環状に整備されています。
中心部では車は勢い渋滞を余儀なくされてはいますが。

日本なら機械や駅舎で管理する出改札業務に比べて、当地では基本的にコストをかけない=信用乗車にすることで非常に乗降し易い環境になっています。また回数券や事前購入のICカードで乗るのが当たり前になっており、それはスーパーで買う事が出来ますし、そこで課金も可能です。

日本ならば採算を考えて、運転本数を削減したりしますが、人口80万の首都、周辺入れても100万そこそこの都市圏にしては運転頻度、路線数は充実していると感じます。
いわゆる交通弱者、高齢者、学生、身障者も多く利用されていますし、人種を超えて乗っています。自転車ごと乗れる路線もあります。

社会コストとしての認知、走行環境確保の考え方、都市設計、など快適さを担保する政策があると感じます。鉄道やバスだけの民営なり公共交通局だけのような事業主体ではかなり困難な経営になるのではと思います。

細かい事は知り得ませんが、当地のトラム、バスは半官半民の様ですが、何らかの形でパブリックが経費を担保していると思われます。

こう見てくると、日本の都市の方が人口密度からしても、きっと乗降客は多いのになかなか拡充しない理由は何となく見えてきます。

広島、長崎、富山などの事例の他堺、岡山での計画も十分現実性が有るように感じます。
また京都はその後計画は進んでいないようですが、先ずは行政当局の理解と公共交通の具体的な指針を持ち合わせない限り、バスにせよ何にせよ不便さだけを享受するのは住民だということです。
安全で快適な走行環境を確保し、効率良き交通機関を確保するには、どんな町にして、どんな負担割合にするか、そのための適切な手段は何かといった具体的な青写真が必要です。

自動車の総量規制、街中への車流入の制限と担保としての駐車場の整備、立体交差の推進や区画整理推進による生活環境の向上、等々環境面からも勧める事が重要であり、そのためのコストを考える時、このままの道路拡充による車社会の是認、地下鉄建設の推進には歯止めが必要と感じます。

既存鉄道網の維持改善やバス路線の再編、行政当局の指導による公共交通機関優先政策の積極推進を具体的に進めて行けばLRTを軸にした交通網については十分実現出来るように感じますが、どうなんでしょうか。

私は神戸が故郷です。最後に廃止になった沿線に住んでおり、現役の市電は覚えています。
確かに今の地下鉄や私鉄は便利ですが、海岸線という最後まで市電が走っていた路線跡にほぼ忠実に走る赤字地下鉄を考えると、何とかもっと利便性のある事が出来たようにも感じます。
同様に、これまで勤務していた東京都のいわゆる城東線界隈も新木場地区をにらんだときに同様に感じます。

少子、高齢化は間違いなくやってきています。快適な暮らしを新しい移動手段という経済的にも貢献可能なLRTで日本でも実現できないものでしょうか。

                   オランダ アムステルフェーン在住 ひろし.H

(1/29追伸)
目下アムステルダムではもう1本、南北を貫く地下鉄を建設中です。これによってトラムの路線が再編されるでしょうが、廃線になったりするのではなく、きちんと共存出来る計画の様です。さらに回数券による信用乗車から、ICカードによる信用乗車へ着々と移行しています。



館主追記:
ひろし.Hさんのオランダの公共交通現実の報告ですが、ひとつひとつの方策は知識としては皆さん承知していることでしょう。日本でもやれば技術的には可能なことばかりです。でも実現しない! なにが違うのか???

日本は路面電車、LRT、トラム、バス等の公共交通に関して、国民の移動権について、ヨーロッパとは認識の根本的な差があるようです。この結果が建設計画の不実現性、ゾーン運賃制の不採用、信用乗車制の未実現(これは広島電鉄が近々実施らしいが)、優先信号の少なさ等々、数々の格差が発生しており、これが日本国民を苦しめている要素になっていましょう。交通について採算中心に力ずくで建設してきたことを反省し、我々も機会を見付けては声を上げ、行政に迫ることをしましょう。



#578 2010.1.23

堺市 LRT東西線計画中止を南海に申し入れ


堺市は、数年前から検討を始めた、阪堺線の堺市中心部大小路にて東西に走る道路を結節しLRT東西線を建設する。また阪堺線を東西線にも乗り入れさせ堺市都心の活性化を図る案が徐々に煮詰まっていた。そこに09年9月の市長選挙にて竹山新市長が当選した途端、LRT東西線計画は廃案にする宣言があった。

今までの経緯から、市議会は容易に廃案提議を受け付けられなかったが、このほど調整も終わり、竹山市長は1/22阪堺線の親会社である南海電鉄を訪れ、LRT東西線計画の中止を正式に申し出た。この申し出は、今まで阪堺線堺市区間(7.9km)の赤字を堺市が支えており、LRT東西線と結節後は両者一体運用による健全化が前提として考えられていたようで、東西線案の廃止は阪堺線堺市区間の廃止にもなりかねない意味を持つ。

今回の申し出が最終決定とはならないらしく、竹山市長は「阪堺線の存続のために検討委員会を立ち上げ、南海や阪堺からも意見を十分聞いたうえで、有識者や市民の代表の声も参考にして1年間くらい討議をする」と表明している。  このためLRT建設予算の大部分は削除したが、検討費用300万円計上が認められている。


関連サイト:市長が計画申し入れ どうなる堺のチンチン電車 (’10.1.23) 

参考ニュース:元々の東西線LRT構想 (08.4.18) 
 
市民の阪堺電車とLRTへの思い入れも深く、まだまだこの件は終結はしないようです



#577 2010.1.16

松江市 も LRT新線を検討


新年早々今度は松江市がLRTを2012年度に開業するという情報が公開された。


産経新聞によると、松江市はLRTを2012年度に開業することを決めた

松江市はLRTの運行で、クルマの排出ガス削減による地球温暖化防止の貢献を期待。昨年11月には有識者らでつくる市新交通システム研究会(座長・谷口守筑波大学院教授)が初会合を開き、今年6月にも導入に向けた提言をまとめる。

ルート案は松江駅〜一畑電鉄松江しんじ湖温泉駅を基本に、松江城、市総合体育館、島根大学、県立美術館近くなどを通る4ルートが検討されている。

また松江市では2月にでもLRT導入を考えるシンポジウムを開催する。

松江市には何度も観光に訪れましたが、舟でのお堀一周も楽しいけど、移動や買い物にはまことにLRTにふさわしい街との印象が深いです。

この市ではかって2000年9月に、市民団体による「路面電車新設による街づくりシンポジウム」を開催し二つのルート案を発表しました。


関連ニュース:松江市 市民団体 路面電車活用構想を発表 (2001.2)   

この結実は不発の終わったようですが、この度は市(市長)が開業すると発表されたようで、実行性は高いでしょう。しかし某市の例を念頭に、市民に情報公開を計り、支持を深めて実現に結びつけて欲しいものです。 



#576 2010.1.7

札幌市 LRT新線を検討中


札幌市電の延伸想定4地区位置

新年早々LRTファンにとっては嬉しいニュースが出現しましたのでご紹介

北海道新聞が元旦の新聞トップ記事にて、札幌市電延伸へ 都心部など4地区が候補 新年度にルート決定 なる見出しにて発表した。このニュースには札幌市民の多くは衝撃的ニュースとして受け取られたのではなかろうか?

報道の要点は
札幌市は、市内中心部を走る札幌市電を延伸する方針を固めた。延伸で利便性を高めて都心部や沿線の活性化を図るとともに、車の乗り入れを抑制して「環境を重視したまちづくり」を目指す。延伸先は現路線から北方向のJR札幌駅や東方向の創成川東・苗穂など4地区が候補で、1月中に各地区に延伸した場合の収支を推計する。また市民の意見を聞いた上で2010年度中に具体的なルートを決定する考え。
  • 2006年に行った交通需要の調査を踏まえ、延伸候補地を4箇所に絞り込んだ
  • 候補地は  
    1.JR札幌駅方面と西4丁目、すすきのをつなぐ都心地区
    2.創成川東・苗穂地区
    3.桑園(そうえん)地区
    4.山鼻南地区
  • ルート選定に当たっては1箇所だけでなく、上記の案から複数を組み合わせることも含めて検討
  • ルートごとの利用者数や収支を試算して、今月中にもたたき台が作成され、市議会に提示される
  • 各区方面とも事業費は40億円から50億円と試算。ルートによっては100億近い巨費がかかり、経済界の一部に反対もあるため、市側は丁寧に議論を進めて、市民の理解を得る方針
  • 09年6月から市役所内部で議論を重ねていた。
  • 延伸方針を固めたのは環境に優しい都市を実現することが、札幌市にとって観光客増や投資を呼び込むことになると、判断したため。民主党が環境対策に熱心なことも追い風となり、延伸に踏み切る条件が整った
  • JR札幌駅周辺の地下歩道や、創成川通の地上部公園化(いずれも10年度完成予定)と併せて、市電網を充実させ、「歩いて楽しめる街」を目指す
かって2005年に札幌市電の赤字が問題になり存廃が問題になったとき、大学教授・経済人・市幹部を含めて札幌を元気にする路面電車検討会議が発足し、市民提案を纏めて公開しました。(下記関連ニュースご参照) 

廃止は免れたもののその後の取扱は不明でしたが、この度、この活動を大幅に採り入れたフェニックス的な案が提示されました。愕きを禁じ得ないものがあります。 上田文雄市長が主唱者のようで心強いですが、充分に市民の同意を得る工夫を重ねた上で準備し,頑張り抜いて, ぜひとも実現して欲しい と念願します。

  関連ニュース: 札幌市 路面電車延伸の市・市民検討会議発足 
                                   (05.12.22)   



#575 2010.1.1
1/14追記

バンクーバー市 冬季オリンピック用LRT 新設


2010年の元旦を迎えました。お目出たい日なので本日はバンクーバー市での第21回冬季オリンピック開催は2/12〜2/28へと迫ってきましたが、大会の交通対策にLRTを臨時に建設・使用するという明るい話題をお届けします。

今回のオリンピック開催中の交通量確保に向けたプロジェクトで、準備委員会は、環境にも配慮して臨時にLRTを建設運用する。路線は選手村とグランドビル・アイランドとを結ぶ1.8kmの区間で1/21〜3/21の2ヶ月間走る。
LRTはベルギー製。「ボンバルディア FLEXITY号」
運転時間は毎日6:30〜24:30。6〜8分間隔。料金は無料。

大会終了後のLRT路線は、路線の維持または延長を含めて改めて検討する。

(1/14 バンクーバ在住のパシリ1号(Pさん)よりの追加情報↓)
今回のLRTで運行する線路は,約10年前からDowntown Historic Railwayという鉄道保存団体が保存する旧型電車を走らせる為にあった線路です。
それと平行してLRTを運営する計画は,オリンピック開催決定の以前からありました。
公共交通機関がオリンピックの為に大型バスからSkyTrainという電車にシフトした事により,有名観光地であるグランビルアイランド・マーケットへの移動が不便になった事による代替交通手段の確保と,以前から計画のあったLRT計画とのリンク,オリンピックというイベントによる集客を利用した新型車両のデモなどいろいろな要素が上手くリンクして,今回の実施に結びついたそうです.

(1/14)LRT線路位置をPさんの情報により若干修正しました↑
BCプレイス開会式スタディアム 選手村模型

 (1/14)Pさんによる走行中のLRT写真
車両はボンバルディア社製の
FLEXITYという5両編成のLRT。
出っ張りもなくスマートなデザイン
思ったよりも広く、日本の電車とは
違った高級感があります。
防犯対策のカメラ付き!