#115 01.2.17

岡山電軌 新導入LRVの内装を公表


 岡山電軌では平成14年3月導入を予定している新LRVの、外装デザインと諸元とはすでに昨年10月には公表されていました。 が、内装についてはなぜか公表は延期になっていたがこのたび、3面図と共に公表されたので、岡山電軌(株)とRACDAとのご了承を得て転載します。
電車デザインで有名な水戸岡氏のデザインらしさが随所に見られます。 特に狭軌1067mmの100%低床車なので、どれだけ座席を確保できるかで難しいのでしょうけど、片側2人掛けと1人掛けクロスシート+2人掛けロングシートとの組み合わの木製座席にて苦心の跡が見えます。  台車はアドトランツ社を輸入し、車体は新潟鉄工所製にて製作されることになります。この車両が岡山市内を疾走する姿が待たれますね。
 

2000/10発表の外観図
外観図


今回発表の正面図、3面図、内装図
正面図
3面図
内装図1
内装図2
運転台付近

                  

100%超低床路面電車主要諸元

軌間 1067mm
電圧 直流600V 車体寸法 長さ 18m 幅 未定 高さ 約3.15m
床面高さ ステップ 30cm 通路 36cm
重量   空車 約21t
定員 約84人 内座席28人
乗降扉 ノンステップ・プラグドア 幅1.25m
運行設備 ワンマン運転設備
台車 4輪ボギー × 2台 弾性車輪付き
制御装置 VVVFインバータ
モーター 交流100kw × 2台
ブレーキ 発電/回生ブレーキ、ディスクブレーキ
トラックブレーキ(電磁吸着式)
最高速度 40km/h (性能 70km/h)
最高勾配 70‰
最小曲線 半径18m

外形は白と青を基調とした流線型デザイン。内装は車椅子も乗れる広いスペースや手摺りを設け、バリヤフリー化に対応。ベンチは木製。 高齢者や車椅子使用者が乗りやすいようにノンステップ昇降口にする。 
足周りは熊本9700型アドトランツと同型の2連接車である。

                 参考:岡山電軌HPhttp://www.okayama-kido.co.jp/



#114   01.2.10

松江市市民団体 路面電車活用構想を発表


 私事ですが松江市は私の大好きな街です。その故かここ6年間で3回訪問しています。(^_^)
同市は宍道湖に面した城下町で、訪問者の心を捕らえて離さないしっとりとした情緒に心を洗われ、毎年観光客は数百万人も来市するとか。それもレピート客が多いというのも頷けます。 

 客観的に見ると松江市人口は15万人を超えたし、中海・宍道湖圏域では人口も60万人という、日本海側最大の人口集積地です。 かかる地勢を背景に昨秋「市民政策グループ「環境イニシャチブ」」のメンバーにより、「路面電車とまちづくりシンポジウム」が実行されました。 その折りコーディネータ役のこむろ寿明氏より、これをベースとした提言書の送付を受けたので一読しました。 フーム。  ともかく路面電車は経路と行き先がしっかり読め、観光客にとってはすごく安心な乗り物なのです。 大賛成。(^_^)
 この路面電車とはLRTを導入して郊外型電車の―畑電鉄の市内乗り入れる、更にはJR山陰本線への乗り入れもするという構想です。 もしこの構想が実現すれば広島市やカールスルーエ市と同様に、郊外〜市内乗り入れ型になり都心繁栄に貢献することは必至でしょう。 示唆に富んだ提案と思え、この構想のポイントを広くみなさまにご紹介致します。
 下記提案図の制作者は島根大学の小池助教授です。

松江市路面電車活用案図

●シンポジウム実行日:2000年9月30日
●基調講演1:人と環境にやさしい路面電車 岡山RACDA会長 岡 将男氏
 基調講演2:岡山市の路面電車延伸計画  岡山市都市整備局都市計画部長 井上達也氏
 基調講演3:LRVが走った広島電鉄   広島電鉄電車カンパニプレジデント 中尾正俊氏
 基調講演4:松江市での路面電車活用の可能性 島根大学生物資源学部 小池浩一郎氏
 トークセッション:「路面電車で街がよみがえる」
    パネラーは上記4氏+―畑電鉄鉄道部長宮廻宏氏および松江天神町商店街理事長中村寿男氏
    コーディネーター:環境イニシャチブ代表:こむろ寿明氏 komuro@mx.miracle.ne.jp



#113  ・ 01.1.22

路面電車サミット '01 in熊本 は10月下旬に実行予定


 熊本日日新聞1/3版および熊本サミット世話人H氏の情報によると、99年の豊橋サミットで受諾された「01年度の路面電車熊本サミット」は本年10/23(火)〜10/28(日)の期間に熊本市で行われるよう準備が進んでいる模様。

  • 主催:都市交通会議 代表:鳥飼香代子 熊本大教育学部教授
  • テーマ:「都市交通新世紀−交通が変われば街が変わる」
    1. 講演会では路面電車などの公共交通を充実させて都市活性化を図っている欧米の実状などを発表
    2. 日本全国の路面電車事業者と愛好団体の意見交換し、21世紀の都市交通のあり方を全国に発信
    3. 新しい都市交通や低公害車などの実物、模型、パネルなどを展示

 なおサミットの本会議は10/27(土)に実施し、その前日(木)、(金)を講演会に当てる予定とのこと

     熊本日々関連HP :「人とクルマのイイ関係」

    上記を経由してからクリック→ 「路面電車の再評価をめざしサミット」

             



#112  01.1.9

京都・奈良・鹿児島の各市 LRT建設への胎動が


明けましておめでとうございます。 新年らしいLRTの話題3題を。

 昨年来日本各地の自治体にてLRT建設の話題が続々でています。 これらのうち昨年10月から年末にかけて報道された京都市、奈良市、鹿児島市のケースを併記しますので、参考にしていただきたいと思います。
 各自治体のこういう動きですが、21世紀の都市問題は環境・バリヤフリーニーズに加え交通条件の悪化が引き金になって根本対策の模索が始まりました。その解決の一つとして「LRTという公共交通にシフトせざるを得ないのでは」という予感から胎動が始まっている気がします。 ごく最近ですが、昨年12月には大蔵原案は低床電車への補助金要求に対し全額決定しました。 
 各都市それぞれ事情があり実現するまでにはバリやーも多いのですが、ベクトルはLRT化への方向にしっかり向かっているよう感じます。 この21世紀は確実にLRT時代になるでしょう。皆んなで見守り、できれば手助けしたいものです。

 京都市のM氏より下記続報を頂戴しました。m(_)m


京都市:

 京都商工会議所の稲盛和夫会頭は昨年10月の記者会見にて「市内の交通機関として地下鉄に代わり、今後は路面電車の検討をすべきと考える。近く会議所内で検討委員会を設ける。更に京都市や市議会にも検討を求める」と発表した。 京都は路面電車発祥の地。昨年6月京商が仏ストラスブール見学を実施しており、LRTにて建設すれば、建設費は地下鉄の1/10にてすむとも述べている。 (日経新聞より) 

(1/5付け日経近畿京都版関連ニュース)
京都市の桝本市長は4日の記者会見にて「21世紀の礎を築くため、公共交通優先の総合交通政策に特に力を入れたい」と述べ、来年度は「LRT導入と観光地交通対策を重点対象としてそれぞれ1000万円以上の予算で具体化調査をする」と表明した。


奈良市:

 昨年9月市長に当選した大川靖則市長は当選直後、市内中心部大宮通りなどにLRTを環状に走らせる構想を明らかにした。その後いろいろ方策を検討したが、近鉄や奈良交通など交通事業者以外に市民や学識経験者の参加を呼びかけて協議会を発足させたいとしていた。
 そこで奈良市は昨年12月に、「LRT構想を検討するプロジェクトチームを2001年度に発足させる」ことを決めた。 (産経新聞より)


鹿児島市:

 昨年12月末のほやほや情報であるが、「鹿児島市マスタープラン」の中で市電の路線延長を全域で検討することになったとの報道。
 素案では、天文館・いづろから鹿児島本港区と、谷山北部への市電延長可能性の検討が打ち出されていたが、他の地域でも市民から市電延伸を望む声が多く出たため、地域別構想から切り離し、全体構想にて検討を始めることになった。
 原案にはこの他「市街地部の交通混雑緩和のためのパークアンドライド等交通システムの検討」、「交通バリヤフリー法制定を受けた超低床電車導入」も盛り込まれている。 (南日本新聞より)