sentou

#558 2009.9.10

新潟市 新公共交通をつくる市民の会 設立総会


新潟市のオムニバスタウン後(2012年以降)に向けて、市民が広く新交通に関する議論・検討・啓蒙・運動を行うべく、中心市街地商店主・経済界・市民などによる団体を9月12日に設立することになりました。会名は新潟の新公共交通をつくる市民の会です。

今までは経済界や庶民、モノレール派やLRT派やバス派が立場ごとに分かれていたものが一つになった上で、本格的に選択をする初めての会という形で位置づけられております。

  

 「新潟の新公共交通をつくる市民の会 
      設立総会・記念講演会」


●日 時:2009年9月12日(土) 13:20〜19:00 

●場 所:ほんぽーと 新潟市中央図書館 ビーンズホール(3F)   
             新潟市中央区明石2−1−10
新潟駅から
約1km

●人数と参加費: 150名 入場無料
         
●プログラム:
  • 第1部 設立総会  13:20〜14:30 
  • 第2部 記念講演と報告会 14:40〜17時
      基調講演 松本昌二教授 (長岡技術科学大学)
      基調報告 松谷春敏大臣官房技術審議官 (国土交通省)
  • 第3部 懇親会 (会費:4000円) 17:30〜19:00
      「ホテルサンルート新潟」
●事務局   〒951-8063 新潟市中央区古町通2番町531番地 
           新潟の新公共交通をつくる市民の会準備会
           FAX 025-224-2507       

●申 込:上記FAXにて氏名・参加の会名・連絡先・電話・e-mail・@を連絡



#557 2009.9.8

長崎電軌 運賃を100円から120円に10月から値上げ


長崎西洋館の1Fを通り抜けると浜口町電停だ  2006.10.22

長い間日本一安い路面電車運賃として有名な長崎電軌軌道は運輸局の承認を経て、10月1日より運賃を大人100円を120円に、子供50円から60円に値上げすることになった。

同社は1984年来25年間ワンコイン電車を維持してきたが、少子高齢化やマイカー普及、若者の県外流失等で利用者が減少。ピークの94年度に18億9000万円だった輸送収入が、18年度は16億8000万円に減少。一方バリヤフリー対応のLRT導入や停留所改善等安全確保投資の支出も増え、運賃改定に踏み切った。

値上後も岡山電軌の140円、広島電鉄の150円に比べ、日本一勉強運賃は維持できる。

市民の声:「よく頑張ってくれたなあと思います」「企業としてはギリギリまで運賃据え置きの努力をされたと思われます」「120円に上がっても十分安い」等々。

  関連ニュース : 長崎電軌 100円電車 運賃を来春までに値上げ (09/7)    



#556 2009.9.2
(9/11路線修正)

横浜市 市民がLRT新線を横浜市に提案


横浜にLRTを走らせる会は旧くより横浜市のLRT新設に向けて活動を続けており、逐次提案を掲載して参りました。

同会が横浜の公共交通活性化をめざす会と共同にて、この春横浜市長に新提案を出されたことは承知していましたが、ご紹介が遅れて本日になりました。案を検討しましたが、今までの構想的提案を更に進め、都心部の効果の高い地域に限定して建設場所を絞り、その代わり路線・建設費・効果等をずっと詰めた具体的提案に仕上がっています。本編でのご紹介は概略に止め、詳細は会のサイトをご紹介しますのでどうぞ。

(09/9/11 LRT路線一部修正)

提案の概要は:
1.路線
  • 路線長: 桜木町〜山下公園 2.45km (単線/一部複線)
  • 停留所: 7箇所 平均間隔408m
  • 複線区間: 国際橋南〜新港橋北0.7km、象の鼻〜開港広場0.2km
    計0.9km
  • 概算建設費・工期: 約61億円、工期 調査設計1年+工事調整1.5年
     計2.5年
2.提案理由
  • 「みなとみらい」から山下公園にかけてのベイエリアは横浜の観光スポット    のだが広く分散している
  • 地域内徒歩移動に対する補助手段が必要。健常者にはレンタサイクル、高齢者など交通弱者にはLRTを
  • 提案ルートは、LRT を導入できる公共空間があり、導入によって人と環境にやさしい「まちづくり」を実現できる
  • 本LRT は既存の路線バス、みなとみらい線などと競合するのではなく、充実した補完関係構築を目指す
  • 軌道系の乗り物は、バスと異なり路線が明快なので観光客など地理不案内の人々も安心して利用が可能
  • 環境モデル都市横浜として、LRT は安価で短期間に建設でき、自動車を抑制する施策のシンボルとなろう

3.運行計画と要員数 
  • 桜木町〜山下公園間所要時間 : 12〜15 分 (表定速度 : 10〜12km/h)
  • 基本10 分間隔 : 4 編成使用+1 編成予備=5 編成
  • ピーク増発期間7.5 分間隔 : 5 編成使用
  • 閑散時15 分間隔 : 3 編成使用
  • 要員数20 名(除く管理者)、内乗務・運転管理要員14 名、施設車両検査6 名 (整備は外部委託)
4.車両計画
  • 横浜の街並みにふさわしい、バリアフリー100%低床式でデザインの斬新な車両
  • 車体寸法 幅2.4〜2.65m、長さ18〜30m 程度 将来計画や利用者数次第で選択
  
5.概算建設費
     車両:5編成にて13億円
     総建設費:61.2億円 営業キロ当たり25億円

  関連ニュース : 横浜にLRTを走らせる会 LRT3線の新設案 (05/3)
  提案の詳細サイト: SEV活動報告 横浜ベイエリアLRT
  



#555 2009.8.28

浜松市 LRT特別講演会を開催


浜松市にて都市交通デザイン研究会が活発な活動を続けていますが、今回LRTをテーマにした2件の興味深い講演会を開催しますのでご紹介します。

  地域公共交通活性化 第4回特別講演会 

 「年間4000万人を運ぶ広島電鉄LRTの経営を学ぶ
 「LRTが街を変える! 地方都市の次世代交通を考える」


今回は下記の講師をお招きすることになりました。中尾講師からは、地方都市としては驚異的な輸送人員を誇る広島電鉄(路面電車だけで年間4000万人)の経営戦略を学びます。また、世界の路面電車の研究をされている栗田講師からは、世界のLRT最新情報と、地方都市における次世代交通について学びます。栗田講師は60回以上外国を訪問しLRTの研究をされている第一人者です。自らも静岡市でのLRT実現をめざした活動をされています。静岡市では2010年度からスタートする第2次総合計画にLRT導入が盛り込まれることになりましたので、最新の情報が伺えるのではないかと思います。

●開催日時: 2009年9月25日(金) 18:00〜21:00 

●場  所: 静岡文化芸術大学 講堂   
         
静岡県浜松市中区中央二丁目1番1号
浜松駅から約1km

浜松駅北口バスターミナル10番のりばから出ているバス
  (ただし、系統番号70番「子安・笠井」行きを除く)
  「文化芸術大学」下車

●講 師:   
  • 中尾 正俊 氏 (広島電鉄株式会社電車カンパニー前プレジデント)
     テーマ:年間4000万人を運ぶ広島電鉄LRTの経営戦略について    


  • 栗田 仁氏 (栗田仁建築設計室)
      テーマ:LRTが街を変える!
●主催:地域公共交通活性化推進議員連盟

●共 催:都市交通デザイン研究会

●参 加 費:
無料 事前にお申し込み下さい。

●交 通:
駐車場はありませんので公共交通をご利用下さい。

●申込み先:FAX 053-448-7164
(都市交通デザイン研究会事務局)



#554 2009.8.21

上海市 浦東地区にBRT(案内軌道敷電車)を建設 


世界的不況にもめげず中国は現在も逞しく前進している国である。同市に滞在する山之内氏によると、上海市中心部の対岸にある浦東地区に、軌道は一本だけで、他はゴムタイヤで走行するBRT(Bus Rapid Transit )(今回のはレール1本の案内軌道敷路面電車)が道路に敷設された。

既に工事は終了。架線も張られ、道路の真ん中に島式プラットホームも出来ている。また電光式案内板も設置完了し、いつでも電車の運用は開始できるまででき上がっているそうで10月から試運転が始められる見込み。

車両は3両1編成。定員167人。最高時速70Km/h。当面は5編成を投入。投資額は6億元。完成に合わせ道路信号はBRT優先信号に変更される。

ともかく下記から判断すると、このBRTは不思議な路面電車orバス?と言うべきであるが、LRTと同類の新しい乗り物としてご紹介。    
                     (記事と写真は山之内淳氏ご提供)

     (8/28追記↓ 上海万博会場)

 島式電停 レールは1本のみ敷設に注目
電停の案内地図 電停数は15ヶ所のようで長さ約10km

関連サイト:我が愛しの上海へ

関連情報:(8/21)
上記記事を公開後、KOALA代表でトロリーバス研究家の森五宏氏より、日本の堺市でかって同仕様のBRTがテストされたとの下記の情報を寄せられました。


氏によると、2005/5三井物産が輸入したのは、仏ロール社製のLRTトランスロールSTE3形(連接3両編成)で、これは中央案内軌条によるゴムタイヤ式のLRTである。試験線は新日鐵(株)堺製鉄所内埋め立て地に建設され全長は約400m。目的は日本の環境や諸条件での安全性が確保されるかを実地に確認するために建設された。

2年に渡る実験と評価は優れたものであったが、国内では採用に至らず、その後2007年5月に天津市にて開業した。更に今回の上海市での採用と建設に至ったものである由。



#553 2009.8.14

富山市 大手町新ルート椅子設置で募金 寄贈者名を刻む


富山市は、計画中のLRT大手町新ルート建設を12月開業を目指し、着々進行している模様。この環状線化新事業に関連して、新電停の椅子の寄付金を募集している。寄付した人の名前とメッセージを記念プレートに刻み、椅子に取り付ける。寄付金は椅子一脚につき5万円。募集は9月4日まで。

新電停は、丸の内−西町両交差点間に「国際会議場前」「大手町モール南」「グランドプラザ前」の3カ所。椅子は各電停に8脚で、計24脚の寄付金を募る。寄贈者の名前は10文字以内、メッセージは20文字以内という制限付き。

応募多数の場合は抽選。個人、団体、企業が対象で、市民以外でも応募できる。

市は、路面電車の維持管理などに充てる寄付金も募集している。一口1万円以上。寄付者の名前は、開業時に運行する電車に、装飾ラッピングとして車体に張り付ける。募集は10月30日まで。


さすが知恵の富山市、アイデアの富山市ですね。このアイデアも宜しいですね〜。成功疑いなしです。



#552 2009.8.8

広島市 市長平和宣言と路面電車


館主の考えること:
今までにも表明したかと思いますが、当館「路面電車を考える館」の館主は広島都心に生まれました。あの忌まわしき原爆投下の日は中学2年生でしたが、広島駅付近の臨時農園の草取りに動員されていました。爆心地から距離は2kmです。爆撃機から原爆を投弾し北に逃げる機影を追っていた瞬間に頭上が傲然と光り、私は火傷を負うと同時に地面に叩きつけられ失神しました。その後2.5kmある自宅に逃げ帰り、治療を受けてどうやら立ち直り本日に至っております。

後年大学を卒業し、40年間の殆どは東京にて勤務し、故郷広島市にUターンしたのはもう15年前になります。東京の地下鉄生活から広島市路面電車生活に切り替わった途端、地上を、確信を持って、安全に、平和に走る路面電車の魅力に打たれ、「この魅力を日本中の人に訴えて、たくさんの都市に走らせたい」と考えつきました。即「路面電車を考える会」のお手伝いを始め本日に至っております。そういう経緯にて、日本の多数の都市に普及させるべきという思想からのホームページ「路面電車を考える館」の制作も始めました。

今年8月6日の平和式典は2年前に宝塚市に引っ越してしまったので、NHKTVの生中継にて参加せざるを得ませんでした。広島市居住中は、あの日には式典に参加していました。 また被爆者語りべも務めていました。私の結びの言葉は「歴史上、正義の戦争はあり得ない」で結ぶという一貫した反戦主義者です。

今年の秋葉忠利広島市長の平和宣言は画期的でした。オバマ大統領がプラーハにて、「核兵器を使った唯一の国として、核兵器のない世界を実現するために努力する、道義的責任がある」との画期的発言を受けて、秋葉市長は「私たちには力があります。そして、私たちはオバマジョリティーです。力を合わせれば核兵器は廃絶できます。絶対にできます」が結びの言葉でした。私も心底賛成しました。

原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式 と 宣言する秋葉忠利広島市長
函館市では地域の平和団体が「平和号」なる記念無料電車を走らせたとの情報を送られました
使用電車は都電色に復刻された1006号です           (Photo:函館市中里さん)

関連サイト:広島市 2009年8月6日 式典と平和宣言動画 (6'06") 



#551 2009.8.3

堺市 「堺LRTの早期実現をめざす会」発足 市が修正案発表


堺LRTの早期実現をめざす会 発足総会の様子 (Photo:KOALA HP)

堺LRTの早期実現をめざす会が発足
7/23「堺LRTの早期実現をめざす会」が正式発足した。発起団体は、堺商工会議所、堺市商店連合会、(社)堺高石青年会議所、堺のチンチン電車を愛する会、NPO法人 自由都市堺・町衆会議、NPO法人 堺エコネットワーク協議会、都市創生交通ネットワーク@関西(KOALA)と全分野を含めた団体。

環境問題、高齢化社会の到来、中心市街地の活性化といった問題に前向きに取り組む堺市を各団体が結集のうえ、支援していくこととなった。

 LRTを基軸とする公共交通の充実、再編成は喫緊の課題である。設立趣意書には「クルマ社会からの脱却は決して容易なものではない」と記載されているが、堺市にも積極的な提案を行いながら活動を継続するつもり。

 設立集会には、当会代表も含め、多数の参加があった。また、山根顧問から「広島市での取り組み」報告がなされ、行政、市民、事業者が一体となった活動が成果を上げているとの報告があった。

 参加者からは行政に対し、全庁体制で交通問題に取り組んで欲しいとの辛口の意見も出たが、司会者より、会員を増大させるとともに、早期に「市民提案」を行いたいとの会員の決意が表明された。
       ( KOALAホームページ 「最新ニュース」7/26 より転載 )


堺市が修正2車線案を発表
堺市は市中心部の目抜き通りに整備する予定のLRTについて、線路を設けるため車道を一方通行の1車線に減らすとした基本計画案を修正し、現状の両側通行の2車線のままとする方針を固めた。車道両側に線路を通す独自の「外寄せ構造」も同時に見直す。現行の計画案では自動車の通行や駐停車に支障をきたすとして、沿線住民が反発していた。

市は今後、複数の案と、それぞれ利点や課題を市民に示し、意見を聞いたうえで修正案をまとめる予定。松井利治・市長補佐官は「自動車が一方通行になる案では合意は得られないだろうが、両側通行が確保できれば大きく進むはず。市民の意見を広く聞きながら検討したい」と話した。  (読売新聞ニュースより)

 参考ページ:堺市 LRT東西線 住民の合意得られず開業延期か (6/10)

館主感想:
実は上記発足総会に館主も招かれ、今までのLRT関連市民活動で得られた経験談をお話ししました。その報告の一つに、『仏のある都市の道路交通局長さんが「LRT計画を発表すると猛烈に市民は反発します。私どもはそれらを採り入れた改良案はをどんどん発表・公開し集会をします。15案も出て討議も尽きた頃、市はどんと宣言して実行します」と聞いたことを私は鮮烈に記憶しています』と報告しました。今回の市長補佐官の修正発表案は、仏の成功事例の路線に近いと感じて、「これならうまくいく」と思いました。 

今後も堺市は市民提言を素直に聴き、採り入れた案をどんどん公開し、結果として堺市こそ日本で始めてのLRT新線を無から建設した都市と報道される日を是非迎えたいものです。堺市とは「かって南蛮貿易を始めた日本一先進都市」の実績がありますから。



#549
2009.7.23

富山市 市内環状線用 LRT電車愛称募集 


皆さんにお願い:
富山市では 既設の富山市内線環状化を計画し一部工事を進めています。

現在運行電車は富山地鉄市内線として運行していますが、09年度中(12月予定)にLRV新車3両を導入するようです。この新車は計画中の環状化線に使用する予定のようで、この環状化線利用をイメージした車両の愛称を募集し、アピールする企画です。

富山市都市整備部より全国の路面電車・LRTファンに知らせ応募を計りたいようで、周知の依頼が参りました。皆さまには積極的に応募をお勧めします。小生も応募してみるつもりです。(^^;)


参考ページ:富山市 市内環状線の具体的工事に着手    (07/8)
        富山市 市内環状線の認可と埋蔵文化物の調査開始 (08/12)