#240 04.3.29

広島市 横川駅前広場完成とレトロバス発進


JR横川駅前を整備計画が発表されたのは01年8月であった。今回工事の内容は広島市の西北の玄関JR横川駅前を総合的に整備することにある。内容は、広島電鉄横川駅電停を駅改札付近に引き入れる。横川駅広場の全舗道上にレトロでしゃれた上屋を設置する。JR横川駅駅舎を新築し大部分を各種ストアとして新設。駅前のバス停車場所を全面衣替えする。 利用者には遠かった自転車置き場をJR改札口と広島電鉄電停の間に立体駐輪場として新設し便利にする等、数々の改善を実施することができた。
JR横川駅改札口から広島電鉄横川線乗り場まではすぐ目の前に
  横川駅の駅舎も大きく3階建てになり、その前舗道上は上屋新設。バス乗り場も整備された。
横川駅結節点改善工事完成に当たって市民のアンケート調査結果  (広島国道事務所)

関連ニュース:2001年8月〜03年1月 広島横川駅結節改善提案
      2001年8月 広島市 JR横川駅前広場改造と広電乗入が進展
      2001年9月 広島市 横川駅整備プランが新聞報道された 
      2003年3月 広島市 横川駅前広電横川駅新電停が完成    
      2003年4月 広島市 横川駅発都心便開始で電車バス競争が

約100年前に日本初の国産乗合バスが横川〜可部間の運行を開始したという記録が残っている。
このたび市民有志「レトロバス復元の会」がその先見性を讃えてレトロバスとして復元制作し、同じ日
に同場所にて併せて完成のご披露をした。
バスは軽トラックをベースにエンジン付きで制作したが、12人乗り、全長は4.3mしかない。
右は駅前広場ど真ん中に新設されたレトロバス収容上屋。常時市民の目に触れることになる。
実はレトロバスには認可がないので、会のメンバーにより横川・可部間おおよそ10kmの距離を
太田川河川敷などを経由して引っ張って運んだ。午後1時から5時までを要したという。


#239  04.3.23

伊予鉄 引退電車を故郷呉市に里帰り保存


 1959年(昭和34年)呉市電にて稼働を始めた新車両3両が、8年間運行後呉市電の廃止に際して1967年(昭和42年)伊予鉄道に譲渡された。これら車両は翌1968年1月よりモハ1001,1002、1003として松山市内軌道電車として運行を開始した。これら車両は松山市にて36年間も活躍したが、このたび伊予鉄道の超低床車導入に伴い廃車となるが、このうちモハ1001号軌道電車は呉市に里帰りし、同市天応町の呉ポートピアパークにて保存されることになった。
 これに伴い伊予鉄道株式会社では同社古町技術センター前にて3月24日(水)午前10時より『軌道電車1001号引退記念式-伊予鉄道から故郷・呉市へ-』が挙行される。また式典終了後に構内にて引退記念試乗会を一般公開にて行われのでどなたでも参加できるはず。

           伊予鉄道ホームページ:「さよならモハ1001号引退記念式典」


昨年3月、広島電鉄の1103号が故郷神戸市に里帰り保存のニュースがありましたが、それに引き続く旧車の保存ニュース。こういった社会行動が歴史を大事にすることと公共交通見直しへの契機になる快挙と考えます。
 この情報は松山市の村上昌弘さんから頂戴しました。もし式典の様子が入手できましたら追加掲載します。
 また同社ホームページによりますと呉ポートピアパークへの展示はこの夏のようですのでぜひ取材を行い続報UPをしたいと考えます。ご期待を。



#238  04.2.22

沖縄市 LRTを09年に試験開業プラン


沖縄県本島中部の沖縄市に市内にLRTを走らせようというプランが持ち上がった。沖縄市の市民有志10人が市内にLRTを走らせることを目標として「御萬人鉄道(うまんちゅてつどう)株式会社を資本金1000万円で立ち上げることを決意、2/13に沖縄商工会議所にて設立会見を開いた。
軌道区間は具志川市県立中部病院前から沖縄市久保田までの約6kmを試験開業する計画。
来月にも専門家チームを立ち上げて、同社の基本構想を検討してもらう。その後国土交通省に電車基礎事業補助申請を提出し、05年に調査費が計上され事業可能性が認められると09〜10年には開業可能と目論んでいる。(琉球新報、沖縄タイムスの情報より)

沖縄市と言われても見当も付かないので自分の勉強のため調べてみたら上記の地図になった。なるほど。
社長さんも応援者も素人の集団かも知れないが、数年前からLRT導入を訴え続けてきたらしい。日本の地方鉄道の歴史は素人の有志の発起によるものも多い。いろいろ困難も予見されるが温かく見守ってゆきたい。


#237  04.2.19

熊本市電 市電を使用してGPS精度の実験


国土交通省・交通安全研究所は2月5日6日GPSを使用して列車の位置を把握する鉄道用の新しい信号保安システムの試験を熊本市電を使用して行った。 このシステムはいつも日本の真上にある準天頂衛星システムを利用し既存のGPSと組み合わせて使用する方式で、現在のGPSの誤差5m〜10mを1m以下という位置精度に高めることにある。

実際の試験は準天頂衛星に見立てた疑似衛星を市役所14階に、疑似衛星とGPSの電波を中継する基準局を熊本城平御櫓に設置。GPS受信機を設置した市電「桂林号」を2時間走らせて車両の位置精度精度と電波ノイズ、データの安定性を調べた。 (熊本日日記事ほか)
熊本城平御櫓に設置された基準局 車両の上に実験用GPSアンテナを取付けた

既に広島電鉄ではGreen Mover全車をGPS利用により走行位置情報を公開しているが、このシステムとは異なる。今回の実験の意義は国土交通省が将来の高精度列車制御を推進するために、熊本市電がデータ作成に協力したものと受け取れる。熊本市電らしい積極開発志向の現れで賛同したい。

関連ニュース:03.12.8 「熊本市電 GPS利用の信号システム来年に実験


#236  04.2.15

岐阜市 名鉄岐阜4路線廃止を市に通告


名鉄の木村社長ほか幹部が3日岐阜市役所に訪れ、岐阜市内線、揖斐線、美濃町線、田神線の4路線について、国土交通省に対し軌道法と鉄道法に基づく廃止手続きに3月より入ることを岐阜市長に伝えた。会社の計画通りにいけば05年3月には廃止になる。

昨年1月の撤退表明を受けてから、存続運動や秋の社会実験の実施等の存続運動が行われたが、乗客減に歯止めがかからず、会社側は路線バスでも対応できるとして廃止に踏み切ったもよう。

岐阜市の路面電車は1911年美濃電気軌道が発足以来路線拡張発展を続けた時代もあったが、車社会に追われて低落し今日に至った。 対案が無い状態で存続はなかなか難しいようである。

関連ニュース:03/2 岐阜市 名鉄が岐阜市内線撤退を公式表示
           02/12岐阜市 名鉄が路面電車等撤退可能性を伝達