広島市 横川結節改善関連工事スタート     

   
 03.1.1 ・ 

 広島市の西北のJRと路面電車、バス等の重要結節点改善工事がスタートした。
 先ず広島電鉄横川電停の広場内移設先の三角スペースに板囲いがされ重機類と資材が置かれ始めた。広場の路面電車引き入れ部分への新線路路盤工事から開始するようにである。

 意外な改善工事ダークホースは隣接ショッピングモールの開店であった。一昨年当会の結節改善提案策定時に西側隣接場所に本社を持つスーパーフレスタ社にもでかけ責任者にデザイン協力をお願いした。その間広島市他の関係機関ががいろいろ協議をするに手間取るあいだにさすが民間事業者、もうその期間で市案を前提にしたショッピングモールのデザインを決め、建設に着手していた。それが02/12/4には「モールCAZL(カジル)横川」として開店してしまった。神速! 
 前部はモール形式にし広場と調和した公開空地を持つデザインに仕上がっている。そこで当時の責任者にお会いしたが「発注デザイン会社は駅前広場のデザインを担当した会社に依頼しました」。・・・道理でシックリしているはずである。すべて公の共通工事はこういう風に配慮してもらいたいものです。(^.^) 


現在の電停は左道路の真ん中にある 。新電停場所に囲いが付けられた。 右は囲いの内側、資材が運び込まれている
西隣に出来た二階建てショッピングモールと公開空地。 入口の濃い緑色の建物モールの駐輪場。立派な配慮。

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広島市 JR横川駅結節点改善事業案決定!

02.11.20

JR横川駅の駅前広場はかねてより結節的に課題であった。この改善については国土交通省・広島市・JR・地元商店街を中心に話し合いが行われていた。
広島LRT研究会では「JR駅・路面電車・バス利用者」の視点からこれのベストソリューションに取り組み、その発案を、国土交通省、広島市、広島電鉄、横川商店街振興組合、隣接のスーパーフレスタ本社、それぞれに持ち込んでは意を通じるべく努力をしてきた。JR西日本には持ち込みはできなかった。当会案作成に当たっては1次案から8次案までブラッシュアップし、最終案を下記2001年元旦特別発表としてホームページにも公開した。以後は当事者側合議の推移を見守ることにした。

その後事業当事者の検討が続けられ、折りがあれば進行状況をかいま見る程度であったが、ここにやっと当事者間の話し合いが纏まり、2002年11月1日を期して市民の前に実行案として発表された。 またこの発表日が着手日になると報道されている。


●工事着手日:2002年11月1日
●電停移設・電停上屋の改良完成目標:2003年3月31日
●交差点改良完成目標2003年6月30日
●駅前広場の改築・駐輪場の整備・大屋根の整備目標:2004年3月31日
●新改札口改築完成目標:2004年3月31日






 

やっぱり路面電車モデルはGreen Mover でしたね

館主コメント
  • 当会で作った終案はよそのヒント部分もあったが、とにかく現場に何度も足を運んで考えた物であった。そのうち独特で重要提案だった考えるのは、JR駅舎の改札口を路面電車乗り場に直結できるよう思い切って動かしU型大迂回歩行だけは解消してもらいたいという提案であった。この度のお役所折衝ではJR当局のみ直接提案行動が出来なくて成果を悲観視する向きが多かったが、結果はそっくり提案を取り入れられていた。これは利用客にとって実質効果は大と考えJR西日本に密かに感謝します。
  • 歩道部分には上屋を設ける。さらに歩道終端までの上屋延長が提案であったが、結果は想像以上で駅前主要部分を大鉄傘ですっかり覆う大規模なもという予想外の雄大デザインに結実した。がその分、終端部まで延長の方は切り捨てられたようだ。新デザインで良かったのは路面電車電停上屋で、これは広電西広島駅での成功例を取り入れた一枚型大屋根になっておりこれなら市民に受けるであろう。
  • 当会で独自提案した「日本バス発祥の地記念碑」の設置も取り入れられている。 位置は俯瞰図によると中央バス進入路正面の場所で、実物大モデルが鎮座という成案に進化している。この提案の実現については、その後地元商店街振興組合の方に移り、今や熱心な実現運動に発展をしている。 続報があれば今後も掲載したい。
  • 駐輪場の設置場所は今のように遠くなれば放置自転車が必ず発生する。改札口そばの放置されそうな場所に設置するのが秘訣と主張したが、これも位置を東西に置き換えてそっくり実現。
  • 駐車場は構内一等地にはもったいない。JR駅構内の空き地に公共立体駐車場を建てて整備するように提案した。結果は駐車台数こそ現行の半分になったがやっぱり正面に置かれた。その結果か植樹は減り、「やすらぎの噴水」提案はボツらしい。バスベイ数も減ってしまった。 経緯は判らぬが残念である。
  • 今は郊外バス乗り場が遠地というのが課題であるが、この短距離化も難しいのでは不平が残ろう。これは今でも対応は間に合いそう。 
  • 南北自由通路駅ホームへのエスカレータ設置は記載がない。今回の案にはJR横川駅舎の改築案はこれから作成のようで含まれていない。このうちホームへのエスカレータかエレベータの新設には交通バリアフリー法も出来て補助金も期待できるので、JR本駅建設案作成時にはぜひ実現を計ってほしい。いや、もう計画中ですかー?
  • 電停線路部分の芝生貼りは広島電鉄としては降りた気配。宇品電停実験の成果にもよりますか? 
  • 本案には記載されていないが、駅広場西に隣接するスーパー・フレスタが、西広場改築にあわせてショッピングモールを新たに建設中でこの12月中にはオープンする。デザインも共同案に合わせられている。これも景観と賑やかさの点で本計画にプラスすると期待される。
  • まったく館主の主観的総合評価では80点とする。

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2001新年ロゴ

結節点改善提案ロゴ

  • 広島デルタの北の玄関・横川は、古くより可部街道の広島側の拠点として、物資の集散・人の離合するところで、商店街が形成されて賑わい、繁栄を極めた場所として知られている。
  • ところが、マイカーの普及と乗り換えの不便さ、ということから徐々に利用者が減ってゆき、せっかくの拠点も十分に機能を発揮できないので、その改善は長い間の懸案であった。
  • 一昨年広島市より、国道54号線の中に島状に敷設されている電停をJR横川駅前広場に引き入れて、乗り換えの改善を図る計画が表明された。
  • これを受けて廣島LRT研究会は、利用者の視点から、如何なる案が総合的に考えて最も利用しやすいかを、現地に立って検討した。
  • 我々はJRと路面電車・バスとの結節点改善による乗降客の利便性向上が、利用者数を増大させ、自ずから人の集まる街に回帰し、かっての賑わいを取り戻して、地域住民の利便と共に商店街の繁栄につながると信じている。
  • そこで、利用者利便性向上の主旨から、駅前広場へ路面電車の乗り入れ・バス発着容量を増やすためのバスブースの確保・歩道の拡張など、JR敷地の活用も織り込んだ総合提案とした。
  • その検討結果を下記の理想的モデル案にまとめたので、新年を期して発表し、利用者・行政・事業者、そして地元の方々、更には全国の都市交通問題に関心ある方に提示する。この提案をたたき台として、広く市民の総意による、より良い横川駅前結節点改善に結晶することを希求してやまない。
  • 今こそ、「横川駅が再生した新たな結節点となる最適の機会」と考えている。
  • 本案作成にあたり、地元・行政・事業者其の他各方面の方にたくさんの助言を戴いたことに感謝します。


横川駅の現況図

利用者にとって気が付くのは、JRのホームから路面電車の乗り場まで動線が250mと長いことと、その舗道が狭いことである。郊外バス乗車地が遠いのも苦痛。その他利用者にとって数々の不便がある。

横川駅現況図

広島LRT研究会による改善提案

私どもは12項目に渡る結節改善提案をします

  1. 現在の国道54号線の真ん中にあ る横川電停を駅広場構内に移設し、電車を駅近くへ直進させる。 これで54号の流れを改善する。(これは行政提案を支持) ただし出来るだけ電停をJR改札口に近づけ、移動距離の削減と構内での電車線路交差が出来るようにしたい
  2. 3連接車が入れる電停3面を設け、宇品行,江波行に分け、紙屋町へも直通化。乗降ホーム分離。 電停部分は芝生貼りとし美観を添える。
  3. バス乗車場は駅前にできるだけ集中。郊外線も駅に近くにする。
  4. 公共駐車場はJRバス空地に立体化して移す。 駐輪場も同じ。これで利用者の駅からの距離も近く、空間の有効利用を計れる。
  5. 現在のJR横川駅舎は旧くなった。特に改札口が中央部にあり、路面電車に乗換るにはU字型迂回行動になる。改札口を東方にずらし動線を短くする。移動距離は250mから60mへと実に約1/4に激減する。
  6. JRのホームにはエスカレータを設ける
  7. 舗道中の歩行者通行部分は上屋を付ける。対岸歩道も含める。
  8. せっかく駅舎を改築するなら背後の線路との間の植裁斜面を削り、駅舎を10mバックさせ更に2階建てにし、階上はバス発祥地展示室、ギャラリー等公的に使用。これで空いた敷地を生み出す。
  9. その分広場の歩道幅を2倍に拡げる。
  10. ホーム西の運搬通路を貫通させ南北通り抜け自由歩行通路を新設。
  11. 植樹し緑を確保。噴水も設けて駅前広場の美麗化を計る。
  12. 日本のバス発祥の地記念碑を建設。実は横川駅と可部間は1903年に我が国初めての民間路線バスが営業を開始した記念的駅である。 この事実が日本の多くの人に知られていないのは誠に残念。この事実を説明する記念碑を横川駅前に建設し、かつ日本中広く識っていただく契機としたい。 我々は来る2003年・100周年を目標として建立したいと計画をしている。

横川駅結節点改善提言図

当会の別提案書:「「21世紀における広島市軌道交通の改良について提案」へ