#192 03.2.4

岐阜市 名鉄が岐阜市内線撤退を公式表示


 名古屋鉄道は1/24付にて「名鉄グループ新中期経営計画」の策定発表をした。その内容中 5.名古屋鉄道本体の諸施策 (1)鉄道事業 項目中にて「岐阜市内線以北からの撤退に向けて平成16年度を目途に撤退に向けて関係自治体と協議を進める」ことが記載されている。 同項目には他に「三河線の一部(碧南〜吉良吉田、猿投〜西中金)の廃止を予定」も挙げている。


 名鉄が経営計画にて岐阜市以北の岐阜市内線、名鉄揖斐線、名鉄美濃町線、3線の撤退を正式に打ち出したことは意味が深いでしょう。 この情報をもたらされた愛知県に住む黒瀬氏の見解によりますと地元愛知の発表翌日の新聞では、日経新聞、中日新聞とも記事にしていないし、朝日のみが一面片隅写真入りと社会面にて扱っていたそうです。
 氏は「バス代替となると距離も長くなりますし、美濃町線の並行道路は渋滞しますので、存続の声はあると思いますが、市民の多くにとっては、「車の通行の妨げになる障害物」「あんな恐ろしい電停で電車を待つより車の方が安全」といった認識しかされていないのではないかと思います。そもそも中心部がシャッター通りの様相を呈している岐阜の中心部に行く人は、都市の再生とともに改善策を講じなければ、増えることはなさそうで、三セクで存続しただけでは喜べない状況にまでなっているように思います。」と深刻なコメントをしておられます
市民側の諦めムードもあるのでしょうか??

       関連ニュース:岐阜市 名鉄が路面電車等撤退可能性を伝達


#191  03.1.18

宇都宮市 LRTを活かしたまちづくりフォーラム開催


宇都宮市は昨年1月に「LRTがまちを変える」シンポジウムを開催しましたが、今年も新春を期しLRTフォーラムを開催します。宇都宮市では先年からLRTの新設を計画しており、関心を寄せる市民も協力して当初の6案が3案に絞られ、昨年には1案に収斂されるはずであった。その後の経緯が気になるところであるがこのシンポジウムではその情報がもたらされることを期待しています。 関心のある方はぜひ出席されしっかり聞き届けて頂きたいものです。
 関連ニュース:01.6.3 「宇都宮市 東地区への新交通案が絞られてきた」 
          02.12.29 「宇都宮市 新春LRTシンポジウム開催     


「LRTを活かしたまちづくり」フォーラム
    

  「LRTがまちを変える」


〜人と環境にやさしいまちづくりを目指して・・・〜



●日時:1月25日(土) 午後1:00〜

●場所:栃木会館 小ホール

■基調講演 「人と緑が息づく街、LRT先進都市を訪ねて」
           〜ヨーロッパ先進地視察研修報告〜

         講師 古池弘隆 氏 宇都宮大学工学部教授

■パネルディスカッション:「LRTを活かしたまちづくり」
    ●パネリスト  新井賢太郎 氏 栃木県県経済同友会幹事 日興電機工業(株)社長
    ● 〃      臼井 佳子 氏 フリーアナウンサー
    ● 〃      室井 佑月 氏 作家・コメンテーター
    ● 〃      望月 真一 氏 アトリエUDI都市設計研究所 代表
    ●コーディネーター石井 晴夫氏 作新学院大学教授

■申込と問い合わせ
  栃木県交通対策課   028−623−2187
  宇都宮市地域政策課 028−632−2121
  インターネット      接続はこちらへ



#190  03.1.18

東京都 効率的な都市と交通シンポジウム開催


環境自治体会議環境政策研究所の上谷直見さんからはいつも交通に関する情報を頂いています。東京で開くこのシンポジウムの内容を推察するに、街づくりの観点から交通機関を討議するなら、当然話題のLRTの内容も含まれるはずと推察しご案内をしました。 もしも含まれていなかったにしてもテーマが気になる内容ですから関心のある方はどうぞ聴いてみてください。


東京都市圏交通計画協議会第6回シンポジウム

  効率的な都市と交通


●主旨:都市において環境負荷を減らし、効率的で快適なまちをつくっていくためには、これまでのように交通需要の増大に応じた施設整備ばかりでなく、施設の有効利用や交通需要の管理といった視点が重要になってきています。…環境に配慮した効率的な都市の実現のためには、意識改革や自治体の協力が重要になります。今回のシンポジウムを通じ、このような視点から都市交通計画について考えましょう。

●日時:平成15年2月7日(金) 13:00〜16:30

●場所:abc会館ホール(港区芝公園

■【基調講演】 これからの都市交通と街づくり      
                    浅野光行先生(早稲田大学教授)

■パネルディスカッション  都市交通と街づくりがあなたを変える(仮題)
     【コーディネータ】         浅野光行先生(早稲田大学教授)
     【パネリスト】   都市交通  谷下雅義先生(中央大学助教授)
                まちづくり  政所利子氏((株)玄)
                環境系   上岡直見(環境自治体会議環境政策研究所)

◎詳細・申込み: 後日 http://www.iijnet.or.jp/tokyopt/ に掲載されます。


#189  03.1.13

函館市 路面電車サミット2003開催は10月初旬


  本年最初の路面電車ニュースは、熊本サミットで宣言された通り函館サミット開催の準備が進んでいるお話で、開催日は10月2日(木)〜5日(日)と決まったようです。(._.)φメモメモ
 この情報は名古屋市にお住まいの黒瀬信弘さんが正月2日函館市へ行かれた折り見かけた函館市電吊り広告で、その写真をお送り下さいました。m(_)m  お正月にはぴったりのニュースですし、また会えますね。
函館サミット03

吊り広告を少し解読しますと・・・・
●名称:第6回路面電車サミット2003 in 函館
●開催日:10月2日(木)、3日(金)、4日(土)、5日(日)の4日間
●主催:第6回全国路面電車サミットIN函館大会実行委員会
◎補足:函館中心地繁華街の路面電車走行イラストでしょうか
  左の電車は車番39号で1918年成田電気より購入し除雪車に使用した後、
  1993年に復元した現役。
  右の電車は8100形車番8101号で旧800形を車体更新し製作した日本初の部分低床車


#188  ・ 02.12.21

長崎市 路線延長提案とその後の推移

今年もあと僅かになりました。 路面電車情報をいろいろ掲載したつもりであったが、ひとつ大事な話題が残っていました。それは11月初めに報道された「長崎市が市内北部方面へ軌道延伸を検討するために設置した路面電車北部延伸協議会が提案の検討を始めたと言う情報でした。 この会は03年2月末には答申を出すということです。関連情報を長崎新聞、西日本新聞の情報、それと長崎交通まちづくり研究会の宮川浩一氏に伺ったことなどを纏めて報告します。


        本件関連の地図を要約するとこういうことになる。

  • 長崎市郊外で市の北西部滑石(なめし)地区は年々団地、住宅地として発展してきた。 が、この地区のネックは現状滑石〜道ノ尾駅間の県道一本に頼っていること。バス、マイカーの渋滞、通勤の定時制確保が不安定である。
    .
  • この状況より住民としてはかねてより長崎電軌の延長線、具体的には終点赤迫電停から滑石までの延長案が1994年あたりから根強くあった。
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  • 02.1.31に国土交通省九州運輸局の主催で長崎地区の公共交通機関を活用した地域活性策を協議する調査委員会が発足した。メンバーは國、県、長崎市、関係事業者とう18人で討議対象は赤迫〜滑石(寺川内バス停)間の路面電車延伸であった。3月末までに報告集を纏めたはず
    .
  • 02.11.5 長崎市が主役で「路面電車北部延伸検討協議会」がスタートした。 構成は行政と事業者に加え学識研究者、市民代表も加わって20人ほど。 会長は長崎大学大学院の後藤惠之輔教授。
    .
  • 市はルートを赤迫から滑石地区寺川内までの約3.4km、需要予測として一日当たり15,000人が見込めると説明。課題として、道路こう配に対応する新型車両の導入や道路の拡幅、財源確保などを挙げた。
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  • 市の試算では道路拡幅などにかかる費用は全線単線(赤迫〜横道までの区間)なら81億円、一部複線(赤迫〜横道までの一部が複線)なら92億円。 なお、この横道〜滑石間は全線複線が前提。 
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  • 国土交通省では延伸だけを目的とした道路拡幅は補助の対象にならないということらしい。
    .
  • 市の需要予測では北部延伸で路面電車に乗り換える客の大半はバス利用者。マイカーからの乗り換え客は2000人、1700台程度
    .
  • 同じ路線をバス運行する長崎バスは当然批判的。
    .
  • 市は将来の脱車社会への一環として環境面からも推進したい意向どうやら市の意向に国土交通省と県は批判的らしい
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  • 答申は03年2月末までに纏める


#187 ・ 02.12.9

岐阜市 名鉄が路面電車等撤退可能性を伝達

 
 名鉄はこのほど名鉄岐阜市内線、揖斐線、美濃町線の沿線市町村に対し、今後の経営状態によっては、廃線を余儀なくされる可能性があることを伝えたもようである。 具体的には2004年度までに廃止か存続かを自治体と協議して決める方針。
 関係者によると3路線の赤字額は2001年単年度で17億円で、乗車率が上がらず累積赤字が膨らむ状況にある。
 名鉄の岐阜県内路線は、昨年9月末、揖斐線の一部(黒野〜本揖斐)、谷汲線(黒野〜谷汲)、竹鼻線の一部(江吉良〜大須)、八百津線(明智〜八百津)が廃止されている。 引き続きこの3線が検討対象になった。(岐阜新聞ニュース11/02)


沿線自治体にとってはこの提起はそうとうな愕きを持って迎えられた様子である。
その後の経緯で目立つのは、岐阜市が路面電車に関する「社会実験」を行う意向を示したこと。いま岐阜市路面電車軌道は車の乗り入れ自由であるし、電停も独立した島式ではなく道路に白枠で囲いを画いた様式があるが、実験は車の路面電車軌道内への進入を禁止た場合の影響をみるというもの。  (岐阜新聞ニュース11/14)

 路面電車の存続にいては、岐阜市長は環境、観光振興、高齢化社会などの面で必要性を強調した上、「広域合併で周辺市町とつながりを高める面でも重要な輸送機関。既に検討会を設けた沿線市町に加え、国、県、県警などとも協議の場を設けたい」と積極的に対策を進める意向を表明した。 また、市長は路面電車の問題点を改善するため、軌道敷内の一般車通行禁止や停留所の安全島設置などの社会実験に取り組む方針も示した。    (中日新聞ホームページ12/5)

 名鉄はつい先の2000年7月に美濃町線に低床車800形を導入するなど、民鉄としては思い切った活性化投資を行ったりしてきました。 昨年館主も岐阜市に行く機会があり、街中にて車両の運行の様子を見る機会がありました。 もうこれは有名なはなしですが、危険な路上ペンキ書き電停とか、軌道敷に車乗り入れの様子とかを実際に見て、路面電車交通が手厚く保護されている広島市から来たものとしてはこれは信じられない情景でした。 今回の暗い情報に接すると、今までが公共交通に対し自治体が、真剣に守る、安全と利用の便を図ることへの努力不足がかかる事態を招いた部分もあろうかと思います。 もう遅いのかも知れないが、太っ腹な名鉄はまだ廃止とは明言していない様子なので、あらゆる打ち手を全部実行してみて、貴重な公共交通の存続を計るべきではないでしょうか。