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#711
2012.7.30

宇都宮市/静岡市 都市交通 特にLRTの検討進行状況


今年5月に宇都宮市長は公共交通ネットワークづくりを目指し、LRTなど市の東西を結ぶ新交通システムやバス路線拡充、デマンドタクシー導入について市民説明会を開催させると公開されました。特に市長は清原工業団地を結ぶ路線については、大量に輸送でき環境にやさしいくて市のシンボルになるLRTがふさわしいと力説されました。その後現在の進行状況について市の担当者に当たりましたところ、目下は市民意見を収集中で今年年内には纏めて公開したいようです。 但し秋には市長選挙があるので内容・日程に影響するかも知れませんね。

もうひとつの静岡市。昨年末静岡市は静岡市LRT導入研究会を中心に「人と環境にやさしい公共交通」を検討し成果を発表されました。

  関連ニュース:静岡市 LRT推進へ新組織を来年度設置
その後この課題の担当を交通政策課の中に設けられたようで、市の計画案に対しては9月早々に静岡市内でシンポジウムを開き、次いでは清水市両地区で開く予定のようです。 先の発表では、LRT導入の可能性に関連し、静岡市中心部の江川町交差点の平面交差社会実験をすることになっていますが、これも予定通り実施されるようです。

館主感想: 両市とも計画は順調に進行しているようですね。経験則ですが、市民への説得段階がどこの都市でも難問ですよね。



#710
2012.7.23

岡山電軌 路面電車運転士養成講座 受講料350万円 来春開始


岡山電気軌道は7/19、社会人らを対象にした路面電車の運転士養成講座を来年4月から開講すると発表した。1年2カ月程度の学科と乗務訓練で国家資格の運転士免許を得られる。

定員は毎年4人。初回は9月22日に同社で開く説明会を経て全国から募る。

受講者は土・日曜を中心に週2回(1回8時間)の学科を受ける。9月の学科試験クリア後、週3回の乗務訓練(100時間以上)に進み、翌年6月の実技試験に合格すれば資格を得られる。

受験は路面電車事業者への勤務が条件となるため、学科試験の受験時から同社の臨時社員とする。受講料は350万円で、乗務訓練中の給与を差し引いた実質負担は250万円程度。受講中は兼業を認める。資格取得後は引き続き同社の臨時社員として雇用し、欠員があれば正社員に採用する。他社への就職も可能。

同社によると、団塊世代の退職などで路面電車の運転士は全国的に不足傾向。小嶋光信社長は「一般の希望者に門戸を広げることで、全国の路面電車事業者の運転士を安定的に育てたい。将来の専門学校化も視野に入れる」と話している。


館主感想: さすが岡山電軌。いまどき路面電車運転士が不足時代になっているなら、有料にて路面電車運転士を養成し、日本のどこの電鉄会社にでも就職して頂こうというユニークな発想。兜を脱ぎました。



#709
2012.7.9

富山市 ライトレール1000万人越え 計画より2年早く


富山ライトレールの乗客数が6/28、通算1000万人を越え、記念セレモニーが富山駅北電停で開かれた。ポートラムの乗客や駅利用者らが大台の達成を祝った。

1000万人の乗客を特定せず、前日までの総利用者数を基に、達成記念車両を決めた。セレモニーでは同社会長の森富山市長や根塚社長らが記念車両を出迎え。ポートラムアテンダントと共に、乗客全員にICカード「Passca」の記念限定品と下奥井駅前の花壇で採れたチューリップの球根を配った。森市長らや乗客がくす玉を割った。

富山ライトレールは2006年4月に開業。乗客数は1日平均4450人で推移し、当初の計画より約2年早く輸送人員が1千万人を越えた。根塚社長は「多くの方に利用していただき感謝している。より愛される路線になるよう努力していく」と話した。



館主感想: さすがですね。(^_^)   森市長がコンパクトシティ富山市へ集約する手段としての公共交通機関として定義され、建設が始まった富山ライトレール。その構想が着々として推進されてきたのはご承知の通り。計画より2年早く達成というのも特筆すべきで、うなづけます。



#708
2012.7.9

鹿児島市 谷山電停に「日本最南端」の標柱


国内最南端の路面電車の停車駅である鹿児島市電・谷山電停に7/1、最南端を示す高さ約2メートルの金属製の標柱「北緯31度31分」ができた。市電の運行100周年を記念したイベントの一つ。電車の運行が始まった1912年当時の路線の駅名も刻んでいる。

現在、路面電車は全国19カ所で運行している。谷山電停の乗降客数は1日6千人を超える。この日あった除幕式で福元鹿児島市交通局長は「市電は重要な観光資源。最南端にあることを広く伝え、谷山地区の交流人口の増加に寄与したい」と話した。


館主感想: 確かに鹿児島市電の南端谷山町電停は日本の最南端電停ですね。ちなみにJR指宿枕崎線谷山駅から乗車し、1時間20分で西大山駅に着きますが、この駅は鉄道最南端駅として有名ですよね。 そこで路面電車にも最南端駅があるとしてアピールすることは当然でしょう。(^_^)



#707
2012.7.1

京都市 LRT整備計画 再び策定へ 15年度中に


京都市がLRTの導入に向け、学識経験者を交えた研究会を近く発足させる。今出川通で大規模な社会実験を行うなど一時は導入を本格的に検討したが、財政難や住民の反対で計画が立ち消えになった経緯がある。車の流入抑制などを理由にした計画を復活させ、2015年度中にも整備計画の策定を目指す。

研究会は市職員と大学教授、経済や金融の専門家で構成。近々新交通システム研究会(仮称)を結成し、7月から導入路線や乗客需要、資金調達、路線整備の手法を調査することにしている。12年度中に整備の方向性をまとめ、その後、市民参加の意見交換会や道路管理者との協議を進める。

LRTをめぐっては01年に京都商工会議所が出した提言などを機に導入議論が始まった。05年に京都駅−四条河原町間の河原町通や北野白梅町−出町柳間の今出川通など7路線に導入した際の採算性や整備費に関する報告書をまとめた。07年には今出川通で市バスをLRTに見立てた走行社会実験も行っている。

しかし実験区間のLRT導入だけで326億円の事業費が見込まれ、また今出川通沿線住民の約半数が導入に反対したことで事実上、計画がとん挫。今出川通へのLRT導入を推進してきた市民団体・今電会も10年4月に解散した。

市は「車中心社会からの転換を図り、観光客5千万人を維持するにはLRTは不可欠だ」と判断し、再検討する。路線によっては反対も予想されよう。検討会の作業も可能性検討から始めることになる。



館主感想 
@私は昔東京に40年近く住み、日本中あちこち出かける旅行ファンでした。(^_^)  その体験ですが、リピートで再び行った都市はごく少ないのですが、例外は京都ですね。不思議な街で、JR京都から何度も観光に通ったし、今では宝塚市という至近都市に住み、折に触れ行きますが、行くたびに新たな発見があり、飽きることがないという都市です。さすが歴史ある不思議なミヤコということでしょう。


その体験から、他県からの観光客がプランを建てるとき、都市図にあるレイルネットを眺めて繋がりを想定し、コース大凡を想定します。 京都市の場合JR京都駅を起点として、市中→西北の嵐山方面へのプランと東北の鞍馬・大原・比叡山方面へのプランの両案が沸きます。私見ですけど、もしも嵐山発の嵐電北野白梅町が今出川通を経由して出町柳までLRTで結ばれているのを地図で見れば、観光客は嵐山から出町柳までLRTに乗り、鞍馬まで行ってみようか、などと想定してもう1泊増えるのではないでしょうか? 観光客5000万人維持の助けになるでしょう。 (^_^) 

A日本ではあらゆる施策案に住民の何割かが必ず反対を唱ます。で最後は無期延期、不実行になるのが実に多いですね。結果は事前の研究・討議、集約の労力がムダになり、「あーあ、何をやってきたのだろう?」と腕組みと後悔に・・・。日本の都市へのLRT導入も私の観察では欧米に比べ2周遅れ(≒20年)です。フランス式の「プランを市民ともに徹底討議と詳細の大公開、最後はドーンと決め実行」方式との差でしょう。最近はこの差はヨーロッパ人と日本人との根元的な人種差にあるのではと諦めかけています。



#706
2012.6.25

高岡市他 各都市の路面電車まつり風景


語呂合わせ、路電→ろでん→ロ・テン→6・10の語呂合わせから6月10日が路面電車の日と決められて始まった路面電車まつり。今年は折良く6月10日が路面電車まつりの日にピッタリはまり、まずまずのお天気で、全国各都市ではこの日に会わせて路面電車まつりが実行されたようです

本日はその寸景をご紹介。(^_^)



高岡万葉線 電車まつり 
高岡、射水両市を結ぶ路面電車万葉線の車両の撮影会やグッズなどを販売する「万葉線・電車まつり」が九日、高岡市荻布の万葉線本社前であった。

六月十日の「路電(路面電車)の日」に合わせて毎年開催している。

あいにくの小雨の中、料金表などのグッズ販売や似顔絵を描いてもらえるブースが並び、家族連れが訪れた。

 車庫には、猫やウサギなどが描かれたアニマル電車、今年三月に引退した旧型の除雪電車、新型の除雪電車が並び、来場者が記念撮影していた。。


阪堺電車 「キン肉マン電車」初披露−新世界100周年と連携
「路面電車の日」の10日、チンチン電車の愛称で親しまれる阪堺電車に人気漫画「キン肉マン」のイラストが描かれた車両が登場した。大阪市住之江区のあびこ道車庫を開放するイベント「第14回路面電車まつり」で初披露され、ファンらの注目を集めた。

 沿線の新世界地域が7月、開設100周年を迎えることにちなんだプロジェクトの一環で、キン肉マンの作者で同地域にゆかりのあるゆでたまごさんの協力によって誕生した。

 運行セレモニーでは、関係者が集まる中、合図とともに車両が登場。正面の行き先表示には「肉」の字が示され、長さ約14メートルの側面には、両腕を掲げる主人公のキン肉マンや、人気の高いキャラクターたちが描かれている。

 周囲は写真撮影する人であふれ、京都府から駆け付けたという高田さんは「デザインがいい。街を走って地域を盛り上げてほしい」と話していた。

 同社は車両を基本的に毎日運行する方針で「見つけるのを楽しんでほしい」と呼び掛けている。


広島電鉄 路面電車まつり 2万人が楽しむ
「路面電車の日」の10日、広島市中区の広島電鉄千田車庫で「路面電車まつり」があった。歴代の車両が並び、家族連れなど約2万人が訪れた。愛好家や広電でつくる実行委員会の主催。

 大正時代の外観に復元した電車やドイツ製の「ハノーバー電車」、超低床車両「グリーンムーバーマックス」など9台を展示。子どもたちは運転席に座り、笑顔で記念写真に納まっていた。青空の下、好きな電車を描く写生大会やミニ電車への乗車など、多彩なイベントを楽しんだ。

館主の想い出:
広島市で第1回路面電車まつりをひやひや開催したときは、来場者は7000人あり、まずまずと満足しました。翌年は「減るのかも?」と危惧して開いたら9000人だったかしら、増えました。その翌年は1万人超です。今年は2万人だそうですね。(^_^) 館主は今は宝塚市市民で広島に居ませんけど、路面電車まつりが広島市ではすっかり市民行事として定着しましたねと蔭ながら嬉しい限りです。


鹿児島市電 100周年イベント 40人が歴史を学ぶ 
  鹿児島市の路面電車に乗りながら街の歴史を学ぶイベントがあり、市民ら約40人が市電に乗り込んだ。路線を巡る間、かごしま探検の会の東川隆太郎さんの解説に耳を傾けながら、車窓から外を眺め、時代とともに移り変わっていく風景に思いをはせた。
 1912(大正元)年12月に開業した鹿児島市の路面電車誕生100周年を記念して開催。
  



#705
2012.6.18

岡山電軌 インドにてLRTのコンサル業務開始


岡山電軌軌道は、日本の官民がインド西部のプネ(マハラシュトラ州)で取り組むLRT整備事業の事業化調査に参加すると発表した。LRT運行の実績を踏まえ、運行形態や導入車両などについて助言する。すでに課長級の社員1人を現地調査に派遣した。

プネはムンバイに近く、IT産業が集積する人口550万人の都市。市中心部と7万8千人が働く郊外のヒンジャワディ工業団地の14.5キロを結ぶLRTの都市鉄道を整備する。総工費200億円。2020年営業開始を目指す。人口増加に伴い、両区間は交通渋滞が激しくなっている。

東芝やオリエンタルコンサルタンツなどの企業グループが企画・立案から建設・運営までを一括して手掛ける。今回の事業化調査は国際協力機構(JICA)から1億5千万円の拠出を受け、来年1月に調査結果をまとめる。

岡山電気軌道は岡山市内のLRT運行実績に加え、岡山県とプネ市が友好交流協定を結んでいることから、参加の呼びかけがあった。

小嶋社長は「鉄道を日本の輸出産業にするための第一歩。参加企業で唯一のLRT運行会社として調査後もノウハウ提供などで支援したい」と語り、将来設立される事業会社への出資を検討する可能性も示した。


館主感想 
岡山電軌はご承知の通り、和歌山市の郊外電車貴志川線の大復活を指導し、ネコ電車等々の話題を呼び大成功を収めたことは、皆様ご存じの通り。 どういう訳かこの会社には神通力があるようです。今回のインドのムンバイ地区と言えば今や大IT都市。産業・人口が猛拡大中の都市へのLRT計画という、海外に進出しての建設指導は必ずや成功されるでしょうね。



#704
2012.6.11

広島電鉄 独ドルトムント車をカフェ電車で新装開店


ドルトムント電車として親しまれた広島電鉄のドイツ製の路面電車が、7月からカフェに生まれ変わる。広島市中区広島電鉄本社南に隣接のスーパーマダムジョイ(広電グループ)前の広場に車両を設置。トランヴェール・エクスプレス」の店名(仮称)を付け、3両編成で50席を設置。運転席部分は改造して貸し切り用のラウンジにする。

車両は今まで、欧州の雰囲気を出すテーブルや座席を取り付けてイベント時に使用していた。 計画では スーパーで調理した料理を提供。昼食時間帯は肉や魚をメーンとした定食やパスタ、サンドイッチ、夕食時はウインナーやジャガイモを使った故郷のドイツ料理も予定している。こうして欧州風の憩いの場に、引退した車両の「余生」を生かすことになった。 

営業開始は7月11日。

車体は1959年に旧西ドイツで造られた3両編成。丸みを帯びた銀色の車体が特徴で、ドルトムント市電として活躍した後、広電が購入した。81年から2008年まで広島市内を走り、イベントなどでも使われた


   関連ページ:西ドイツ ドルトムント市電GT8 広電70形 
             (「広島電鉄 記念車両 07/6)

「トランヴェール・エクスプレス」の車内イメージ
              (Photo::中国新聞)        

館主感想 
広島市にて路面電車活動をしていた館主としては「ドルトムント」と聞くと懐かしい連想が働きます。何か特別行事があるときにドルト車内にて食事をしながら街中を走行するというイベント。これは何か特権めいた心理が働くのでしょうか? ともかく車内から食事あるいは飲み物をもち、窓外を見ると、電停で待つ人と歩行者はちょっとあっけにとられた顔をしてこちらに目を凝らします。(^^;)
 
岡山、豊橋、その他都市にても食事付路面電車が活躍しているようですね。欧州他では勿論です。



#703
2012.6.4

東京都他 各都市にて路面電車まつりを催行


1995年10月に第2回路面電車サミットが広島市にて実施された。その議題の中に本年は京都電気鉄道開業100周年にあたるので、市民に路面電車利用PRの一環として路面電車まつりを始めたいの提議が行われた。参加全市の賛成があり、例年の開催日を討議した結果、路電→ろでん→ロ・テン→6・10の語呂合わせから6月10日が路面電車の日と決められた。 以下各都市の本年の企画は・・・・


東京都電 都電荒川電車営業所公開 (6月10日)(日)
 イベントでは、都バス運行情報サービスのラッピングを施した都バスの車両と、そのモチーフとなった都電8809号車や、現在運行していない6086号車、7022号車、8810号車の3車両が登場し、貴重な車両の撮影ができる。
 また、都電荒川線マスコットキャラクターの「とあらん」と都バスマスコットキャラクターの「みんくる」も、もちろんイベントには参加し、普段は見ることのできない都電の車庫を見学することもできる。

札幌市電 路面電車の日 記念プレートを取付けて走行
3303号は路面電車の日記念プレートを付けて走行
               (Photo:札幌市宮崎さん)

函館市 記念写真募集・記念乗車券発売と記念電車で歴史解説・
  運転体験会

 ・「函館の路面電車!走る写真展」の運行
   「函館の路面電車」というテーマでの@車窓からの函館の風景,A路面電車と函館の
  風景,と題した写真を募集し,723号(サンクス号)車内へ展示し運行。
 ・530号車で巡る函館の今昔 (6月10日)
  市電に揺られながら,「箱館歴史散歩の会」主宰の中尾仁彦さんが沿線の歴史を解説。
 ・2012路面電車の日記念「市電1日乗車券の販売」
 ・市電の運転体験会 (6月17日)
  函館市企業局交通部の路面電車の運転席に座って、駒場車庫構内の約100m
  を運転する体験企画。場所 駒場車庫構内

富山ライトレール 体験会 (6月17日)
  路面電車の日記念 ポートラム運転体験会と車両基地見学会を富山ライトレール本社
  および車両基地にて実施

万葉線 路面電車まつり(6月9日)
 ・ミニアイトラム試乗会 ミニアイトラムの無料運行
 ・物品販売コーナー  鉄道部品・万葉線グッズの即売会
 ・写真撮影コーナー 万葉線の制服を着て、電車の前で記念撮影
 ・島かおりミニライブ・似顔絵コーナー・縁日コーナー など

広島電鉄 第17回路面電車まつり (6月10日)
 ・車両の展示
  大正形電車やハノーバー電車などのめずらしい車両から、最新鋭のグリーンムーバー
  マックスまで
 ・施設見学・ピット見学 ・養成所の公開
 ・電車開業100周年記念PRコーナー
 ・工作コーナー ・鉄道模型運転コーナー
 ・ひろしま清盛美少女隊&石井杏奈スペシャルライブ その他

長崎電軌 路面電車の日 記念電車運行 (6月10日)
  明治電車168号(明治44年製造・元西日本鉄道153号)

館主の想い出 
1995年広島市の路面電車サミットにて、当日の館主は「路面電車を考える会」の事務局長を務めました。路面電車の日制定提案が全員のご賛同を得てホッとしたものです。今、当日の雰囲気を思い出すと懐かしく、感慨があります。
       参考ニュース:第2回路面電車サミット '95 in 広島



#702
2012.5.21

堺市 阪堺電軌 新LRVの寄付金と愛称を募集


堺市は、堺市浜寺駅前と大阪市恵美須町間を結ぶ阪堺電気軌道 阪堺線に2013年春に初めて導入されるLRVの購入費用に充てるため、寄付金を募っている。  100年の歴史を持つ阪堺線を盛り上げるのが狙いで、車両の愛称も公募している。

LRVは76人乗りで、段差は8センチ。外装は古墳群を連想させる緑を基調に、堺出身の茶人・千利休が追求した「わび茶」をイメージした茶色がかった白(白茶色)に塗る。座席に木綿の布に花などの文様を染め出した堺更紗(さらさ)をあしらい、ブラインドもすだれにするなど、内装には和風を取り入れる。

車両の購入費用約2億5000万円のうち、国が3分の1、残りを市が負担する。寄付金は市負担分に繰り入れる。

3000円以上寄付すれば、新車両見学会に参加できる。1万円以上の人はさらに使わなくなった架線を再利用した文鎮が贈られ、3万円以上ならそれに加えて車内に名前入りの金属プレートを掲示できる特典もある。

竹山市長は「阪堺線を、市民と沿線の事業所、行政が一緒に守り育てるという思いを醸成したい」と期待している。

市では新LRVの愛称も 5/25必着で募集中。 採用されれば阪堺電車グッズなどの記念品が贈られる。

  関連ページ:阪堺電軌鉄道 低床式車両(LRV)画像と諸元



館主感想 
最近の阪堺電軌といえば初めてのLRV導入のニュースです。

今年11月16日(金)〜18日(日)には堺市にて路面電車サミットも開催されることですし、阪堺注目の年になりそうです。参加しましょう。(^_^)



#701
2012.5.14

岡山電軌 100周年記念にオシャレ電車を無償譲渡


岡山電軌軌道は創業100周年を迎えた5月5日、記念イベントの一環として、希望者に路面電車1両を無償で譲り渡すことにした。

オシャレ電車
と呼ばれる水色チェック柄の車体が特徴。車両(重量:15トン、長さ12m)は1953年製で、日光市にて路面電車として走り、1969年に岡山市内で運行開始、2007年に下図のようなオシャレ電車に生まれ変わった。しかし同年に引退。近年は新型車両の導入によって古い車両の保管場所の確保も難しくなったなどから、無料譲渡を決めた。

車庫で公開されたオシャレ電車3010号

館主感想 
岡山電軌はまいど素敵なアイデアで日本中から賞賛をあびる事業をしていますが(例:貴志川線の復活協力)、この度も良い提案ですね。輸送費はもち希望者の負担ですが、すぐに抽籤決定となるでしょう。
(^_^)



#700
2012.5.7

広島・豊橋 都心軌道の緑化工事を実行


 広島市では旧市民球場跡地南側を走る広島電鉄の軌道敷を緑化する工事を3月に終了した。都市景観の魅力を高め、2013年春に球場跡地で開催される全国菓子大博覧会を盛り上げるのが狙い。

 今回緑化したのは原爆ドーム前電停付近の40mで、広島市は2月に工事を開始。軌道敷のコンクリートをはがし、保水性の高い緑化ブロックを敷いて芝生を植えた。事業費は市の支出で1500万円。

 軌道緑化については、次回は広島電鉄が主体になり、2012年度に緑化区間を東西に計70m広げて110mにする予定。

広島電鉄の都心(原爆ドーム前)軌道芝生緑化工事現況 
(Photo:高山望さん)
 関連ニュース:広島市都心電車軌道を緑化へ
     〃   :広島電鉄 芝生・インファンド軌道・センターポール実験中 (03/7)


豊橋市は6月にも、豊橋鉄道市内線の軌道敷の緑地化に向けた実証実験を始める。市電が走る中心市街地の景観を良くし、さらなる市電のPRと街の活性化を目指す。
 アスファルトになっている軌道敷の緑地化は、佐原光一市長が2008年の市長選で公約に掲げている。

 軌道を管理する豊橋鉄道と道路を管理する県、市は09年に研究会を設置し、路面改修を含めた軌道全体の将来構想を検討してきた。市は09年と10年、先行して軌道敷の緑地化を進める鹿児島市や広島市、熊本市などを視察。12年度当初予算に実証実験費として600万円を盛り込んだ。

 実験では、市内線駅前大通駅の20m区間、100uでアスファルトをはがして芝生を植える。色目や生育度合いが違う三種類の芝生で、水やりなど管理の仕方を来年3月まで検証する。夜間に工事をし、市電の営業には影響しない予定。

 今回は駅構内のみだが、将来的にはより長い一定区間の緑地化を検討。芝生による表面温度の低減や騒音抑制の効果も期待される。

 市都市交通課では「駅前大通りの220m区間をすべて緑地化するのが目標。実験結果をふまえ、研究会で2012年度中に方向性を出したい」と表明。


館主感想 
軌道芝生の緑化の先進はなんと言っても鹿児島市電で、これは南国の暑さ対策という実用的価値が大きいからでしょう。 しかし都市の美観の観点からは、市内路線の軌道緑化は都市美観上からもたいへん価値があることはヨーロッパの都市を見て実感しました。 広電は先年より宇品地区で軌道芝生の実験をしていましたが、このたび都心にて広島市との共同事業で短距離でも実現したのは嬉しいことです。豊橋市は始めるようですが、日本の各都市でも広まることを願うばかりです。