#345
2006.5.2

富山ライトレール 遂に開業式と営業運転開始を迎える


富山ライトレールが遂に開業式と営業運転開始の日を迎えた。まず営業運転に先立ってテープカットは発車式と名付け、4/28午後2時より富山駅北電停にて行われた。当日は開業記念式典と発車式・LRTポーロラムへの記念試乗会のみを開催。改めて翌早朝に駅頭にて出発式が行われ、5:57の始発電車が発車。いよいよ営業運転に入った。営業区間は富山駅北−岩瀬浜間8kmで、平日一日66往復する。

このたびはMIYAZさんと藤井正史さんより貴重な写真を多数を受け取りましたので、下記に抜粋してご紹介します。

4/28 富山北電停にて発車式 (F) 4/29の出発式 始発電車には120人乗車 (F)

4/28の発車式は子供たちの歓呼に送られ(F) 4/29の営業運転開始当日には多数の市民が
集まり熱気が伝わる ↑富山駅北電停にて (M)

開業初日の岩瀬浜電停の様子
全国から熱心なファンが詰めかける (M)
終点岩瀬浜傍ではデビューフェスタが行われた
よさこいなど熱演 真ん中のY字形は会社社章(M)

富山のシンボルはなんと言ってもチューリップ(F) デビューした新車をふむふむと観察する市民(M)

快走するポートラム 背景は北アルプス立山 (F) 夜のポートラムとフォトヂェニックな街角 (F)


関連ニュース:開業前の経過と直前情報(下の記事へ)
参考 サイト :富山ライトレール(株)
        藤井正史氏 「岡山の交通の裏」


#342
2006.3.20
4/26・27 実車情報

富山ライトレール 開業までの経過と直前情報


富山ライトレールの開業は4月29日(土・祭)と決定した。建設工事は順調のようだが、これまでの話題と今後の予定情報をまとめてご報告。
  • 1924年(大正13年)に富岩鉄道として開業し、1943年に国有化されたJR富山港線は、遂に2006/2/28に廃止の日を迎えた。最後の日は日曜日であったが、廃止を惜しみ、「ありがとう富山線」と題したイベント各種が行われた。
  • 廃止直後からは即、富山ライトレール社の路面電車軌道・交換施設としての改造工事が始まった。
  • 3/1に新運行ダイヤを発表、1日66本。特にラッシュ時10分、昼間15分の新ダイヤは、従来の1日20本の3倍以上、昼間1時間毎ダイヤとは比較にならず、利便性は大向上。
  • 新運賃も設定。大人200円/小学生100円。定期運賃は通勤40%、通学55%割引。
    ICカード乗車券も導入。1枚2,000円で、うち500円はデポジット(担保)になる。更に100円分のプレミアムが付く。
    平日昼間と土・日曜日終日は運賃半額にすることを検討中。平日時間とは富山・岩瀬浜の両始発駅を9:00〜16:30に発車したもの。
  • 信用乗車制度も検討
  • 富山市が国交省から補助金を受けて実施している路面電車化事業は本年3/31をもって終了となる。
  • 新潟トランシスで製造中の新車ポートラムの城川原車両基地への搬入はいよいよ3/23から始まり月内に終わる予定
  • (3/23追記)蓮町駅近くの萩浦地区ではライトレール復活に合わせ30年ぶりに商店街を復活させる。開業初日の4/29に合わせ朝市の開催を計画。
  • (3/24追記)新車第1編成が23日早朝、城川原車両基地に搬入された。
               
     この到着風景動画がKNB NEWSにて公開されているのでどうぞ。
       ・・・→ 富山LRT新車両運び入れ →ブロードバンド用(250KBSl)
  • (4/5追記)4/3より富山港線での試運転が始まった 車両が到着以来実線での試運転は始めて。
  • (4/10情報) 市内線でもポートラムの試運転が始まった。
           
     写真の場所は併用軌道区間で、市街地高層ビルを背景にした富山駅前〜インテック前間の交差点(4/8)。 撮影者の地元miyazさんによると車内には富山ライトレール幹部と工事関係者が乗り合わせている様子で、開業前の空気が伝わってくる。
  • (4/17試運転情報) 地元miyazさんによる試運転観察
    本日16日に富山ライトレールのポートラムの試運転状況を確認しました。使用車両はオレンジ一両で、試運転区間は富山駅北−岩瀬浜までの全区間でした。しかし富山駅北付近に停車している時間が結構多かったです。これは富山駅北でのレール具合の調整などを走行毎に確認するためだったようです。

    なお専用軌道区間の試運転では結構スピードを出しておりました。私は並行する道路をマイカーを走らせながらポートラムの疾走具合を横目で見ましたが、やはり元JR路線の専用軌道というだけに「疾走」といえる走行振りでした。時速はおよそ60km/hと思われました。走行箇所にもよるわけですが、さすがは新潟トランシス製のポートラムの高性能ぶりと思えるところです。これこそがLRV車両の真髄ともいえましょう。
            
         (4/18追加) ポートラムと桜 岩瀬浜駅南側 by miyaz) 

  • (4/26) 実車展示風景とICカード発行 地元miyazさんの情報
    開業1週間前に迫った4/22より富山駅より北に伸びるブルーバール通りにて、富山ライトレール体感フェスタが行われた。イベント会場すぐ傍の北電停では、ポートラム車両二両が展示目的を兼ねて停車中。座席は黒&緑。 (外観内装とも色合いをのぞけばアイトラムとよく似ているようである)

     
    下記は富山ライトレールの新型車両名称公募(ポートラム)の記念ICカード宝船由来のメッセージ
    宝船再来
    岩瀬浜より、都市に「福」運ぶ7両のLRT。
    江戸時代に岩瀬で活躍した北前船(バイ船)は、巨大な富を有無当時の宝船でした。
    ...時は流れ2006年、春。
    岩瀬の街を走る富山港線に、7両のLRTが登場します。
    LRTは人に優しい低床車両で、都市における交通渋滞の緩和や、それに伴う環境負荷の低減などの役割を担っています。
    まさに都市に福を運ぶ7両のLRTを「七福神」に、また、岩瀬の街をかつて賑わせた北前船を「宝船」に見立てて、富山ライトレール・富山港線開業を祝う記念ICカードとしました。(←配布挨拶状)

    7両の新造ポートラムを7福神に見立ているようだ

  • (4/27) ポートラムグリーン登場     miyazさん情報
    4/22のフェスタでは本番を想定した試運転が行われていた。フェスタ開催時間帯だけは専用軌道区間のみでの試運転であったが、フェスタ終了後は併用&専用全区間での試運転が行われていた。したがって複数のポートラム車両が従事。
    本日は7色のポートライナの内グリーンカラー605号を紹介 (奥田中学校前)
                

今年最大の路面電車ニュースは富山ライトレール開業。
まだ決定ではないようだが、IC乗車券制度と信用乗車制度を
同時に検討中とは画期的。昼間と日祭運賃半額制度もりっぱ。


#344 2006.4.12

東京 「ヨーロッパ・アメリカの新しい路面電車写真展」   


このたび日本路面電車同好会の有志5名が新宿にて、LRT写真展を8日間のみ開催します。 都合の付く方はぜひどうぞ。

  

 「LRTルネサンス〜ヨーロッパ・アメリカの新しい路面電車」写真展


●主催者ご挨拶:
 人口減少社会に突入し、「少子高齢化」「中心市街地の衰退」「団塊世代の退職」など、私たちの街を取り巻く環境は、転換点を迎えています。同じような問題を抱えるヨーロッパやアメリカでは、多くの都市がLRT(Light RailTransit;次世代路面電車)を導入し、こうした問題の解決に成果をあげてきました。
 本年4月29日、日本で初めての新設LRT、富山ライトレールが開業するのを記念し、ドイツやフランス、アメリカなどで導入が進む新しい路面電車を約50点の写真で紹介する写真展を開催します。展示は「人と電車」「歴史ある街並み」「現代の風景」「自然環境との調和」という4つのコーナーで構成し、人と環境にやさしいまちづくりの象徴であり、暮らしやすい都市のシンボルとして市民に愛される21世紀の路面電車・LRTを、多彩なアングルでとらえます。また、LRTとは何かといった解説パネルや、宇都宮市など新たに計画されている都市のパネルも展示するコーナーを設け、これからの都市交通に求められるLRTの役割もわかるようにしています。
●会期と時間:4月16日(日)〜23日(日) (入場無料)
          11:00〜17:00 但し22日(土)は18時、23日(日)は15時まで

●紹介都市:ストラスブール(仏)、カールスルーエ(独)など約40都市

●場 所:ギャルリー「トラン・デュ・モンド」
     (西武新宿駅北口改札口前KM新宿ビル9階(TEL03-5273-4557)
 
        

●主催メンバー: 宇都宮浄人、西田 敬、服部重敬、堀切邦生、横尾矗

●問い合わせ先:ギャルリー「トラン・デュ・モンド」  TEL 03-5273-4557

(4/18追加)堀切さん撮影の会場風景です。おおぜい見えている様子です。
          会場入り口       写真展の会場内様子


#343
2006.4.6

福井鉄道 名鉄岐阜の低床車など移籍車運行開始


2005年3月廃止された名古屋鉄道岐阜市内線関連の路面電車は、予定通り福井鉄道に引き渡され、4/1より福武線武生新駅にて運行が開始された。これにより福鉄ではダイヤ改正が行われ、急行増発、終列車発車時刻延長というサービス向上策が実現した。

移譲したのは名鉄岐阜の3形式(モ770、モ800、モ880)計20両で、このうちLRV日本車輌製低床車名鉄800系2両が含まれているのが注目される。(あと1両は豊橋鉄道モ801号に05/8移籍運用) この車両は塗装も下図のように福鉄仕様に変更されたが、型番は引き継いで800形となった。

また福鉄では市内線車両の低床化を推進する計画から、岐阜より受け入れ前に福武線21kmあるが、電停のホームを低くする工事も進められ対応が計られた。

名鉄モ800系時代 4/1低床型車両発車式
福井鉄道新LRV 800形    (Photo:福井鉄道(株)HP)

  関連サイト: 福井鉄道ホームページ
  関連ニュース:福井鉄道 名鉄より岐阜市内線低床車2両を買い受け
  関連情報ページ:低床車参考三面図・諸元 (旧名鉄800形)

名鉄岐阜市内線関連3線の廃止は全国に衝撃を与えた。せっかく導入されたLRVの行く末も関心事であったが、こちらの方は福井市の市内線に移り、収まるとこに収まった感じ。これで福井鉄道はこのLRVも含め低床電車の先駆的導入を果たせたようで、同社は将来低床車増車に向けてゆく姿勢のようだ。期待したい。


#341
2006.3.11
3/14、3/17追報

函館市 来期予算にLRV1編成の導入を計上


函館市は新年度予算案に、LRV1編成を予算2億1,000万円にて計上した。
新車は従来の車体(全長12〜13m、巾2.3m)に比べ1m長い2両連接車。
形式は乗降口・車内ともバリアフリーの超低床車。ワンマン運転。定員60人。車いす3台分のスペースも設置した。国交省のLRT整備事業補助金対象である。

(館主注)現在湯川〜谷地頭間で運行中の8100形低床車は、2002年に車体更新にて製作された部分低床車です。今度の車体こそ本格的な100%低床車と考えられるが、デザイン発表が楽しみです。 
 
            参考ページ:函館市 交通局 100形 (当館データベース)

3/14続報
読者の情報によると、「デザインや製造メーカーはまだ決まっておらず、新年度早々に協議して決める様子」とのこと。

3/17追加情報
函館市交通局は3/15市議会におけるLRV導入の説明で「新予算案に新車購入費2億1000万円を計上。LRVを導入の場合、国からの補助金が4分の1の5250万円交付されるため、市の負担額は1億5750万円。国の補助制度活用により、一般車両とほぼ同額で、バリアフリー対応の車両を購入することにした。この結果、現在の部分低床車1台の運行間隔93分は2台で45分間隔になる」(函館新聞)との追加情報あり