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#819
2014.9.29

富山市 エネルギー効率改善の富山市 サミットで認定


富山市は、米ニューヨークの国連本部で9/23に開かれた「国連気候サミット」の関連会合で、今年創設された「エネルギー効率改善都市」に日本の都市から唯一選定された。同市は今後、世界の「模範都市」としてさらにエネルギー効率を向上させるため、具体的な数値目標を盛り込んだ行動計画を策定する。今まで以上に、環境分野で官民一体の取り組みが求められることになりそうだ。

改善都市は、国連の潘基文(パンギムン)事務総長らが優先課題としている「万人のための持続可能なエネルギー」(SE4ALL)の会合で選ばれた。他の改善都市にはワルシャワ、メキシコ市、イスカンダル地域(マレーシア)、ティンプー(ブータン)なども選定された。

SE4ALLは、国連が世界銀行や各国政府などと連携して取り組んでいるプロジェクトで、2030年までに、世界全体でのエネルギー効率の改善ペースを倍増させる目標を柱の一つに掲げている。改善都市は、この目標を達成するための先導的役割を担うと位置づけられている。

森雅志市長は昼食会で「持続性の高い地域づくりの取り組みでは、日本はトップランナーだと言われた。評価してもらって光栄であるとともに、責任の重さを感じている」と話した。

同市は今後、SE4ALLが改善都市に求める具体的目標などについて、国連や外務省などから情報収集を進め、同市独自の行動計画でどのような目標を盛り込むか検討する。

富山市は、公共交通を軸とした「コンパクトシティー」を掲げている。2012年6月に経済協力開発機構(OECD)が出した報告書で、コンパクトなまちづくりの先進都市としてメルボルン(豪)、バンクーバー(カナダ)、パリ(仏)、ポートランド(米)と並んで富山の事例が紹介され、国際的に注目を集めた。国連関係者も今年7月に同市を訪れ、LRTを導入している富山ライトレールや、農業用水を利用した小水力発電所などを視察していた


館主感想:
 国連に気候改善をリードするためのSE4ALLなる組織があるとは全く知りませんでした。 一方、富山市といえば森市長の強力なリードでLRTを主軸にした「コンパクトシティ」を実現し、成功させた、日本唯一の都市として国内中に知られております。 今回は富山市の成功が、国連により、世界中の成功例として認められたということで、愕きと同時に、日本の路面電車ファンとして最高に嬉しいニュースでした。森市長さん、ありがとう。(^_^)



#818
2014.9.22

豊橋市 10/11 「市電のある街」考えるタウンミーティング


豊橋鉄道は10月11日、同社の東田(あずまだ)本線が2015年に開業90周年を迎えることを記念し、「市電タウンミーティング」を豊橋市役所で開催する。開催時間は13時30分から17時まで(13時開場)。

テーマは「市電のある街、豊橋を考える」。両備グループの小嶋光信代表兼CEOによる基調講演「たま駅長にみる~まちづくりと地域公共交通の再生」のほか、愛知大学地域政策学部の学生による「路面電車の現状について」の説明、パネルディスカッションなどが行われる。

先着順で120人の参加者を募集している。参加費は無料。申込みは豊橋鉄道が電話で受け付ける。  0532-53-2136

豊橋市電ホームページ:www.toyotetsu..com


参考:豊橋鉄道路線図(競輪場前電停新設時)

館主感想:
豊橋鉄道が今年で開業90周年を迎えるのですね。おめでとう。(^_^) 
豊鉄といえば館主にとって懐かしい人=「とよはし市電を愛する会」の会長を長く務めていらっしゃる伊奈彦定さんですね。今、確かめをしましたら、お元気で会長を続け、今回の大会でも支援していらっしゃる様子。 路面電車・LRTにとって、市民にたゆまぬ愛好者が存在することは、特別大事な要素ではないでしょうか。



#817
2014.9.15

熊本市 新型LRT 「COCORO・心」 をお披露目


熊本市を走る路面電車の新型LRT「COCORO・心」の内覧会が9/12、同市中央区の大江車庫であった。デザインした水戸岡鋭治さんや車庫近くにある九州学院みどり幼稚園の園児ら約50人が参加した。車両の中に入った園児らは「わー、きれい」「これに乗ってどっか行きたい」と喜んでいた。

水戸岡さんによると、濃い茶色の外観は熊本城の城壁をイメージし、内部も茶色を基調にしている。木製の床に、小さいテーブルのついた対面式の座席や荷物をおける丸いテーブルが配置されている。「子どもたちが楽しめるようにデザインした。この電車に乗って、楽しい旅をしてほしい」

 10月3日に出発式をし、午後から運行を始める予定。



幼稚園児らと新型LRT車両の中に入る
水戸岡鋭治さん

館主感想:
路面電車がイキイキ働いている熊本市。  この度の新型LRT導入に当たってはデザイナーが水戸岡さんの由。さすが、言うことありませんね。(^_^)



#816
2014.9.8

広島市 路面電車・駅前大橋線 高架で広島駅乗り入れ合意


広島市は9/2、路面電車の「駅前大橋線」導入を含むJR広島駅南口広場の再整備で、JR西日本、広島電鉄と基本方針に同意したと発表した。駅から出入りする路面電車を高架化し駅2階から出発する方式を採用し、紙屋町・八丁堀地区の都心とを最短距離で結ぶ。これで距離200m=4分の短縮になる。JRは駅ビルも建て替える。

市によると、広島駅と比治山下付近に軌道約1kmを新設する。うち駅2階部分から駅前大橋にかけてを高架にする。 的場町と段原一丁目電停を通り、市中心部の繁華街八丁堀を巡る「巡回ルート(下図緑線)」も採用する。駅南を迂回している現行ルート(下図黒線)は廃止する。

南口広場にはバス停を1.5倍に増やして設置。タクシー乗降場やマイカー駐車場も設ける。

総事業費は約155億円。内訳は国80億円、市61億円、広島電鉄14億円、JR数千万円の見込み。市は広場改修や駅前大橋線の橋脚建設などインフラを中心に担う。広電はレールや架線を設置。JRは広場造成費の一部を負担し、別の独自計画として駅ビルを建てる。

市は、9/17開会予定の市議会本会議にて、補正予算案に関連費用の計上を検討している。早ければ本年度に設計に着手。環境評価や都市計画決定を経て、2018年度の事業認可をめざす。


JR広島駅(右のぼかし部分)から駅前大橋にかけての仮想図

 参考地図: 広島電鉄路線網 全路線図

館主感想:
 広電の広島駅から都心への直進ルートの建設実行は、館主の広島市民路面電車活用ボランティア活動時代の中で最大級のテーマでしたが、なかなか決まらず残念な思いを続けてきたものです。 決まらない事情の中には、高架案は景観上から反対、地上案は代わり映えしない、地下案は建設費が高価過ぎるなどなどです。 私は昔北九州市に旅をしたとき、小倉市電がJR駅前電停を高架にして、駅ホームの2階に直角に電停を作った。新幹線から市電に乗り換えたとき、その便利さに強く打たれ、すぐに「うける。市電利用者が増える」と感動したことをよく覚えています。広島市の高架案も高架のデザインはスタイリッシュなものになるでしょうから、建設後は市民の便利さとの比較結果で、好意をもって受け入れられるでしょう。 ともかく館主にとっては久しぶりに気になることが決まりすっきりしています。(^_^)



#815
2014.9.1

堺市 阪堺線に3編成目のLRT 「青らん」 来春運行へ


大阪唯一の路面電車を運行している阪堺電気軌道が来春、LRT「堺トラム」の3編成目となる車両「青(せい)らん」の営業運転を始める予定。

「青らん」は、海で発展してきた堺市をイメージする色、市旗の色、浜寺の海水浴場をイメージする色から側面上部に青色を使う。呼称は公募で集まった応募総数731件から選ばれた。

「堺トラム」は、既存車両に比べ30~40センチ低い低床式で、段差が約5センチの車いすやベビーカーでも乗降しやすい仕様になっている。定員は76人。席数は27席。同車両の導入に当たっては、堺市(堺市公共交通活性化促進基金の寄付含む)が3分2、国が残り3分の1の割合で負担した。同市の支援策による車両導入は3編成を予定。

昨年8月、浜寺駅前から我孫子道間のほぼ堺市内で1編成目「茶ちゃ」が営業運転を始めた。2編成目「紫おん」を導入した3月1日、同日から天王寺駅前まで毎日運行するようになった。現在は、天王寺駅前~浜寺駅前間を、平日=上下計20便、土曜・休日=上下計17便を運行している。
堺LRTの3編成目 「青らん」


館主感想:
 昨年9月の堺市長選挙にて再選された竹山修身氏は市の経費負担が課題としてあまりLRT建設運行にはご賛成ではないようでしたね。その後の動静についてですけど、天王寺駅前線へのLRT建設も当初計画通り進んでいるようでした。最近堺市自体の調査の結果「南海堺駅からJR堺市駅を結ぶ大小路線」ほか東西を結ぶLRT建設への要望が強かったようで、市長さんもこれら市民の願望を感得されて、LRTへの認識も変化が生じたのではないでしょうか? なにかそのような気がします。(^_^)


 関連記事:阪堺電軌新車 天王寺乗り入れ「紫おん」デビュー
         阪堺電軌 新LRV 画像・三面図・諸元



#814
2014.8.25

岡山市 LRTの駅乗り入れで4案検討 高架化・地下化など


岡山市は8/8、市中心部を走る路面電車のLR岡山駅東口広場への乗り入れについて、4パターンの検討案を示した。学識者や関係事業者から意見を聴き、2014年度中に1案に絞り込む

4案は、①現在の岡山駅電停から路線を延伸させる「平面乗り入れ」 ②同電停の手前から高架化し、駅2階の東西連絡通路と接続させる「高架乗り入れ」 ③同電停手前から地下に潜り、地下街の隣接地に電停を新設する「地下乗り入れ」 ④路面電車を駅広場に乗り入れず、駅の東西連絡通路と岡山駅前電停を歩行者専用通路で結んで利便性を高める「歩行者デッキ設置」。市内で開いた調査検討会(座長:阿部宏史岡山大副学長)の初会合で明らかにした。

調査検討会は、路面電車、バス、タクシーの事業者、地元経済界や住民団体の代表11人で組織。県警などの担当者もオブザーバーとして参加している。初会合では「パターンによって周辺交通への影響が変わってくる。安全確保をベースに、費用、利便性、街中の活性化などさまざまの視点で考える必要がある」「バスやタクシーの乗り場を含め、駅広場全体の将来像を視野に議論していくべきだ」といった意見が出た。

市は14年度、あと2回程度、調査検討会を開く。次回は整備費や軌道の敷設ルートを含む具体的な素案を提示する予定。

路面電車の岡山東口広場への乗り入れは、同駅南で11月に予定されている大型商業施設・イオンモール岡山開業を見据え、大森市長が昨年12月の定例市議会で検討の意向を表明した。市は14年度当初予算で示した中心市街地活性化の製作パッケージに、乗り入れの調査・検討を盛り込んでいる。


館主感想:
 岡山市のこの議論内容は、広島市の新路線「駅前大橋線」からJR広島駅への乗り入れする具体案の議論とそっくりケースですね。市と電鉄会社・バス会社・市民・学者の間には利害の判断について無数のバリエーションが発生し、簡単には収斂しがたいものでしょう。広島市の案は本日現在本当に収斂したのかしら? 館主としては「徹底的に討論し、最大意見に収斂したら、後は関係者は引き下がり、素早く着工してしまうことが肝要」と信じています。(=フランス方式) 誰かがごねると実行できないのが日本国の伝統方式です。(+_+)


 関連記事:広島市 広島電鉄「駅前大橋線」は高架式で結論



#813
2014.8.18

横浜市 ハマの観光にLRTを 市、臨海部でルート調査


横浜市は、臨海部を訪れる観光客らの新たな交通手段として、LRTなど新交通システムの導入に向けた検討を始めた。

都内の公益社団法人に、運行ルートや事業主体などについての調査研究を750万円で委託しており、年内に調査結果をまとめる予定だ。

昨年8月の横浜市長選で、林文子市長が「市民や観光客の利便性を高め、環境にも優しい」として、導入の検討を公約に掲げていた。

市が導入を検討しているのは、カジノを含めたショッピングモールやホテルを併設した統合型リゾートの誘致エリアとしても有力視されている山下ふ頭(中区)の周辺と、横浜駅(西区)、市中央卸売市場(神奈川区)の周辺、関内地区(中区)を結ぶエリア。

このエリアの主な交通機関には、JR線、みなとみらい線、市営地下鉄・バスがあるが、市都市交通課は横浜の街並みや海を眺めながら移動できるLRTは大きな観光資源になる。人の流れが活発になれば、経済効果も期待できると説明する。

調査は複数年にわたる見込みで、今年度は、道路の幅や道路下の埋設物との兼ね合いから、LRTの軌道を敷設できる道路を抽出し、具体的な候補ルートを検討する。

また、横浜市が行うのか、民間企業に任せるのかなど、事業主体についても検討し、他都市の事例も調査する。市は来年度以降、運行による交通渋滞の発生に関する想定実験や、需要の予測、建設コストの試算などを行う予定だ。


館主感想:
 昔、17年間以上も横浜市民であった館主は、あの海岸通りを歩くたびに「もしここに路面電車が通っていたら、雰囲気と観光客の望む行動にピッタリ合いそうだなあ」と漠然と思っていました。今回の市のルート調査には時間が掛かるようですが、ゆっくり見守ってあげて、その代わりしっかり実現をしてもらいましょう。(^_^)



#812
2014.8.11

広島市 「路面電車を考える会」が循環線案を提起


広島市にて活動する「路面電車を考える会」がこの度下図のような新規ルートにLRT路線を建設する段原ルート案を発表しました。この会は当館「路面電車を考える館」発祥の大事な団体です。この度興味深い提案が出ましたのでご紹介いたします。

広島市は市の正規の路面電車網改良計画として広島駅と都心の間を直結短絡する路線として駅前ルート建設を決定している。この計画に関連し、現在の「広島駅~的場町」の路線は廃止される。この路線改廃について、電停廃止地区となる的場町地区住民が独自に循環線案を発表し、市も広島電鉄も前向きに考えている様子である。

今回、対案として出された「路面電車を考える会」の循環線案については、「平成16年度国土交通省施策創発調査」として、中国運輸局がまとめた「路面電車LRT化を中心とした公共交通体系の再構築の検討調査報告書」にも、比治山の東部にある段原地区+宇品港東線として効果が検証されている。その効果として、この段原ルートは道幅も広く、学校・病院・商業施設があり、需要があるとされている。

的場地区住民案を市や広電が前向きに検討と報道される中、「路面電車を考える会」では、循環線案に若干の疑問もなくはありません。それを承知の上での対案発表としております。即ち・・・
・広島駅の玄関口として発展を続ける広島駅を通らない路線に、どの程度の需要があるのか?
・ラッシュ時には電車渋滞が発生するほどの運行密度に対し、さらに循環線を運行すると、「線路容量」を越え「電車梗塞」が起こるのではないか?

いろいろの考えを踏まえたうえ、「路面電車を考える会」としては公と市民に公共交通に関心を持って頂き、この計画に深読みをして頂きたく、この度具体的案を発表致しました。

広島市の既設広電線と新規循環線との関係図


「路面電車を考える会」の循環線路線地区詳細図

館主感想:
 今回「路面電車を考える会」が提起した段原地区を通過するLRT新路線提案にはたいへん個人的関心をもちました。実は、この地区の発展が遅れた原因は、地区の西方に比治山があるお陰で原爆の爆風は蔭になり、街が残ったのです。爆風被害の少なさが町を救ってくれたのは良かったが、逆に大きな道路がなかなか開通しないで、旧い町のままが長く続きました。近年に至り大きな道路も通り、当然路面電車が走って欲しいと、この街の歴史を知る館主には本案に同感するものがありました。 個人的には広島市はLRT都市だという観点から、ここに新路線を追加し、成功して貰えることを祈るばかりです。



#811
2014.8.4

北九州市 筑豊電鉄がLRT導入


福岡県直方市と北九州市黒崎駅とを結ぶ筑豊電気鉄道は、来春にLRT:(下記イメージ図参照)を導入する。低い床や低騒音が特徴。3両編成で車体の色はライトグリーンとピンクの2種類。平成30年春までに毎年1編成ずつ、計4編成を更新する。来年3月からは、カード型IC乗車券の使用が全駅で可能になる。

筑豊電鉄導入予定LRTデザイン



館主感想:
 LRTファンの館主としては今時、とても嬉しい情報でした。(^_^)