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#758
2013.6.24

広島市 広島電鉄「駅前大橋線」は高架式で結論


JR広島駅南口広場の再整備について話し合う検討委員会の第3回会合が6/17、広島市役所であった。広島電鉄が計画している路面電車の新路線「駅前大橋線」(広島駅―稲荷町電停間)について、高架にして駅ビルに乗り入れる方法を採用するべきだとの結論を出した。市は今後、周辺住民らの意見を聞き、今年度中をめどに基本方針をまとめる

検討委員会は、大学教授や都市計画の専門家、福祉関係者ら7人で構成。路面電車の乗り入れ方法についても、議論をしてきた。

第2回会合で〈1〉高架〈2〉地下〈3〉平面――の3案が示され、広電やJR西日本広島支社、県バス協会、県タクシー協会で構成する連絡調整会議が検討。平面案は、駅前交差点を路面電車とバスが通過する際に十分な時間が確保できずに渋滞を招く恐れがあることや、南口広場が狭いためバス停などとの一体的な再整備が難しいことから候補から除外し、検討委に結論を委ねた。

高架案とは、路面電車を高架で進入させ、駅ビルを改築しその敷地を活用して路面電車施設を確保する。乗換動線については、路面電車・自由通路を結ぶことが可能な2階レベルのペデストリアンデッキを整備する。試算した事業費は路面電車整備費が100億円、南口広場整備が35億円の計135億円の見込み。

検討委では、JR線への乗り継ぎの利便性などを中心に協議。その結果、高架案が正式に採用された場合はJR西日本が建て替えを検討するとしている駅ビル内に電停を設けた方が、乗り換える際の移動距離と時間が短くて済むことから、現在の地下広場よりも深い場所に電停を作らなければならない地下案に比べて優れていると判断した。高層ビルの建設が進められているBブロックなどとの周遊性向上も、決め手となった。


右の白枠が建て替えを検討中の新広島駅。ここから左の駅前大橋に向かって直進する



 館主感想: 
旅行者が広島駅に降り駅前広場から広島電鉄に乗ると「おやおや、電車は目の前の駅前大橋を通って市の中心地に行くのではなく、脇の古い狭い道路を経由して大回りし、ゆっくり走行してやっと都心に到着する」ことにびっくりされるでしょう。
 駅から路面電車を都心に直行させたいという意志は昔から広くあっても、何しろ駅前広場の絶対面積が小さく、議論は纏まりませんでした。が、ここに来て広島駅建て替えを機にやっと合理的な高架案に纏まったようです。

このJR駅上に路面電車電停を交差形で設ける案はJR小倉駅に似ていませんか? 
ともかくこれを決定案として、1日も早くこの合理的な駅前電停を市民と旅行者に提供されることを切に願うだけです。 m(_)m



#757
2013.6.17

各都市 今年も賑やか 全国で路面電車まつり


今年も6月10日・路面電車の日 を巡って各都市にて路面電車まつりが開催されたようです。定着したのですね。その一部をご紹介します。

富山市 ポートラム
富山市では6/9、路面電車ポートラムの運転体験会が開かれ、参加者が運転士の気分を味わった。

この運転体験会は、富山ライトレールが路面電車の日にあわせファンの拡大を図ろうと去年から行っているもので、県内外から応募した10人が参加した。

体験会では参加者が運転士付き添いのもと運転席に座り、レバーやボタンの操作を教わりながら富山市城川原にある車両基地内で片道120mを往復運転。

このほか参加者は、車庫内で普段見ることができない車両の底の部分を見学し、モーターや車輪など駆動機器のしくみや点検の仕方などについて説明をうけ、興味深そうに見上げていました。  


堺市・阪堺電車
阪堺電車・あびこ道車庫で6/8、車庫を開放するイベント「第15回 路面電車まつり」が開催された。

大阪市電色、都電荒川線色の車両などを展示

当日は多くの鉄道ファンが集まった。今回は混雑緩和のため、イベント開始時間の10時から11時30分の間は事前に申し込みした人のみ入場できるようにした。会場では鉄道グッズも販売し、長蛇の列ができた。

8月25日に営業運行開始する新型低床式車両「堺トラム」のお披露目セレモニーが開かれ、阪堺電気軌道の山本拓郎社長があいさつ。通天閣に昨年まで鎮座していた幸福の神様ビリケンさん(2代目)を一日駅長に任命した。司会は鉄道アイドルの斉藤雪乃さんが務めた。

ほか、ちん電くん(阪堺電車)、ラピートくん(南海電車)、にゃんばろう(大阪市交通局)、ビリケンちゃん(通天閣)、ゴーゴくん(天王寺動物園)などのキャラクターが登場し、通天閣オフィシャルバンド「通天交響楽団」の演奏なども行われた。


岡山市・岡山電軌
「第18回路面電車まつり」が6/8、岡山市内2会場で開かれ、大勢の親子連れが運転体験やミニ電車の試乗などを楽しんだ。

岡山電気軌道東山車庫では、昨年6月の事故修理が終了した超低床電車「MOMO1」の運転体験があり、小学生25人が挑戦。運転席に座った子どもたちは、運転士に手を添えてもらいレバーなどを操作し、約50メートルの引き込み線を往復した。鉄道模型や、市街地を走る写真約40点の展示もあった。

JR岡山駅前広場ではミニ路面電車(1周40m)の試乗会のほか、新幹線形の遊具「ふわふわバルーン」など多彩な催しがあった。


広島市・広島電鉄
歴代の車両やイベントを楽しめる「路面電車まつり」が6/9、広島市中区の広島電鉄千田車庫であった。親子連れ約 16,000人でにぎわった。

2月に運行を始めた超低床車両「ピッコロ」や、1912年の開業当時の車両を復元したレトロな「大正電車」など10台を展示。子どもが列をつくって運転席に座り、操縦レバーを握ったり、笑顔で写真に納まったりした。

ミニ電車の乗車コーナーや点検整備用のピット見学もあった。

広電と路面電車の愛好家グループなどでつくる実行委員会主催。「路面電車の日」(10日)に合わせ、96年から毎年開いている。


 館主感慨: 
上記記事どうり、広島市の第1回路面電車まつりは1996年に開催されました。実はこの第1回の開催にあたって、挨拶とテープカットを広島電鉄中尾取締役と館主との2名がし、晴れがましかった想い出があります。 入場者数は6000人だったように記憶しています。  近年は1万数千人で定着している模様。今は懐かしい想い出です。



#756
2013.6.10

全国版 「新交通推進議員連盟」の近況 


超党派のメンバーによる国会議員團にて路面電車/LRT活動を続けているLRT推進議蓮の近況は果たして如何と思っていましたが、「全国路面電車電車ネットワーク」事務局長内田敬之氏亡き後を引き継いだ新事務局長小田部明人氏より、下記の近況情報が伝えられましたのでお知らせします。政変にも負けないで今も活動続けており、本質は失っていないようなので、ホッとしました。(館主より)


6月4日午後、参議院議員会館にて超党派の「新交通システム推進議員連盟(通称:LRT推進議連)」(会長逢沢一郎議員)の総会が代理を含め30数名の国会議員が出席し開かれました。

また国交省からも総合政策局、都市局、鉄道局、自動車局などLRTやBRTの導入に関わる部署の審議官や局長、担当課課長などが参加しました。

「全国路面電車ネットワーク」にも議連事務局から参加要請があり、小田部他2名が参加しました。

ゲストスピーカーの富山市森市長から“公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり”のミニ講演がありましたが、富山市のまちづくり施策は出席議員からの関心は高く、市内線環状化の効果や都心部への居住誘導策などに関する多くの質問が出されていました。

全国路面電車ネットワーク」からは、全国のLRTの状況について報告を行い、その中で公共交通の維持活性化に関連し、地方鉄道の存続問題でコスト面のみを捉えての安易なBRT化には要注意であることを伝えました。

なお、議連のメンバーは昨年の衆院選後に80名程度に落ち込みましたが、その後全議員に入会を呼びかけたところ、現在の会員数は112名とのことです。



#755
2013.6.3

鹿児島市 路面電車まつりに「かごでん」を営業運行


鹿児島市電を運営している鹿児島市交通局は、「路面電車の日」(6月10日)の記念行事として100形101号「かごでん」を通常の営業車両として運行すると発表した。

路面電車の日は1995年、第2回全国路面電車サミットで6=ろ(路面)、10=英語でテン(電車)の語呂合わせで制定された。この日の前後に各地の路面電車で記念イベントなどが行われている。

一方、かごでんは鹿児島市内の路面電車開業100周年記念事業の一環として2012年から101号の運行を開始。 即ち、600形616号を木造電車風のレトロ電車に改造し、土曜・休日のみ観光ガイド添乗の観光電車として運転されている。

6月10日は平日(月曜日)だが、この日は616号を通常ダイヤに組み込んで運転する。経路は郡元〜鹿児島中央駅前〜鹿児島駅前〜交通局前〜谷山〜交通局前〜鹿児島駅前〜鹿児島中央駅前〜郡元の順で、9時35分から15時5分まで運転。観光ガイドは添乗しない。

かごでんの最長・谷山停留場への乗り入れは、今回が初めてとなる。




 館主感想: 
6月10日を語呂合わせで「路面電車の日」と決められたのは18年も昔、1995年10月、広島市で行われた第2回路面電車サミット会場にて提案し、討議され、決められたのです。

候補日には
@東京上野・内国勧業博覧会にて、日本で最初に電車が運転された明治23年5月4日
A京都にて日本最初の路面電車が営業開始した明治28年2月1日。
B語呂合わせで数字を読み替えて6月10日にする
 の3案でした。
  結局語呂合わせではあるが季節を考慮し、6月10日を全国的な共通イベントとして決めたのです。
 当日は、小生は広島路面電車を考える会としての議事進行役を務め、たいへんでしたが面白くもあり、今は想い出です。

 そんな経緯があって、当館での路面電車まつりのご紹介は広島電鉄が多くなりましたが、今年はかごでんが、きっちり6月10日当日に谷山まで初の通常運行するという企画に敬意を表し、ご紹介することにしました。



#753
2013.5.20

伊勢市 路面電車「神都線」がバスで復活


館主より:
私は16年間、路面電車に関するニュースを紹介していますが、このたびの三重交通が新都線をバスで復活させる記事くらい、珍しくて興をそそるニュースは記憶にありません。そこでご紹介したくなりました。(^^;)


三重交通は伊勢神宮の式年遷宮を記念して、かって運行していた路面電車をモデルにした路線バス「神都バス↓ の運行をこの7月に始めることにした。 伊勢市の路面電車は1903年(明治36年)から1961年(昭和36年)まで58年間、伊勢神宮がある三重県伊勢市内を走っていた。

運行するバスは1台で、投資額は約7000万円。外装は路面電車特有の丸い屋根とし、内装も木目調の床板や丸形の室内灯を再現。

バスの運行区間は近畿鉄道の宇治山田駅からJRの伊勢市駅を経由し、外宮と内宮を巡る。

新都バスの外観イメージ図
新都バスの正面イメージ図



#752
2013.5.13

札幌市 市電新型LRTがついに運行開始


札幌市が導入したLRTの新型車両A1200形がついに5月5日から営業運行を開始した。
それに先立ち札幌市の主催で、5月3日午後からマイレールフェスタという市民へのお披露目が行われた。会場の西4丁目電停周辺にはあいにくの雨にもかかわらず、多数の市民が訪れ、熱気に包まれていた。札幌市長の挨拶に続いて、低床車が製造され、札幌入りするまでの模様を収めた映像が放映された。

5月5日の本番当日、新型車両が出発する「西4丁目電停には、運行開始を待ちわびた大勢の人が、朝から列を作った。

新型車両の定員は71人と、従来の車両よりも10人ほど増えているが、最初の便はまたたくまに満員になった。多くの市民はすすきの停留場までの約1時間の運行を満喫したようだ。

車内では待望の新車による乗り心地の大幅な改善を評価する声や、静粛性に驚きの声が挙がっていた。「窓が大きくなって外がよく見えるのがいい」の声も。
低床車A1200形は今後、5、6月は臨時ダイヤで運行され、7月以降に通常ダイヤに組み入れられる予定。また、来年度には2編成が増備されて3本体制となり、2015年春のループ化開業に備えることになっている。

お披露目のマイレールフェスタの日は折りしも、
雨にも拘わらず大勢の市民が集まった

札幌市電 新LRT車A1200形が営業運行を開始
(Photoは全部函館市の中里さんです)
5/5営業運行開始日には、プラカード
「新型低床車両乗車待合場所」が出現
    
新型LRT車A1200形の運転台

車内は道産材を使用したぬくもりあふれる座席が。
また座席横には「雨傘吊り下げ金具」の心使い。
車両前部には二段式のモニターTVを設置。
写真は札幌市電の昔の写真の放映


 館主感想: 
よかったですね。LRT運行開始日に乗客の末尾整理係が出現するのを見れば、
市民の期待度が証明されますね。(^_^)



#751
2013.5.6

広島市 「路面電車を考える会・記念号」 を運行


6月10日は広島電鉄を主宰とする路面電車まつりの日です。まつり発足時から路面電車を考える会は協力してきましたが、どうも活動力が減速してきたようです。そこで当会は当会活躍の再爆材として路面電車まつり前日祭の実行を計画しました。(^_^)
 私たちのテーマ電車を楽しみながらまじめに考えることということで、路面電車を考える会記念号の運行を実行します。さあ鉄分の詰まった貸切電車にご乗車してください。


●日  時:2103年6月8日(土) 完全事前予約制です

●運行コース:横川→広電西広島(10分程度撮影休憩)→広電宮島口→
          宮島線商工センター入口(荒手車庫へ移動・撮影会を実施)

●使用車両:3100形を予定
        電車内では 秘蔵ヘッドマークを展示
                廿日市駅舎さよならイベントの想い出ノート公開
                その他にも・・・・?

●参加費用:2000円程度を予定

●参加条件:車庫内での安全確保のため上限50名で18歳以上とさせて
         いただきます

●申込先専用宛先:tth3501@gmail.com

 路面電車を考える会facebook
          

当日乗車予定の3100形

    3501号の撮影会を荒手車庫で実施
(3501号は「軽快電車」と呼ばれた貴重な試金石的な車両です)

1991年宮島線最後の高床車1094号さよなら運転時のヘッドマーク

 館主感想: 
路面電車を考える会の活動に行事参加を通じて応援してくださる方の増加を切に願っております。m(_)m