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#793
2014.3.31

福井市 福井鉄道がドイツ製レトロ電車 「レトラム」 運行


福井鉄道が4月から土日祝日に福武線で運行するドイツ製のレトロ車両が3/29、越前市北府2丁目の北府駅構内で公開された。公募した愛称は「レトラムRETRAM)」に決まった。

ドイツ・シュツットガルトで路面電車として走っていた1965年製の2両1編成。白と黄の2色で、丸みを帯びた前面にヘッドライトが縦に二つ並んだデザインが特徴。車内は、ドイツで使われていた当時の路線図をそのまま残すなど異国情緒が漂う。

愛称は県内226点の応募から選ばれた。「レトロ」と、福鉄が昨年導入した次世代型低床車両「FUKURAM(ふくらむ)」の「ラム」の組み合わせで、アルファベットで「リ・トラム」と読めることから福鉄再建に貢献するとの意味も込めた。

お披露目式は新築された越前市の北府駅車両工場であり、西川知事や沿線市長ら関係者が出席。土佐電鉄の亀川代平専務から福鉄の村田治夫社長に鍵のオブジェが手渡された。早速、親子連れらが乗り込み、雰囲気を味わった。

レトラムの出発式は、福井市のふくい春まつり「越前時代行列」に合わせ、4/12正午から福井駅前電停で行う。13日以降は福井市内の赤十字前―田原町を福井駅前経由で土日祝日に1日4往復する。


福井鉄道が導入し初公開したドイツ製車両「レトラム」
           (越前市の北府駅車両工場内にて)
館主感想:
福井鉄道は新幹線開通に合わせて、福鉄とえちぜん鉄道との相互乗り入れという思い切ったプランを実行しました。今回はこのアイデアの一環か、土佐電鉄の外国車両を譲り受け、新車とのペアにして運行という珍しいプランも実行しましたね。公募した名称のレトラムもうまく付けております。福鉄の張り切りに敬意を表します。(^_^)



#792
2014.3.24

熊本市 水戸岡氏デザインのLRT 熊本市電が10月に導入


熊本市は3/20、JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」を手掛けた工業デザイナー水戸岡鋭治氏による市電のLRTのデザインを公表した。外側は濃い茶色のメタリックで、内装にはカエデなどの木材を使い「森と水の都くまもと」を表現する。2両1編成で10月に導入する。

車両名は COCORO(こころ)。ビジネス客や観光客をおもてなしの心で出迎えたい、との思いを込めたという。金色のハートを三つつなげて「水、緑、情熱」を表すシンボルマークを車両先頭に付ける。製作費は約3億1800万円。


水戸岡氏がデザインした熊本市電のLRT COCORO

館主感想:
水戸岡氏といえばJR九州の車両のデザイン総帥! 私も大好きです。この度は九州は熊本市電の新作LRTですから、当然水戸岡先生ですよね。運行始めたら乗りに行きたいなあ・・・・。(^_^)



#791
2014.3.17

福井市 福井鉄道とえちぜん鉄道の相互乗り入れ来春に


県が福井鉄道と、えちぜん鉄道の相互乗り入れを加速化し、来春の運行開始を目指す。2014年度から「路面電車走行空間快適化」や「JR福井駅前・大名町交差点交通結節機能向上」にも着手し、18年の福井国体までに終える。12日の県議会新幹線・地域鉄道調査特別委員会で説明した。

相互乗り入れ区間は田原町駅をポイントに、えち鉄の鷲塚針原駅(福井市)から福鉄の越前武生駅(越前市)までの約27キロ。

 今年度は4億1千万円(国1億4千万円、県2億1千万円、福井市6千万円)をかけて、田原町駅の福鉄の線路工事やホーム新設、えち鉄の日華化学前駅などの設計を進めてきた。14年度は4倍を超える18億1千万円(国6億円、県9億9千万円、福井市2億2千万円)を投じ、田原町駅の線路接続やホーム上屋工事などを進め、来春の運行開始を予定している。

相互乗り入れにて工事が進む田原町駅周辺。
福井鉄道側の古い駅舎は撤去された。    

館主感想:
昔、つまり2008年秋に福井市にて路面電車サミットが行われました。館主も参加したのですが、その節、田原町駅を見学し福井鉄道・えちぜん鉄道接続のプランをお聴きしました。 「おや!これは良い案だ。市民の支持も多くて早期にできそう!」と思ったのですが、6年経過してとうとう工事に漕ぎ着けられたのですね。嬉しいニュースです。


  参考ニュース:
    「福井鉄道・えちぜん鉄道 接続認可あり発進」(2009/2)



#790
2014.3.10

堺市 阪堺電軌新車 天王寺乗り入れ 「紫おん」デビュー


路面電車を運行している阪堺電気軌道の低床式車両「堺トラム」が天王寺駅前停留場に3/1乗り入れした。トラムは乗降口の高さが既存車より30〜40cm低く、車いすなどの乗り降りがスムーズにできる。新しい車両もこの日デビュー。3/7に日本一の超高層ビル「あべのハルカス」が全面開業するだけに、関係者は天王寺・阿倍野エリアの発展に期待をかけている。

 堺トラムは昨年8月、我孫子道(大阪市住吉区)−浜寺駅前(堺市西区)間の約8kmで運行を開始。あべのハルカスの全面開業をにらみ、我孫子道以北の約6kmで停留場の整備などを進めていた。今回の乗り入れで計約14kmを走る。

 これまで堺ゆかりの茶人、千利休にちなんだ「茶ちゃ」の愛称の車両が運行していたが1日、堺出身の歌人、与謝野晶子が好んだ紫色を外装にあしらった新車両「紫おん(しおん、愛称)」が運転を始め、天王寺駅前発の下り一番電車に使われた。

3/1デビューした「紫おん」 天王寺駅前にて

館主感想:
路面電車が便利プラス町の新シンボルになる・・・良いニュースでしたね。実は館主の自宅(宝塚市高台)から「あべのハルカス」の高くて白くて目立つ美しい建物がよく見えます。毎日少しづつ、高く伸びてゆく建築中の姿を見るのがとても楽しみの日々でした。(^_^)



#789
2014.3.3

札幌市 路面電車一部民営に 18年以降予定


札幌市は、赤字傾向が続く路面電車を一部民営化する方針を固めた。民間のノウハウを採り入れて収支改善を目指すとともに、路面電車をまちづくりに生かしていく最適の方法と判断した。2018年以降を予定しているという。

上田文雄市長が21日の市議会代表質問で、「上下分離方式での経営形態が最も持続可能であると判断をした」と答弁した。

市交通局事業管理部財務課によると、路面電車の累積欠損金は12年度の決算ベースで1億700万円。市は同年4月に路面電車の直営を断念することを決め、@車両の運行の民間委託A完全民営化B軌道や車両は市が管理し、経営は民間が担う上下分離方式、の三つの選択肢について検討してきた。


館主感想:
館主も賛成です。長年民間会社で働いた館主の経験・カンですが・・・・。路面電車に限らず日本各都市の公共交通は官営よりも民間会社経営がウワテのようですね。どの都市でも、交通設備は既にあるものを活用するのが前提ですから、当然上下分離方式がベターな経営になるでしょう。札幌市も至当な判断だと推測します。



#788
2014.2.24

富山市 富山型LRT建設に国が補助金支援案


旧JR富山港線の鉄道路線を路面電車に転換し、2006年にスタートした富山市のLRTは、日中15分間隔で運行され、ショッピングモールなどのあるターミナルから、住宅地の広がる富山湾側の市北部までの13駅(7.6km)を結ぶ。

同市は、LRTを核に都市機能を中心部に集中させる「コンパクトシティー」を目指しており、電停近くにレンタサイクルを設置したほか、富山駅南側を走る既存の路面電車とLRTの接続も計画。マイカーに頼らない公共交通システムを再構築することが狙いで、同市は「中心市街地の空洞化を防ぎたい」と話す。

富山市の成功事例を受け、マイカー依存度の高い地方多数都市の温室効果ガス削減対策として、国もLRTに注目をしている。

そこで環境省と国交省は、LRTを核とする低炭素型の公共交通システムの導入を目指す自治体に補助金を支給する新制度を創設する方針を建て、 来年度予算案に関連費用6億5000万円を計上。環境省の担当者は、「マイカーの使用抑制や渋滞緩和を促し、CO2排出量の大幅削減につなげたい」 と話す。

バスやタクシー会社との競合の解消など、LRT導入には利害関係者の合意形成も必要だ。都市計画が専門の古池弘隆・宇都宮共和大教授は、「他の交通機関との役割分担を明確にし、経済や環境へのメリットを住民にわかりやすく示すことが重要だ」と指摘する。

乗客が列をなす「富山ライトレール」の始発駅・富山駅北電停


館主感想:
富山市森市長の「LRTを中核としたコンパクトシティを建設して、中核都市の再生繁栄を図る」という都市哲学がすっかり日本中に行き渡りました。とうとう今年は国がLRT導入都市に補助金を出すことにしたようで、ヨーロッパに比べ遅いような気もしますが、まずは嬉しい情報でした。



#787
2014.2.17

富山市 水戸岡デザイン 「7000形」 が登場


富山地方鉄道は1/27、富山軌道線(市内電車)で「レトロ電車」の運行を開始した。既存車両7000形を観光車両としてリニューアルし、水戸岡鋭治氏がデザインを手がけた。
同社によれば、「レトロ電車」の運行開始は、「富山市内軌道の開業100周年記念」(1913年9月、日本海側初の路面電車として開業)と、「新幹線開業に向けた路面電車の観光資源化」が目的。北陸新幹線開業を見据え、「アルプスエキスプレス」「ダブルデッカーエキスプレス」など観光列車の導入を進めており、「レトロ電車」を加えていっそうの観光客誘致につなげたいとしている。

車両リニューアルのコンセプトは、「昔の路面電車の面影を残す外観」「木材を使用した安らぎや温かみのある室内空間」で、同社の「アルプスエキスプレス」に続き、水戸岡氏がデザインを担当。1965年製の7000形のデザインを尊重した外観で、車内照明に昔の電車で実際に使用した灯具を用いた。

運行初日の1/27には、南富山駅前にて発車式を開催された。
「レトロ電車」は通常ダイヤの中で運用され、富山駅前〜南富山駅前コースならびに大学前〜富山駅前〜南富山駅前の2コースにて運行される。 通常運賃で乗車できる。

富山地鉄車庫にて 7000形

水戸岡鋭治氏デザイン「7000形レトロ電車」内装図 

内装の出来上がり

館主脱帽:
ほんと、水戸岡さんって、九州JR線デザインのみならず、全国どこの車両デザインを手がけられても、必ずや見た市民に「乗ってみたい」という衝動を起こさせる神秘の名人ですね。  私も信者です。この内装デザインを見た途端、「電車ファンに是非ご紹介したい」との衝動に駆られました。もう脱帽ですね



#786
2014.2.10

高岡市 万葉線延伸へ 民間団体を設立


高岡、射水両市を結ぶ万葉線の高岡市内での延伸を目指す市内の自治会、企業、高校、まちづくり団体なので関係者が1/24、民間団体万葉線を延伸する会を設立した。 延伸沿線住民だけでなく、行政や運営会社に働きかけ、延伸の実現を目指す。

会はまず、JR高岡駅前発の路線が現在右折している片原町交差点を直進し、波岡地区に至る2.5km区間の延伸に取り組み、2月に市に要望する。次の段階で、JR高岡駅から新高岡駅方面の延伸も検討していく。

市は3月末にまとめる総合戦略の中間報告で、万葉線の延伸を2023年度までの長期計画に位置づけている。

万葉線延伸実現に向けて挨拶する多田慎一会長