max2 (#271) 04.12.19

広島電鉄 Green Mover max 江波車庫到着 


12月18日深夜三菱重工業三原製作所を大型トレーラーに積載されて出発した広島電鉄の新車Green Mover max 5100形 は19日早朝無事広島電鉄江波車庫(広島市中区)に到着した。早速梱包開放、クレーンでの引込線への吊り下げて据え付け作業が行われた。 搬送は1台の低床トレーラにA・C・E車を、他の1台にB・D車を積載して江波車庫へ運び、庫内線路上に降ろした後この2編成の結合作業が行われた。
なお編成後は19日夜間に江波車庫より宮島線荒手車庫(広島市西区)に回送され20日より整備と試運転が実施される。

まず先頭のA車・C車・E車がクレーンでトレーラーより吊り上げられ、トレーラを牽きだした後、線路上に釣り降ろされ据え付けされる。 線路がカーブしているので台車奥側を据え付けたてから手前側をを浮かせたままで車体を線路形状に合わせ湾曲させて手前側台車を線路にセットする必要があり、据え付けに苦心を要するところ。      12/19 10:00頃
 
E車連結部分。maxE車はmoverのクロスシート座席式からロングシート式に変更になったので大幅に座席数が増えた。全車を通じて通路幅も広がり乗客は移動しやすくなるだろう。 照明は蛍光灯管方式から天井スポットライト方式に変更。また空調が個別吹き出し式から全車貫通形式に変わったため写真のように連接上部にダクト接続ゴムが付いている。 運転台 Green Mover の左右両ハンドル装着式から、右手側のみの無段階ワンハンドル型に変更になった。ディスプレイは席の右脇に付いていたのが正面大型化に変更装着等新方式に変更されている。窓の視界は広くなったように感じた。


max1 (#267) 04.11.24

広島電鉄 新低床車グリーンムバー max 導入発表 


広島電鉄のドイツ製低床車Green Mover が広島市において運転を始めたのは1999年5月であった。以降続々同形車が入荷し、最終は12編成までになった。 後続が注目されたが、このたびは国産LRV車を採用し、超低床LRV台車技術研究組合の開発した台車を基本にした5連接車を発注し新規登場となった。広島市にての運用開始は05年3月を予定。

型式番号は 5100形 愛称はグリーンムーバーmax     Photo:広島電鉄より

 
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Green Mover maxに関する諸情報は下記の通り
  • 製造メーカー:近畿車輛、三菱重工業三原、東洋電機製造、
  • 開発のポイント:、Green Mover は “低床化” であったのに対し、maxは “更に通路幅を拡げる。座席数を増やす” にある。
  • 車両編成:5車体3台車連接構造超低床車 
  • 全長:30.000mm 全幅:2,450mm 全高:3,645mm
  • 台車:独立懸架車輪方式 外側に電動機や歯車装置を配置した。
  • 床高さ:入口部330mm 通路部:360mm
  • 通路幅:動台車部=880mm 中間台車部1,120mm (GMは両方とも830mm)  
  • 定員:149人(座席数:56席) <Green Mover 座席数46席より20%UP ↓>
  • 座席:先頭車・後尾車の1人掛けクロスシートは→2人掛けクロスシートに変更
        中間車の1人掛けクロスシートはロングシートに変更
  • 外部塗装:基本色は広島電鉄カラーのグリーン、乗車ドア上はイエロー塗装。
  • 電動機制御:VVVFインバータ
  • 制動:回生・発電ブレーキ併用油圧ディスクブレーキ+機械式非常ブレーキ
  • 車輪:弾性車輪 
  • ブレーキ:回生ブレーキ
  • 設計最高速度:80km/h 
  • 価格:1編成 3億5000万円
  • 導入スケジュール
    ・江波車庫搬入 04年12月中旬〜下旬
    ・試運転(宮島線・市内線):04年12月下旬〜05年2月下旬
    ・営業運転開始予定:2005年3月上旬
  • 運転予定区間:広島市内線(1号線:広島駅〜紙屋町〜広島港)
  • 同路線に来年末までに更に2編成増やす
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台車の構造写真
 
台車設計の眼目には通路幅を広く取ることがあった
 
Green Mover の運転席横の出口が狭いのも改良された
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中間台車枠を広幅にしロングシート化した様子

館主兼利用者の感想:
Green Mover が広島市にお目見えした時には初の低床車であり好評を持って迎えられました。しかし乗客の唯一の不満は従来の3900系電車に比べ座席数が極端に少なくなったことではないでしょうか (館主もしばしば利用するが、昼間でもまずは空席はない)。 他の空調容量不足等はまもなく改善されたが、座席数だけは台車構造からくるもので仕方がないことと思っていました。こういったことは結局日本の風土にあった国産車でないと最終的決着は無いと思っていました。今回確認した限りでは、気になっていた座席の設置方法とドア幅の修正とで理想的に改善されていました。Green Mover では、乗車した時中間車の通路が狭くて通路が凸凹している印象ですが、今度こそ通路が前から後ろまで同一幅ですっきり通るのでは? ムーバの乗車口には赤色ドットが描いてあっても目立たないが、maxでは乗車ドア2カ所の上を大きく黄色塗装にて描き分けたのは秀逸。これは受けると思う。他方室内アコモデーションについては実乗車をしてみないと判らないのでまだなんとも言えませんが・・・。 営業運転の日が待たれます。

    関連ページ1:「日本型LRV台車開発について」;近畿車輛枡田保氏
      〃    2:「三菱重工 LRT製造に参加 実験線を新設
      〃    3:「広島電鉄5000形 画像・三面図・諸元」
      〃    4:「広電GREENMOVER情報」