max5 (#281) 05.2.11

広島県・広島市 max新編成に対し補助金支出を表明 ・


 広島県は広島電鉄が05年度に導入予定のmax3編成(9億6000万円)に対し、拠点都市機能の強化に叶い、かつバリヤフリーの推進による都市の魅力度アップに貢献するものとして導入支援補助金8,000万円の支出を05年度予算に計上することを2/4公表した。
 広島市も市の魅力作りに熱心であるが、基幹交通機能整備と超低床電車の社会性とを評価し、同じく導入補助金9,000万円の支出を新年度予算に計上すると2/10表明した。
 超低床電車の基本的な補助は国土交通省の制度として「次世代路面電車(LRT)の整備に対する補助金制度」(鉄道事業者に費用の4分の1を補助する)があり、今回の地方行政よるLRTに対する補助も加わって公による手厚い声援を受ける時代に入ったことが認識できる。 まさに21世紀はLRTの時代になりつつあるといえよう。


max4 (#279) 05.2.1

広島電鉄 max 市内線習熟運転を実施中   


 12月20日広電荒手車庫に回送されたmaxは整備を終えて早速宮島線本線にて試運転をはじめた。荒手にての試運転・再整備を経て1月初旬に広電本社の千田車庫に回送され、いよいよ乗務員の習熟運転が連日始まった。
 訓練コースは毎日10:00、13:15、15:30 の出庫にて、千田車庫→宇品線@→広島港→比治山下経由D→広島駅→紙屋町経由@→千田車庫のサークルコースである。一回の乗車には運転手4人と車掌1人が乗り込むが、主要電停にて運転を交替をする方法で習熟を計っている。 →コース案内図 
 運転操作は基本的にはグリーンムーバーに似ているようだが、ブレーキがかかる感触等は向上しており、運転操作性はいっそう良くなっているようである。
 市内線にての運転習熟は2月9日にて終わり、その後荒手車庫に回送し、2/11〜3/6までは宮島線(鉄道線)を使用しての乗務員運転習熟訓練が始まる。 その後3月中にいよいよ営業運転に使用という段取りになる。

市内中心部紙屋町にて。 広島駅方向から来て広島港線へと曲がる訓練車
 
はい! 午前の訓練は終了しました! 午後の出番までしばし構内にて休息



max3 (#274) 04.12.26

広島電鉄 max 荒手車庫にて整備が進行   


12/19広島市江波車庫に到着したmaxは直ちに荷下ろし、結合が行われた後、深夜の広電市内線・宮島線を経由して荒手車庫に無事到着。翌日20日より製造関連の近鉄車両、三菱重工、三菱電機、東洋電機製造その他各社担当者による本格的整備に入った。最終組み付け、試験、整備、引き込み線を使用しての構内運転その他を実施中で、宮島線本線での試運転は28日からの予定。市内線での試運転は年明けから、営業運転は3月上旬の予定。

12月19日深夜から20日にかけて宮島線荒手車庫に到着したmax 5100形
3904に連結されて回送 荒手車庫引き込み線にて連結棒取り外し中
   Photo:小泉浩平氏 詳細は「kk’s 鉄道趣味のホームページ」をご覧下さい      

 荒手車庫屋外に引き出され、最新のGreen Mover 5012とご挨拶
行き先表示が方向幕からLEDによる初の電気式に変わった
 
構内脇からmaxを眺める
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 到着初日にはもう南端の構内線を使用してそろそろと走行テストが始まった
 
Green Mover 5000形とmax5100形との機能比較
5000形 max5100形
5両を通して全体を比較してみると、中間車がすっきりし、座席間幅も10cm程度広がり車内の移動が楽になった。
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moverの悩みは座席数が少ないこと。特に両端の車両と中間車は座席が一人掛けクロスシートのため1両に8席しか無い。このため乗客は一人掛け座席に親子なら2人掛けする人が居る。写真の例では母親が台車カバー鉄板の上に座り、男の子を座席に座らせ幼時は乳母車に。またスリムな女学生ならお隣写真のように2人掛けとか。通常買い物をした乗客や立った乗客は鉄板カバーの上を荷物置き場としてよく利用している。右写真のmaxでは中間車の台車枠を外枠型に設計変更し、カバー鉄板の室内幅を小さくすることによって、一気にロングシート化することに成功。その結果は8席→14席へと大幅アップ。同時に通路に邪魔な出っ張りが無くなり通路幅も増加したので社内移動がずいぶんと楽になった。
公式には座席数は8席増加となっているが実質は倍近く増加ではなかろうか? この改良が利用者に最も歓迎されるだろう。
 
先頭車(最後尾車)も座席がすっかり幅広座席になり、公式座席数は増えないが実質的には2倍近くに座れる人が増えるのではないかと思われる。 先頭車の座席ざぶとんが厚く上等になっている。
 
天井灯も従来の貫通型蛍光管からダウンライトに変更された。一見暗そうであるが、薄暗い車庫内で書物を見た限りではダウンライトの配置が座席上にうまく設定してある故か、むしろ明るくなったような印象である。もっとも運行開始後、実車で経験してみないと断定は出来ないけれど。
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釣り手の配置も変わった。従来は両端貫通+中間ヨコ配置形である。今回は3本の釣り手棒を車両内にストレイトに取り付けられた。すっきりしたが使用の易しさ判定は満員の実車に乗ってから。
 
荷物を置く網棚だけは従来と同一配置。買い物後の荷物をMoverでは網棚がないので立った時には手にぶら下げることになり、これが苦痛である。 今回のmaxでも増設がなかったのは車両窓が広い故で設置場所が取れない為かも知れない。然しだれでも座れる欧州とは違うのだから、これだけは日本型独特の工夫がして欲しかった。
ハンドルはどちらも右手無段階形式。maxではデッドマン方式がが押し込み方式から握り方式に変更になった。制御用ディスプレイはMoverでは簡単なものが席の右側に組み込まれている。maxでは正面に移され大型化し、車両番号、行き先、ドア開閉状態、制御電圧等複雑なデータが表示されるようになった。
Mover には連結幌ヨコにブレーキ用の自然砂箱を設置している。そのため砂の在庫量を客室から目で確認出来るガラス窓が付いている。maxでは床下に砂に替わりセラミックの細粒をブレーキ材として保存している。使用時は矢印のノズルから強制噴射する方式。いつも乾燥しており粒子も揃っているので、ブレーキ力が保証される。

参考:広島電鉄株式会社プレス発表資料(PDF)