#402
2007.2.2

函舘市電 新LRV9600形 ベールを脱ぎ公開された


昨年7月の函舘市電路面電車感謝祭でこんど入荷する新型LRV9600形の実車より一回り小さい手作り電車が公開された。これで大凡のデザインや塗装などは判ったが、その後実車の搬入や走行試験等については当局からは公開がなかった。このたび函館市交通局より新車の詳細が公開され、ホームページにも詳細が公表された。
新LRVは、座席は最大限取れるようデザインされ、車椅子の専用スペースは2台分用と工夫されている。 営業運転は3月下旬より。製造メーカーはアルナ工機。 購入価額は2億300万円。まずは速報的にご紹介したい。

函舘市電9601号正横写真

正面 行き先表示がLED化された 
(写真は合成したもの)
車内写真 低床床。運転席の後に停留所名や料金表示する液晶ディスプレイが付いている。
            (Photo:同社ホームページより)
同社は公開と同時に愛称募集も始めたが、応募資格は
函館市内居住者に限定されている。

  同社ホームページサイト:函館市交通局

続報: 先日魚市場前通り電停が電停命名権発売第1号として
函館信金本店前で応募したと掲載したが、早速同電停の表示が
改装され、下の写真のようなデザインでお目見えした。



(Photo:函館市中里さん)
 関連ページ:電停命名権と函館信金が応募第1号


#401
2007.1.27

広島電鉄 電停精密表示システム導入の社会実験決定


国交省と広島電鉄は08年1月をめどにLRTの定時制確保と利用促進を目的に、分単位の接近表示や車両種類の表示を電停に刻々表示するシステムの社会実験を始める。
特徴は
  • 実験対象路線は広電2号線(広島駅〜西広島駅)間
  • この区間は6路線が合流、分岐する複雑路線で、車両も単車、連結車、低床車等が入り組んでおり、コントロールが最も難しい区間である。
  • ここに高精度ロケーションシステムを導入し乗客に正確な予測情報を伝える
  • 各電停の表示器はLEDで表示する。広電本社のコンピュータシステムも増強。
  • 総事業費は約3億円。うち2億円を国交省が負担する。
  • 切替は本年6月から12月にかけて実施する
  • 実証実験は国交省、警察庁、学識経験者、全軌協で構成するLRT等利用促進検討委員会の主導で実施する

●現在の標列車接近表示器
 
現在の方式は各電停のトロリー線に付けてあるトロリーコンダクターを2駅前到着から認識して、接近表示器に点灯する。

       参考ページ:広電広電の路面電車 運行・整備のシステム
               広島電鉄路線網

●新表示器イメージ
上段が接近案内(固定)  下段がその他案内(横スクロール)
大きさ:縦30cm 横120cm
●通常案内 ●運行案内
ただいま荒天のため運行を
見合わせております


●終車案内
本日のB西広島行きの
営業は終了しました


●車両案内
F横川行きあと5分・E江波行き
あと10分で到着予定

切替は3秒毎(ローマ字はスクロール)
グリーンムーバーmaxは
あと5分で到着予定です

●連続到着案内 ●料金案内
A宮島口ゆき電車は続けて到着となります。後続の電車も併せてご利用お願いします。 料金は大人150円・子供80円です

館主感想:
 広島市民として随時広電を利用しているが、現行の2駅前に電車接近表示でも助かる。しかし本音を言えばJRのように○分後と判るとすごく安心するし、その間ちょっとした用事は果たせる。車椅子利用者にはあと何分待てば低床車が来るのかは切実情報。路面電車乗客の知りたい情報を総て提供するトータル的な新システム開発は路面電車へのシフトを熱心に計る国交省の政策としても時期を得ているが、絶えず乗客の利便性向上に苦心する広島電鉄の意欲にも敬意を表したい。
 このシステムが成功事例となり、全国の路面電車都市へ広く普及する日を念願したい


#400
2007.1.22

富山ライトレール 利用者数は大幅に増加した


富山市長は1月4日記者会見において富山港線LRT化の整備効果について、国交省と共同でした調査結果を発表した
  • 整備前(JR富山港線)調査は05年10月2日(日)、6日(木)
    整備後(ポートラム)調査は 06年10月12日(木)、15日(日)
  • 利用者数は平日2,266人→4,998人へ1年前の2倍増。休日は1,045人→5,576人と5倍増した
  • 駅別利用者数は、終点岩瀬浜では平日3.2倍の464人。休日は14倍の901人と大増加 (↓下図参照)
  • 時間帯別利用者数は、9〜16時台が大幅に伸びており、平日で全利用者の45%、休日で76%となっている (↓下図参照)
  • 利用者の目的調査では通勤者の利用が1,500人で、開業前の1.9倍と大きく伸びた。休日は「ポートラム」に乗るためなど観光利用と答えた人が27%を占めた。
  • 年代別では60代以上の伸びが特に大きく平日は3.5倍、休日は7倍になった
  • 自動車から転換した人が全体の1割強となった
  • 新規の利用者は平日で20%、休日は51%であった
  • ライトレール開業時に採用したICカードは今後、富山地鉄、バス、駐車場でも使用できるよう範囲を広げていき、都心の活性化を図りたい

●駅別利用者数の変化 

●時間帯別利用者数の変化

気になる富山ライトレールのその後であるが、期待通りのようである。都心の活性化が第一かも知れぬが、効果広がり、高齢者の外出増、自動車からの転換も裏付けられたわけで価値あるデータである。

別の大事な数値として、昨年11月の中間決算では収入1億6600万円で、利益が2,600万円出たとの報道もあった。これには積極的な広告収入も寄与したとある。市の事業姿勢を評価したい。


#399
2007.1.16

函館市 電停命名権発売と函館信金が応募第1号


函館市は昨年12月函舘市電の電停命名権発売を公表し注目を浴びた。特徴は
  • 函館市電は1月から電停の副呼称の命名権(ネーミングライツ)を地元企業に販売する
  • 対象は全26電停で、既存の電停名の後に企業名など副呼称がつけられる
  • 副呼称は電停の標柱表示板のほか、車内アナウンスや料金表示器、路線図、更に観光パンフレットの路線図にも記載される
  • 年間契約を対象とし、相場は電停1ヶ所につき約73万円。電停ごとの立地場所や平均乗降客数などを勘案して、広告料を調整する。より長期の場合は割引も考慮。
  • 命名件を取得した企業に対して、クリスマス時期などの電停ライトアップ、ベンチや照明灯の設置などを要請し、環境整備の一翼を担ってもらう
この呼びかけに対し応じた地元企業第1号は函館信用金庫であった。場所は都心にある魚市場通電停で1月24日より供用。名前は魚市場通 函館信金本店前 となる。同信金では同電停などに照明灯2基の寄贈を予定している。

 
●函舘市電魚市場前
 
魚市場前電停 なるほど信金本店前だ
地図で調べたら上記の通り市の中心部
電停標識 真ん中部分がテープで隠されているが、ここに24日には信金本店前と付け加えられるはずだ。
                          (Photo:いずれも函館市のX-103さんです)    
   関連Blogサイト:函館鉄道写真館 

電停命名権販売は昨年の富山ライトレールに続く2番目の命名であろう。たぶん他都市でも続くと予想されるが、願わくは呼びやすい名称で且つ美しいデザインを念頭にして欲しいものだ。



#398
2007.1.11

広島市 シンポジウム 「LRTの新たな発展をめざして」 


日本都市計画学会中国四国支部 平成18年度第4回都市計画研究会

 シンポジウム 「LRTの新たな発展をめざして」  


広島市で18年度に行われた 「LRTと街づくり4回シリーズ」の最終回です。 今まで3回の報告会を踏まえて、総括的なシンポジウムを開催します。     (館主も市民の立場からのパネリストとして参加します)


日時:2月3日(土) 13:30〜16:30
 

●場 所:広島市まちづくり市民交流プラザ 北棟5F C研修室 
        広島市中区袋町6−36 082−545−3911
                   
                 広島電鉄宇品線袋町下車3分

●基調講演:トラムを中心とした都市交通戦略の最前線
                 松中亮治氏 (岡山大学大学院助教授)

●パネルディスカッション:LRTと街づくり〜中国四国地方の新たな発展をめざして
       コーディネータ:杉恵頼寧氏 (広島大学大学院教授)
       パ ネ リ ス ト: 阿部宏史氏 (岡山大学大学院教授)  
                 高井広行氏 (近畿大学工学部教授)
                 佐藤俊雄氏 (中国地方総合研究センター地域計画研究部長)
                 山根政則氏 (広島LRT研究会代表)     
       コメンテーター:松中亮治氏 (岡山大学大学院助教授)

●参 加:会場は60名収容 申込不用(先着順)

●主催者・共催者:日本都市計画学会中国四国支部・土木学会中国支部

問い合せ:杉恵頼寧(すぎえよりやす) メイル  TEL:082-424-7826 



#397
2007.1.6

広島電鉄 世界遺産登録10周年記念乗車券セットを発売


 広島市中心にある原爆ドームと広島市西郊の厳島神社(宮島)は1997年に同時に世界遺産に登録されたが本年はちょうど10周年に当たる。
 広島電鉄ではこれを記念し[広電市内+宮島線+宮島連絡船用1日乗車船券カード(840円)を収容する特別ケース入り乗車券セット]を制作し、販売を始めた。
 特徴は、売上金の一部を、市の原爆ドーム保存事業基金に寄付することにある。
 カードの種類は他に宮島ロープウエイにも乗れる[宮島フリーパス(2000円)]がある
 発売は広電窓口のほか平和公園内レストハウスや主なホテルにて3月まで実施。

●乗車船券磁気カードを収容する紙ケースの表面
    紙製ケースは二つ折りにされている
(右)表側表紙 広島市中心にある原爆ドーム写真と宮島のシンボル大鳥居が
   組み合わされ、10周年記念のロゴをデザイン
(左)広島都心から宮島までの市内線と宮島線のルートと島までの連絡船、更に
   宮島山頂ゆきロープウエイの略地図を記載

●ケース裏面と収容した1日乗車船券カー
ケースには[広島の世界遺産]として「平成8年ユネスコ世界遺産委員会で原爆ドームは人類史上初の原子爆弾の惨禍を世界に伝える歴史の証人として、厳島神社は時の権力者(平清盛)による造形美を極めた芸術として認定された経緯を記載。
[原爆ドームの保存事業]ドームは戦後痛みが進行し、危険な状態になったときに保存の声が高まって国内外の寄付金6,800万円をもって第1回保存工事が行われたのが嚆矢。以来募金をもって第2回工事が行われ、同時に「原爆ドーム保存基金」が設置されて今日に至っている。この一日乗車券はその基金へ協力するもの。

 (注)ケースに収容されている乗車船カード自体は通常販売のもの
  ⇒NEWS#167 広電電車一日乗車券を磁気カード式に切替発売(03/4/23)

館主が被爆者であることは毎度宣伝していることですが(^^;)、世界遺産登録の経緯は実はあまり詳しく知りませんでした。 本日カードを購入し、詳しく知りましたが、これにてささやかながらご協力したことになります。