#383 2006.10.11
10/12報告順番修正

川崎市 「信用乗車制度の普及に向けて」 フォーラム



 公共交通の運賃の受け渡し方法はどう変えるべきか  


[開催の主旨]
公共交通機関が今後、利用者の支持を得、経営基盤を確立するためには、運賃収受方法の変革が不可欠である。

信用乗車方式の制度化か、IC技術の革新によるか、乗降の大幅な円滑化を図るための手段を社会的に成立させるために、制度的、法的、システム技術的な条件を検討し、その導入のための実践的な方策を求めたい。



日時:11月1日(水) 13:30〜17:30


■場 所:川崎商工会議所 講堂  JR川崎駅より徒歩 3分 JR川崎は東京より18分 

●提 言: 10年後の運賃収受方式を想像する
                工学院大学工学部電気システム工学科助教授 高木亮氏 

●基調報告: 信用乗車方式と割増運賃制度
                      国土交通省鉄道局 業務課長 東井芳隆氏

●報告1: 富山ライトレールにおける信用乗車方式導入にむけて
                        富山市都市整備部長   根塚俊彦氏 

●報告2: カードシステムによる運賃収受の現況と課題   
           −スルッとKANSAIの取り組み−       
                    (株)スルットKANSAI 代表取締役専務 横江友則氏
       
●報告3: 5年目を迎えた「せたまる」の現況と今後の課題       
                    東急電鉄(株)鉄道事業本部 電氣部 北村公大氏

●報告4: 信用乗車方式の問題点    広島電鉄(株)常務取締役 中尾正俊氏
  
■定 員:50名

■参加費:3000円(2000円 主催団体会員で、事前に事務局に申し込まれた方)
     但し、満席になり次第締め切りますので、事前にお申込みください。 
  

■主 催: 全国・路面電車ネットワーク
        人と環境にやさしい交通をめざす協議会
        エコエネルギーによる地域交通システム推進協会
■後 援: 
LRT推進議員連盟

■今後の予定

      今回を「運賃収受方式」に関する討論集会の第1回とします。

      今後、次の問題について、研究会を定期的に開催します。
      1.公共交通の乗降を、大幅に円滑にするための、制度的、技術的
       どの様な方式がよいかを検討します。       

      2.その方式の実現をはかるには、どの様な法的、制度的な措置が
       必要か、また財源的対応が必要かを検討します。

      3.実現へのアクション・プランを策定します。
 
■申込み先:人と環境にやさしい交通をめざす協議会/事務局
          E-mail: sev@mb.infoweb.ne.jp メールで申込下さい


#382   06.10.6

岡山市 RACDAによる岡電とJR吉備線の接続提案詳細


去る9/9広島市にて「LRT導入活動講座」が開催されたが、講演者の一人岡山RACDA代表岡将男氏は岡山の路面電車網拡張について市内ループ線案とJR吉備線と岡電市内線を接続する案について詳細の説明があった。このうちループ案は本館で紹介すみであるが、吉備線接続案については03年の情報以来説明されなかった。その後の進展についての紹介版である。

03年の発表はJR西が吉備線のLRT化という表現で岡山市と協議に入った」という表現であったが、今回はそれを受けて市民団体RACDAが独自の具体案を同会の会報誌等を通じ公開している。 これはその要点。


  • 現在路面電車岡山駅の本数は286本で乗車客の殆どはJRやバスで岡山駅にやってくる人達である。
  • 岡山駅の利用者は新幹線が毎日約2万人、在来線が8方面から10万人と、地方都市としては全国有数の拠点性を持っている。路面電車はこの岡山駅と都心の表町商店街などを有機的に結ぶ機能を持っている
  • 今回、岡山駅の橋上化に伴い、路面電車の停留所から駅の中央改札までは180mから300mに伸びる。そうでなくても岡山駅に降りて、電停はわかりにくかったのに、これでは益々接続が悪化する。またお年寄りには容易に歩ける距離ではなくなる。
  • 路面電車の活性化には、駅前乗入、ICカード、低床電車の三点セットが必要なことは、高知、広島、世田谷線の例で明らかである。岡山駅の橋上化に関連して、どうしても路面電車の駅前乗入は必要。
  • 当会で提案するLRT新線では、現電停から岡山駅に向かって円弧を描いて延伸し、JR岡山駅に平行に設置し、JR駅改札からは近接した位置に新電停を新設する。
  • 新線は更に南に向かいホテル建物を迂回し既設高架橋上にて新幹線下はくぐり、在来線上はオーバして、JR駅西口の道路をの字形に迂回して西口正面に至り、ここで既設吉備線と接続するよう新電停を設置する。
  • 吉備線LRT化を実現した場合、岡山駅で路面電車に接続するためにも、駅前乗入は必要である。接続ルートについては、既におおまかに水面下で検討されており、新設された高架橋部分については、岡山市とJRの間で配慮されている。
  • 岡山市長は9月議会で、岡山駅前広場の利便性を一段とあげる検討に着手すると答弁し、その中で路面電車についても検討するとした。また国交省のLRT10都市に是が非でもトップで指定されたいと表明した。

吉備線LRT化後は当然電停が増設されて利便性向上を計る。同会ではその具体的駅名と新駅設置後のLRT新設各駅の推定ダイヤも公表している。

    関連サイト: 岡山RACDAホームページ 
            RACDAかわら版第18号から25号にかけ関連記事が多数

館主付言:
広島市ではJR横川駅にて今までの路面電車終点を駅の改札直前まで延伸する案に合わせ広場の構造も大改善を計り、利便性と美観の両方が一挙に大改善された。この実現に向けては国道事務所、市、JR・広電の事業者、商店街、市民団体が総掛かりであった。
 また至近には富山市のJRとLRTの接続…と既に成功事例がある。先日の岡さんの講演を聴いて夢と実現性が近いプランと感じたのがこの案。氏の了解を得てご紹介する次第です。

まずは国交省のLRT10都市を当選確定にし、第1次は岡山駅前延伸、引き続き吉備線との延伸接続と続け、夢を実現にしましょう。


#381   06.10.3

広島市 Green Mover が身障者宮島見物のお手伝い


障害者の全国組織による「全国はがき通信懇親会 in 広島2006」が9/29〜10/1に渡り広島市にて開催され、車椅子利用者40名とその家族等多数が広島市を訪問した。その行事の一環で宮島見物の希望者28名を広島駅から広電宮島口駅まで、最新型の低床車を利用して移動する希望が出た。この希望に中国運輸局と広島電鉄が協賛し、グリーンムーバーとグリーンムーバーmaxのそれぞれ1編成による車椅子貸切運転が実現した。

当日は交通ボランティアのメンバー約30名が宿泊ホテルから広島駅の広電乗り場までの誘導、路面電車、フェリーへの乗降等をサポートして実施することができた。

懇親会実行委員の久留井真理さんは「低床車だから車椅子の乗降には具合良くて全く問題なし。それに窓が広くて景色がよく見渡せるのが快適のはず」との感想を述べた。

1号車は先日ローレル賞を貰ったばかりのGreen Mover maxが使用された。ヘッドマークを付け、途中の電停は飛ばして快走。2号車はGreen Mover カープ号使用。 maxの中間車と前方の先頭車の様子。中間車の床巾が広くになったので、写真のように、この車両にも充分な静置スペースが取れた。介護者に見守られながら窓外を熱心に見つめている様子。
終点 広電宮島口では介助者の助けを得て車両とホームの間に渡した踏み板を使用し、スムースに降車できた。 この女性は降車後maxとの記念写真を希望。電車と並んではいパチリ。 先頭車には車椅子ロゴが付いているのもmaxの特徴。


#380 2006.9.30
10/4 時刻訂正

広島市 「最近のLRT導入取り組み」 報告会


日本都市計画学会中国四国支部平成18年度第3回都市計画研究会

 「LRT導入取り組みについて」報告と提言  


今回はLRTと街づくりに関連し、広島電鉄企画担当の田口氏によるフランスの都市交通実情報告と、広島市にて都心活性化活動で著名な佐藤氏との両名による、3回目のLRT化講演会を致します。


日時:10月7日(土) 
15:10〜 
     (謹告:9/30掲載の開催時刻13:10は誤りでした。お詫びし訂正致します)

●場 所:広島市まちづくり市民プラザ 北棟6F マルチメディアスタディオ 
          広島市中区袋町

                   
                 広島電鉄宇品線袋町下車3分

●報告1:日仏協力会議への参加とフランス諸都市の都市交通視察
  広島電鉄(株) 総合企画グループ交通企画チーム 公共交通担当リーダー  田口依久夫氏                   

●報告2:中枢都市の都心活性化とLRT化
                 中国地方総合研究センター 地域計画研究部長  佐藤俊雄氏     

●主催者:日本都市計画学会中国四国支部  



#378   06.9.21

岐阜市 市内線のレール撤去作業開始


昨年3月末に廃止された名鉄3線のうち、岐阜市内線都心部撤去作業が遂に9月8日夜から始まった。
撤去区間は旧名鉄市内線JR岐阜駅前から北へ忠節までの全路線と途中の徹明町交差点から東へ接続する旧美濃町線の長森本町までの計約7km。工事は07年3月までに完了予定。工事担当は岐阜県。

名鉄によると、撤去区間外のレイル撤去は未定とのこと。

路面電車復活を願い活動していた「エンジェル基金募集」団体ほかの市民団体は継続の意欲を表明している様子である。

 参考ニュース:
    市内線等3線の存続を断念の市長声明(04/7)        


    Photo:中日新聞

この日が来ると覚悟はしていたが残念なニュースです。存続に関して市長の断念がウエイトが大きかったのでは?それと経営団体の熱意不足も響いた気がします。存続運動をしていた心当たりの団体にその後の様子を問い合わせをしましたが、本日までは未回答。具体策の成案までは容易でないことが察せられます。今後の活動決定事項があれば教えてください。


#377   06.9.17

国交省 新年度予算にLRT・10都市分の計画提出


国土交通省は都市再生交通拠点整備事業を都市再生交通システム整備推進事業(仮称)と改め、LRTやBRT(バス優先レーン走行低床バス連接システム)による公共交通の導入、結節点改善、共同集配施設等の都市交通システム改善事業に2007年度予算として94億円の要求を提出することにした。(建設通信新聞)

このうちLRTについては2016年までの10年間に、LRTを新たに全国10都市で整備するという戦略的取り組みの方針も公表した。

           参考サイト:国土交通省ホームページ

館主私見:
国土交通省のLRT建設への応援姿勢は年々強化されているのが心強い。
気になる建設支援する具体的10都市名は勿論未定であるが、宇都宮市・東京池袋・富山市環状線・堺市東西線などが今は前評判である。まだ長期の話でなので可能性のある都市はたくさんあるが、自治体と商議所など民間組織、それに市民団体との結束があるものこそ有利であろう。連想すると函館市、横浜市、豊橋市、京都市、岡山市、広島市、熊本市などなど候補は多数。まだまだ時間は長いので他の都市も含め候補になる可能性は高い。今後は時代に即した態勢を作り、実現への進展を期待するのみである。


#376   06.9.12

富山市 市内線の環状化は大手町ルート案で推進


かねてより富山地鉄市内線の環状化ルートについては大手町ルート案と旅篭町ルート案の二通りが論議されていた。6月に富山市長は大手町ルートを基本に事業化を計ることを表明したが、このほど9月議会に調査・設計費を補正予算案として提出された様子。 新線計画は丸の内から市民プラザを経て西町を結ぶ0.9km。事業費は20〜30億円で、環状化される一帯を「城址公園、国際会議場、市民プラザなど公共施設の一体的整備も含めて検討する」と表明。開業目標は2009年ごろ。

大手町ルートによる環状化の意義について市長は:
  • 富山駅周辺地区と平和通り周辺地区のアクセス強化
  • 都心地区全体の回遊性と魅力の向上
  • 富山駅の高架化に合わせた南北路面電車連結後のネットワーク形成
を挙げた


    関連ニュース:富山ライトレール 開業後の乗客人員を調査→ 健闘

4月に開業した富山ライトレールは市民に歓迎され成績も良く今や日本のLRT新設の成功事例と認知されたようです。その証拠に、当今は各地のLRT新設を検討する自治体や市民団体からの見学者が絶えないという評判。 富山市もこの機を逃さず、次の拡張計画をさっそく進めているようですね。LRTは都心活性化の有力手段なのでしょう。


#375
2006.9.7

京都市 「LRT国際ワークショップ」 開催


独立行政法人 交通安全環境研究所 第3回 LRT WORKSYOP 2006 KYOTO

      「第3回 LRT国際ワークショップ in 京都」  


LRTが環境問題・高齢化社会・市街地活性化の見地から世界的に見直されてきて、LRTの最初の国際会議は1997年、第1回のLRT WORKSHOPが東京にて開催されました。第2回会合は2000年に欧州でした。 関連ページ:LRT WORKSHOP '97

このたび、第3回会合として、「人と環境に優しく利便・快適なLRTの実現に期待を抱く国内外各方面の関係者-技術、システム、事業者、街づくり、基準整備等々-が会し、LRTの可能性を引き出し、その実現に向けた情報・意見の交換、議論の場」として京都市にて開催されます。


日時:10月16日(月)〜18日(木)
 

●場 所:京都リサーチパーク西地区4号館 バズホール他 
                京都市下京区中堂時南町123
               
                 
●プログラム
日 時・場 所 内    容
1日目
10月16日(月)
 
10:30〜 開会宣言

10:45〜 ビジュアルセッション
       ブースやポスター展示による技術相談

13:00〜15:10
Session 1:基調講演 欧日のこれまでの取り組み

Session 2:講演 「LRTの進歩と技術」在来鉄道相直、架線レストラムなど
2日目
10月17日(火)

 

 
9:00〜12:30
Session 3:講演; 街づくりとLRT欧州における街作りとLRT
           ・ボルドー、ドイツ、英国、韓国、日本の事例

13:30〜
Shotgun Presentation:LRT 関連の新技術、活動
              (ブース、パネル展示の紹介)

16:15〜18:15 Panel Discussion 1:LRT の現状と課題

18:30〜 Reception
3日目 10月18日(水)

  
9:00〜10:50
Panel Discussion 2:新しいLRT の導入を目指して

10:50〜11:20 
Session 4:基調講演(総括) 

午後
Technical visit 1:「京都市役所駅」→京阪京津線「近江神宮前」を
            専用列車にて移動後、車両基地見学

●会合詳細および参加登録申込:LRT国際ワークショップ実行委員会

●参加登録費:一般25,000円 (懇親会・見学会含む)/学生12,000円(懇親会・見学会なし)

●公用言語:英語(同時通訳あり)

●主催者: 独立行政法人交通安全環境研究所  


館主余言:せっかくの大事なワークショップですが、開催日が長崎路面電車サミットの開催日と接近しているのが残念。 有意義で、かつ性格の異なる会合ですから可能の方は出来るだけ参加したいものです。
 (余談ですけど97年東京開催時は館主もパネリストを務めました)