#256 04.8.2

浜松市 シンポジウム「新交通システムの提案」


昨年12月に浜松市所在の団体浜松都市環境フォーラムが、浜松市、、天竜川、浜名湖地域までも合併した広域都市の成立を想定し、その足とてLRTを使用しての広域都市交通構想を発表して驚かされた。 同団体はその後も活発に活躍のようで、継続的活動一環として今回も下記の地域型シンポを開く。別途、この1月には大きなシンポジウムの開催も計画中とのことである。

浜松市都市環境フォーラム主催

@新交通システムの提案とシンポジウム 

ALRT立体模型展&パネル展


(1)新交通システムの提案とシンポジウム

●日時:2004年8月29日(日) 18:00〜21:00

●会場:ザザシティ浜松中央会館中央館 1階セントラルコート
         JR浜松駅から北西へ600m

:●プログラム:浜松の中心街の都心活性化対策として、商店街オーナーを中心に
         活性化に向けた具体的テーマを採り上げ討議する。

●連絡先:〒432-8052 静岡県浜松市東若林町1220-5 
        浜松都市環境フォーラム 代表 内田宏康
        TEL053-448-7119 FAX053-448-7164
        E-mail wbs02606@mail.wbs.ne.jp


(2)LRT立体模型展&パネル展

●開催日時:8月28日(土)〜29日(日) 10:00〜20:00

●会場:ザザシティ浜松中央会館中央館 1階セントラルコート

●内容:LRT立体模型とパネルの展示」

     関連ニュース:浜松市 フォーラム:「LRTが街を変える」
                (浜松LRT路線構想案の概要


#255 04.7.26

岐阜市 市内線等3線存続を断念 市長が表明  


昨年1月に名鉄が中期計画にて「岐阜市内線以北からの撤退」を意思表示した。以降、活発な市民の存続運動、沿線の町の存続希望表明、最近では名鉄の大幅な資産譲渡価格の値下げや岡山電軌による運行支援表明等々が続き、これなら存続に脈ありと見ていた。

ところへ岐阜市長が7/22に市議会の各会派と沿線自治体などに存続を断念する旨を伝えたと報道された。理由は「初期投資、ランニングコストなど財政負担が大きい。利用者の減少に歯止めが掛からない」ということであった。 存廃のカギを握るのは岐阜市長だけにこの意思表明は重い。これで来年3月末に3線が廃止になる公算は決定的のようである。 (岐阜新聞、中日新聞、その他情報による)

他都市路面電車ファンからの瞥見ではあるが、岐阜市内の路面電車はまず白ペンキ枠だけの電停が危険性がまず気になった。この他の悪条件の改善を含めて活発な存続運動をしてきた「岐阜未来研究集団」代表の堀達哉さんは「廃線になった場合の影響を市民に示さないままの決断。中心地へ来る人たちが減り、衰退につながる」と批判。氏の無念の気持ちはよく理解できる。 市民の路面電車に対する愛着度の落差とか、賛否はいろいろあるようであるが、そのトータルが市長の判断に影響を与えたのではなかろうか。21世紀にあるまじき残念なニュースである。



#254  04.7.22

呉市 松山市から里帰り電車を復元展示


本年3/23に路面電車ニュースで報じたように、かっての呉市電1001号は伊予鉄道で37年間活躍したが、このほど呉市に記念電車として里帰りした。永久保存場所は呉市郊外にある瀬戸内海に面した公園、「呉ポートピアパーク」である。車体外装を市電当時の緑とクリームに塗装し直し、屋根にあった前照灯を正面中央部に戻す改装工事を実施した。 
7/19には両市の親善を記念して呉市長と両市の関係者が出席して披露式典が行われた。  (中国新聞情報による)   
  
          関連ニュース:伊予鉄 引退電車を故郷呉市に里帰り保存
 呉ポートピアパークで一般公開が始まった(中国新聞)


#253  04.7.8

国交省 「LRT導入ガイダンス」制作配布を決定


 国土交通省は自治体が進める高齢化社会に対応した街づくりで、騒音が少ないなど環境にやさしく、低床で乗り降りしやすいバリヤフリー化されたLRTの新線建設を支援してゆくことを7/5決めた。

 これまでも国交省は、自治体がLRV車両の購入に対しては国庫補助を与えてきた実績がある。しかし現在の各自治体の現状では新線建設は構想段階で止まっているのが多い。現況を踏まえ、同省は運営手法などを盛り込んだ手引き書を05年3月までに作成し、建設計画の立案段階から後押しすることを決めた。

構想段階で止まっている理由分析と対応
  • 需要の掘り起こし策や走行ルート、一般自動車とへの影響、バス路線との調整等が不十分
  • 新線導入の実現には、市中心部への車の流入抑制を工夫する
  • 例1:町中心部のLRTと人のトランジットモールをつくり特定の車以外の乗り入れ制限
  • 例2:パークアンドライドの実現

手引き書「まちづくりと一体になったLRT導入ガイダンス」を制作し全国の自治体に配布する
  • ガイダンスには街の活性化にはどのようにLRTを導入するか
  • 走行ルートの選定方法
  • 車両価格などの基礎データ
  • 運行管理システム
  • 収支採算のあり方
  • ストラスブールやカールスルーエなど欧州の成功事例を掲載し、海外視察の時間と予算を省く

 国交省としては堺市のケーススタディを通じて、同省関係部局が連携し、各種補助金の活用、技術基準の見直し、計画地域の合意形成促進等々LRT導入の課題と対策を立案する模様
        (以上7/6中国新聞、建設新聞記事より要約)

 今のLRV新車への補助金制度も有力ですが、これだけでは根本計画は解決しないと、国土交通省も一歩踏み込んだ施策を行うようです。今までの各ケースを通観すると、やはり資金、運用費の補助政策と具体的手がかりが明記されることが実現へのドライブになるように思われます。


#252 04.7.2

熊本電鉄 延伸・市電接続とLRT化を正式発表


 昨年来国土交通省九州運輸局と熊本県が検討を続け、3月に策定した「公共交通活性化総合プログラム」に盛り込み実現を期待された案があった。即ち熊本電気鉄道の狭軌軌道を熊本市電に合わせ改軌したうえで延伸し、市電と相互乗り入れをは計り車体をLRT化する案が進行していたが、一つ歯車が廻った。当事者熊本電鉄側の正式発表は夏頃と予想されていたが、6/25の株主総会にて鉄道事業活性化計画として正式に発表された。総会ではさらに2006年春までに行政による財政支援の結論が出ない場合は、鉄道事業を2008年3月に廃止する方針も表明したという。

 案が実現すれば熊本電鉄北側始発駅御代志を出て藤崎宮前駅、坪井川沿いまたは国道3号線を経て熊本駅までLRVによる電車にて直通することになる。郊外線は70km/hLRTを使用した場合御代志〜市役所間の所要時間は30分以内になろう。
 計画では標準軌化に合わせホーム高さも低床化しバリアフリー化を計る。延伸部分は既設道路を改造するため道路中央部に単線3m幅を確保する計画。 事業費は改軌、ホーム低床化、路線延伸、車両費を含め90億円。今後は国、県、熊本市、熊本電鉄等関係者がルート案、事業費分担等を直接話し合うことになる。(くまにちコム情報その他情報による)

 実現すれば熊本市と周辺地域の公共交通将来にとって素晴らしく利便化向上が期待されます。しかし公共交通延伸問題はどこの都市でも資金、採算見通しとマイナス時の負担の面から、計画案はできても実現までが時間が掛かり過ぎますね。熊本電鉄も会社の興亡を賭けて、将来の延伸と廃止という正反対の政策案という捨て身の政策表明を実行して、議論ばかり多い国・自治体に早期・本気での結論をせまったのではないでしょうか。関係者の思いきったジャンプを期待します。.