#251    04.6.25 

横浜市 走らせる会の6/13 LRTフォーラム報告


横浜LRTを走らせる会が6月13日に「LRTで横浜を元気にしよう」なるフォーラムを開くことは先日ご案内しました。興味は持っても出席は叶いませんでしたが、同会より会合の結果を簡潔に纏めた報告が来ましたので、皆さまにフォーラムの様子をご案内します。



フォーラム2004「LRTで横浜を元気にしよう」報告



 6月13日、みなとみらい線の「日本大通駅」にある横浜市情報文化センターにて、当会の第3回目のフォーラムになる「フォーラム2004・夏LRTで横浜を元気にしよう」を開催しました。130名の参加者で盛り上がりました。
 
 立命館大学土居靖範先生による基調講演では「LRT 導入への道筋−京都の事例から−」と題して、京都の「LRT実現のための運動」の現況、地元テレビ放送局放映のLRTビデオ上映、交通渋滞により魅力を失いつつある京都の街を救うためのLRTの必然性、導入における課題などの詳細説明がありました。

 会の活動報告につづいて、当会副理事長古川をコーディネーターとして、パネルディスカッション「LRT とまちづくり」を行い、土居靖範先生、上岡直見氏(環境自治体会議環境政策研究所主任研究員)、大内えりか氏(環境カウンセラー)、福寿祁久雄氏(映画興行・プロデューサー)、土井一成横浜市都市経営局政策調整担当部長がパネラーとして出席。

 大内えりか氏は、横浜市の地球温暖化対策地域協議会の委員をしたり、横浜市の中で環境問題に取り組んでいる立場から、未来の子どもたちのために温暖化対策や環境面からLRTの必要性を訴えました。

 上岡直見氏は、横浜市が建設している地下駐車場(193台で建設費72億円)の費用で小規模なLRTが実現できるという話をされ、LRT実現を阻むものが建設費ではないことを示されました。また、LRT実現化のための5つの要素について提案(下記)がありました。

 福寿氏は、長年横浜で映画制作に関わっている立場から今の横浜のまちについて発言されました。福寿氏は、「みなとみらい線」の開業により生じたり伊勢佐木町や野毛の停滞を解決するためには、同じように新しい交通をつくるしかないと主張。人間移動するには必ず乗り物を使う。映画の中でも乗り物は重要な要素であり、人は本当に乗り物が好きなんだ、と。

 横浜市の交通政策を企画する担当局の都市経営局の部長である土井氏は、「横浜市の交通政策の中にLRTは入っていない」と明言しながらも他のパネラーの方々の話を受けて、LRTに対する理解は深めていただけたようで、当会としては今後に期待のもてるパネルディスカッションとなりました。



上岡直見氏によるLRT実現の5要素


 @ 市長をその気にさせる(それには市民の支持が必要)
 A みんながびっくりするようなイメージ、サービスの提案
 B ビジネスモデルの提案
 C 第3者の評価に耐えられるような財務計画
 D 事業体の受け皿(たたき台)を示す



250 04.6.10

横浜市 フォーラム「LRTで横浜を元気にしよう」



フォーラム2004


  「LRTで横浜を元気にしよう」     




●日時:2004年6月13日(日) 13:30〜16:40

●会場:横浜情報文化センターホール(日本大通り)
      みなとみらい線「日本大通り駅」 情文センター口0分
      JR・市営地下鉄「関内駅」徒歩10分

みなとみらい線の開業により、「港ヨコハマ」が観光地として脚光を浴びています。しかし、私たちはヨコハマを観光客に魅力的なまちではなく、住んでいる私たちにとって暮らしやすいまちにしたいと考えます。環境、福祉、経済そして文化の側面から「LRT」をキーワードに「横浜を元気にするまちづくり」について考えます。

●プログラム
  1. 基調講演:「LRT導入への道筋ー京都の事例からー」
         土井 靖範(立命館大学教授)
  2. 「横浜にLRTを走らせる会」活動報告
  3. パネルディスカッション
      「LRTとまちづくり」
    パネラー    :土居 靖範 (立命館大学教授)
             上岡 直見 (環境自治体会議環境政策研究所)
             福寿 祈久雄(映画興行・プロデューサー)
             大内 えりか(環境カウンセラー)
             土井 一成 (横浜市都市経営局 政策調整担当部長)
    コーデェネーター:古川 洋  (横浜にLRTを走らせる会副理事長)
       (敬称略)

●参加費:1000円

●申込先:
  • 横浜にLRTを走らせる会事務局  
    <info@yokohama-lrt.com>
    URL:www.yokohama-lrt.com
     〒231-0005 横浜市中区本町4-44 
    横浜市市民活動共同オフィス内
    TEL&FAX 045-662-3689


249  04.6.6

広島市 路面電車まつり第9回も盛大


10時開門直前まで降雨が心配であった今年の路面電車まつり。オープンしてみれば空は薄日が差し始め、昼頃は青空に変わっていた。折りしも、広島市の伝統のゆかた祭とも重なり、入場者も多くて賑わった。路面電車まつりも今年で9回目。以前は梅雨時期開催を心配していたが、今や「路面電車まつりは晴れる」が合い言葉になったよう。
先日の広電決算発表によると、本年度は電車乗客増加になった由である。市民の支持は貴重。

毎年6月10日にちなむ路面電車の日の路面電車まつりは市民の年中行事としてしっかり定着してきた
構内6カ所のスタンプラリーにこども達は熱心 腕力で発電し路面電車模型を動かすコーナーが出現
Green Mover を自分で運転することは彼の夢! 路面電車を考える会は広島駅前電停改善案を提示
路面電車を考える会の例年行事「路面電車1000人アンケート」はとうとう9回目を迎えた
「路面電車を考える会」世話人の高山望氏がこのたび広島電鉄の全電停のすべてを撮影し編集したCD「電停の旅」を制作し、会場でも販売した。路面電車マニアには人気で販売コーナーではかなりはけたもよう。
 
   問い合わとオンライン購入先 路面電車を考える会事務局 (株)岩橋商会内 
 
   価 格:1,670円


#248  04.6.1

福井鉄道 福武線とえちぜん鉄道 接続案検討


福井県の主導で福井鉄道福武線(軌道)とえちぜん鉄道が乗換駅である田原町にて接続し、相互乗り入れをする構想を提示した。
  • 県は5/27に「相互乗り入れ検討会議」を発足させた
  • 沿線市町村の担当者、両鉄道事業者等15人で構成し「両線の利用者増加を計るための工夫」を求める
  • 県側からの提案は福武線電車が武生新方面から田原町を経由して三国港方面に増便乗り入れるのが基本になっており運行方式が4案提示された。
  • 実行上はホーム改修、ATSの設置等いろいろ課題がありそう
  • 需要予測調査を本年8月9月に実施する
           (福井新聞、県民福井誌等の情報より)

福鉄の電車はどちらかというと路面電車というより、鉄道が市内の道路を走っているという京津線を連想する車両のようです。そのへん普通の路面電車という感覚とは異なりますが、そのぶん鉄道であるえちぜん鉄道との相互乗り入れは発想的にムリがないのでは・・・。 広島市では広電の宮島線(鉄道)と市内線との相互乗り入れで大成功している例があります。どうぞ工夫し知恵を出して実現に向け頑張ってください。


247   04.5.27

豊橋市 豊橋駅前と新川間に電停新設計画


99年の「路面電車サミット in 豊橋」は豊橋駅大改築の一環として、豊鉄駅前電停が旧位置より駅構内に向けて150m延伸し、利便性が向上に賛同しての記念的集会をしたものだった。ただしこの延伸の際には電停増設は行わなかったため、駅前電停と隣接の新川電停間が650mも開き不便になたようである。市民から電停新設の声が上がり、このたび豊橋市では中間位置に、歩道橋を撤去してその場所に車椅子でも使用できる電停を新設する計画が7740万円の予算で成り立った模様。横断歩道も再設することは歩行者権復権の流れか。これにて駅前〜新電停間300m、新電停〜新川間350mとなる。 完成は来年度になるようである。 

感想ですが、路面電車の電停間の適当な距離は300mと言われています。今まで繁華な豊橋駅前地区の電停間がかくも長いのは、不思議でもあります。それはともかく新設されるならぜひ広電の広幅電停を参考にして欲しい。車椅子もOKだし、折り畳み椅子が付いたことが疲れたときは超らく。(^^;)


246 04.5.19

岐阜市 全国路面電車ネットワーク総会と事業継承情報


注目の全国路面電車ネットワークの総会が、今話題の焦点である岐阜市で開催されますのでご紹介します。タイミングを合わせたように岐阜新聞、中日新聞では「中国地方の私鉄が事業の継承を検討している」との報道もあります。この辺の話題・議論も予想され、注目されます。

5/21追記:岐阜新聞によると5/19岐阜市長が岡山電軌社長を訪問し、地域交通確保を打診した。
 中国新聞によると、5/20岡山電軌が「岐阜市の求めに応じて運行引継を検討する」と発表。同社常務が同日岐阜市長を訪ね、同社の意向を伝えた。



全国路面電車ネットワーク総会/岐阜大会 

 
■開催主旨:
規制緩和後の現在、全国の路面電車を取り巻く環境が激変し、モータリゼーションの一段落から、それら公共交通整備に道路財源が使われるようになって来ました。

こういった路面電車経営の環境の変化に、まちづくりの観点から路面電車支援や新規の建設推進を図る市民団体が一堂に介し、情報を交換して活動を活性化させる必要があり、2003年6月に、2年間の協議を経て全国路面電車ネットワークを設立しました。

今回、岐阜の路面電車存廃問題に照らして、市民や市の事情を越えて、制度面での不備がもとで経営環境が悪化しているならば、これをどのように正すのかは、立場を超えた議論が必要です。多方面の立場が参加するわれわれ全国路面電車ネットワークは、路面電車システム維持のもっとも弱い点に関して事実把握をし課題解決への働きかけを行うために岐阜開催を決定しました。

今回は、記念シンポジウムで地元団体と全国団体との建設的交流を期しており、岐阜市における存続・活用を目指す人たちの集結と市民一般に対する啓発とを合わせ行うことを目的としての開催とします。

■日時: 2004年5月22日(土)13:30〜17:50
(懇親会を夕方6時から予定)

■会場: 日の丸会館・日の丸タクシー2階  (岐阜・徹明町電停より北へ200m)

会議次第:
    1:30 岐阜市内線沿線の見学会
         「岐阜の路面電車をこう使いたいアンケート」ありです。ぜひご参加ください!
             ※参加者は新岐阜駅スターバックス前にひる1時集合
    2:30 全国路面電車ネットワーク総会
          来賓挨拶=岐阜市長、 LRT推進議員連盟
    3:15 岐阜大会・開会
          岐阜の現状報告(吉田良生・朝日大学教授(存続運動顧問))
          「討論・岐阜の路面電車の積極的活用の未来」
                司会=岡将男(LRTネット委員長)
    4:45 岐阜アピール採択
    4:55 参加者による街頭署名
    6:00 交流&懇親会  会場にて(参加費=2000円)  閉会=7時30分

■参加費: 1000円(当日会場にて)
     ※)岐阜参加者は無料、同額を資料代として


245  04.5.15

長崎電軌 百円運賃電車 来月で20年


長崎電軌の運賃百円電車、ワンコイン電車は飛びはずれて安い料金で有名である。同社が運賃を90円から100円に値上げしたのは1984年6月1日。それ以降値上げはしていない。
その秘訣とは
  1. かって東京や神奈川・小田原・仙台・福岡・熊本の車両を安く購入した。最近は車体はリニューアルするが、台車部分は極力そのまま使う。
  2. 広告収入が収入の14%と多い。40年前に全国で始めて車体全面広告を始めた。現在は保有する78両のうち約30両が全面広告車両。
  3. 消費税導入や税率アップがあったが、これは企業努力で頑張り克服した。
ということになる。(共同通信、YAHOO等の情報による)

  参考サイト:「長崎の路面電車」ホームページ
 
 1995年の「路面電車サミットin広島」にて中村利夫社長が、ワンコイン電車の発想と維持する工夫を講演されました。あれから9年間もずっと同料金を維持されているのは驚異としか言いようがないです。


244 04.5.1

富山市 JR富山港線は富山ライトレール社で発足 


富山市がJR富山港線約8kmをLRT化して蘇生する計画であることを当館で報じたのは昨年6月のことであった。その後このプランは進展し、このたび社名も富山ライトレール株式会社という三セクで4/17に設立総会が開かれた。これによりプランの詳細もかなり明らかになった。

発表案の詳細:いろいろの情報をまとめると・・・
  • 会社名:富山ライトレール株式会社 (社名を公募した)
  • 資本金:4億9800万円
  • 出資者:富山市(33.1%)、富山県(16.1%)、富山商工会議所・地元有力企業14社(残り)  3セク方式  JRは参加しない
  • 県は出資金8000万円の外に基金7000万円を積み立て、万葉線に相当する支援をする 
  • 現富山港線(敷地、線路、駅舎など4億円ぶん)をJR西日本から無償で譲り受ける
  • 既存全長8kmのうち富山駅付近の路線一部を廃止し、駅前付近の道路上に軌道約1kmを新設する
  • 駅間を等間隔にするため3つの駅を新設
  • 新会社はLRTを導入し、15分間隔にて運行する
  • 整備費予算45億円
    1.  9億円:市道への新軌道敷設
    2. 20億円:現在線整備
    3. 16億円:2編成7本車両購入
  • 開業予定:2006年春
  • 10年後には市内線軌道と接続を計画
        関連ページ:「富山港線のLRT化計画」

JR路線のLRT計画は外にも岡山吉備線のそれがあるがいずれも最終的には市内線との連結になっている。この方式こそ、乗換なしの利便計画であり増収にも繋がる良案であることは広電宮島線連結の成果があり論を待たない。実行は確定したが、次ぎに気になるのは外国製か日本製か・・・どのタイプか車種選定の行方になる。