|
LRT WORKSHOP '97 プログラム
|
97.11.26、 98.1.1改 |
ライトレール・システム導入による
新しい町づくりに関する国際ワークショップ案内
LRT WORKSHOP'97
都市計画と一体になっての導入という点で先進的経験を持つフラン ス、ドイツ、スイス、オーストリアから研究者、実務者など第一人者の方々5人を招聘し、各国での新システムの導入や在来システムのリニューアルの事例、日本との比較、日本におけるLRTへの期待と問題点などについて、講演、パネルディスカッションなどを行います。
主催:運輸省交通安全公害研究所、科学技術庁
共催:東京大学工学部交通システム工学(JR東海)寄付講座
協賛:日本機械学会、土木学会、電気学会、都市計画学会、 日本鉄道車両機械技術協会、
日本鉄道技術協会、日本鉄道気技術協会、 日本鉄道施設協会、日本交通計画協会、
日本地下鉄協会、鉄道総合術研究所、 運輸政策研究所、 全国路面軌道連絡協議会、
熊本市交通局、熊本工業大学ほか
後援:フランス大使館、ドイツ大使館、スイス大使館、オーストリア大使館
企画運営委員会 委員長:曽根 悟(東京大学)、松本 陽、水間 毅(交通研)、 青木英明(共立女子大)
望月真一(アトリエUDI都市設計研究所)、 古関隆章(東京大学)ほか
開催期日:1997年12月1日(月)〜12月5日(金)
開催場所:東京及び熊本市
招聘予定者 M.フレノア氏(フランス・CERTU−国立交通都市計画研究所)
A.メネトー氏(フランス・ストラスブール市)
H.トップ教授(ドイツ・カイザースラウテルン大学)
H.シャッファー氏(スイス・国際都市交通連盟ライトレール委員会長)
H.クノフラッファー教授(オーストリア、ウィーン工科大学)
プログラム
12月1日(月)
ワークショップ (テクニカル) 於;東京大学 工学部11号館 講堂
10:00〜10:40 オープニング・スピーチ (司会:松本 陽)
主催者挨拶 南戸義博(運輸省交通安全公害研究所)
企画運営委員会代表挨拶 曽根 悟(東京大学)
招聘者代表挨拶 Michel FRENOIS
10:40〜11:40 基調講演T (司会:水間 毅 (交通研))
「都市と交通の課題とLRTの将来展望−日本・アジアの都市を念頭において−」
家田 仁(東京大学)
12:50〜17:00 パネルディスカッション
(司会:太田勝敏(東京大学)、青木英明(共立女子大))
「LRT導入に関する欧州と日本との比較
−議論を始めるにあたって−(計画、導入、効果、問題点)」
パネリスト:Michl FRENOIS、Alain MENETEAU、Hartmut TOPP、Horst SCHAFFER、Herman
KNOFLACHER、
曽根悟(東京大学)、山下廣行(運輸省)、平岡 孝夫(建設省)、
行徳健次(熊本市交通局)、中尾正俊(広島電鉄)
パネリスト自己紹介(各都市交通事情の紹介も含め)、問題提起スピーチ、討論
12月2日(火) ワークショップ
(テクニカル) 於;東京大学 工学部11号館 講堂
9:00〜10:30 テクニカル・セッションT (オーガナイザ/座長:水間 毅(交通研))
「LRT車両技術討論(車体、アコモデーション、駆動系)(仮題)」
・ADtranzのLRV(仮題) (ADtranz)
・SiemensのLRV(仮題) (Siemens)
・GEC-AlsthomのLRV(仮題) (GEC-Alsthomまたは三菱電機)
10:30〜12:00 テクニカル・セッションU (オーガナイザ/座長:望月真一(アトリエUDI))
「LRT導入と都市整備、市民参加(仮題)」
・「都市におけるLRT導入の様々なタイプ・・フランスの例より」 M.フレノア(CERTU)
・「LRTと次世代の都市デザイン」 宇野 求(千葉大学)
・「市民から行政にLRT導入を働きかける」 山根政則(路面電車を考える会)
13:00〜14:30 テクニカル・セッションV (オーガナイザ/座長:山田晴利(通産省))
「LRTと交通計画、補助制度」
・「諸外国における都市計画とLRTの位置づけ」 原田 昇(東京大学)
・「東京都における路面電車の歴史と将来展望」 橋本 勲(東京都)
・「路面電車に対する建設省の取り組み」 笹森秀樹(建設省)
14:30〜15:00 コーヒーブレイク
15:00〜16:30 テクニカル・セッシヨンW (オーガナイザ/座長:須田義大(東京大学))
「利用者の視点から見たLRT」
・「快適性と乗降容易性の定量的評価からの課題」 須田義大(東京大学)
・「セルフサービス式運賃収受方式の現状と日本での導入課題−−−利用者の視点から」
服部重敬(日本路面電車同好会)
・「交通結節点問題とLRT」 高木 亮(東京大学)
12月3日(水) ワークショップ(一般) 於;KKR
HOTEL 東京
9:30〜10:00 開会挨拶 (司会:松本 陽(交通研)
主催者挨拶 (南戸義博(運輸省交通安全公害研究所)
企画運営委員会代表挨拶 (曽根 悟(東京大学))
招聘者代表挨拶 (MichelFRENOIS)
来賓挨拶 (澤田 諄(運輸省鉄道局))
10:00〜11:00 基調講演U (司会:古関隆章(東京大学)
「ヨーロッパにおけるLRT導入の現状と都市設計」 H.トップ教授(カイザースラウテルン大学)
11:00〜16:50 講演と討議(個別事例紹介) (司会:松本 陽、水間 毅(交通研))
「欧州における新システム導入と在来システムのリニューアル」
11:10〜11:50 個別事例紹介・ドイツ Hartmut TOPP
12:50〜13:40 個別事例紹介・スイス Horst SCHAFFER
13:40〜14:30 個別事例紹介・オーストリア Herman KNOFLACHER
15:00〜16:20 個別事例紹介・フランス Michel FRENOIS, Alain MENTEAU
16:20〜16:50 総合討論
17:00〜19:00 レセプション
12月4日(木) ワークショップ in 熊本 於;熊本工大
(午前中) 東京→熊本 (移動)
16:30〜17:00 オープニングセレモニー (司会:松本 陽(交通研)
主催者挨拶 南戸義博(運輸省交通安全公害研究所)
会場提供者挨拶 中山義崇(熊本工大)
企画運営委員会代表挨拶 曽根 悟(東京大学)
招聘者代表挨拶、来賓挨拶 Michel FRENOIS
17:00〜19:00 レセプション
12月5日(金)
9:30〜11:00 LRT車両・見学、試乗 於;熊本市交通局
公開ワークショップ in 熊本 於;熊本市国際交流会館
13:00〜14:00 基調講演V (司会:水間 毅 (交通研))
「交通まちづくりからみたライトレールへの期待」 太田 勝敏(東京大学)
14:00〜17:00 パネルディスカッション (司会:青木英明(共立女子大))
〜エピローグに代えて〜
「熊本市導入事例を基にした、日本におけるLRT導入への期待」
−招へい講師による感想・提言−
パネリスト:M.FRENOIS、A.MENETEAU、H.TOPP、H.SCHAFFER、H.KNOFLACHER、
曽根 悟(東京大学)、望月真一(アトリエUDI)、高山明彦(熊本市交通局)
14:00〜15:00 パネリスト自己紹介(各都市交通紹介等も含め)
15:30〜17:00 討論
17:00〜17:05 閉会の辞 松本 陽(交通研)
論文・資料集のみの頒布も行います。(一冊5,000円、送料込み)
資料申込み等、詳しい方法は下記に問い合わせ下さい。
問い合わせ先:運輸省交通安全公害研究所
鉄道技術・評価研究室 TEL:0422-41-3210,
FAX:0422-76-8602
ホームページ:http://www.bekkoame.or.jp/~tsnri/
|
「路面電車を考える館」の館主がワークショップに出演
|
|
←路面電車を考える会
事務局長山根政則氏
(カミを黒くかつ増毛する
画像処理してある。不悪) |
自分で宣伝するようで気がひけますが、今回の下記 LRT
WORKSHOP '97 2日目第2セッションに当館主が会を代表し、パネリストとして出席することになりました。(@_@;)
テーマはいつもこのホームページで訴えている「市民から行政へLRT導入を働きかける」ですが、当日は「LRT新線提案」細部に加え、「LRT表定速度Simulation」とか「トランジットとしての美と調和の条件」「NPO活動と行政との乖離」等のテーマについて訴えて見るつもりです。(=^_^;=)
|
LRT WORKSHOP '97 東京編メモ帳
|
1998.1.1初版
1998.1.8全編版
1997.2.4再終版 |
|
LRT WORKSHOP '97は1997年12/1〜12/5にかけて実施されたものです。 出席した館主はこれを年内にこのホームページにUPする旨予告しましたが、地元情報のUPに追われついつい年を越したとたんに、岡山のN氏から「公言を果たしていない」とじんわり指摘されてしまいまいました。
広島の諺に「横着者の節季働き」というのがあります。 元旦の午後にホームページを作るのがそれにあたるのです。(^_^;;;) 館主敬白
公式報告は別途主催者からあると思いますので、本編は会場で逐一メモを取ったものから、気になったものにのみをトピック的に記したもので主観的です。 また編者は熊本にはすでに見学に行きましたので(4日、5日の熊本セッションには今回は参加しませんでした。そういうことで、レポートというよりこのメモ帳は東京編のみになりました。
発言者にお願い:間違いの記述がありましたら、即訂正MAILをお願いします。
2月4日付け最終版について
その後、会議にご出席された方より有力な補足内容を頂戴しました。 これにより、自分でも曖昧な表現や抜け漏れ等を相当に補修と改良することができました。 2/4版がそれでこれで会議模様をほぼ収録することが出来たと思います。ご協力に感謝します。m(._.)m
中身が重くなった分、ダウンが重くなったことお赦しください。m(._.)m
|
12月1日
|
会場となった東大工学部 |
工学部講堂は映像音設備共完璧 |
熱心に聴き入る受講者風景 |
館主ご挨拶 (2月4日)
冒頭にご挨拶しましたように、下記のメモ当日出席された方のご協力により2月4日付けにて、修正・補強することが出来ました。最終版です。
オープニング主催者挨拶 南戸 義博氏
- 京都でも炭酸ガスの会議が開催されている。環境に対する関心の高まり。この会議も時宜をえたもの。
- 低床車の最初の概念はスイスより始まる
- 我が国の問題点は 1.表定速度が遅い 2.定時性がない 3.ピーク時に輸送力が不足4.優遇措置が無く事業として魅力が薄いこと
基調講演 家田 仁氏
- LRTと路面電車との違いは
- 気の利いたデザイン
- 貨物レイルの上を軽い電車が走る
- LRTの見本としてヨーロッパを選ぶ傾向があるが国情が違う。むしろアジアの都市を選んだ方がよい。
- LRTは一般道路の条件に対応可能な軽量軸受けの車両を使い、道路面、地下、高架もあり。LRVはその車両を指す。
- 結論
- いくら良いLRTを入れても総合交通政策が良くないとダメ
- LRTのみでは解決しない 良い条件は何か考える
- 思い切った政策を作る
- 市民の公共交通政策に依存する
日本は採算性重視も限界だが度外視できない
鉄道マニアより冷静に見ている市民にLRT導入に関心を持ってもらいたい
パネルディスカッション
山下広行氏(運輸省)
- 運輸省には路面電車の担当セクションはない
- 省全体の目はHEAVY RAILに向いている
- 路面電車は不幸にして運輸省、建設省共管。省間の事業で不幸。 協調がない。将来は良くなろうが。
- 課題としては
省間の立場の違いで振興しなかったが、いまは進んでいる。運輸省はお金はないが熱意がある。日夜検討中です。 2001年合体の前にして推進を図っている。
行徳健次氏(熊本市交通局)
- 環境保全都市としてLRTを入れた
- 日本初の冷房車は20年前。1982年のVVVF車も日本初。
- LRTはフル運転中。 1122人/日 昨年の平均809人/日を上回っている。
- 見学者は90団体、700人以上の視察者
- 都市イメージの向上につながっている。
中尾 正俊氏(広島電鉄)
- 人口110万人で旧市内が60万人
- 市内電車タイプを郊外にも動かしたから生き残れた。 市内40km制限、郊外60km。
- 昭和46年、道路の邪魔者扱いにされかかったとき、県警が道路敷き内乗り入れ禁止措置を取ってくれて生き残れた。
- 電車の黒字でバス部門の赤字を埋めている。 他都市の中古電車を動かしボロ電の悪口も。
- 社長が替わって車両の近代化が始まった。
- インフラの整備制度を建設省によろしくお願いします
平岡孝夫氏(建設省)
- 街路課が担当で、都市の場合新交通、モノレイル、連続立体交差化などの支援を担当
- 高齢化環境問題から97年に公共交通見直し論が出た。都市計画審議会の答申を受け、
「都市の装置」として道路、上下水、・・なみに支援できるところは支援するに変わった。
- TDMの動きから 新交通、モノレイルに路面電車を加える動き
- 自動車の急増と道路整備の遅れ(20%)から「道路の邪魔者」時代だったが、今は40%になり考えも変化した
- 今後の方針として
- 道路整備中レールの基盤部分(レールを敷けるようにするところまで)を道路の一部として作ろう
- 延伸、新設時に道路整備として取り組めないか
- 今後の考え方
- 渋滞対策として車より誘導
- 市街地の活性化 例:.トランジットモール
- 炭酸ガス等環境問題
- 高齢者のモビリティを保証する。 低床式は効果がある
・・・取り組み始めたところです。
TOPP氏(独カイザースラウテルン大学教授)
LRTの類型
- 近代化された路面電車(駅、低床車、軌道)
- 新しいトラムシステム
- 改良型LRT
- 新型LRT
- ミニメトロ
- 自動運転LRT
- 鉄道、軌道の上を走るトラックシェアリング(路面電車は交直対応)
- トラムの上を鉄道が走る
- ゴムタイヤ式ガイドウエイ
KNOFLACHER氏(ウイーン)
- モビリティを重視する
- 1人1日のトリップは減らせない。自動車トリップが増えればその分その他が減る。
- 町に駐車場を持つ人は10%しか公共交通を利用しない。持たぬ人は30%が利用する。
- 1.5倍時間がかかると70%、2.5倍時間がかかると40%。高床と低床の違いは15%。
- ウイーンでは450トリップ/年/人である
フレノワ氏(フランス)
- 車のために都市の設備を壊すかの状況になった
- 対策として
- 公共交通営団を作る
- 1982年に解体した。 ←LRT建設のリソースがなかったから
- 交通技術の研究開発、例えば「いかに人を車から守るか」の研究からバスレーンや歩行者天国を作った。低床車を開発した。 中央政府の援助も受けている。
- 昔はLRTは技術的成果だったが、現在は都市の美術として存在すべきとなった
曽根 悟(東京大学)
これからの日本の都市交通にLRTを導入する場合の問題点
- 衣食住のなかで「都市の交通」が極めて悪い
- 最高速度40km/h、全長30m、運賃収受ルール
- トロリーバスより良いが、消えたままになっている。都市環境をよくするための乗り物として考える
- 市民が行政を動かしていない。下からの盛り上がりに欠ける。NGOがない。ノウハウの蓄積がない。住民運動は押さえ込むものとの考え方。圧力団体は口は出すが、知恵も金も出さない。これまではそうだった。 しかし路面電車サミットが出来てから変わってきた。
- 古いやり方を引きずっているために魅力が足りない。表定速度が低い。乗り降りに時間がかかる。運賃の支払方法に問題。定時性も重要。
- 安全問題。安全を保つ責任はどこがあるか。日本では事業者、運輸省。欧米では利用者。
- マイカーと公共交通機関との事故率の差。欧米では1〜2桁。日本では3〜4桁。この(過度の安全追求?)のため日本では遅くなり、そのため利用者は自動車に流れる。結果として何千倍も危険な乗り物を利用している。
- 大量輸送能力。車両長。ドア数。
- 日本では優遇措置が不足。
- LRTとトロリーバスとの比較
- 熊本のLRVは2車体で短い。欧米では3車体以上。
討議より
- 上記のように曽根氏が問題点を14項目挙げられたが (@_@;) 思い当たることばかり。でも「NGOがなくて、市民は文句ばっかり言って力を出さなかったが、路面電車サミットが出来てから変わってきた」のお話は元気が出ました。(^_^) m(._.)m
- (オ)エネルギー消費/時間が路面電車はバスやトロリーバスよりも良い。TRAMはメトロより総合的に200倍も良い。
- (ス)TRAMは乗り心地がよいので、バスに比べ7倍も受けが良かった。
- (独)ガイドウエイバスある町の隣の町でLRTにしたのはキャパシティに問題があったからである。
- (仏メ)TRAMを選んだのはスピード、キャパシティ、イメージである。バスより近代的イメージ。バスでは何台も続けて走らなければ運べない。スピードは優先を与えれば高まり、快適性をもたらす。非常に大きな都市では、地下鉄やモノレールが良い解となる。
- (仏フ)鉄道プロジェクトは長い年月が必要。道路政策は政治的方向性によって簡単に変わる。レールはそれ自体で快適。なぜなら数mmの誤差で作られている。インフラを変えるということは町のイメージを変えること。
「誰がコストを負担しサービスを提供しているのか。インフラと運営を分けて考察」
- (オ)個別的財源を考慮しているが、全体で考えるべきだ。 なにか良い資料を持ってくれば得な部分を振り替え。 例えば公共駐車場料金収入を公共交通へというふうに。
- (ス)公共交通はコミュニティが金を払っている。1991年から共同体ができて、市から州へ移った。TRAMは延伸中。
- (独)バランスシート上は赤字だが、もっと大きく見ると異なる。公共交通はコストをカバーしていないの説は嘘。
50%は連邦政府、20%地方政府、20%が事業体だが、トータルの交通システムを車と比較して評価している。単なる直接コスト比較はしていない。建物を建てるときに公共スペース(たとえば駐車場)を提供しなければならない。都市ではこのスペース提供の代わりに金を払い、これがLRTへ行く。
- (仏)ヨーロッパ連合が交通連合を検討する要求を出した。
- (運輸省)国情を踏まえた議論が必要。貴重な道路空間をLRTに渡しているが、日本でも同じことが可能か。
- (建設省)基盤は公はよいが、日本では事業者でが伝統なのでヨーロッパ式が受け入れられるか疑問がある。市民がOKするかだ。
- (広島)ヨーロッパが羨ましい。 日本では公営か3セクかでないと補助がない。株式会社はこれが苦しい。
- (熊本)市営も独立採算なのだ。電車は一般会計から補助してもらった。 2億2000万円のうち、従来車との差額の6000万円を福祉的意味で補助してもらった。国が新たに創設した援助制度で補助される。 今後は補助はNO。リースも補助にならない。
- (ス)1000万スイスフラン以上の投資は国民投票が要る。スイス人はお金に厳しいのだ。
- (独)TRAMにスペースを譲れだけでは納得は得られない。 車のためのプラスを与える。
- (仏)完全な納得はない。半分納得だ。半分はコミッション。 代替交通手段等の別なメリットを与えるとか、市民にベネフィットを与えるなど。
圧力団体との戦いもあった。市民は積極的に対応してくれる。
- (仏)チケットキャンセラーの不正乗車は日欧同じ事だろう。
- (建)政策の「パッケージ化」と「交通実験」を実験的にやってみて評価をしてみたい。
- (運)上下分離等運輸だけではできない問題もある。 打てる手も限られてくる。
|
|
12月2日
|
ヨーロッパから5人の講師がずらり並ぶ |
正面は安田講堂。すぐ前に広い地下食堂が |
セッション1 LRT車両技術討論
このセッションはADTranz、Siemens、三菱電機、3社よりスライドを使用しての各社の技術説明というか技術優位点のPRであった。 配付資料ご参考。
ADTranz
- ユーロトラム、GT6、GT8、バリオトラムの良いところだけを集めた新しいATTタイプを開発中。1〜2年後に市場に登場。
新潟鐵工所
- 輸送力 単車、30m制限
- 遅い 40km/h、車両性能、道路信号
- 停車時間が長い 料金収受、乗降口ステップ、電停
- 騒音 車輪、ブレーキ、レール
- 粉塵公害 ブレーキシューの鉄粉
- 都市美観 架空線が問題
Siemens
- 1996年7月コンビーノ運転開始。バロセロナでデモ走行中。4事業者から167両受注。その他100両商談進行中。
- less weight, less energy ton/mが1を切る
- IGBT 3相交流機器の採用
- コストのかからないメンテナンス 摩耗しない部品の採用
GEC ALSTHOM
- Citadisの開発コンセプト
- 架線のない区間でも最大3kmならば走行可能。動力供給は様々なシステムを研究中。テスト中。
セッション2 LRTと都市整備
市民から行政にLRT導入を働きかける 山根政則(路面電車を考える会)
- これはすでにこのホームページでいろいろ公開しているが、広島市に対し東西線を高架や地下鉄にするよりも、全地上型LRTを採用し、経路も平和大通りから駅前大橋を経由して広島駅に至るよう建設して欲しいと提案している現況を報告。
- 新しい発表は、現行広電の表定速度11kmだが、もし優先信号、アンダクロスを採用すると23kmと倍速になるSimulationを試算したと解説したことか。
- 電鉄会社+α(市、警察、建設)を動かしたい。
- 市民討論会を計画中。(館主注:これはその後1/16に実現した)
LRTの都市整備への期待と効果 宇野 求氏(千葉大学)
- 講師は今豊橋駅前の大改造を行っているが、このマスタプランナーというかデザイナーである。
豊富なスライドを使用して説明。
- 基本計画を樹てるに、JR乗降者の流動調査を行った。
- その結果、従来の路面電車終点は駅から若干離れ乗り継ぎに不便なので、線路の伸長を強く要望した。その結果、駅2階のペデストデリアンデッキから直接電停、バス停に降りられる便利構造が採用された。
- 追加資料2に図面が掲載されている
- バリアフリーの観点からペデストリアンデッキの屋外の階段の問題点(雨、積雪時)指摘有り
フランスの事例 フレノア氏 報告省略
セッション3 LRTと交通計画、補助制度
諸外国に於ける都市計画とLRTの位置付け 原田昇(東京大学)
- イギリス 自由が原則
- しかし1968年に補助制度が始まった
- 非利用者の便益を考慮し、車の混雑解消が理由となる
- フランス 地方事業者から支払額の1〜2%の交通税を取っている。
- アメリカ
- 弱者への貢献という理由で一般財源から支出
- 大気汚染緩和、省エネルギーに貢献する公共交通
- 1964資本補助、1973道路財源の転用開始、1991道路財源からの転用可能性を強化
東京都に於ける路面電車の歴史と将来 橋本勲氏(東京都)
上記のような拡張案を考えてみました。
- 地下鉄は1駅200億円かかります。 そこで、5駅を節約してその資金で上をLRTにし、下は地下鉄を建設し、駅のない直行線にしたらよい。 地下鉄のあるところでLRTとの結節点を考える。池袋〜新宿の山手通り線も考えられます。
建設省の取り組み 笹森秀樹氏(建設省)
- 本日できたというパンフ「路面電車の活用に向けて(建設省)」が配布された。
- 「路面電車支援制度」が97年に制定された。
- 説明は概ねパンフに沿ってされたが、補助対象として考えられるものは
- 路面電車の走行空間を活用した車線の増加や交差点改良等により、路面電車の走行路面電車等に
- 路面電車の新設やと既設線の延伸の路面整備補助
- 結節点で鉄道との乗換施設改善
- 歩行者の安全性確保や都市空間の改善のため停留所、シェルター、架線柱やトランジットモールの整備も対象。
- パークアンドバスライドで駐車場の設置やバス路線の結節
- 館主が質問したのは「昨日お願いしたアンダクロス例が図解してあるが対象になるのですか」に対しては「その地点での有効性を個別に判断して決める」という有望な回答であった(^_^)
- 総じての印象ですが、「路面電車に対して建設省も本気で支援するという様変わりの空気になったなあ」ということです。 これは他の人も言ってました。(^_^)
セッション4
利用者の視点から見たLRT
快適性と乗降容易性の定量的評価からの課題 須田義大 (東京大学)
- 座席を1.5倍増やすより、ステップを1段減らす方が効果的
- 快適性の落ちる理由
- 入口から出口へと歩かねばならない
- 乗降に時間がかかること
|
後入り前出
…出口に人が集中する
2扉出入り式
…お客は平均して座る |
- 千葉実験所で実物大模型を制作して実験中
- 運賃支払方法
- ステップ
- 車椅子
- 座席配置
セルフサービス式運賃収受方法の現状と日本での導入課題 服部重敬(日本路面電車電車同好会)
- ゾーン運賃制度は乗換が楽になる
- 環境定期=月極め定期 だいたい5000円(自動車を持っている人でトクな金額=ペナルティ金額と同額) →利用しやすい →自動車から乗り換え
- イギリスシェフィールドでの失敗例
バスとの競争で客が予定の1/3だった。
州税からの収入不確定のため車掌を乗せた→検札が煩雑で罰金はなし。車内で切符が買える
一部区間では乗車券機の整備が遅れたため2マン乗車になった。
- 日本での可能性
- セルフサービス無しでもキャパシティがあればやれる
これよりも低床化、結節点、バリヤフリーの方が大事
- 日本の2倍の罰金制度では牽制にはならない 法律上も罰金は難しい
- 日本では運賃による独立採算性で運営している
→不足分をだれが負担するか 事業者では酷
- LRTを都市の装置と考えよ
- カード式もムリ
- 解決策として 改札口、ラッチ無しで出きる方法を考えよ
- とにかくソフト面の検討をすべき
交通結節点とLRT 高木 亮 (東京大学)
配布資料参照
- 香港のICカードが非接触で有名だが、あれは10cm以内でないとだめで、磁気カードリーダと大差ない 10mの範囲まで可能なものを目標にしている
- 乗換に起因する問題
- 直通運転、運行経路の最適化、高速化、快適性向上
- 平面での乗り継ぎ、駅構内、周辺施設の最適配置
- 高度な運行計画、管理、運行頻度の向上
- 待ち時間の有効時間化(結節点における商業施設、公共サービス等の提供、快適な待合い施設)
|
|
12月3日
|
3日目はお濠側のホテルへ。展望がよいのに目隠し |
本日はヨーロッパの事例でOHPが活躍 |