#179 02.9.20

鹿児島市 新幹線駅ビル案公表-市電とはより遠く・・


このほどJR九州より「西鹿児島駅ビル開発基本計画案」が公表された。新幹線駅は現在北から南方向に位置する現JR西鹿児島駅に西側から直角に入ってきて、T字形に直交する手前位置にできることになる。 気になる結節点としては現在の鹿児島本線との接続もやや遠いと思うが、広場の南部に位置する新西鹿児島電停とは更に相当の距離を歩くことになろう。 

駅ビルの概要は56,000m2 地上7階 地下1階建
駅ビル工期:平成15年3月〜平成16年7月
駅ビル開業:平成15年秋 


情報提供者O氏のコメントによると、当初LRT駅を新幹線ホーム下まで延伸する案があったが、市の方は既設JR駅に平行に路面電車電停を設ける案を主張したためこの結論になったとか。 西鹿児島駅の地形による制約からこの線形にならざるをえないのだろうか? 難しいものです。

 関連ニュース:鹿児島市 JR西鹿児島駅前広場の大整備を発表

 参考サイト : JR九州ホームページ



#178  02.8.22

広電 宮島線休車部品がアメリカの博物館へ渡る


 広電電鉄荒手車庫には各種休車が眠っているが、このほど宮島線に使用した1093号、1094号のアメリカ製台車と部品が母国の博物館に里帰りすることになった。 

 寄贈先は「シーショア電気鉄道博物館(アメリ・メイン州)」で、当館はポートランド・メイン電気鉄道の「ナルシサス」号を含むいくつかの歴史的車両復元用素材として台車と部品の存在を世界に探索していた。 最も完品に近いものが広電に所在していると判明し、里帰りを求められた由。 このナルシサス号は米国セオドル・ルーズベルト大統領がかって乗車したという由緒のあるもので、現地では動体保存をしたいのではないかと思われる。

寄贈台車:ボールドウイン79A型台車、ブリル27型台車・・・計5台
寄贈部品:制御器、コンプレッサー、抵抗器、ブレーキ弁、戸開閉機、スイッチ類 等数十点

解体工程:2002年8月12日〜23日  (ボディーは解体処分にする)
輸送工程:荒手車庫→神戸ポートアイランドへ輸送:8月27日
       神戸→ニューヨーク港:9/3〜10/3(到着予定)

復旧展示:シーショア博物館は米国最大級の電気鉄道博物館であるが、展示は来年からという


解体経過写真集(photo:小泉浩平氏作品)

今は在りし日になった1094と1093 両車両は広電唯一残っていた高床車であった
                             広電宮島線荒手車庫にて        
8月12日 いよいよ解体着手です
バーナーで焼き切り、床下機器を取り外す 午後から猛暑の中、パンタグラフの撤去開始
アメリカに海を渡るお宝?の台車と機器が取り出された

館主感想:
広島市西区に住む小泉浩平氏より解体の様子の現場写真を提供されました。 ありがとうございました。
それにしても老朽電車の解体は電車の運命であり、密かに行われるものだが、このように母国で再生というケースはめでたい。アメリカにお出での折り、機会のある方は訪問して見てください。(^_^)
そういうことで撮影者小泉さんは解体情報を得てから毎日現場に駆けつけ克明に経過写真を撮り、ご本人のホームページに掲載されました。 新製車の報道はたくさんあるが、解体経過の詳細な写真と解説は珍しくびっくりしました。 興味を持たれた方はぜひ下記KK'sホームページを覗いてください。


K K’s 趣味のホームページ


#177  02.8.9

土木学会関西支部 LRTによる都市づくりの講習会開催


土木学会関西支部「LRTによる都市づくりに関する調査研究員会」では、平成12,13年度の2年間にわたって、安全・快適で活力のある都市づくりを進めるため、LRTに代表される路面公共交通が果たす役割や、LRTの実現化を図る戦略等にについて調査研究を進めていました。今回,その成果をまとめたので、ご報告するとともに,幅広く理解をしてもらうため講習会を開催するとの発表があった。


●会合名:LRTによる都市づくりに関する講習会

●日時:2002年10月11日(金)10:00〜17:00

●場所:大阪市西区立売堀2-1-2 建設交流館8階 グリーンホール

●プログラム:

  • 研究成果の報告
    1. LRTの役割と可能性        京都大学・中川 大
    2. 事業化に向けた多様な取り組み 地域計画建築研究所・森脇 宏
    3. LRT導入に向けてのアプローチ  兵庫県・本田 豊
    4. LRTに望まれる要件のイメージ  神戸大学・正司 健一
    5. LRTによる都市づくりへの効果  大阪産業大学・塚本 直幸   
  • パネルディスカッション:LRTによる都市づくりにむけて

        <コーディネータ> 大阪産業大学・塚本 直幸
        <パネリスト>    京都大学・北村 隆一
                     京都府立大学・宗田 好史
                     伏見観光協会・永山 邦明
                     国土交通省・美濃部 雄人
                      京都大学・中川 大

●主催:土木学会関西支部

●定員: 200名(申込順)

●参加費:正会員3,000円、学生会員2,500円、非会員4,000円 (テキスト代含む)

●申込方法:土木学会のホームページをご覧下さい→LRT講習会案内

  
この情報は名古屋市の黒瀬氏から頂戴しましたが、土木学会という専門的学会でも大都市へのLRT導入の可能性が真剣に研究され知識を広めようと努力していることに注目。はやく具体ルート案発表まで持ち込んで欲しいものです。



#176  02.8.1

架線なし省エネ…コンデンサー電車の開発が発表された


横浜市にあるベンチャー企業「雪ケ谷制御研究所」の2名の技術者が、電気を蓄えるコンデンサーを使用して走る鉄道車両を世界で始めて開発した。 それを千葉県のゴルフ場で走行試験を行い、実用化のめどをつけた

問題は動力の電気の供給源。二人はコンデンサーに注目。充電が素早く、電池より大きなエネルギーを早く引き出せるのが特徴で、最近になってハイブリッド自動車用にけた外れに容量の大きいコンデンサーが開発されので、このコンデンサーを用い、軌道幅が1067mmの実験用電車を製作した。ウルトラ級コンデンサーを144個搭載している。

車両製作、軌道敷設などの開発費用は約1,000万円。この電車には人が10人乗ることができ、その場合、重量は1トンになる。

同社によると、この車両は、都市の路面電車(LRT)への応用が有望とされる。

この方式なら架線が不要で、通常の道路にも設置可能。レールと、停留所ごとに簡単な充電設備さえあれば走る。路面電車は乗客を含めた重量が20トンぐらいになるので、コンデンサーを2000〜3000個積むことになる。減速時のエネルギーを再利用する「回生ブレーキ」も装備しており、安価で環境に優しいシステムになるという。

線路には急カーブや急こう配もあり、新作の車両は「コトン、コトン」と軽快に走る。「10秒の充電で、1500メートル走るんです。あとはブレーキ系統など、安全性の確認が課題」とS氏は語る。   (以上:東京新聞7/27より)


上記の記事が新聞に出ていたと読者のMさんから知らされました。 これはショッキングというか相当に興味深いアイデアですね。上記情報より勝手に推測すれば、MOMOクラスで重量19トン、乗客74人、2億3000万円あたりが比較できるのかも知れないが、コンデンサーのために容積・重量を相当取られるなど難関もあるはず。 で、「なにか技術細部かイラスト図はありませんか」と開発者に尋ねましたが、なにしろ問い合わせ殺到で困っている様子。当分これ以上の発表は避けたいとのことですのでご承知願います。このHPへ掲載はOKだそうです。


8/15追記 (nifty「TRAINE#7会議室にて、実験をTVが放送した様子を松浦良朗氏が報告されましたので転載します)
『この実験線の様子が、14日朝のフジテレビ系「とくダネ!」で放送されました。

雪ケ谷制御研究所の70歳の女性社長が68歳の共同研究者とともに20年の歳月をかけて開発したものだそうです。実験線路は君津市の「香木原カントリークラブ」内に敷設されており、ゴルフ場の経営者が無償で用地を提供したものです。線路のほうも市川市の土木業者が製作・提供したものだそうです。

で、肝心の「実験用電車」ですが、木枠に車輪・座席・コンデンサー・ステアリングを取り付けた感じのもので、屋根はありません・・・ 8月5日に行われた試験運転の模様も出ましたが、最高速度は25km/hくらいで、脱線などのハプニングこそありませんでしたが参加者は汗だくだったようです。』