#171   02.6.8

広島電鉄 企業団体用無記名定期券を発売


広島電鉄は今年の4月にバスと電車の共通定期券発売、同じく同月には紙製の一日乗車券をカード式に変更したと思うと、今度は企業や団体に属する利用者ならだれでも路面電車やバスを利用できる無記面定期券制度をつくり7月から実行と発表があった。この定期券は広島市のデルタ中心地区エリアなら乗り放題。 この制度は社用車から公共交通に乗換を図り、渋滞緩和と環境保護が計れるし、増収にも繋がろう。 
 
 この定期券は1ヶ月分で、市内電車が11,500円、市内バスが17,300円、両方利用可能の定期券は22,400円である。(中国新聞の報道による)



#170 ・ 02.6.5

岡山電軌 超低床路面電車MOMOいよいよ発進


 岡山電軌に遂に待望の低床車9201号A・B車(愛称:MOMO)が5/25入庫した。早速31日より深夜の試運転と電停調整を開始し、本日には終了の模様。 この後は6月8日/9日の路面電車まつりに展示され市民の目に手に触れるはず。出発式ならびに営業運転予定は7月5日。メーカーは新潟製作所。 熊本市電の9700形と同一台車ですが、上の車体幅は熊本2200mmなのに岡山は2400mmとがんばっている由。

 考えてみると1997年に開催された「路面電車サミットin岡山」の席にて、突如岡山電軌の役員さんがLRV車導入について意志発表されるのを館主は聞き、鮮烈な記憶として残っています。どんな形で具現するかと期待もし、一昨年の購入応援カンパにはお恥ずかしい額だが協力させて頂きました。 鉄道車両デザイン界の雄水戸岡氏のボランティアデザイン提供も話題になりました。

 生憎というか8日・9日は当広島市でも路面電車まつりの日でかち合うの出席できないが、なに広島市と岡山市はすぐそこ、折りを作ってゆっくり拝見に行きましょう。 それやこれやで他所の新製車とは思えないのです。(=^_^;=)  幸い、畏友藤井正史さんから近影3枚を送って頂いたので早速ご披露しましょう。

今までのデザイン画と違い生写真! とても優美ですね。   Photo:藤井正史(他も)
運転台の様子           
車内の様子。これは凝っている! 実物に乗りたくなる気持ちを誘う。 

形式 9200型
全長 18m (従来車12m)
全幅 2.4m (〃 2.2m)
全高 3.407m(〃 3.24m)
床面高さ 地面から30cm( 〃 75cm)
定員 74人(立席54,座席20、他にハイベンチ設置 (従来車約80人)
車椅子スペース 前後扉付近に2カ所
バリヤフリー ノンステップ乗降
最高速度 40キロ (運行時平均速度約20キロ)
レール幅 1067mm
導入費用 2億3千万円 [内、公共交通移動円滑化設備整備費(14年度予算)
として国、県、市(市負担額の中に市民からの寄付金500万円を含む)]
から1億1千万円の補助を受けます。


#169 02.5.13

熊本市電 上熊本駅で日本初のインファンド工法軌道施工


熊本市交通局はなにごとにつけ「日本で一番最初」を実行する事業体として有名である。 例えば「路面電車の冷房化」、「VVVF制御路面電車」、「超低床電車の導入」等はすべて熊本市から始まった。今回は路面電車の軌道をドイツの新しい技術インファンド工法を取り入れた工事を日本で始めて施工し1部は使用を開始した。

 この工法は枕木に相当する部分がコンクリートスラブだが、レールを取り付ける締結装置が無く、その代わりにレールを溝の部分に据え付け、樹脂材を充填しレールを固定する方法。ドイツの場合表面は芝生を貼り美麗だが、熊本のケースでは見送ったのはまことに残念。旧型車オイル垂れ現象の未解決が原因らしい。


施工場所は上熊本駅前の「市電上熊本電停」が従来の1線2ホーム形式を敷地拡張に関連して2線3ホーム形式へと大改造を実施中。 その軌道部分を全面的にインファンド工法で施工することにしたもの。




現在は1線分は使用中であるが、停留場改造に合わせる関係上で全部が出来上がるのは02年9月末の予定。

この工法の効果はレイルを完全に包み込んでいることによる低騒音低振動、弾性効果によりレイルの波状摩耗が少なく保守が楽と数々ある。


当館参考ページ「講演録9;欧州路面公共交通調査団に参加して」中4.インファンド工法の実験をぜひご覧下さい。インファンド工法の原理がよく判ります。

館主注:
本件の情報は熊本市交通局他から、写真は熊本市のHさんから頂きました。 m(_)m