#49 99.1.3

兵庫県も阪神地区を対象にLRTの整備構想を策定 


1月3日付けの神戸新聞によると:

兵庫県は新年度より、かって完全に消えた路面電車を低床式LRTによる復活検討に入る。
場所は自動車交通の激しい阪神間エリアが対象地域である。

具体的には、学識経験者の意見も聴き、基本構想をまとめ、2000年度以降に具体的な導入都市を選定し、詳細な計画づくりに入る由。

(私見)
あの交通過密の阪神間にもLRT導入の想定がなされることが驚きである。 時代は変わったのだ。
中核都市の将来交通を考える場合には、今後の高齢化時代への対応、環境に優しいこと、そのうえ性能と建設運用コストとの優位等を想定した場合、自動的にLRTが有力候補になることが当然となったことの査証である。
LRT導入は、まさに時代先取りの新交通機関として認知されてきたとの感が深い。  がんばれ神戸!!



#48 98.12.8
12.26追記

広島電鉄 クリスマス電車を今年も走行 記念カードも発売 


クリスマス電車の走行を12/8に予告したが、中国新聞によると予定通り実施された由である。
同紙によると24日、ハノーバーを赤や黄色の点滅電球と金色モールで彩り、スピーカーからクリスマスソングを響かせながら広島駅〜己斐間を2往復。同社の社員がサンタクローズやトナカイに扮してこども達にお菓子を配った。
これは掲載されたそのときの様子。



(12/8既報分↓)

広島電鉄は平成3年から毎年クリスマスには、クリスマス電車「Merry X'mas号」を電飾して走行させている。
本年も来る12月24日と25日に運行を予定。車種は独ハノーバ電車238号である。
広島駅出発1便=17:04。第2便広島駅出発=18:55から。いずれも己斐行き。

この行事を記念して本年は12月14日 市内電車バス共通カード=パセオカードも発売した。種類は1,000円の一種類のみ。  



#47 98.12.2

広島電鉄 パセオカード絵画シリーズ3種 新発売  


広島電鉄は市内共通カード(広電市内線、宮島線、市内各社バス、新交通アストラムライン、宮島航路に共通使用可能)であるパセオカードを久しぶりに3種発売した。 3種ともいずれも「ひろしま美術館」に所蔵するフランス印象派の作品である。
この3種は5000円券、3000円券、1000円券で1割の割り増し付。今までのものは花シリーズであったが、発売後1年半も経過しており実は館主も飽き飽きしていたところであった。このたびのデザインはひろしま美術館に所蔵していて館主の好きな絵画3種に置き換わって発売されたもので、とても悦んでいます。
カードの話はともかく、「ひろしま美術館」とは市中心部にあり、所蔵品のうちフランス近代絵画のいいものを適当な点数飾るという、旅行、出張時に立ち寄るとほっとするお勧めコーナーです。 当館「広島市路面電車沿線案内」ページにても紹介していますが、美術館の様子はここ「ひろしま美術館」をクリックしてちょっと見してください。




    ロートレック:アリスティッド・ブリュアン


       ゴッホ:ドービーニーの庭

 マネ:灰色の羽根帽子の婦人


金種ごとに切り込み数が違う。5000円は3ケ、3000円は2ケ、1000円は1ケ。


#46 98.11.29
   11.30追加

広島電鉄 98年前期決算 経常黒字化   


広島電鉄は本年度9月中間期決算を発表した。
広島電鉄提供資料および中国新聞の報道を参照すると、
(11/30広島電鉄より資料提供を受け赤記表示項目の追加を行った)

売 上 高 営業利益 経常利益 税引後中間利益
本年前期 11,888百万円(3.3%UP) 485百万円 348百万円 169百万円(−)
前年同期 11,507 〃  ▲286〃 ▲397 〃 ▲392〃
本年通期 23,600 〃 950  〃 600  〃 予想額

鉄道部門は
1)「JA広島病院前」を新設し通院者と近隣者の便を図ったこと
2)輸送力増強に伴う使用電力量増加に対応するため段原変電所を新設した
3)電停の上屋増設など施設改善を実施した

自動車部門は
1)広島・呉間のクレアラインと松江行きノンストップバスの増便実施。阿品台線、四季が丘線に急行便を導入。
2)業務機構を見直し、佐伯出張所廃止等の合理化実施。

不動産部門
造成宅地、分譲住宅、大型マンション等の販売に努めた。

乗車人員の変化
部門別には乗車人員数が電車部門2.9%減、バス部門が4.1%減。原因として不況で中心街への買い物客の減少等があげられている。
昨年11月に電車は13.4%UP、バスは昨年5月に5.5%UPしたことにより黒字化したもの。部門別売上高は結果的に電車部門が7.8%贈、バス部門は0.8%減、不動産8.8%UP。



(見解)
あくまでも私見であるが、広電は昨年来魅力的な新型電車を導入するなど集客力の増加を計ったり、本年5月にカンパニー制を導入するなど、合理化にも努力していることは大いに認められるが、乗客数減、わけても電車部門でのそれが気になった。つまり効果が上がっているとは言えない。 この数値は不況の影響もあるが、運賃値上げによる乗車敬遠や郊外大型店の急激な増加による都心ショッピング街の相対的地盤沈下が起き始めているのではなかろうか。 また、ドル箱宮島線の通勤時ラッシュへの対応が現行路線では限界に近いと見られ、これがマイカーへの転換 (こちらの渋滞もすごいが) も起きて居るのではなかろうか? このへんの焦燥から、広電の平和大通り線への線路付け替え提案が出ているのかも知れない。 利用者としては、とにかく渋滞→乗客減→値上げ→新たな乗客減のスパイラルが起きないような施策を熱望する次第である。  あっ、経常利益黒字化をちっとも褒めませんでしたね。(x_x)\ ポカ!


#45 98.11.6

広島市 11/4東西線委員会採算中心審議 傍聴記  


 去る8/26の広島市都市交通問題調査特別委員会では、昨年までは新交通地上案2,200億円案のみ採算とし、不採算としていた新交通地下案を、「都市の装置」と定義を付け市独自負担額を大幅に上乗せした結果3,000億円の建設費でも「成立」とする案を提出した。
この提案に対し10/4に審議のみの委員会がもたれたのは既報のとうりである。当然委員からは採算についての質問が多く出されたが十分に答えられなかったので、これらの資料の準備をして臨時的な委員会が11/4もたれた。
 市からは平和公園の公的位置づけと景観の関連の資料及び投資経費の試算と負担資料を提出したが、議論の多くは採算面、負担面に集中した。故に資料のうち地下鉄案の下記2編を掲載する。


東西線が新交通地下案の場合の事業費の内訳   (単位:億円)                
区    分 1期(9年) 2期(8年) 1期+2期 合計
高架・地下は
2と5で採算成立
地下は
4で採算成立
公共負担 会社負担 公共負担 会社負担 公共負担 会社負担
インフラ
補助制度
市街路・道路事業   (ア) 700
700
会社事業 出資     (イ) 70 70
都市の装置(ウ) 100 100
借入金   (エ) 130 130
870 130 870 130
うち市投資的経費
  (ア)+(ウ)
800(89) 800
地下鉄
補助制度
会社事業 出資    (ア) 100 290 390
国補助   (イ) 80 260 340
市補助   (ウ) 80 270 350
都市の装置(エ) 180 480 660
借入金   (オ) 60 200 260
440 60 1,300 200 1,740 260
うち市投資的経費
 (ウ)+(エ)
260(29) 750(94) 1、010
合   計 1,500 1,500 3,000
市投資的経費の計 1,060(118) 750(94) 1,810

        (  ) は年次当たり平均負担額
館主注:この「1期(9年)高架・地下」の“高架”の意味は、本案は地下案であるが西広島〜観音町までは“高架工事”を含むから“高架”の名前が使用されている。 「新交通高架案」の高架ではない。


中長期の道路・交通投資の方向性と新規軌道系への負担についての考察


主な討議

  • Q:今回の資料は財政当局とも摺り合わせしたか
    A:相談した数字である
  • アストラムは乗客予想が当初7万人が4〜5万人と減った。この案は乗客実績が10%減でも成立するか
    A:採算=感度分析 をしたら、10%減、20%減でも不成立となった。 モデルの2期は10%減のみ成立した。
  • では1期の乗客5万人は4.5万人でも成立しないのか
    A:その通り
  • すれすれの苦しい採算推定で数千億の投資をするのは累赤になるのでは。 乗車精度をもっと上げるべき。
  • この案は第1期は広島市西地区交通が助かり、2期が東部地区である。大事なのは今の交通ネックの解消ではないか。市民に3000億円投資すればここがこう改善されるという、市民に判りやすい資料を纏めたものを出してもらいたい。
  • この案は平成16年着手しても第1期完成は平成25年。第2期は平成33年である。私は34歳だができた時は56歳である。
    広島市の人口予測では2021年には減少を始める。日本全体も然り。ほんとうに返せるのか。
    A:近い将来山が来て、後は水平と減少だ。 トリップ調査は年齢構成予測と人口構成を安全サイドでやっている。
  • 平成33年の予測だが、それから先も累損が心配。高齢化時代を考えた投資を考えるべき。
  • 市民を巻き込んだ声を取り入れていない。団地別とか地域別に分けてとか、車利用者にモデルを作って具体的に聞くとか。
  • 上記図で道路交通が800億円レベルから600億に下がるとき指定高速に200億出すと一般道路にしわ寄せが行く。
    A:高速と摺り合わせになるが・・行かざるを得ないと思う。 軌道を入れたらどうなるかを一応やった。
  • 道路を削ってよいという判断をするのは市民で交通局ではない。
    A:提出用として作った。
  • 軌道系のためにこんなにカットされることはけしからん。
  • 国の「都市の装置」は制度化されていない。具体的にはどうか。(許可を受ける)努力をしているか。
    A:見透しは不確定だ。運輸建設は関心を持っており、感触としてはよい。
  • “関心”ではあてにならない。
    A:方針決定すれば行動する。今は検討中だから。
  • 新交通地下は広島にふさわしいのか。検討が不十分だ。
    A:投資が大きく長期になった。故に財政負担力資料として仮定して作った概案である。
  • 平和大通りは高架でも良いのでは。
    A:私もそう思う
  • 高架案では平和公園前を道路の端でなく真ん中側に寄せた方がよい思う。その方が乗車客の景観も道路沿いのビルにとっても良くなる。
    A:道を歩くひとの都合で考え、高架が木の陰にくるように考えた。


次回委員会開催日::
    12月下旬か年明け早々の時期に開催を予定