#17 97.10.30

「広島・東西線実現困難に」日経が報じる 


先日広島市当局は地下鉄などを走らせる東西線計画について都市交通問題調査特別委員会に提出されいろいろ論議を呼んでいる。小生も傍聴記を下記10/24にて貼り付けました。


この提案に対し本日10/30付け日経新聞・広島経済欄に黒抜きで大きく「広島・東西線実現困難に」との重要記事を掲載した。
同紙によると、この提案に対して中国運輸局が「採算性に問題がある」と難色を示し、このまま申請しても認められない公算になった、と報じた。 
運輸局の見解は「事業費が1100億から2400億と巨額なのに加え、乗客数見通しの試算が甘いとみており、既存の路面電車の延伸とバスを組み合わせた低コストの代案を提案する」。また同紙は「この計画で、広島市は所要時間の短縮や経済効果を訴えているが東西線の実現は極めて難しくなってきた」と報じている。

私見であるが、市の東西線構想はたいへん高額な建設費で、2年後の赤字財政転落を控えている広島市民にとっては耐え難いものである。
そこで「路面電車を考える会」の提案として市に提出した最新版は、下記の図のとうり。広電の平和大通り線案に加え、NHK前よりこれをを延長し富士見町付近(このあたりに第2バスセンターを建設の噂あり)から駅前通りに折れ曲がり、広島駅に直結する案か、平和大通りをさらに直進し現行比治山線に連結して広島駅行きとする案へとドッキングするというもので、上記の運輸局案にけっこう近いものに思える。 今後の市の方針が如何なるかが注目される。
広電でいま出ている建設費は40億円たらずとか。0が2桁違っている。
下図線は当会ルート案、案は広電ルート案

 このドッキング案については、先日当会で検討した際、すんなりと賛成した者が多かったので、これは市民の自然な提案・発想であると断定しては言い過ぎであろうか。


関連記事:「考える会」東西線で広島市
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#16 97.10.29訂正版

広電の2連接型LRTイメージ図2種    


10.27に発表した際、説明に不備がありましたので、訂正して発表します。
先に広島電鉄は宮島線3連接型LRTイメージ図を発表し、翌日各新聞がこれを掲載しました。 本路面電車ニュースでも下記9/17付け欄でこれをカラーにしてお目にかけました。(^_^)  

その後10/22の都市交通委員会の模様をRCCTVにて報道した際、同時に市内線のイメージ図が放映されたました。早速このイメージ図を入手しましたので掲載します。
下左図は新バスセンター建設時(いまの紙屋町バスセンターの混雑を避けるために、第2バスセンターを平和大通りに設ける案が持ち上がっている)の路面電車と接続時のイメージ図です。フォーム左の車体はバスですが、右側は2連接LRTらしき電車の姿をしています。 下
右図は2連接LRTの走行中のイメージ図です。こちらの方向幕は広島駅となっているのは、考える会の全地上LRT提案のB案やC案とも一致しているのは嬉しいことです。会としてこのイメージ図を非公式に採用しましょう。(^_^)



#15 97.10.24

10/22の広島市交通問題委員会を傍聴してみて 


10月22日に広島市議会の都市問題交通問題調査特別委員会という長い名前の委員会の第2回の討議がもたれたので、路面電車を考える会を代表して傍聴した。以下はその要点と感想である。


  • 議資料は委員同様の数十ページのカラー入りのものを頂戴。これは私のとっては初めて手にする貴重な資料宝庫だった(^_^)  時代は情報公開なのだ。
  • 2時間きっちりの会議時間のうち50分は局長説明、残り1時間5分が質疑時間で、12時きっちりに終了。 見事。 企業も見習うべし。
  • 最多質問は、広電案が公表されているのに、市はなぜこれを本日取り上げないのかということであった。答えは「広電から具体的資料が出ていないから。作っている様子だが」というものだった。 広電提案は、土俵を割る直前のぎりぎりのタイミングで間に合ったことがよく理解できた。新風なのだ。
  • 質問内容には広電提案に関連して、人口の伸び悩みと高齢化社会の当市では、環境に優しいLRT(これはチンチン電車ではありません、ヨーロパ式の高性能車ですよと発言者は断る)にしたらどうか。軌道系前提でなく路面電車をとりこんで考えるべきではないかとの積極意見が出された。また都心へ行く時間が20分から30分が7・8分に低減との説明に対して、「時間が短くなると強調しているが、運輸当局の説明によると、実質移動時間を計るとどちらも19分となり、階段の登り降りを考えたらLRTのほうが優れている。 営業費もkmあたりLRT63万円地下鉄267万円でこの差が運賃に跳ね返る。結論的には「発想の転換すべきでは」と追求し食い下がられたのが、我が全地上LRT派にとっては心強い同感意見であった。
  • 原案では東西線利用者指定を、路面電車からの転換が4万人。バスからの転移2万人と説明された。そうすると路面電車は今は黒字だが赤字転落、バス会社は今赤字の足を引っ張って大赤字に、新路線も転移が予定通りにならず、で結果は3者皆赤字になるのではなかろうか? こういった推算の成因は、新線建設が後背地の人口増を期待するより、既存利用者の取り合いで成立するという、難しい前提の故であろう。とにかく広島都市圏の25年後の予測人口は、わずか10%程度しか増えないことになっており、このことから明らか。 この件で質問がなかったのが、新米記者には不思議であった。
  • 次ぎに多かった質問は「2年後は赤字という市の財政のなかで、どうするのか」であった。答「厳しい中でも将来を考えてやりたい。方策はないか、それはまた報告したい」というものであった。
    この答作成こそ最難事ではなかろうか。
  • 行政の意見取り扱い
    資料には「関係行政機関との意見交換の状況」の欄に「関係行政機関(運輸省建設省、広島県)とも継続して意見交換を行いながら議論を深めておりその中では東西線の役割の明確化を求める意見や、路面電車、バスとの関係の明確化を求める意見都市づくりも加味した検討が必要である等の意見が出されています」とわずか4行であった。
  • 市民意見の取り扱い
    肝心のわれわれ市民意見は「市民からの意見」としの見出しで「都市問題研究会」「路面電車を考える会」と「中国新聞投書」3件の内容紹介もあった。簡潔だが各提案ごとに説明が付き、行政関係よりは説明を費やされていただけましだろうか。(*_*)
    市民意見について冒頭の局長説明では「これら市民の意見は、概ね路面電車を活用しようという意見でした」のたった一言であったが、簡にして要を得ていた。(^_^;)
    行政意見と市民意見で資料1ページの取り扱い。
  • マスコミの意見の取り扱い
    最近しばしば当地の新聞、TVで東西線問題が取り上げられ、意見もいろいろ言われている。 しかしマスコミの意見動向については資料にもないし、言及もなかった。こういう風習なのだろうか。


#14 97.10.24

広島市、運輸局・交通4社と連絡会議新設     


 10月4日付けの広島経済レポートによると、広島都市圏の軌道系交通機関の新設モデル案を絞り込むため、10月中に中国運輸局と交通4社(広電、広島バス、広島交通、中国JRバス)を加え「広島都市圏公共交通機関整備検討連絡会議」を新設することになったと報じている。
 そうなると今回の広電の打ち上げた平和大通り線も公式に俎上に乗せられ検討されることになる。
市も独自案のみだけではなく、他の新案も検討に組み入れの度量を示すのであろうか。



#13 97.10.10

広電が新路線建設などで「調査懇談会」発足す   


10月4日の朝日新聞によると、広島電鉄は10月3日「広島市における大量公共交通機関のあり方に関する調査懇談会」なる会合を発足させたということである。この初会合では
  • 西観音町〜白神社前間の平和大通り線について意見が交わされた。(注:下記9月14日付「広電、平和大通り線を提案」をご参照)
  • 近く市民数千人を対象にした交通調査を実施する。調査は市内の交通機関の利用者動向やニーズなどを訪問調査する。
  • 懇談会のメンバーのアドバイザーとして「学識経験者5人、中国運輸局3人、経済界など3人と、広島電鉄太田哲也社長。
(意見です)
以上が新聞報道ですが、私鉄がかかる公的な標題の懇談会を発足させるのは快挙とも考えられますし、時期が時期だけに趣旨はどういうことなのだろう声も・・・。ただ広電が本気で東西線をやるきであるとの意気込みは市民に伝わるでしょう。(^_^)



#12 97.10.6

「路面電車を考える会」の活動が地元TVで報道された


例会の翌日、会の様子を地元RCC・TVにて「財政難時代に市民提言:路面電車を見直そう」という見出しでニュース報道された。 広島市の原案が「都市交通問題調査特別委員会」にて審議されている様子や「中国地方交通審議会」にて広電が平和大通り案を提出説明している情景が映された。更に「路面電車を考える会」の10月例会の様子と、市の東西線案についてより安い建設費と運営費ですむLRTの導入提案を検討している様子が放映された。

番組のキャプション 「都市交通問題調査特別委員会」の様子と焦点の東西線案
会の様子と、当会の東西線バリエーション3つの案の説明図。 案を説明する山根政則事務局長


#11 97.9.17/9.25改

広島電鉄、「宮島線LRTのイメージ図」発表  


9/13の朝日新聞広島版で広島電鉄は市内線用が2両連接車で来年度から3年間、毎年4編成の計12編成を導入する計画と発表したのは既報のとうり。
更に追い打ちで、宮島線用に来年度以降、3年間で計10編成を運行させる予定と報じられた。
併せて宮島線用の超低床車について下記のイメージ図が掲載されてた。
(9.25に 朝日新聞から編集した旧白黒写真を下記カラー写真に切り替えた。

記事は以上であるが、市内線用の2両連接車の方は図は公表されていないで、先に宮島線3両編成の方が公表された形になったが、たぶん両線ともデザインは共通的と推測される。
また台車が熊本式に車体の中央部にの付く形式なのか、連接部分に付く形式なのか関係者に問い合わせたところ、両者を含めて検討中とのことであった。

広島電鉄が導入する超低床車のイメージ図 


#10 97.9.14 

広島電鉄、「平和大通り線」を提案    


先日広島市で行われた「中国地方交通審議会県部会」(部会長、藤田県知事)の席上、西広島から白神社前までを「平和大通り線」として新設したいと広電社長が希望を明らかにした。 
  • これができれば従来、宮島〜西広島〜広島駅を街中を折れ曲がりながら走行していたのが、平和大通り(100m幅道路)を利用して一挙に都心に連結できるから、現行の西広島〜紙屋町交差点までの24分が19分に短縮できる。
  • 運行方法は、宮島線の3両連接車を2重連結して白神社まで走り、ここで前半は広島駅行き、後半は宇品行きにと解結することになる。
  • これに対する反応であるが、中国運輸局鉄道部長の談では「路面電車は高齢化や環境重視時代にふさわしい交通機関になる。広電の新路線を積極的に評価したい」。また広島市交通部参事の談話では「広電の路面電車の問題点を部分的に解決する案。 抜本的な交通対策案と位置づけている東西線構想とは次元が違う。 東西線について話し合う市議会の特別委員会には意見として報告する」との話で受け取り方が異なるようだ。
 

     広電東西線案    97/9/11 朝日新聞広島版より

        広電東西線案       97/9/11 中国新聞広島版より
本日の新聞別欄によると、広電は新車投入や保安設備の充実、消費税の5%UP等の理由で、市内運賃を130円均一から150円均一へ、ただし乗り継ぎ運賃50円は廃止するという線で値上げを検討していると報じられている。


#9 97.9.10

広島電鉄、超低床LRT4編成を導入    


9/15朝のNHK「おはよう広島」の報道で、広島電鉄は超低床車LRTを4編成導入すると報じられた。
画面バックには熊本市交の9701LRTの走行の様子や、車内の様子、車椅子での乗降の様子等が映された。 以下、聞いたまま情報。
  • 来年度中に広電は2連接編成の超低床車4編成を投入する
  • 運行は市内線に充て、宇品線を中心に運行する
  • 床高は30cmで、従来車の床面より48cm低くなる
  • 1編成の価格は2億5000万円である
この報道は地元の中国新聞や朝日広島版にも出ていないので、スクープと思われる。


#8 97.9.6

広島電鉄、宮島線に3950型を導入


電車ファンのみなさん、こんにちは。
9月3日「路面電車を考える会」の例会を持ちました。
議題は1)「路面電車を考える会」1000人アンケート実施結果報告
    2)新型電車3950形式について
    3)広島市新東西線はどうあるべきか討議

2)については広電中尾電車部長の説明
  • 広電は本年を「路面電車ルネッサンス元年」と定義しており、この実を市民に実感していただくため年間増車としては過去最大車数を発注した。
  • 車両全体の形式は稼働中の3900型(3両連結固定編成)と類似している。が先頭部は従来車の曲率半径の2倍をとり、かなりヨーロッパ風の丸みがついた。(注:筆者の感じでは熊本LRT車の前頭部に似てきたように思う)
  • ロジェクターランプを大きくした・パンタはワンアーム式に変更・塗色も環境にマッチしたデザインに変更…これは実物でご覧頂きたい……ということで今回はデザインはマイナーチェンジにした。
  • 購入は6編成で97/12に2編成、98/1に1編成、98/2に1編成、98/3に2編成の入車予定
  • 新編成は全部市内〜宮島直通線に当てる。
  • 現行の宮島直通線のうち3000系4編成(3両連結固定編成)を引き抜き、市内線の単車運行区間である比治山線に主に配置し、これを通勤通学時間の混雑緩和に充てたい。