謹告:新入荷の3950型の画像を18枚も入れたので、ずいぶん表出に時間がかかるようになりました


#24 97.12.24

広電3950型2編成本日お披露目。明25日より営業運転


本日は12月24日クリスマスイブです。広電は日午後1時よりこのたび入庫した新型車3950型のマスコミに対する完成公開を千田車庫で行った。 車番は3951、3952の同型車2編成である。 新聞、TVの報道陣と「たちばな幼稚園児」母子を乗せ、1:10「貸切」の方向幕で出庫。広島駅まで往復運転を行いその性能と雰囲気を市民にお披露目した。 途中市中心部を走行すると、目に留めた市民は「えっ!」と見慣れぬ車体塗装に驚いてか目をそばだてる中を、最前列に同乗のサンタクロースが手を振り愛嬌を振りまく。

 運転手の談「いままでの3900型の運転と基本的には同じです」。 そういうことで明日25日早朝より通常運行で営業運転にはいる。

 千田車庫では同時にクリスマス装飾を施したハノーバー電車の発車もおこなった。これは本日イブと明日のクリスマスの両日市内線を走行し同じく市民の目を楽しませる。これは広島市民の話題になりそうである。

左3952、3連接車。右3951。 運転台は3900型と同型式 広島駅に到着。右は比治山線単行


#23 97.12.22

大蔵内示 岡山、広島、長崎、路線延長・新設認められる


 1997.12.21付けの中国新聞によると、「市街地の交通渋滞緩和策[路面電車支援事業]の制度新設が認められた。対象は広島、岡山、長崎の3市で、全国枠の街路事業費2、740億円の中から路面電車路線延長、新設を検討する」との報道である。

(私見)

  • 我が国へのLRT導入促進運動をしている当会としては、このたび大蔵省から[路面電車支援事業制度]が認められたことが大いに意義があると考える。
  • 対象の広島市は差し当たりはJR横川駅前の路面電車終点停留所のJR駅方向への接続改良と思われる。 が、いま論議真っ最中の‘東西線は新交通か広電LRT新線建設か’の課題に、今回の決定は広電のLRT新線建設の方法へと追い風になるのではないだろうか。(本ページ12.9「・・論戦が」記事ご参照)
  • 岡山市は岡山電軌による環状線新設の計画が対象なるのであろう。
  • 長崎では滑石地区への延伸案が対象であろうか。


#22 97.12.17

広電3951試運転風景                


今日12/17午後試運転が行われた。パンタも付けて電装を終え、扉も付けた3951は荒手車庫からゆっくり引き出された。小運行の後本線へ引き入れ「試運転」方向幕で宮島方面へ走り去った。荒手-宮島間を本日は2回試験走行という。


正面B側 室内は試験設備が・ 方向幕も試して。その後宮島線本線へ シングルアームは初


#21 97.12.17

広島電鉄3950型 仕様公式発表     


今回搬入された宮島線3連接車3950型について広島電鉄より情報を得ましたのでUPします。

車両記号番号3951A・B・C、3952(以下略)、3953、3954、3955、3956、 
車種:普通鉄道旅客 直流電車 DC:600V

A車およびB車
  • 空車重量   14.7 Ton
  • 定員     56 人 
  • 座席定員   24 人
  • 最大寸法(長さ×幅×高さ) 10320×2496×3820 mm
  • 主電動機   種類  三相篭型誘導
             連続定格出力 85KW   
             個数     2個
  • 台車形式   2軸ボギー台車
  • 駆動形式   平行カルダン方式
            歯車比  72:11=6.55:1 
  • 制御装置の方式 回生ブレーキ付VVVFインバータ制御
  • 列車無線設備 通信方式  単信方式
           周波数帯  150MHZ(空間波式)
  • 自動列車停止装置 変調式(絶対停止付2点間速度照査付)

C車
  • 空車重量   8.6 ton
  • 定員     40 人
  • 座席定員   18 名
  • 最大寸法(長さ×幅×高さ)6720×2496×3711mm
  • 台車形式    2軸ボギー台車
  • ブレーキ装置の種類   直通空気ブレーキ 

今回3950型の導入目的
1.輸送力アップ
   新造車両6編成による直通輸送の輸送力アップを図るもの
2.スピードアップ
         宮島線のスピードアップを図るため高性能電車を増備するもの。
3.広島の都市景観美にマッチするような車両デザインに刷新するもの。
4.平成10年3月31日までに、3950型 6編成導入
5.車両単価 2億2千万円(補助金なし)

搬入日に撮影に行きましたが、まず今までのジミ、マジメ風の広電3950イメージとはすっかり変わり、全然別系統の車体に見えるくらいです。明るいとかヨーロッパ風とかいろいろ言われるでしょうが、なるほど「広島の都市景観美にマッチ」ですか。 広島市民に対し[広電は新車増備で頑張っている] という鮮烈なP.R.にはなるでしょう。 私は良いデザインだと思います。

今後の情報 
12月24日(水) 報道関係試乗会
  • 使用車両 3951号 3952号 
  • 行程・時間
           車両展示(3951号・3952号)13:00〜13:10
            試乗会(3951号)
          千田車庫   → →  広島駅前
            13:10  紙屋町経由  13:35
          千田車庫   ← ←  広島駅前
           14:00  紙屋町経由  13:35  

  注1:試乗会は報道関係者と幼稚園児親子による試乗会で、
     一般の方は対象にしていないそうです  
  注2:営業運転日は未定                    


#20 97.12.16

広島電鉄宮島線・市内線直通3連接車3950型入庫 


12月15日広電荒手車庫にアルナ工機製新車3950型1号車が入庫した。 今朝早速実見に及んだが、車体は3900型に比べ前後の運転台が丸く絞られ、ヨーロッパのタイプに近づく。 驚きは塗装で、明るいエメラルドグリーンの輪郭に、胴体下部のホワイトが映え、窓下部にグレーの横縞数本が走る。各車体には大きくGreen Liner の文字が踊る。広電ではかってない配色である。 装着はできなかったが、パンタのシングルアームも初のデザイン。作業時間は4時間でした。

メカ好きの故か、細部写真を多く撮り、編集時に全体像が無いことにはたと気付きました。あわてて会員二文字氏に全体図写真を持参いただき、スキャナ読み込みをして、追加UPすることができました。(^_^;)

入庫し仮組立した3951の全体図。パンタとドアは付いていない。荒手車庫、二文字勝美
朝7時開始。まず台車から吊り下ろす,いよいよ本体,エメグリーンの塗装は華やか下部はホワイト地にグレーライン
左はエアコン、ポールはシングルアーム。先頭下部は大口、3連接2直結時代を考慮か。内部右に光るはフォーン。右写真の黄色板は草津駅他で赤外線を反射し、駅では電車通過を西広島駅「ロケーション」に電送する。この方式により輻輳時の市内への入線車を1車づつ管理する。
台車心棒へ慎重な吊り下げ 通電しないので手押し入庫 クレーンのため移動した架線の復旧


#19

広島市東西線,市案と広島電鉄案をめぐり論戦が   

97.12.9

昨12月8日、国、広島県、広島市、交通事業者で構成する「広島都市圏公共交通機関整備検討連絡会議」なる長ったらしい名前の会議が久しぶりに市役所で開催され、広島電鉄が提案した新線「平和大通り線」について協議された。
運輸局が広島市の高架地下鉄による原案に対し広電案は現実的であるとはっきり支持を表明したかたちになり、「東西線構想」を巡り、両者の対立が鮮明になった。中国運輸局の見解が直ちに結論とはならないが、今後の議論に影響がでそうだと報じている。

当日のNHKTVの報道、今朝の中国、朝日、日経の報道を総合して概観すると、

広電提案内容

  • ルートは路面電車ニュース2や11.27付け下欄で既報のとうりです。即ち「現在の路線を平和大通りの観音町より白神社、NHK前 2kmに付け替える。
  • 大通り(幅100m)の南側測道と緑地帯の一部に複線の線路を建設
  • 3両編成のLRTを増やし、ラッシュ時現行7,330人→8,340人→電停を改良し更に10,000人までの増強は可能。(編者注、以下同じ:市の先日の公式予測では20年後の広島都市圏予測では、1994現在の156万人が25年後の2020年には165万人へ6%UPと発表している)

会議出席者からは

  • ルート上の交差点での処理方法に説明がない
  • 側道や駐車場が無くなる(注:仄聞によると平和都市建設法では現行の駐車場 は出来ないはず。詳しいことは知らず)
  • 市のシンボル空間であり慎重な検討が必要
  • 事業費や技術面での細かい詰めが必要

等の意見が出た


会議後の運輸局のコメント

  • 市構想は需要予測や採算性に疑問がある。 (注:市の委員会資料によると1日あたり路面電車125,000人中より40,000人+αが転換、バス135,000人より20,000人+αが転換。 さらに徒歩から2,100人が、2輪から800人、タクシー等から4,100人、沿線地区外の車、2輪から6000人、それぞれα付き。合計すると73,000人+α=27,000人で合計10万人と予測)
  • 最低でも1100億円と事業費が大きい割に時間短縮効果が少なくバランスが悪い (注:市案は市営地下鉄2200億、新交通高架1560億、新交通地下2280億、高速路面電車1100億、これに対し広電案2km32億円と報じている。この内容は下記解説図ご参照)
  • 市の緊急財政なども考慮すると(注:2年後には破綻と先日新聞報道あり)、早期の問題解決にならない
  • 既存のバス対策案等既存の交通ネットワークへの考慮がまったくないが、広電案はバスとのネットワークが付けやすい。


市側のコメント

  • 市の需要予測は厳しい前提条件をもとに試算したもので甘いとは思わない。どこが悪いかわからない。疑問があるなら具体的にどの部分に疑問があるか教えて下さい。


広電のコメント

  • 一ヶ月足らずで作った案なので深く突っ込んだものではない。その指摘を持ち帰って再検討したい


市民の目線からのコメント

  • 広島都市圏人口が20年経ってもたった6%UP9万人増しかない市が、高架か地下鉄かを作るに際し、計算ができぬ乗客数を27%も作って採算計算をしたのではないかと感じた。 「ほんとに埋まるの?」の疑問が自然に出てくる。 こちらの方からも根拠も聞きたい。
  • 市営が開通しても+α増分は開通日には期待できなく、長い期間を経て徐々に増える可能性がある数値と思う。 この場合地下鉄、高架運賃が幾らになるかが恐ろしい。 3セク累積赤字の結果、最後は市民税負担になりはしないか? ぜひ市民に対し運賃が幾らになるのか、長期的見通しを具体的に教えて欲しい。
  • やっと黒字の広電と万年赤字のバス会社からドル箱路線の顧客を32%+α、や15%+α奪えば、市営が開通したとたん、広電はしばらく息して、パタリ。バス会社の方は即ゴロニャンとなるのは必定だろう。株式会社ですから。 市民としてこれがいちばん困るのです。 車を持たぬ市民としては、地下鉄開通の日からはどこにも行けず「郊外閉塞・パソコン通信・インターネットが命・仙人」と化します。(+_+)



#18 97.11.27

広島電鉄「平和大通り線」具体案を提出       


26日夜の地元TV(NHK、RCC)と今朝の中国新聞朝日新聞の報道によると広島電鉄は11月26日「平和大通り線」の計画案を中国運輸局、広島市、広島県に提出した。これは9月に「中国地方交通審議会県部会」(部会長、藤田県知事)にて説明された「平和大通り線」構想についての計画案をより具体的な資料にまとめて上記3行政に報告したものと考えられる。

第1ステップ:前回報道された西広島駅〜白神社前までの区間は同一経路である。       
        詳しくなったのは
        「この平和大通りは100mの道幅があり公園化されているので、景観
        を考慮し公園の反対側の道路南部分を通すこと。軌道敷きは従来の
        石畳から芝生に切り替える。電柱もセンターポール式とする。工期
        はほぼ1年。専用橋の新設なども含めた事業費は33億7,800万円。
        関係機関との調整を経て2年後には完成を目指したい」と発表され、
        計画の詳細は以前よりは理解しやすいものとなっている。

第2ステップ:1)第2バスターミナル建設が有力視される交差点を北上する案
(将来構想) 2)同交差点を北東上し駅前大通りからJR広島駅に至るコース
         3)平和大通りをまっすぐ東進し既設比治山線の接続する
        (注)第2ステップ案は第2バスターミナルが出来る前提での案

以上の案が示された。この第2ステップは前回無かった改案部分で、この将来構想部分の建設費は2〜11億とか。
左:広電大田社長より野崎中国運輸局長へ提出。 中:案の骨子;黄は旧案、赤色3本は追加案で今回追加の部分。 右:第2バスターミナル案で、停車中の左の車はバス、右が3連接車です。TVのコピーで車体デザインの詳細は不明瞭ですが、このページで下記10/29掲載分ご参照ください
                                     11/26広島RCCTVより
ここからは私見ですが、
これは結果論かも知れませんが今回発表の案は以前に「路面電車を考える会」よりの提案として発表し、報道、行政機関広電に提案したものと殆ど近似しているように見えます。 (下記10.13付け「広島・東西線実現困難に・日経が報じる」に掲載したドッキング案をご参照)

 これは市民が発想したLRT利用案と専門事業者が検討した実行案とが酷似したことになり、「だれが考えてもそうなるのだ〜」という「平易が良案」というべきと解釈して悦んでおります。(^_^;)

 当会の案と広電案との食い違い部分は、会案では、別途西広島駅から太田川を渡る専用橋を作る別系統線を用意することで、この目的は、「21世紀にガソリン大騰貴時代の来襲→マイカーから雪崩打って公共交通へのシフト」を睨んでの「受け皿作り」の提言ですから実施は急ぎません。
 ただしこの区間は道路の拡幅を要する区間が340m 、家屋が立ち退きをして道路建設を前提とする区間が150mあり、距離は短いものの実施には大長期を予測されるから今早めに宣言して計画をゆっくり慎重に進める必要があるということです。準備期間が長いものを超早期に着工すれれば摩擦も少なくコストも安くすみます。

 その他の違い部分については上記よりマイナーかもしれませんが、会案では南北の大通りとはアンダークロスして通過するとか、より小さい大通りには電車優先信号を採用し表定速度の向上と、定時制向上を図りたいとしているのですが、広電改案ではこれは不明です。これは追加建設費負担や規制の面で市や建設省とか警察との了解事項なので軽々しくは提案できぬものでしょうけど。

 広電案で行くと将来部分を入れても50億円たらずです。これまでの市案3案のうち一番安い案でも1100億+200億=1,300億円ですから乖離が大きすぎる。それでは市の方は喜んでくれるのか、反発心が生まれるのかと余計な心配をしてしまいます(+_+)

 市の交通委員会を傍聴したときも質問の多くは広電案との比較問題でした。

市民の立場では、この際、市、議会、関係当局、事業者、これに利用当事者である市民も交えた意見交換の場を作り、大きな見地で判断し、市民が納得いける案に纏めてもらいたいと願います。
 毎日利用している一市民としては素早く建設が出来て乗り降り便利、到達時間も大幅に改善され、おまけに運賃UPの心配が少ないLRT広電改案をベースにした案が通ればと祈ります。