#42 98.10.7

市東西線改定案と広電平和大道り線案への反響の様子


9/5付けにて「市東西線改定案と広電平和大通り線案比較を交通委員会に提示」に表記の題でホームページにて公表したが、以下に寄せられたMAIL、会議室、口頭意見等を引用してまとめてみました。


  • 市案の東西線は西部丘陵線を不可分とする理由が、これまで発表された内容では明確でない。車両基地確保といった技術的なものなのか、東西線の培養路線として収支改善効果があるのか。
  • 新交通システムによる延伸部分を広域公園から西広島までにとどめる限り、なにをやっても黒字にはならないでしょう。少なくともいつの日か黒字になるというような線でなければ作れないという雰囲気の中では、白神社まで一体的に整備して全部まとめていつか黒字になりますと言わない限りは造れないと言うことになります。
  • 広電が最初に提案した100m道路の南部分を走行する案を中央走行に変えたため、緑地帯と調和の主張が若干弱くなったように思う。
  • 市は「都市の装置」という概念を導入すれば、わざわざアストラムにこだわる必要性が無いように思えます。一番速達性が高いJRの地下鉄案だって許されるはずです。
  • 路面電車案では橋の架け替えが必要になります。そのための市の負担が計上されていました。しかし、路面電車案の有無にかかわらず、交通安全上などの問題から橋の架け替えは必要です。コスト負担の比較をするときには、路面電車の走行可能な構造にすることによって、そうでない場合に比べていくら高くなるかという金額で比較すべきです。路面電車よりも重たい重量物を乗せたトレーラー車だって橋を走るのですから、強度的に特別頑丈に造る必要はないと思います。また、もしかすると、新交通システムが地下を走ることによって、工法的な問題から橋の架け替えが必要になることだってあるかも知れません。
  • (近畿の大手私鉄研究所勤務)説明されている内容で抜けているなと感じたことがありますそれは維持管理費についてです。
    大規模な構造物は作る費用も巨大ですが、実は維持管理費も莫大になるという視点が抜けているような気がします。
    高架にしろ地下にしろエレベータやエスカレータが不可欠になります。
    電気代もかかりますし、日常点検費も馬鹿になりません。
    地下ですと空調費、漏水時の水の汲み上げ費用がかかりますし、照明だって1日中つけておかねばなりません。
    地上の設備に比べてお金がかかることばかりです。
    それだけコストを掛けて地上の空間を他に譲る必要があるんでしょうか。
    ぜひとも考えていただきたいと思います。
  • だいたい「都市の装置」という言葉を地下鉄で利用してきたのにびっくりしました。
     広島市独特の補助だからと言って、国庫の補助がある以上、広島でいくらでも使っていいというわけではないのです。同じ金額で全国のかなりの町でLRTの建設ができるからです。広島市のエゴはゆるされません。
  • 広電の平和大道り線は、収益性の見込める広島駅までの延伸構想は示されているものの抜本対策が必要な他地区については何ら改善提案が無く、このままでは失礼ながら市内唯一のドル箱路線の食い逃げに近い結果に終わる可能性すらあります。
     広電は、今後、LRT網の整備にがんばっていく覚悟があるとか、バス部門の維持改善、乗り継ぎ割引運賃の強化など、公共交通機関の総合的なサービスアップをする意志があることを示せば、即座に市民の賛同を得られると思うのです。
  • 「都市の装置」であんなに大金ができるなら、むしろ可部線や芸備線の複線化、電化に使うべきではないか
  • 西風新都から市中まで高規格道路が建設中でこれが平成12年に開通。西部丘陵線の代わりにバスを中心にこれの活用を考えるべき。経路は競合しており説明をすべき。
  • 市民全体にアピールするため「新交通につぎこむ総資金の10分の1でLRT網建設を」というキャッチフレーズは如何ですか。そうでないと、私が住んでいる地区などからの議員など選挙民からのプレッシャーを感じることなく、あっさり新交通に賛成すると思います。
  • LRTを計画や調査をしている都市は、今では28カ所もあります。国の方針転換のおかげです。
  • 10/9追加:東西線高架案では広島駅・西広島駅間の中間駅数が7駅に対し、地下鉄案ではわずか5駅に減らしている。駅の建設費を節約するためかも知れぬが、これではますます駅間が遠くなり、利用率が計算通りいくか疑問。


#41 98.9.18

「広島LRT研究会」発足       


主旨:
 広島市民を中心に公共交通機関に関する啓蒙運動として「路面電車を考える会」を設立し、以来5年余活動し今日に至っている。
しかし、昨年に至り広島市によって市の将来の軌道系について重大な提案が議論され始めたため、当会の活動が啓蒙運動のみでよいのかの疑問も湧いてきた。 昨年は当会による「LRTによる東西線建設の試案」を例会にて会員に示し、またその修正案を市に提出した。これはTV等で報道されそれなりの反響もあったが、会員構成はいろいろの意見・立場の異なる人から成り立つためかかる場合の行動に限界があり、他方では提案内容について研究と工夫を加えたより深いものでなければならぬという技術的課題も認識された。
 そこで有志が集まり「広島LRT研究会」を結成し、今後の広島市民に利用しやすい、価値のあるLRTは如何にあるべきかを研究し、これの実現に向けて積極的に提案活動をすることにした。

会の運用:

  • 会名:広島LRT研究会
  • 責任者:代表 山根政則
  • 発足:1998年8月26日
  • 会員:広島市の都市交通、とくにLRTによる建設に関心のある人。 「路面電車を考える会」の会員とは限定しない
  • 入会:会員の推薦による。ケースによっては入会をお願いする。
  • 研究対象:広島都市圏をJR線も含めた都市交通全体のりかた、LRTを中心とした広域的LRT網の建設案、望ましいLRVの機能、LRTデザインと景観調和の要件、運賃収受制度、市財政困窮時において市東西線案の問題点、広電平和大通り線の課題、広域的運賃制度-運輸連合の研究、車との共存の在り方等々。
  • 発表・提案・陳情等対外活動:内容に応じ相談し、そのつど決める
  • 「路面電車を考える会」との関連:関係組織とする。活動成果は例会にて報告し会員の意見を広く集める。
  • 運用:確定的な規約は作らぬ。必要が生じたつど話し合いで弾力的に運用する。
  • 事務局:山根政則

付記:
研究会発足の記事が9/11付け朝日新聞広島版にて、5段で掲載されました。



#40 98.9.5
(9/16一部改訂)

市東西線改定案と広電平和大通り線案比較を交通委員会に提示


昨年広島市は市内の新しい交通体系として、郊外より市内中心部を横断する新交通による建設を、市議会都市交通問題調査特別委員会に提案していた。 昨年秋市内の同一道路をLRTによる平和大通り線を広島電鉄が提案したことにより、議会では両案の比較審議を要求し、市当局はこれを受けて検討のため審議はストップしてきた。本日に至る経過は当ホームページでも報道してきた。
 8月26日、実に7ヶ月ぶりに委員会は開催され、私も傍聴したが、市の従来案と広電修正案との単なる比較ではなく、市案は大修正されたものであり実に考えさせられる内容であった。 当日資料はA3で61ページ渡る膨大な正・付資料が提示されましたが、原資料を掲載するのは画像容量が大きすぎるので、ここがポイントというものを筆者が簡略に描き掲載することにた。
また当日は、2時間の審議予定時間中50分を市都市交通局長の内容説明のみで、残り時間での審議は打ち切りになり、審議は約1ヶ月後に開くことになった。
 市の大修正のポイントは
前回までの提案では、東西線中5kmを地下にすると到底採算が合わないので、全線高架案のみを提示していた。が、今回市は「地下鉄は都市の装置」という概念を持ち込むみ市補助金を最大限支出することにより、「成立」としたこと「にある。 この哲学の採用で昨年提案の限界値1600億円が、3000億円投資案でも「成立」となった。

 と言うわけで、前回まで当ホームページでの報道は審議の傍聴記をそのまま掲載してきましたが、今回はその方式は不能なので、私が資料を見て感じたことをそのままUPすることにしました。 委員会議後すぐにUPできなかったのは素人市民にとって細部が難し過ぎて、若干のお勉強時間を要したからです。  ご意見や助言があるかたはTOPページE-MAIL欄にてお送り願います。m(._.)m

     

    市資料、朝日新聞、中国新聞等を参考にして作成


           都市の装置と公共負担
                                            

3案の比較

新交通高架案 新交通地下案  広電案   
事業費 2,200億円 3,000億円 24億円
(橋梁整備のため別途180億円、
 ただし車と共用橋)
工期 1期:9年
2期:+8年
1期:9年
2期:+8年
2年 (橋梁整備をのぞく)
東西線輸送力 12,900人/h 12,900人/h 9,440人/h
運賃(推定)
(西広島〜白神社)
(西広島〜広島駅)
220円
220円
150円(市内均一、現行)
所要時間
(西広島〜白神社)
7分 7分 12分

建設費の負担者
1.高架案
・一期工事 西部丘陵都市線 広域公園〜白神社 1,200億円。  公共負担1,000億(うち市負担580億)、会社負担200億
・二期工事 東西線 白神社〜広島駅+南北線  1,000億円。    〃   585億  (〃  395億)   、 〃  415億

2.地下案
・一期工事 西部丘陵都市線   〃         1,500億円。   公共負担1,310億(  〃   860億)、会社負担190億
・二期工事 東西線 + 南北線            1,500億円。     〃   1,300億(  〃  1,020億)、  〃  200億

注1:南北線部分建設費は地下で600億円。(98.9.16訂正:前記「高架400億」は誤記載につき削除.)
注2:広島駅東、貨物ヤード跡地まで延長(1km)すればその建設費が加算される。
注3:従来の計画では会社負担だった、駅および車両基地の用地、引き込み線などは公共負担の方に変更した

乗客推移予想
・第1期・・・西広島−白神社 利用客数:1日 55,000人(高架)
                           50,000人 (地下)
・第2期・・・白神社―広島駅  利用客数:1日105,000人(高架)
                           100,000人 (地下)

採算見通し (98.9.16修正:この項目は前回の説明をより正確にするため、下記のように修正表示しました)
  • 高架の場合:1期工事完了開業20年以内に累積黒字化、2期工事完了開業後更に20年以内累積黒字化。
    (もし2000年に着工したとすると、1期累黒は2030年、2期の累黒は2039年ということになる)
  • 地下の場合:1期工事完了開業後30年以内累積黒字化、2期分工事完了開業後10年以内累積黒字化。
    (もし2000年に着工したとすると、1期累黒は2040年、2期のみ対象の累黒は2029年ということになる)
  • 市の負担(=市民負担建設費)は高架案の場合1期工事期間年間64億円、2期工事期間中は年間49億円になる
                        地下案では1期工事期間中年間96億円、2期工事期間中は年間128億円となる
  • 一言で言えば:広島駅まで全通したとき、高架の場合1期開業後29年で累黒、地下式では30年で類黒になる
    付言:市に対し「引き続き単年度黒字達成年度を公表するよう」お願いしました。


広電への短絡ルート付け替え提案
アクセス改善のための短絡ルートとして、相生橋から西へ直線的延ばし、JRに沿って西広島駅に接続する案が考えられる。


以上が今回の市の説明の骨子と考える

以下は小生の感想ないし意見

・今回の提案の特徴は市の東西線の修正提案、広電の修正提案とを並べて比較したことである。修正内容は、市案は従来は東西線は高架案しか採算が難しいとしていたものを、市が多額の補助金を追加投入することにより地下鉄案も「採算路線」に向上するという説明。 広電案側では昨年の平和大通り南側にLRT(Light Rail Transit)を通す案を、堤防工事の困難性や水道管変更工事等の困難性から道路中央を通す案に変更したこと。

・委員会を傍聴し交通局長から50分に渡る立て板に水口上で資料説明を聴いたとき「市もなかなか良い提案に工夫したな」の感想を持った。

・しかし家に資料を持ち帰りゆっくり読み眺めていくと、いろいろの疑問が雲のように湧いてきた。 いろいろな知人に尋ねあるいた結果、ある程度は理解できたものの、まだまだ解らぬことだらけ。UPもすっかり遅れてしまった。 ともかく、以下はその疑問の羅列。

前提)この投資案件は、現在人口111万人、市の人口予測(資料97/12/25)では12年後の2010年で118万人、2020年で119万人にて成長が頭打ちとなる市における建設費と維持費がかかる投資案件の審議である。 taxpayer数のピークはその前に来るという。 これを頭に置いて考えた。

1)白神社延伸を第1期とするB案にすれば高架式で回収が20年、地下式では30年以内に回収でき成立するとの結論だが、根拠となる数字的説明が付いていない。
 「他の大都市の公共交通機関は軒並み累損だ」との赤裸々な資料が添付してあるが、なぜ当市に限り「開発の進まぬ西風新都を新顧客とし、途中は人の住まぬ山をトンネルで潜る割高な地下鉄が成立するのか」の直感的な不思議な疑問。

2)新交通を地下鉄で作ればトンネル断面が若干小さくなる。 広島市は市中を6本の川が流れるデルタの街である。それを全部貫いて工事をすれのであるから、水圧に耐えるためその分頑丈に作らざるを得ない。 断面積差額を超え工事単価もけっこう高くなるのでは? いま田中町の下水道工事や紙屋町の地下街工事がたいへんだとかの噂も聞いた。  難工事→今更止められない→予算不足→追加予算 の可能性はないのか。

3)運営費の具体的な資料が付いていない。 昨年討議では東西線乗客総数予測10万人中、4万人+αを広電顧客より(路面電車乗客総数の32%+α)、2万人+αをバス会社数社(市内バス乗客総数の15%+α)より奪う前提で成り立つとの説明があり、委員会ではそうとう論議を呼んだ。今度はどういう計算になっているのだろうか。

4)上記の回収できる数字は9年、17年という超長期であり、それに比べ広電LRT案なら2年という恐ろしく短い期間で:稼働する。
通常投資額、採算は大きな討議を呼ぶが、建設中はクレーンや工事機械が街路を占領し景観を損ね、道路の渋滞を招く。この期間の長短が市民にとって大きな苦痛、負担要素である。この10数年間の苦渋に市民が耐えられるかも確認すべき。 また出来上がりの超長期建設の場合、誰が乗るのか、誰が負担するのかの議論も出よう。 この長建設期間問題は議論や評価からとかく見落とされがちな重要事である。

5)必要資金の中に顧客を奪うことによる営業補償費の額が欠落している。昨年の討議で疑義が出たが。これは後日市負担で追加支出になるのではないか。

6)地上式にしろ、地下式にしろ「都市の装置」だから補助金をどんと出すとしているが、このため市民の負担を増やすことの関連を市民に金銭的に説明をし納得して貰う必要があろう。たとえば市民一人当たり×円、一家族○円、何年間拠出とか負担になるかとか。
また、上記図にあるように国庫補助も莫大である。 この補助金は天から降ってくるのではなく、我々市民の税金はもちろん全国の人々の税金から成り立っている。 全国の人にも説明が出来るものでなくてはならない。 
(98.8.16追記:上記資料から換算すると、地下式の場合、市民一人年1万円、一家族年3万円程度を建設費として20年間は市民税をお捧げすることになる(累積黒字化には建設費の回収は入っていない)。乗っても乗らなくても。 また利用者の地域的不均衡も問題)
7)「都市の装置」と定義して高架・地下鉄に高額の補助金を出す根拠にしているが、LRTも立派に都市の装置のはずである。市民として都市の装置の考え方には異存はないが、同じ装置でも乗り降りがしやすく、運賃が220円もかからず150円と安いLRT都市装置の方が良いという人も多いはず。これも広電は市内均一運賃であるが、市の方は距離比例であるから、白神社以東広島駅方面に乗ると250から300円へと増えるはず。この運賃見通しも説明がない。 地下鉄は都市の装置だと思うが、100万程度の都市で輸送力の低い新交通で建設するのは投資効率上いかがなものか。 LRTならずっと少ない資金でLRT網を張り巡らすことができないだろうか。 「家の装置」だからと言っても、我が家の負担力からいったら、ベンツを買う身分ではなくファミリア程度が似合っていると思うのだが。 ひょっとしたら「政令都市にはステータスシンボルとして地下鉄が要るのだー」が動機かなとも妄想した。

8)広島都市圏の開発実態と交通事情よりこう成らざるを得ないのだろうが、市の新交通案は、収入の多くを同一のパイの奪い合いでやるの面がある。従って「利益が出るから成立」という論法も 、新交通の利益だけで論議するのはおかしいのではないか。
 真の利益=新交通の利益−(広電の損失+バス会社の損失、からくる市民へのしわ寄せ)で判断すべき。

9)資料では到達時間の比較を行っているが、これには下記の要素が抜けているのではないか。
イ)路面電車ほど高架・地下駅はたくさん作れぬ。その結果家から電停、駅までの歩く距離が長くなるのが普通。この要素が入っていない。 
ロ)LRTは高い頻度で運転できるのが得意。ダンゴ運転まである。従って電車が来るまでの待ち時間の少なさもLRT有利だがこれも入っていない。 
ハ)高架・地下は乗り降り時間が1分長いだけになっているが、そうだろうか。市民の選択はA地点からB地点までドアツードア時間を所要時間と考える。東西線のある旧市内のドアツードア所要時間は地下鉄もLRTも案外変わらないのではないか。ともかく、ある人が本通りの店から市役所に行くとき、労力とお金 本当の所用時間 とを勘案して新交通か路面電車か、いや歩こうかと考える。

10)到達時間比較でもう一つ。広電案比較では新交通が速そうだが、考える会が提案したLRTにヨーロッパ型優先信号と大交差点でのアンダクロスを採用するともっともっと差が縮まるはず。これが採用されると旧市内ではむしろLRTが早く着くケースがあろう。

11)市民の目からは新交通もLRTもバスもどれが便利か安いかを選択する公平で厳しい立場。地下鉄が出来たおかげで広電やバス会社が減便し始めたの、いや潰れたのが起こっては迷惑。

12)資料29Pの「西部地域と都心部を結ぶ交通体系改善・強化」において広電の平和大通り線への改善提案がでている。これは広電平和大通り線案は市の提案と抵触するからこの提案を降りて、代わりに相生通りを己斐に突き抜ける案にしたらの妥協案を提出しているようにも見える。これも考えられよう。だが顧客を30%奪われた会社が新線建設や橋梁新設の余力がありうるものだろうか。2者択一しか現実にはないのではなかろうか。

13)市の本音は、昨年提案の高架式のみが採算成立したが、この案では景観上の反対が大きすぎ市民が納得するはずがないので、地下案をなんとか成立させる逆算法で組み立てたのではなかろうかとの疑念も湧いてきた。

◎特別委員会についての感想
1)120万市民にとっての3000億円の投資は、1.2億人の国家に換算すれば30兆円の投資に匹敵する大問題。 それが26日の委員会では交通局長が50分間ぶっちぎり超早口独演説明。その結果は討議時間が1時間しか残らぬ。議長は、延ばしても12時半までしか審議できないので討議を9/8午後へと9日間延ばすことにした。聞くところに依ると討議日は更に9/E〜10/上に伸びる由。 こういうことで良いのだろうか? もっとも瞬間大量提案では質問する方もとっさにはたいへんであろうと同情の余地もある。 が、もともとは市当局がかかる会議予定時間をたった2時間しかとらなかっとが原因ではなかったか。おかげでTV・新聞の報道は市の案のみしか説明しかできぬ訳で、原案に対する討議や意見は市民に伝えようにも伝わらない。市案が固定観念で市民の頭脳に in printされるのでは? 心配である。

2)委員会は広電の意見やバス会社の意見もヒヤリングする機会を持つべきではないか。
またかかる巨大案件は市民の意見も充分に聴き、咀嚼し、同意できる機会も作るべき。1月のシンポでは、スイスのごとく市民投票案も出た。なにか審議時間が不十分のまま市案が「充分公的に検討を尽くしたもの」としてずーんと通って行くのではないかの不安を持った。 市は年内に方向を纏めるつもりと報告された。 拙速は京都市、神戸市や呉市の事例のように問題を招く。

◎おわりに
いろいろ市の原案について意見を言いましたが、それにしても市議会の委員会討議が、市民に情報公開されていることはすばらしいことと、広島市民として賞賛致します。

以上、長文ご講読ありがとうございました。専門知識のない一市民の見聞記です。 あなたからのご意見やアドバイスをお待ちします。
TOPページに筆者宛のE-MAIL欄がありますのでご利用願います。 m(._.)m


#39 98.9.1

広電 宮島線新駅「JA広島病院前」本日開業    


 広島電鉄は宮島線宮内から西440m、地御前駅から470m東という地点に新駅「JA広島病院前」を発足させた。本日10時より開業式典がある。
駅はJA広島病院に隣接し、ホーム長は長さ40m、幅3mの屋根付き、100台分の駐車場がある。駅舎と通路の建設費は全額JA厚生連が負担した。 病院は更通院用にホームから病院玄関の間に段差のない通路を建設する。
(以上中国新聞の報道より)

なお沿線各戸に新時刻表が配布されたが、これによると西広島〜宮島間の到達時間は30分から31分へと1分間延長になった。


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(限定3万枚発売)


#38 98.8.11

広電 平和大通り線改定案を交通連絡会に提出  


8月5日広島市役所にて広島都市圏公共交通機関整備見当連絡会議が行われた。
この会議メンバーは中国運輸局、中国地方建設局、広島県警察本部、JR西日本広島、広島電鉄、広島バス、広島交通、中国JRバス、および事務局の広島市道路交通局より構成されている。
主議題は、広電より提出された「平和大通り線報告書 1998.8」なる再提案説明であったが、広島市はこれを受ける形で「東西線再評価について」として、広島市案と広電案の比較検討の視点、分析の方法の項目案を提案した。 
広島市ではこの方法で両案を比較し案の絞り込みを本年12月に終了、以降来年に再評価と計画案の絞り込みへ。更に平成11年度末に整備計画の確立を予定している。


従来の平和大通り南側測道ルート案に比べ今回再提出となった中央ルート案は

  • 両案とも輸送力。人員は変わらない
  • 速達性は、己斐紙屋町間では現行18分が南案では16分になったが、中央案では13分とより速くなる。
  • 南案の難点は専用橋梁を設置するための嵩上げ工事費と、影響住民への補償費がネックであったが、中央案では解消。
  • 南案では想定案に水道幹線が縦断的に通っており、これの移設費は13億円必要であったが、これが解消。
  • 南案では白神社前交差点および福島町電停交差点での交通処理がネックだあったが、中央案では軽減する。南案の建設費は49億円(補償費159億円を除く)であったが、中央案では橋梁費13億円、幹線上水道移設費13億円が節約され24億円にてすむ。ただし市の方で3橋の掛け替え工事費150億円が発生が予測される。


中央ルート案の問題点は次の三つとなろう

  • 南案では電車専用橋を自前で架設する案であったが、中央案は既存の3橋(平和大橋、西平和大橋、緑橋)を掛け替えその中央部を利用する前提である。 もっともこの3橋は建設が古く、片側1車線から2車線であり自動車交通の面からも掛け替えを要請されているもので、この際前倒しで促進しようという積極に変わる機会ではないか。
  • 今街路景観への影響が、市民にどう受け取られるか。 この点は市のアストラム線高架延伸案の方がより深刻だが。
  • 毎年5月に行われる市民祭、フラワーフェスティバルは平和通りを使用して行われる。 この実行は中央案実施により大きく影響を受けるので、この対案が必要になる。 

中央ルート想定図。 走行する電車は5連接低床車に見えるが・・。

広電はこの中央改定案に同時に「路面電車ルネッサンス」として下記のような意欲的計画や提案を表明した。
特に注意を引いたものを挙げると・・・

  • 路面電車から積極的にLRTへの質的転換を計り、低床車両等の新型車両を導入する
  • フリーチケット制の導入等運賃収受システムの改善
  • 電車完全優先信号の導入
  • 中心市街地のトランジットモール化等公共交通機関優先の交通体系の整備。 
    広電西広島駅は現行の宮島線から市内線へ移るとき降車ホームと乗車ホームが別々という不便を解消し、宮島・市内線乗降ホームと宮島方面乗降ホームとに分離する合理的な駅に作り替える。下図参照

ニュース:
しばらく広電案提出待ちでお休みであった広島市と市議会による「都市交通問題調査特別委員会」は、このたび上記の改定案が市に提出されたので、8月26日(水)10:00〜 広島市議会会議棟にて開催されます。
活発な論戦が予想されますが、会議の模様は直後にこのホームページに掲載します。


#37 98.7.10

広電 超低床車をシーメンスへ3編成仮発注   


 広島経済レポート7/11号によると、このたびの法改正で鉄軌道近代化設備費補助対象に超低床車(LRT)が加えられたのを受けて、選定作業を進めていたが、シーメンス社にLRT車3編成を仮発注したとの報道した。
 同紙によると、仮契約を結んだシーメンス社製のLRTは、現在運行している主力機種の3両連接に対し5両連接で、全体の車長も2.5m長く30.5mあり、ラッシュ時の収容力はアストラムライン(広島のモノレイル)並み。
 超低床構造のほか、いろいろな新システムを組み込まれているため、1編成当たりの価格は3億4000万円(現用の3950は約2億円)とかなり割高になるが、広電では当面3編成を仮発注した。 海上輸送では日時を要するため。貨物専用機よる空輸も検討している。
 同社は向こう2〜3年間に10編成以上の新型車導入を決めている。
 
   なお3/26付けでシーメンス社への発注品はコンビーノ5連接車と報じられていたが価格についての報道は初めてである。
   (コンビの5連接車のデザインその他の報道を見るにはここをクリックを