路面電車を考える会例会 講演録30

   「広島市における路面電車のLRT化を中心 
    とした公共交通体系の調査・検討・報告」
 

  国土交通省 中国運輸局 企画振興部 企画課長 春名 史久 
05.9.15
講演日時:2005年9月5日 6:30p.m.〜8:20p.m.  ・
会場:広島市市民交流プラザ

館主前言:
 国の国土交通省総合政策局交通計画課の働きかけにて、富山市・岐阜市・いなべ市・広島市・熊本市の5都市をモデル都市としてLRT化と都心活性化の方策を公共交通からの在り方を検討した結果が05/3富山市の会議で発表されました。このうち広島市関連分の検討を広島市とともに行っていた中国運輸局 春名史久氏にお願いし、調査結果について市民への報告をして頂きました。

 当ホームページでもその概要について既にニュースにて2度報道しましたが、このたび検討会の主催者より公式な報告書を頂戴し、かつ詳しくその内容を聴くことができました。

春名史久氏略歴
1974年 東京都生まれ
1998年 東京大学経済学部卒業
1998年 運輸省運輸政策局配属
2001年 内閣府国民生活局出向
2001年 〃内閣官房構造改革
        特区推進室出向
2003年 国土交通省総合政策局
2004年 中国運輸局企画振興部


春名氏講演要旨

  (挿入作図は春名氏提供 原作図は54枚もあり大量なので、本HPでは要部のみ掲載)


調査検討の主旨

  • 中国運輸局において、広島市の発案を受け、 平成16年度、路面電車に焦点を当てて、ネットワークやシステム、まちづくりの視点からLRT化を検討するため検討委員会を勉強会という位置付けのもと、設置。  本調査は、この委員会において、委員から自由な御意見を頂きながら、路面電車のLRT化等に関して、今後の都市交通政策へつながる提案を取りまとめるべく実施したもの。

検討会メンバー

  • 中国運輸局、中国経済産業局、広島市、広島商工会議所、広島LRT研究会、広島消費者協会にて構成され、広島電鉄がオブザーバーとして参加する。委員長は藤原章正広島大学大学院教授。具体的対象は路面電車のLRT化を中心とした公共交通体系の検討。

広島都市圏交通体系(広島市 新たな交通ビジョンより )

  • 方面別整備に関して
     都心部 ⇒ 『人・公共交通を優先した交通体系づくり』
     郊外部 ⇒ 『自動車と公共交通の共存による交通体系づくり』

路面電車の役割・機能の設定

  • 通勤・通学はやっぱり公共交通


  • LRTの特長と役割が明確化された

最初は9つの新規ルート案が提出され、検討をした


  • ↑交通の視点から各ルート案を評価した

  • ↑まちづくりの視点からも評価した

  • 結論として4つのルート案が残った

新規ルート4案の検討

  • 4ルートとは
    1. 平和大通り西ルート
    2. 平和大通り東ルート
    3. 駅前大橋ルート
    4. 段原ルート + 宇品東ルート

  • システム面でもいろいろ課題が発見されたが、それぞれハード・ソフトにて対応案を案出

概算事業費を検討

  • [概算事業費算定における前提]
    1. 平和大通り東ルートは「平和大通りリニューアル事業」と一体的に進めることを前提としているために軌道整備費に関連する事業費のみを計上
    2. その他の新規ルートの事業費は、軌道整備に伴い必要となる道路改良費も含む

まとめ

  • 交通の視点からは特にシステム面の施策が肝要

  • まちづくりの視点からも数々の効用が判った


    Q and A

                 関連ニュース:広島市 LRT新設・延伸案の検討委員会が発足 (04/12)
                          広島市 LRT検討委がLRT4線新設案を発表   (05/3)