#19

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     LRT」に脱皮する電車と街並み定点対比

  広電が走る街 今昔

2005.6.10
路面電車の日

長船 友則 著


路面電車の走る街に時間軸を加えた3次元にして立体視する


今ままで各都市の現行路面電車について多くの紹介本、旅行時の参考本が発行されている。そこにJTBが新発想の新シリーズ発刊を始めた。今回のシリーズは都市別の路面電車ルートに沿い、電停単位に区切って、その地域の現行の風景、見どころを紹介するよりも、その街にまつわる歴史事実を探索し、現在に至る史実と変遷を詳細に説明したものである。

読者はいま何気なく乗車している路面電車が、実は長い歴史的社会条件の中で如何に生まれ、育ち、現在に至っているかを深く理解することができる。

読後は何気なく見ている今の街の姿が、透明なプラスティックに描かれた古い歴史画を数枚重ねて、高所から眺めているような感慨に浸れるだろう。


目次
●LRTを目指して脱皮する広島の路面電車 カラー12p

●広島の乗車券類・名所案内図のあゆみ カラー6p

本文
本線
 広島駅 
 猿猴橋町
猿猴橋町停留所のページ:上は大正2年路線地図(上の太赤線は現行、下の細点線は昔の計画線であった)。 右下の写真は大正期猿猴橋、左下は昭和期に軌道併用橋として架けられた荒神橋の現在の姿。

 稲荷町
 銀山町
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 ・・・・・・
宇品線
 本通
 袋町
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 白島線 
 八丁堀〜縮景園前の旧線
 女学院前
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横川線
 寺町
 別院前
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江波線
 土橋〜江波間
皆実線
 的場町〜皆実町六丁目
宮島線
 西広島(己斐)〜草津間
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 地御前前〜広電宮島口間

付:
創立95年を歩んだ広電の軌跡
広島電鉄現有車両解説
現有車両諸元一覧表
広島電鉄 電車年表
広島電鉄 電車車両の変遷と系譜
広島電鉄 駅・停留所の変遷

●コラム:
 ここまで進んだ運行管理システム 
 広島電気軌道より昔 宇品で走った「軽便汽車」 
 広電家政女学校―埋もれていた悲劇 
 今でも元気に働いている 他都市からの助っ人たち 
 マッカーサー道路の謎と広電優待乗車券 

●著者:長船友則
●サイズとページ数:A5版 160p
●発行所:東京都新宿区払方町25-5 JTBバブリッシング
●定価:本体1800円

   参考:同社より同一シリーズとして下記が出版された
       長崎「電車」が走る街 今昔 ―海と坂の街定点対比―
       熊本市電が走る街  今昔  ―城下町の路面電車定点対比―

館主感想:
 広島市に生まれ育ち、少年時代から路面電車を生活の一部として生きてきてきたので、広島市の路面電車のあらかたは承知しているつもりだった。このたび畏友で鉄道史研究家長船氏の著した本書を一読し、当市の路面電車について歴史的事実の知識は大きく欠けていることを思い知った。逆にそのぶん、たいへん興味深く読むことになり史的背景と新知識を多く得ることができた。多くの市民にとっても市の歴史書となり興味深い読み物となろう。


#18

18

bunken18

    日本全国 路面電車の旅
  

2005.5.19

小川裕夫 編著


各都市路面電車の搭乗・散策ルポルタージュ


 ルポライター3氏が手分けして路面電車を運営する主な都市を訪問し、それぞれ路面電車に搭乗しては特色のある電停には降りて付近のスポットを尋ね歩き、探索、発見、体験、理解したことを克明に記録したルポルタージュ。また記述には各地の路面電車愛好者、商店主、電鉄会社社員といった関係者との生々しい対話をそのまま実名入りにて記載してあることも特色と言えよう。本書は本来は各都市路面電車の乗車案内であるけど、この仕組みにより読者はライターと一緒に電車に搭乗し、訪問、会話、取材するといった疑似体験をしているといった気分になろう。

(余談)館主も広電編内にて被爆者であることと、このホームページの作者であることをちょっと紹介されています。


目次
カラー口絵 6p
目次

本文

Part1 北海道の路面電車
 第1章 北海道遺産にも選定――札幌市電 
 第2章 五稜郭と函舘山をつなぐ――函舘市電

Part2 関東の路面電車 
 第3章 首都・東京に最後まで残った都電――都電荒川線
      ◆都電とともに、東京の都市交通を担う、東京急行電鉄世田谷線
 第4章 名所・観光スポットが盛りだくさん――江ノ島電鉄

Part3 中部の路面電車
 第5章 高岡に息づく古代の薫り――万葉線
 第6章 自動車王国を走り続ける路面電車――豊橋鉄道東田本線
      ◆ちょっと地味だけど通好みの路面電車 福井鉄道

Part4関西・中国の路面電車
 第7章 チャレンジ精神がいっぱい――岡山電気軌道
      ◆いにしえの京都を快走する路面電車 京福電気鉄道
 第8章 日本最大の路線数・車両数を誇る――広島電鉄
      ◆LRTの先駆? 大津線は地下を走る!京阪電気鉄道大津線
      ◆浪速っ子だって、路面電車が大好き! 阪堺電気軌道

Part5 四国の路面電車
 第9章 坊っちゃんも愛した路面電車――伊予鉄道市内線
 第10章 世界の路面電車が勢揃い――土佐電気鉄道
Part9 九州の路面電車
 第11章 坂道をことこと走る路面電車――長崎電気軌道
 第12章 路面電車近代化の先駆け――熊本市電
 第13章 桜島を眺めながら走る最南端の路面電車――鹿児島市電


あとがき


●編集者:小川裕夫 共著者:城戸久枝、和気淳
●サイズとページ数:新書版 237p
●発行所:東京都文京区白山2−29−4 (株)平凡社
●定価:本体840円


#17

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    LRTで札幌がかわる
   〜さっぽろLRT10km構想〜

2005.1.28

LRTさっぽろ 編


LRTルート増設市民提案の模範的提案書


 LRTさっぽろの代表吉岡宏高氏は1990年代より札幌市の路面電車を中心にした都市政策策定提案組織をつくり活発に活動している。その成果として1999年9月にはこの参考文献でも採り上げた「LRTが走る2015年の札幌」を制作提案、2001年「ひと中心の都心」を採り上げ提案、続いて本作「LRTで札幌がかわる〜さっぽろLRT10km構想〜」の上梓と提案というふうに活動が継続されている。
 内容は既設の札幌市営路面電車を2008年にはすすきの〜札幌駅間1.5kmを延長して市民にLRTの効果を実証しよう。引き続き2015年には都心を更に10km延長し全20.0kmとすれば、LRTの使用にて都心内の移動が担保され札幌のまちづくりに貢献し、市民にLRTの成果が認識されるはずと説く。

 本書は書物というよりイラストを全面に使用した冊子なので、読者は長い論説を読むことなく直感的に論旨を理解できるであろう。 体験よりすれば、20頁200円の小冊子にてこれほど効果的な提言書は作成できないであろう。脱帽。


本冊子の内容:
●まちづくりと交通の関係
  • どうする市電? …物理的にも経済的にも限界に
現在の損益構造では単なる人件費の低減や費用削減では問題を将来に先送りするだけ。需要拡大策こそ必要である。積極手打開策を提言したい。
  • ヒントはLRTに…懐かしのチンチン電車から都市の装置へ
  • 都心まちづくりに役立つ公共交通を
●計画条件
  • 10km案の位置づけ
今の8.5kmを延長して20kmにする計画路線図。
および駅前通り断面図例
  • 計画条件
  • 札幌市案との比較
●LRTで暮らしがかわる
  • 例えば…計画が実現するとこんな暮らしが待っています
●そのために必要なパッケージプログラム
  • LRTの導入効果を高めるためには、札幌市、沿道事業者の協力により、いくつかのプログラムを実行していくことが重要です
●LRTで都心がかわる
  • 「疲労を感じずに移動できる範囲」を比較する
  • LRTの延伸で、都心を3倍広く・便利に使えるようになる!
●事業フレーム
  • 事業の枠組み
  • 採算計算の結果
●札幌市案との効果比較
  • 現状のまま更新する
  • LRT化して駅前まで延伸する
●なぜ?にお答えします
●2008年度開業に向けた次の一手

      
参考文献1:#5「LRTが走る2015年の札幌」

◎本書の入手方法:
  → ホームページ「LRTさっぽろ」に直接お申し込み下さい 
     1部 送料込み300円(定価200円+送料・税100円)