05.3.15

 近年はスローライフが叫ばれる故か普通の人が鉄道に関心をもつようになった。このご時世を捉えマニア以外の普通の人に鉄道に関する興味をもっと深めていただけるように、「日本一・日本初・日本唯一」をキーワードにエピソードを集めて編集された。そのためこの文庫本はウンチク本ではなく気軽な読み物を指向している。
 エピソードは128編載っているが、やはりJR、新幹線、私鉄鉄道、地下鉄等々重量系の記事が多く路面電車関連は3編しかない。しかし我々は本来は鉄道ファンだから、そういったことには気にしないで読み進めれば楽しいはず。

       

@全国で最もお値打ちな運賃は100円均一
乗れば思わず微笑ましくなる長崎電軌

市電100円均一という運賃が特別安い価格であることはわれわれ路面電車ファンにはよく知られていること。しかしこうして全国のあらゆる鉄道情報を比較してみて、最低額と確認され、報道されることは改めて偉大なこと。今年長崎にはLRV新車も入り運用を始めた。長崎電軌の経営努力に頭を下げたい。

AJR線が路面電車に改造される!?
臨港鉄道から始まった富山ライトレール

早速富山市のJR富山港線が路面電車化することを採り上げている。本文では臨港鉄道線として建設され次いで国鉄に買収された歴史の要約と、このたび富山ライトレールに譲渡され再生されるいきさつを判りやすく説明している。

B路面電車から始まった日本の電車
中央線なども最初は小型のままだった!?

1980(明治23)年5月に上野公園で開催された内国勧業博覧会において、日本で始めて電車が運転された。この博覧会がきっかけで1895年に京都市電の前身の京都電気鉄道が営業運転を始めた。その後の大発展は知られる通りであるが、電車創始期のエピソードがいろいろ記されている。

●出版社:PHP研究所
        東京都千代田区三番町3-10
●文庫名:PHP文庫
●発 行:2004年11月19日
●値 段:552円(税別)




04.10.17

日経新聞土用付け朝刊にて連載している「NIKKEIプラス1」で掲載している「なんでもランキング」はあらゆる分野の物やサービスに順位を付けてみる興味深い記事である。これはそれを纏めて一本にし発表したものである。
ランキングというと凡人の普通の連想はグルメとか化粧品とかの売れ行き順位を連想してしまうが、この書物では違う。「食べ物」「旅」「専門家が教えるほんもの」「文化教養」「暮らしに役立つ」という風に生活の全方位に範囲を拡げており、一読すれば上位ランクの疑似体験および知識習得という両者を会得できる奇特な読み物であり興味深い。
(^_^)

       


専門家お薦めの路面電車 (要点のみ抜粋)


 1

広島電鉄   (1日乗車券600円)
Green Mover は広島駅〜広電宮島口を中心に走る。
ポイント
 650

 2

伊予鉄道松山市内線   (一日乗車券300円)
坊ちゃん列車は料金300円で予約なし。道後温泉駅は明治時代風。

 570

 3

長崎電軌軌道  (1日乗車券500円)
仙台市電や1911年製の木造電車も現役として活躍。

 510

 4

熊本市交通局 (一日乗車券500円)
熊本城、水前寺公園など観光地を回る。車掌に女性を活用。

 340

 5

京福電気軌道  (1日乗車券650円)
嵐電(らんでん)の愛称で呼ばれ、古都に電車がマッチ。

 280

 6

江ノ島電鉄  (1日乗車券580円)
海の眺めが素晴らしい。青や緑のレトロ車両ものんびり走る。

 280

 7

岡山電軌軌道  (1日乗車券500円)
MOMOを使った車内コンサートを開催。一部電停には運行情報板あり。

 240

 8

土佐電気軌道  (1日乗車券800円)
カラオケなどを備えた貸切車両を夏場限定で運行。

 220

 9

函館市交通局  (1日乗車券600円)
毎年4〜10月には1910年製の「函舘ハイカラ号」を運行。

 200

10

東京都交通局  (1日乗車券400円)
4区を走る都民の足。全部の電停にスロープと点字ブロックを設置。

 190

●調査の方法
国内を走る21の路面電車を対象に、専門家17人(出版・評論家3名、評論家・学識経験者5名、愛好家・市民団体9人)によって「A.特にお薦め」「B.まずまずお薦め」「C.お薦め」の路線を計10路線選定。
配点はA50点、B20点、C10として集計。
選者によると「2番目以下の顔ぶれの方が味わいがある」そうである。

   皆さんも自分で評価してみてください。(^_^)

●出版社:日本経済新聞社
        東京都千代田区大手町1-9-5
●文庫名:日経ビジネス人文庫
●発 行:2004年8月1日
●値 段:700円