(1995年10月現在 1997年3月改訂)
発表:1995年10月12日第2回路面電車in 広島サミットにて
   

主  文  :世話人 栗田康雄

付属資料  :会 員 長船友則
収  録  :事務局 山根政則


目 次(収録内容)

  • 主文
  • 資料 1 LRTとは
    〃  2 日本路面電車一覧表    1996年3月31日現在
    〃  3 路面電車の利用および損益の状況 (現19事業者)
    〃  4 路面電車運賃の概要
    〃  5 海外の超低床車の実例 (源資料は図面につき掲載省略)
    〃  6 旅客の輸送機関別輸送量 (1996年、平成8年)
    〃  7 日本の路面電車の推移
    〃  8 路面電車の増備状況
    〃  9 世界の路面電車・ライトレールの新規開業都市数


主 文

 1995年10月広島市で「路面電車サミット'95」が開かました。 それを機に路面電車を考える会(広島)が「路面電車白書」を作成し,出席者や関係官公庁、新聞社、出版社に供したものです。
ホームページを開き、掲載するにあたって、一部を手直しし、資料の追加を行なったものです。

  1995年(平成7年)という年は、京都に路面電車が開業してちょうど100年目の記念すべき年に当たりました。 また、10月14日は鉄道の日にもなります。
 そこでその年10月12、13日の両日、広島市中区の中国電力本社ビルの会議場で「路面電車サミット'95」が開かれました。 実はその2年前の7月末になりますがサミットが初めて札幌市で開かれたのに続いて、2回目の“路面電車起こし”です。 3回目のサミットは今年5月に岡山市で開催されます。 路面電車と都市の未来を考える会(岡山)が主催しますが、準備は着々と進んでいるようです。 どうやらわれわれの路面電車の復活に掛けた意気込みも、日本全体の盛り上がりにつながり、明るい方へ、建設的な方向へと力強く進行しているようで嬉しいことです。


 路面電車はかって、都市の公共交通機関として市民に親しまれ、大きな役割を果たしてきましたが、いまやその使命は終わったと考える人が少なくないようです。しかしそれは、欧米の動向を見る限り、間違いといえます。欧米ではここ10数年来、路面電車は低床式の斬新なLRT(一般に軽快電車と訳されている)の登場で、欧米諸国を中心に新設と復活が相次ぎ、21世紀の乗り物、とさえいわれています。

 この結果、世界の路面電車は1994(平成6)年までの10年間に36の都市で、復活または新規開業しています。米ライト・レール・レビュー誌によると、1995(平成7)年現在、世界の356都市で営業しており、建設中が4、計画中の都市が70都市となっています。LRTのメッカともいうべきドイツでは57都市で動いており、5都市で計画中です。
 一方日本では、経済の高度成長と共にマイカーが急速に普及した影響などにより、路面電車の全廃、路面の縮小が相次ぎ、事業者数は昭和30年代初めに比べると半減し、昭和53年以降19事業者となり、現在に及んでいます。(路面電車の数え方によっては最大23となる。19は全国路面軌道連絡協議会加盟の事業者数)
 いまなお路線廃止、輸送人員減といった縮小の傾向は完全に止まっていないものの、都市によっては歯止めがかかったり、増加傾向を辿っている例もあります。日本でも、自動車依存による交通渋滞は深刻であり、同時に省エネや環境問題に対する取り組みが大きな課題とされています。市民の足として便利で、かつ安く、人に優しく乗りやすい路面電車はもっと見直されるべきであり、元気づくべきだ、と考えます。


1.日本の路面電車の現況


 平成6年度の19事業者(うち地方自治体交通局5)の現況をみると、営業キロ数は262.5キロで旅客数は2億3400万人(うち定期7600万人)である。約20年前の昭和50年度に比べ旅客数は54.0%、定期旅客は37.6%である。週休2日制や学校の土曜休日が増え、定期旅客の減少が目立つ。営業損益でみた赤字額は51億3200万円と、前年度(46億1600万円)より増大しており、全体としては依然として厳しい状況が続いている。しかし、なかには黒字を計上し、引き続き安定した収益を確保している事業者も6事業者(前年度8事業者)あり、事業者間での格差がみられる。全体の赤字額の大半は、鉄道主体の大手の巨額の赤字によるところが大きい。


2.総じて安い運賃


 平成7年は地下鉄、大手私鉄、バスなどが2年ローテーション値上げの年となったが、市民の足である路面電車の運賃は総じて安定し、他の交通機関に比べて割安である。事業体の懸命な努力に加え、事業体の多くはバスに比べて料金を抑制し、乗客の路面電車離れを防ぎたいという経営者の考え方にもよる、と見られる。全国で最も安い長崎電軌は昭和59年6月以来11年を超える年月にわたって均一100円制を貫き、消費税導入の際も値上げはしなかった。コイン一枚で乗れる手軽さを、できるだけ守りたい方針だという。もちろん公共的な交通機関の中では日本一安い運賃である。これに次ぐのは広島電鉄の市内線均一130円。同社のバスは区間制で最低170円であり、経営面ではバスとの運賃格差が開くのはつらいと嘆いているほどだ。平成6年度決算の収支ではバスの赤字のほとんどを電車の黒字(鉄軌道事業8億1713万円)で埋める形となっている。均一140円の岡山電気軌道、2キロまで130円の熊本市交通局なども他の交通機関に比べて割安である。
 運賃に関連した新しい動きとして、函館市交通局が運賃改訂を機に平成4年10月1日からプリペイドカードを導入したのを始めとして、以後各事業者でプリペイドカードの導入が相次ぎ、現在、富山地鉄、東京都、岡山電気軌道、伊予鉄、札幌市が導入し、さらにバスとの共通化も進んでいる。平成9年4月からは広島電鉄もプリペードカードを導入し、すでに実施している新交通システムとバス6社のプリペイドカードに相乗りする形で共通プリペイドカードへの切り替えを果たしたい方針である。また熊本市においても導入を予定している。プリペイドカードは乗客にとっは、小銭を用意する煩わしさがなく便利なだけでなく、事業者にとっても乗継割引がしやすく、精算業務の簡素化も期待される。


3.近代化の動き

イ.日本にも低床車の動き


 全体として利用客の減少傾向が止まらない厳しさのなかで、近代化への動きが始まりつつある。ヨーロッパでは、車両近代化の象徴としてドイツを中心に技術を競い、100%低床車が常識になりつつあり、床面高さは35cm(出入口で30cm)前後、ウィーンではなんと19.7cm(出入口では15.2cm)の世界一を誇る超低床車が試運転中である。(日本では、例えば広島電鉄の場合、床面高さは78cm(出入口で38cm)で、市内線の停留所の高さが25cmある。
 欧州では低いホームからもほとんど段差を意識せずに乗れる電車が主流である。いまや高齢者も車椅子もベビーカーも自由に乗れる、まさにすべての人に優しい電車の時代となろうとしている。(この背景には車軸をなくして、独立車輪にするなど技術上の大きな進歩がある)


      1995年4月開業 フランス シュトラスブール市 LRT (株)新潟鉄工 大野眞一


 この低床車を日本で初めて、熊本市交通局が導入決定し平成9年5月には試運転を、9月に営業運行開始という計画で進めている。日本にはこの技術はないので、欧州で最も普及しているドイツのAEGから台車を輸入し、2両連接の車体は国産により生産することとし、新潟鐵工所にて建造したものである。2億円余とかなり割高な電車になる由であるが、日本で第一号の低床車が、LRTへの道を切り開くことが期待される。

ロ.新線計画への期待


 かたや、路面電車にも、ようやく新線計画が論議されるようになった。長崎市は建設省の補助も得て、公共交通網再編計画の策定を進めているが、そのなかで長崎軌道の1号系統7.3kmを、さらに赤迫から滑石地区まで3.2km延長する計画が検討されている。滑石地区は市内最大のベッドタウンのひとつで、延長問題は20数年来の懸案であった。道路拡幅その他の課題もあるが、黒字経営が難しい新交通システムとは違った形で公共交通網の再編が考えられていることは、大いに注目される。
 一方、岡山市では、岡山商工会議所は平成6年にまとめた都市活性化構想のなかで、L字型の路線2.3kmを新設、岡山駅を起点に市中心部を環状化するプロジェクトを発表した。岡山電気軌道は採算がとれない、と慎重だが、地元経済界は意欲的のようだ。このほか、4年前になるが、関西経済同友会都市問題委員会が車優先の社会から人尊重の都市に転換するため、都市内交通体系を捉え直し、京都市の市街周遊路線案を提案した。また、函館市では昨年、JR函館駅周辺の再開発に関連して、駅前停留所を約100メートル動かし、一帯をトランジットモールにする構想が提案された。しかし朝市関係業者等が車が締め出されることを懸念していることから、今後の検討課題となっている。

ハ.安く建設できる路面電車


 路面電車の路線延長は、長崎電気軌道の大まかな試算では、キロ当たりの建設費と車両で約30億円かかると見られており、仮に建設費だけで見ると地下鉄に比べて10分の1(川の多い広島ではキロ500億円ともいわれている)、新交通システムに比べて3分の1以下(広島のアストラムラインの例)ですむ。欧米のLRTは専用軌道も少なくなく、高架や浅い地下・路下を走る例も珍しくないので、建設費はより高くつくだろうが、それでも地下鉄や道路の上を高架で走る新交通システムなどに比べると格段に安くつくはずである。LRTは輸送力からいっても新交通システムに匹敵し、1時間当たり15.000人〜20.000人を運べる中量輸送機関である。しかし、日本では路面電車の路線延長ひとつとっても、地元自治体が都市計画の一貫として強力に推進するのでない限り、望めないといってよい。国や都道府県が3分の2弱を助成する制度は、地下鉄や新交通システムにしかないという制度が障害であった。平成8年に発表された建設省の路面電車事業への助成は画期的な政策変更というべきである。黒字経営を含めて全国19事業者すべて、自力で本格的な投資をできる事業者はいない。地下鉄や新交通システム に匹敵する国の助成制度がますます整えられるべきであろう。


4.楽しい乗り物…路面電車

イ.世界の路面電車が走る


 広島や長崎をはじめ各地の路面電車では、廃止となった事業者の中古電車が元気に走り、観光客や旅行者のノスタルジアをかきたてていることはいうまでもないだろう。なかには珍しい海外の中古電車が動いている都市もある。とりわけ力を入れているのは高知市の土佐電鉄である。同社は1994年4月、平成5年度の国際交通安全学会賞を受けたが、その理由は「世界の電車が走る街−地方都市の活性化と国際親善−」だった。現在、ドイツ、ポルトガル、ノルウェー、オーストリアの電車が走っており、さらにチェコとイタリアの市電も準備中という。土佐電の経営は厳しいが、地域の活性化に貢献している。日本の法基準に適合させる改造技術も立派である。

ロ.張り切る愛好団体


 同様に経営の厳しい函館市交通局には二つの愛好、応援市民グループがある。そのひとつ「北海道夢れいる倶楽部」(平成7年8月から函館都電倶楽部を改称)は、運動のひとつとして市電の代表車両である500型電車の補修と塗り替えの助成活動をしている。オーナー制度による電車の系統・行先板を市交通局へ提供するなどの事業もしている。また、もうひとつの「チンチン電車を走らせよう会」は、かつての女性運転手らを中心に結成され、古い39号系電車の復元にあたっては、その費用の一部に同会からの寄付金が当てられた。土佐電が復元したチンチン電車“維新号”も、「土佐電鉄の電車を愛する会」など高知県民、市民の募金を仰いでつくられた。
 ちなみに、現在、全国で9つの愛好・同好団体を確認しているが、そのなかで比較的新しい会は、富山県高岡市の加越能鉄道の万葉線活性化のため結成された万葉線対策協議会の一環として、’95年夏つくられた「万葉線を愛する会」である。もっとも新しい団体は’95年広島サミット時に結成された岡山市の「路面電車と都市の未来を考える会」である。

ハ.イベントは多彩


 親しみやすい路面電車を活用したイベント電車は多彩だが、そのうちの二三を紹介したい。鹿児島市交通局は毎年6〜8月「走るビヤホール薩幌館」の名でビール電車を営業。(他に富山地方鉄道や長崎電気軌道も走らせている)カラオケ電車は、年間300件も貸切電車が走る大阪市の阪堺電気軌道のほか土佐電、鹿児島市営など。コンサート電車は、岡山電気軌道がまちかどコンサートとして先年9月に2回目を開催。岡山は風鈴電車、ギャラリー電車、クリスマス電車(ツリーを飾る)などイベント電車に力を入れている。古い電車の復元は函館市、土佐電鉄以外にも広島電鉄の大正電車、京都市の京福電鉄の建都1200年を記念したレトロ調電車2両など事業体の多くが持っている。豊橋鉄道がある愛知県豊橋市には、活発な活動で知られる「とよはし市電を愛する会」があるが、ここでは4月10日を市電の日と定めて、コーラス電車を走らせ、新しくつくった市電唱歌も合唱するなど楽しい行事としている。
 なお、あらゆる面で女性の活躍が目立つ時代、戦時中にあった女性運転手が再登場している。岡山電気軌道には現在4人の女性運転手がいて、小田急電鉄とともにもっとも数が多い事業体のようだ。熊本市交通局にも一人いる。さらに東京都、鹿児島市が各1名教育中である。


5.地下鉄、新交通なみの助成に燭光が


 地下鉄や新交通システムには、国と都道府県から建設費のほぼ3分の2の補助があるのに対し、普通は路上の軌道を走る路面電車については、建設費の助成はなかった。 主な補助金は、鉄道軌道欠損補助金(土佐電に出ているが打ち切られようとしている)、鉄道軌道近代化設備整備費補助金(新型電車導入の広島電鉄など)が中心である。鹿児島市は、平成3年度までの5年計画でセンターポール(軌道間の中央分離帯の電車架線用支柱)化を完成したが、他にも部分的にはあるものの、センターポール100%というのは鹿児島市だけである。道路整備が進み、電車が市交通局の事業で、都市景観事業の一環として踏み切ったから実現した。
 このように路面電車に対しての建設費の補助は差別が大きかったのだが1996年(平成8年)に至り建設省が従来の路面電車に関しての補助政策思想を大転換して本年度(1997年)から建設補助金を新たに出す方針、との報が伝わっている。

イ.建設省の都市交通改善への取組み


 建設省は平成7年度より都心交通改善事業に路面電車関連の停留所の上屋根設置や歩道との段差解消などなど助成を始めており、この助成が大いに進むことを期待したい。 事業体関係者の話では、建設省は欧米のように部分的な高架や地下、路下化事業などについても具体的な措置として考えているとのことだ。 助成は国、自治体、事業者がそれぞれ3分の1ずつ負担する仕組みであり、路面電車関係事業として、さらに本格化して欲しいものである。 そのためには、しっかりとした都市計画の中で道路・交通計画が打ち立てられる必要がある。その場合、電車が公営事業の場合は自治体内部のことなので都市交通での位置づけや具体的な計画をつくりやすいが、民間事業者の場合は利害がもろにからんで難しい。そういう意味で、公私を問わず路面電車事業体がある全国の都市がつくる路面公共交通研究会(16都市加入、うち公営は4都市)に協力し、路面電車に対する暖かい交通行政になることを望みたい。

ロ.路面電車優遇の行政を


 これまでの路面電車の生き残りのカギのひとつが、軌道敷内の車両通行禁止などの電車優遇行政であることは広く知られている。行政がらみではさらに、各事業体が力を入れている全面広告電車に対する自治体の景観、広告条例の規制がある。自治体によってかなり幅があり、都市の美観と生き残りとの接点をどこに求めるか、といった問題もある。加えて運輸省や建設省などの規制緩和の問題もある。JRや私鉄などの関連では経済界も声高に規制緩和を叫んでいるが、業界として小さい路面電車の場合は、規制緩和の具体的要望などを聞くことも少なく、乗客の立場からみると不都合な点は少なくない。 最後に、今年開かれるサミットにおいてもこうした幅広い路面電車振興策も取り上げることを望んでおきたい。




 


資料 1

                                         

LRTとは

 新しい欧米の路面電車、LRT(Light Rail Transitの略称で、我が国では一般に「軽快電車」と訳されている)は、鉄レールと鉄車輪による従来の鉄道システムを基本とするが、これまでの他の都市交通機関に対して次のような特徴を持っている。

 (1)路面も走行するが、地域の特性に応じて地上専用路、地下、高架などの専用軌道を高速で運転でき、定時制と時間短縮を計ることが出来る。

(2)車両は、一般に連接車が使われ、必要に応じて連接車を連接運転することにより、輸送需要に対応した自由な車両編成ができ、1時間当たり、2,000人〜15,000人の旅客需要が可能で、鉄道とバスの中間に位置する中量輸送システムとして位置付けることができる。

(3)路面から直接乗り降りできるだけでなく、一般に低床車(床面の高さは軌道上30cm前後でステップレス)が使われることが多く、段差をなくすることができるため、乳母車、車椅子でもスムースに乗り降りができ、高齢者等人に優しい時代の乗り物ということができる。

(4)電気を動力とする鉄道車両であるため省エネでかつクリーンであり、地球に優しいだけでなく、鉄車輪のタイヤ部にゴム層を入れた弾性車輪のため、低騒音、低振動で快適な乗り心地を提供できるうえ、周辺環境にも優しい乗り物といえる。

(5)必要とする空間は複線の幅5.5mで、道路空間でいえば約1.5車線分にすぎないうえ、建設コストは他の交通システムの数分の1に軽減できる。

(6)さまざまな走行路を走るので、電車の運行管理を「電車ロケーションシステム」という運行管理システムで行い、特に路面走行区間では、交通信号と電車優先信号および電車ロケーションシステムを組み合わせ、事故防止、定時運行確保、表定速度の向上をはかることができる。

(7)以上のように、LRTは人口20万から50万人程度の地方中核都市から大都市に至るまでの都市交通機関として優れており、欧米諸国をはじめとする各国の主要都市において相次いで導入され、新規開業、または路面電車の復活を見ているのが現状である。



資料 2

日本の路面電車一覧

1996年/平成8年3月31日現在
. 事業者名 路線名 営業キロ 車両数
 1. 札幌交通局    一条・鼻花軌道線     8.5km  34両
 2. 函館市交通局 .  10.9 35
 3. 東京都交通局 三の輪・早稲田軌道線 12.2 45
 4. 豊橋鉄道(株) 豊橋市内軌道線  5.3 15
 5. 名古屋鉄道 岐阜市内、美濃町軌道線   29.9 42
 6. 富山地方鉄道(株)   富山市内軌道線  6.4 17
 7. 加越能鉄道(株) 万葉線 12.8 11
 8. 福井鉄道(株) 福武線 21.4 27
 9.  京阪電気鉄道(株) 大津軌道線 25.2 60
10. 京福電気鉄道(株)  嵐山線 11.0 28
11. 阪堺電気鉄道(株) . 18.7 52
12. 岡山電気軌道(株) .   4.7 21
13. 広島電鉄(株) 広島市内軌道線 18.8 198
14. 伊予鉄道(株) 松山市内軌道線  9.6 36
15. 土佐電気鉄道(株) . 25.3 70
16. 西日本鉄道(株) 北九州線   5.1 19
17. 長崎電気鉄道(株) . 11.5 70
18. 熊本市交通局 . 12.1 49
19. 鹿児島市交通局 . 13.1 49
. 合  計 . 262.5 878
 1.全国路面軌道連絡協議会加盟の19事業者を掲げた。
 2.営業キロは運輸省鉄道局監修「鉄道統計年報」による
 3.広島電鉄は市内軌道のほか宮島線(鉄道線)16.1kmがあり、市内から直通運転を行っている。
 4.車両数は1995年/平成7年3月31日による



資料 3

路面電車の利用および損益の状況(現19事業者)

年度別. 営業キロ.    旅  客  数       旅  客  人 キロ   損 益 状 況       黒字赤字
定期 定期外 定期 定期外 営業収入 営業費 営業損益 .
西暦/昭平 (キロ) 百万人 百万人 百万人 百万人キロ 百万人キロ 百万人キロ 百万円 百万円 百万円 .
65/昭40 588,0 565 572 1,137 2,263 2,092 4,355 16,946 20,502 △3,556  8: 10
70/ 45 417,1 330 350 680 1,317 1,263 2,580 15,467 21,807 △6,340  3: 15
75/ 50 334,5 202 231 433  684  888 1,572 20,657 27,080 △6,423  5: 13
80/ 55 322,1 136 194 330  539  625 1,164 26,902 31,755 △4,873  5: 14
85/ 60 284,3 108 167 275  427  533  960 30,590 34,593 △4,063  6: 13
89/平1 280,4 89 159 248  359  495  854 29,015 33,008 △3,993  7: 12
92/ 4 266,1 84 161 245  326  488  814 30,541 34,541 △3,895  7: 12
93/ 5 262,5 79 159 238  301  484  785 29,481 34,097 △4,616  8: 11
94/ 6 262,5 76 157 233  288  477  765 29,144 34,615 △5,471  6: 13
1.本表は全国路面軌道協議会加盟の19事業者について集計した。 
2.本表のもとの数値は運輸省鉄道局監修「鉄道統計年報」による
3.昭和40、45、50年度の損益状況には京阪電気鉄道の数値は含んでいない。
4.営業損益の数値は、黒字事業者赤字事業者の数を示す。

資料 4

路面電車運賃の概要

事業者名. 運賃制度. 実施年月日
西暦/平成
初乗運賃. 定期割引率(1ヶ月)    備   考.
 通勤  通学
札幌市交通局 均一制 92/4.4.1 均一 170円 28.0% 50.0% 早朝(7時まで乗車)割引150円
函館市交通局 対キロ区間制 94/6.12.10 2kmまで200円 28.0 40.0 改定時バスとの乗継割引制度導入
東京都交通局 均一制 95/7.3.1 均一 160円 25.0 40.0 他に中学生用は45%
豊橋鉄道(株) 均一制 89/元.4.1 均一 150円 32.7 51.9 .
名古屋鉄道(株) 均一制 95/7.9.1 均一 170円 . . .
富山地方鉄道(株) 均一制 93/5.10.1 均一 170円 30.0 40.0 .
加越能鉄道(株) 区間制 94/6.4.1 1区 190円 平均41.9 平均57.3 .
福井鉄道(株) 均一制 95/7.12.1 均一 180円 35.0 45.0 .
京阪電気鉄道(株) 対キロ区間制 95/7.9.1 160円 . . .
京福電気鉄道(株) 区間制 90/2.12.20 1区 160円 平均41.2 平均58.2 .
阪堺電気軌道(株) 均一制 95/7.3.1 *  200円 平均37.5 平均70.4 *大阪市内、堺市内乗り切り200円
岡山電気鉄道(株) 均一制 89/元.10.1 均一 140円 30.0 50.0 .
広島電鉄(株) 均一制 89/元.12.9 均一 130円 33.0 50.0 .
伊予鉄道(株) 均一制 94/6.2.1 均一 170円 34.0 52.0 .
土佐電気鉄道(株) 均一制 93/5.1.8 均一 180円 平均36.9 平均60.1 .
区間制 〃/〃 1区 100円 . . .
西日本鉄道(株) 区間制 91/3.12.1 1区 160円 平均25.4 平均52.9 平成6.3.1筑鉄との連絡運賃のみ改訂
長崎電気鉄道(株) 均一制 84/59.6.1 均一 100円 30.0 40.0 .
熊本市交通局 対キロ区間制 92/4.10.1 2kmまで130円 30.0 50.0 .
鹿児島市交通局 均一制 90/2.6.1 均一 160円 30.0 50.0 .
注.本表は運輸省鉄道局監修「数字で見る鉄道'96」により作成しその後、判明した運賃改訂等は修正した

資料 5

海外の超低床車の具体例

1.スイス チューリッヒ市のLRT”コブラ”

2.オーストリア ウイーンの超低床車 床面高さ 19.7cm

上記車両のデザインはボルボ社が担当

資料 6

旅客の輸送機関別輸送量(1996年、平成8年)  

輸送機関. 輸送人キロ
(単位百万人キロ)
75/昭和50年を
100とする指数
ウエイト.
自動車  896,751 248.5  65.9
鉄 道  396,406 122.4  29.2
(うちJR) (244,378) 113.5 (18.0)
(路面電車)    (784) 42.3 (0.06)
旅客船    5,946 86.2   0.4
航 空   61,289 320.1   4.5
合 計 1,360,392 191.4 100.0
注 本表の数字は「数字で見る鉄道'96」および「鉄道統計年報」によった

資料 7

日本の路面電車の推移

年度
西暦/昭平
事業者数. 営業キロ
 (km)
輸送人員
(百万人)
輸送人キロ
(百万人キロ)
58/昭和33   39 1,246.7 . .
70/昭45   29  661.5  1,086   3,911
71/ 46   29   577.7     879 .
72/ 47   25  476.3   718 .
73/ 48   24  449.0   658   2,396
74/ 49   23  420.8   603   2,122
75/ 50    21  397.6   546   1,853
76/ 51   20  352.9   458   1,566
77/ 52   20  343.4   429   1,436
78/ 53   19  308.0   399   1,420
79/ 54   19  307.9   376   1,281
80/ 55   19  297.1   340   1,158
81/ 56   19  297.1   339   1,148
82/ 57   19  297.7   325   1.101
83/ 58   19  297.6   314   1,061
84/ 59   19  296.2   302   1,022
85/ 60   19  268.0   288    965
86/ 61   19   268.0   274    904
87/ 62   19  268.0   270    896
88/ 63   19  264.1   267    881
89/平成1   19  264.1   263    871
90/  2   19  259.5   274    896
91/  3   19  264.1   268    876
92/  4   19  249.8   260    835
93/  5   19  246.2   253    804
94/   6   19  246.2   248    784
(注1)本表の数字は1958/昭33は高松吉太郎著「日本の路面電車」(昭和33)、昭60までは「数字でみる民族 '76〜87」、1994/平6までは「鉄道統計年報」による。
(注2)資料3では1965/昭和40年の事業者数は19社、路線距離588.0kmとなっており本表(資料7)と食い違っておる。 理由は資料3の数値は1995/平成7年の路面電車サミット実行時に活動していた社のみ集め得た統計数値に基ずくことによる食い違いである。

資料 8

路面電車の増備状況(現19事業体)

(単位 両)
  年 中 古 車 更 新 等  新 車 合  計
66/昭和41 20 18(4) 13 51( 4)
67/ 42 28 4(4) 12 44( 4)
68/ 43    46  4 12 62
69/ 44 30  - - 30
70/ 45 10  - 9 19
71/ 46 46  - 2 48
72/ 47  2  - -  2
73/ 48  5  - -  5
74/ 49  2  - -  2
75/ 50  -  6 -  6
76/ 51 20( 4) - - 20( 4)
77/ 52  5 25 - 30
78/ 53 17( 4)  - - 17( 4)
79/ 54 11 10( 6) - 21( 6)
80/ 55  2  8( 6) 15(13) 25(19)
81/ 56  - 11(9)  2 13(9)
82/ 57  6(6) 10(3)  6 22( 9)
83/ 58   -  2  5  7
84/ 59  -  5 12(3) 17(3)
85/ 60  -  11(3) 10(3) 21(6)
86/ 61  - 13(6)  8(3) 21(9)
87/ 62  -  4 21(19) 32(19)
88/ 63  -  2 20(10) 22(10)
89/平成1  -  1 16(12) 17(12)
90/ 2 2(2)  4 12(6) 18(8)
91/ 3  1  - 10(3) 11(3)
92/ 4  2  6  24(6) 32(6)
93/ 5  -  6 16 22
94/ 6  -  2  4  6
95/ 7  -  2  -  2
 合 計 255(16) 154(41) 236(78) 645(135)


注 1.( )内書は連接または連結車を示す
  2.「更新等」は旧車の台車などの機器流用による新車、または車体更新等を示す
本表は「日本の路面電車ハンドブック」および「鉄道ピクトリアル」No319,593による

資料 9

世界の路面電車・ライトレールの新規開業都市数

 年  都市数   国 名   都 市 名
1978(昭53)  1 カナダ エドモントン
1979(54)  - - -
1980(55)  2 ロシア スタイル オスコル
イギリス ニューカッスル
1981(56)  3 カナダ カルガリー
エジプト ヘルワン
アメリカ サンジェゴ
1982(57)  1 ブラジル リオデジャネイロ
1983(58)  1 オランダ ユトレヒト
1984(59)  3 フィリッピン マニラ
ルーマニア コンスタンツァ
アメリカ バッファロー
1985(60)  2 フランス ナント
チュニジア チュニス
1986(61)  1 アメリカ ポートランド
1987(62)  8 アルゼンチン  ブエノスアイレス
フランス グルノーブル
ルーマニア フラショワ
クルージュ-ネポカ
クラヨーバ
プロエシュティイ
アメリカ サクラメント
サンノゼ
1988(63)  5 ベラルーシ Mosyr
ホンコン Tuen Mun
ルーマニア レンツァ
ロシア ウスチーイルムスク
スペイン バレンシア
1989(平1)  3 メキシコ グアダラハラ
ロシア シュシュンスコェ
トルコ イスタンブール
1990(2)  3 イタリア ジェノヴァ
ウクライナ Molotznoye
アメリカ ロスアンゼルス
1991(3)  5 ブラジル カンピナス
メキシコ モンテレー
北朝鮮 ピョンヤン
ルーマニア ほとしゃにい
スイス ローザンヌ
1992(4)  4 フランス パリ
トルコ コンヤ
イギリス マンチェスター
アメリカ バルチモア
1993(5)  1 アメリカ セントルイス
1994(6)  4 フランス ルーアン
ストラスブール
イギリス シェフィールド
アメリカ デンバー

注 本表はLIGHT RAIL REVIW誌「Urban Tramway and Light Rail System 1994」 by Michael Taplin により作成した


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