例会講演録1  

  鉄道の安全とは何?サービスとは何?  
    −JR広島駅の一日から−

        JR西日本 広島駅長 加藤久明氏

98.7.10
  講演日時:98年7月8日 6:30pm〜8:30pm  
場所:広島市鷹野橋婦人教育会

館主前言
7月例会の模様を当会会員 藤井正史氏(岡山市在住)が速記されて、「NIFTY SERVE FTRAINE(7)まちづくりの交通 1☆LRT・路面電車等 01448」に掲載されましたので、これを転載いたしました。
 この記事は路面電車そのものではなくJR関連記事ですが、広島市ではJRと広電とは、広島、横川、西広島、宮島口と4カ所も結節点を持ち、市民にとり関心の強い交通機関なので、関心も広いと見て掲載しました。 m(._.)m

講演要旨|

●経歴
昭和21年 山口県生まれ、鉄道学園、小郡機関区、JR西日本本社運輸部、広島支社安全対策室等を経て、現職。

●MDに収録した静止画像を映しながら講演

 路面電車に興味がある、JRとの結節点が多く相互補完にある。保守運転に関わってきて、路面電車が多彩な形式があるので苦労を察している。JRでは同一形式にすることを進めている。国鉄時代に小郡で蒸機の保守を行ってきたので、石炭を止める網が熔けて夜中急遽萩の保存蒸機まで取りに行ったことがある。

広島駅の概況

●施設


●車両の紹介


●その他


●まとめ

 全てが人間が関わっている。それが、サービス・安全である。鉄道は装置産業で、時代に合わせていくのが難しいが、ここはがんばってやります。

                     以  上。
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 講演後の質疑応答で、エスカレーターやエレベーターが無いので、という意見がかなり多く、障害者の介護をされている方からは、車椅子の荷物用のエレベーターは汚いので嫌だと声も出てきました。
 あと多かったのは、やっぱり広島らしく新車投入の声です。JR東日本は東京から100km圏で9割を稼ぐ、JR西日本は京阪神と都市間輸送を除くと全体の十数%しか稼がないので、減価償却の面が有って京阪神並ではないが新車投入の話はあっても厳しいと答えていました。

 それにしても、JR西日本ではMDに画像を収録しているというのが凄いです。

 一番驚いたのは、6000人も新幹線通勤の方が居ることですが、岡山駅の新幹線定期の発売枚数が数百枚ということを聞いているので、どうも一般客を含んだ数字だと思えて他ならないのです。

 広島駅の案内表示に不満の声もちらほらと出ましたが、案内体系については私は岡山駅と広島駅を比べると天と地の差があり広島駅がよいと感じております。岡山駅と広島駅だけじゃなくて、岡山支社と広島支社か・・・トホホ
 各階段に全列車の発車時刻表を設置したり、跨線橋にも電光掲示板を設置して、自動放送もメロディ化されており詳しいですね。首都圏の大駅でもここまできちんとやっている例は少ないと思います。
 キハ40系の側面LED表示を付けたのは見ましたが、あれも立派です。早く使用開始して欲しいものです。

最寄り駅・山陽本線高島 98/7/8 藤井 正史(fujii.masashi@nifty.ne.jp)

館主注釈:

駅長さんに市民が直接話せる機会も珍しいことなので、1時間に渡り質問時間をとりました。出席者は、かかる機会だからこそと、回答者は駅長さんの立場だということもつい失念し、西日本旅客の責任者宛の質問になり勝ちなのはやむを得なかったと思います。 やっぱり広島は大阪本社から遠いし、採算性第一だから旧い車体が多いという共通疑念が在るように見えました。
氏もできるだけの回答をされたぶん苦しかったことは上記の速記でも推測されましょう。でも、できるだけ率直に答えられたのが市民へのサービスであり、これが結局、市民とJRとの親和性、信頼感に繋がった、お願いして良かったと評価しています